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2006年06月26日

死神の精度-伊坂幸太郎

「死神の精度」 伊坂幸太郎

死神の精度こんにちは〜。えっと突然ですが、タバコをやめることにしました。自分に甘いのでまわりの友人達にはこうやって宣言しておいたのですけど、言葉だけでずるずると禁煙をはじめなかったので、ここらで本気ではじめようと思います。昨日最後の一箱を大事に吸って、結局最後の一本を吸う踏ん切りがつかないまま、残してあるのですけど、まぁこれはどうしてもって時のための保険ってことで置いておこうかと思います。いつまで続くか楽しみですけど、まぁできるだけ努力することにします。

そんな人間の努力なんて一瞬で無力にしてしまう死神が登場する伊坂幸太郎の「死神の精度」です。いろんなところで伊坂作品が好評なので、どれちょっと手に取ってみようと買ってみました。死神の千葉さんが一週間後にそのターゲットを殺しても大丈夫かどうか調査しにくるというお話が六編入っています。

音楽好きの死神達はレコード屋さんで視聴するのを楽しみ人間界に降りてきます。そして片手間に調査の仕事を片づけます。でもほんのちょっと人のいい千葉さんはちょっとだけまじめに調査対象を調べてくれます。といっても、「死」が不可になることはほとんどないのだけれど・・・。

六編それぞれがちょっとずつ絡み合って最後の最後には「おお」と声をあげてしまったほどうまくできた作品でしたよ。千葉さんのちょっと世間知らずなところが鼻につくところはあったとしてもね。

表題作"死神の精度"にはぱっとしないと自分のことを思っている女性が出てきます。彼女はストーカーに悩まされているのですけど、それが実は・・・なんてお話なんですけど、こういう素直じゃない子はかわいくないですね。まぁ最後はちゃんと素直になってうまくいくのですけど、素直に物事を捉えていないときの彼女はまったく魅力的でなかったです。

って久しぶりの更新なのになんだかなにをいいたいのかわからない記事になっちゃいました。実はあんまりこの作品を楽しんでいなかったのかもしれませんね。むしろニコチンのせいなのかしら・・・。
posted by kbb at 17:10 | 東京 🌁 | Comment(6) | TrackBack(1) | 伊坂幸太郎

2006年06月17日

陰日向に咲く-劇団ひとり

「陰日向に咲く」 劇団ひとり

陰日向に咲くども、こんにちは。五月三十日にミニ朝顔の種を植えました。途中で腐っちゃったんじゃないかしらとちょっと心配になっていたのですけど、四、五日前にそれがやっと芽をだしました。かわいいかわいい朝顔に「あさみちゃん」と名づけて毎日毎日声をかけながら眺めているのですけど、かわいいですねぇ。なんだかとっとも愛おしくて枯らしちゃいけないなと大事に育てています。でも、朝方に朝顔の芽にむかって女の子の名前を呼んでいるのって冷静に考えると気持ちわるいかもですね・・・。




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朝顔のあさみちゃんと戯れるドコモダケ


さて、そんなことはさておき、劇団ひとりの「陰日向に咲く」です。いろんなところで話題になっていて、よく売れているようで、本を開いて最初の数ページまでは「どうせゴーストライターだろ」なんて思っていました。帯に恩田陸が

ビギナーズ・ラックにしては上手すぎる。あと二冊は書いてもらわなきゃ。

なんて書いてあって、「ほんとかしら」なんて思いながら開いてみました。

これはおもしろい!というか、うますぎる!
もうゴーストライターだかどうかなんて関係なく、おもしろいって思っちゃいました。お笑いなんてやめて作家になればいいのにとすら思ってしまうほどに。

陰に入ってしまったような人生を歩む五人のそれぞれを描いた連作短編集です。サラリーマンの生活に疲れて、ホームレスにあこがれる中年。アイドルのおっかけをする青年。勢いでカメラマンを目指すと言ってしまった普通の女の子。借金まみれの駅員。修学旅行で出会った売れないお笑い芸人に恋をしてしまった中学生。この五人が輝く瞬間をうまく切り取っています。それぞれの短編の主人公が微妙に絡み合っていて、最初のうちは絡み合わせ方が無理矢理といえなくもなく、それじゃあ世間が狭すぎるだろなんて思いながら読んでいたのですけど、最後の二編はそんなこともなく、思わず「いい」ってつぶやいちゃいました。

人っていろんな才能がある人がいるんですね。純粋にうらやましくありますね、こういう人って。この人、本書いていた方が絶対儲かりますよ。それにこんなにおもしろい本なんだから書いているときは充実感でいっぱいだろうな、なんて真剣に将来についてやっと悩みはじめたkbbさんは考えてしまいましたとさ。本と関係ないところで考え込んじゃうのはいつもの悪い癖ですね・・・。

posted by kbb at 14:06 | 東京 ☁ | Comment(3) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ カ行

2006年06月10日

イン・ザ・プール-奥田英朗

「イン・ザ・プール」 奥田英朗

インザプールどうも、こんにちは。最近ケーブルテレビが我が家にやってきました。毎朝家に帰ってきてからアニマルプラネットという番組を見ているのですけど、動物たちの動きに寝る前に癒されています。ビールを飲みながら動物たちを眺めていると小さな悩みなんて簡単に吹っ飛んじゃいますね。アリにはアリの。ハチにはハチの。象には象のそれぞれの生活があるんだなぁなんて当たり前のことを考えてしまいますね。

さて、そんな色んな人の人生がつまった「イン・ザ・プール」です。「空中ブランコ」の伊良部先生の第一弾らしいです。

今回もいろんな悩みを持つ人がでてきて、それをばからしい行動で解決しようとしてないのに、なんだか解決しているようにみせてしまう伊良部先生に今回もびっくりさせられてしまいますね。結局、伊良部先生のいいたいことはクヨクヨ悩まずにもっと簡単に考えてみようよってことなんでしょうね。だっていろんな生活があるのだから。

それにしても、"勃ちっ放し"の彼の状況は簡単に考えられるような状況じゃないですよねぇ。あんなのたまになってももてあましてしまってメンドクサイなぁなんて思うのに、四六時中だったら大変ですよ。自分だったら外にでられないな、なんておもってしまいました。若い証拠ってことにはならないんでうしょ。女性にはわからない悩みでしょうね。

"フレンズ"の携帯中毒の高校生・雄太の気持ちはなんだかわかる気がしてしまいました。自分も中学高校の時は携帯はなかったにせよ、こういう今では友達づきあいとは呼べないような関わり合いを「友達」だと勘違いしていた時期がありました。そのときの友人は一人も今はつきあいはまったくありませんからね。

先日、中学一年生のときに書いた、今年一年を振り返って、という作文を見つけました。こんなの書いたんだなぁなんて思いながら読んでいたのですけど、文章が幼稚だなぁとか字が汚いなぁなんてそんなことを思いながら読んでいたのですけど、その中にこんな文章がありました。

知り合ったばかりの人ばかりでそこまで仲良くなれるわけではないけれど、友人もいっぱいできました。


知り合って一年もたっている人のことについてこんなことを書いているなんてなんだか病んでいるなぁって読んでいて思ってしまいましたよ。神経科の医者が読んだらロールシャッハテストのようになんか診断されそうでしたね。友人がいっぱいできたことを強調していたりしていましたからね。さみしい子だったんでしょうね。

今作では伊良部先生が空中ブランコのときよりももっとだらしのない最低の男のように描かれています。デブでマザコンでロリコン。空中ブランコのときに思い描いたイメージよりももっとおとしめられていて幻滅してしまいました。そこまで言わなくても・・・、って思っちゃいましたよ。そこまで、ヒドイキャラクターだからこそ、患者たちも彼の言葉に耳をかたむけるんでしょうね。
posted by kbb at 14:03 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(3) | 奥田英朗

2006年06月07日

あなたと、どこかへ。-アンソロジー

「あなたと、どこかへ。」 吉田修一 角田光代 石田衣良 甘糟りり子 林望 谷村志穂 片岡義男 川上弘美

あなたと、どこかへ今日やっと車の免許をとった。あの子には教習所に通っていたのは内緒だった。昨日の電話で僕は首尾よく彼女を誘い出すことに成功した。彼女とは出会ってまだ一ヶ月。まだそこまでの関係にはなっていないけれど、彼女も僕のことを悪くは思っていないはず。彼女の笑顔がまぶしくて、彼女の顔をじっくりと見ることがなかなかできないけれど、彼女の笑顔を見るためならなんでもしてあげたいなんて思っちゃうんだなぁ。

親父の車を借りだして彼女との待ち合わせの場所にむかう。彼女をびっくりさせたくて車でくるのを内緒にするためにわざわざ車を止めにくい駅で待ち合わせする。小走りでやってくる彼女に軽く手を振る。車の鍵はまだポケットの中だ。相変わらずのまぶしい笑顔で「どこに行くの?」という彼女を無視して、駅とは反対の方に歩き出す。ちょっとためらった末に何も言わない僕に早足でついてくる彼女。

「ん?いつ免許とったの?」という彼女の質問に、短く
「今日」と答える。

ちょっとびっくりした彼女に
「ドライブしようよ」という僕。

彼女はいつものように困った笑顔を浮かべながらこわごわとうなずく。「大丈夫」と自分と彼女に言い聞かせながらエンジンをかける。アクセルを軽くふかすとなかなかいい音がする。今日のデートはおれにまかせとけというかのように。

この日のために彼女が好きそうな音楽を編集したテープをかける。興味深そうにいろんなボタンを押していた彼女だったけど、車が走り出すとやっぱり緊張して助手席のシートに背筋を伸ばして深く座り直す。

急カーブで隣の車線に大型トレーラーがいて、ちょっと彼女を怖がらせてしまった。「キャーッ」なんて大きな声をだしている。ジェットコースターにでも乗っているかのように彼女は少しだけ顔を火照らせている。まずいなぁなんて思いつつも晴海埠頭にむかう。

免許をとったら最初に来ようと決めていた場所。海と船とレインボーブリッジと東京タワーが一つの画面の中に収まるこの素敵な場所。

なんて、初めてのドライブの時のことを思い出してしまいました。というのも、素敵な本を読んだせいですね。それにしても、今思えばこんなデートいやですねぇ。こわかっただろうな・・・。

日産のティアナという車のスペシャルサイトで連載?されていた短編小説を集めたアンソロジーです。いやぁ、執筆陣が豪華ですねぇ。さすがお金のあるところは違うなぁなんてうがった見方をしてしまいましたけど、さすがこれだけの作家をあつめるといいものができるなぁなんて感じです。

この作品集のテーマはドライブです。8人の作家がドライブをテーマにそれぞれの個性的な文章を描いています。一人のドライブや、恋人とのデート、若い夫婦や何年も連れ添った夫婦などなど、様々な人間関係を運ぶ車内をうまく描いています。ほろっとさせられたり、わくわくさせられたり、ハッとさせられたり、なかなか感情の動きが激しくなってしまいました。角田光代も石田衣良も甘糟りり子も谷村志穂も林望も片岡義男も川上弘美もどれもよかった。でも、なんといってもこの作品集の中では吉田修一がダントツによかったです。

吉田修一の作品で初めて手に取ったのは「パークライフ」。そのときは、こんなもんかぁなんて思ってしまいましたけど、一気に評価を変えてしまいました。すぐにでも彼の別の作品を読んでみなくっちゃって思っちゃいましたよ。

時間の捉え方がなんだか違う夫婦。「焦っても一分。のんびりしてても一分は一分なのよ。」という妻ののんびりとしたところにいらいらしたり、ついていけないなと思ってしまう。そして、妻のペースに合わせていると身が持たないと思い、自分のペースで休日を過ごすことを決める。かといって、二人の仲が悪いわけでもなく、なんとなくうまくいく。そしてある休日。毎週の恒例となっているドライブに彼女がついてくるという。その車内で彼女の口から出た言葉は・・・。

なんてお話なんですけどね。誰かとつきあうってこういうことだったなぁなんて思わせてくれるお話でした。自分とペースの違う人間と一緒にいて、それにいらいらしたり、でもそのペースがある瞬間にぴったりと重なったときに一人のときよりも喜びや悲しみが倍増する。そんなこと忘れていましたよ。

この作品、最後は「ふふふ」なんて思わず笑みがこぼれちゃうようなお話でしたよ。彼女の口からでる言葉はなんなんでしょうね。ヒントは「天秤座」らしいですよ。

なんだかドライブに行きたくなってきました。次のお休みはあの子を誘って海でも見に行ってこようかしらなんて思っているのですけど、車も行き先もあるのに、あの子がいない僕はどうすればいいんでしょうかね。

posted by kbb at 14:53 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(0) | アンソロジー

2006年06月05日

あめ・もれ 動詞事典-青木雨彦 フランソワーズ・モレシャン

「あめ・もれ 動詞事典」 青木雨彦 フランソワーズ・モレシャン

画像はないけどアマゾンに飛ぶよどうも。ご無沙汰です。最近は週に一回の更新になってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。最近のkbbさんは風邪をひいたり、毎晩毎晩誰かの噂のおかげでくしゃみがとまらなかったりと辛いこともあるけれど、休みの日にはちゃんと発展性のないデートをしてくれる相手もいるので、楽しいこともあったりとそんな風に過ごしています。休みの日の方が睡眠時間が短かったりするんですけどね(笑)

さんざん暇だったときは誰もさそってくれなかったり、誘っても忙しいと断られたりしていましたが、どうして忙しくしているとその合間を縫ってみんなで誘ってくれるのでしょうかね。スケジュール帳が表紙だけでなく真っ黒なことは果たしていいことなのかどうかわからなくなっちゃいますね。昔働いていたところの社長が言っていました。

若いのだから休みの日は休むのではなくて遊びに行きなさい。そうしないと仕事ができなくなるぞ。


と。他の社員が休み無しで働いているところで、僕だけに週に一回のお休みをちゃんとくれていたのはきっと彼のそういう考えからなんでしょうね。そのせいもあって、休みになるとどっか遊び回っちゃう癖がつきましたけどね。

まぁ、忙しくても忙しくなくても、本を読むのには変わりないんですけどね。

最近本を読む理由をいろいろ考える機会があって、なんだか考え込んじゃった時がありました。結論はまだ出ていないのですけど、きっといろんな状況、感情、感覚を表す言葉を知る行為なんじゃないかしらと思っています。様々な状況や感覚、感情が存在するけど、それらすべてに名前が付いているような気がするんです。例えば、うれしいような泣きたいようなそんな感情なんて名前を知らないですものね。名前のないものでも、形容表現をつけて表せばそれを示すことがきっとできる。そういった言葉を読書を通して知ることができるのではないか。そういう今まで名前をしらなかった「何か」にうまい言葉をつけられる、それがうまい作家なのではないかしら、なんて思っています。川上弘美にしろ、村上春樹にしろそういった表現がうまいですものねぇ。

そんなことを考えているときに見つけたのが今日のの作品、「あめ・もれ 動詞事典」です。事典なんて書いてあると分厚いのを思い浮かべちゃいますけど、これは日本語の動詞について日本人の青木雨彦とフランス人のフランソワーズ・モレシャンがエッセイを書いている形式のものです。ちょっと古い本なんですけど、古本屋でみつけて買っちゃいました。

事典と銘打ってるだけあって、五十音順に並んでいるのですけど最初が「愛する」なんです。最後はなんだろうと予想しながら読んでいたのですけど、「わ」だから「別れる」かしら。なんだか日本語ってうまくできているなぁなんて思いながら読み進めていきました。「愛する」結果はいつも「別れる」なんて、どうしてこううまいことできているのかしら、なんて思いながらね。

ところがどっこいもう一つあったんですよ。項目が。それを見つけたときは本当にはっとしちゃって、思わず笑いがこみあげてきました。そう「笑う」ってのは最後なんですね。これもなんだかうまいですねぇ。「愛する」二人はいつも「笑って」いる。そういう関係を築ける人と早く出会いたいですね。
posted by kbb at 17:15 | 東京 ☁ | Comment(4) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

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