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2007年12月31日

孤独か、それに等しいもの-大崎善生

「孤独か、それに等しいもの」 大崎善生 

孤独か、それに等しいもの こんにちは。今年もあと8時間足らずで終わりですね。どんな一年でしたか?僕にとってはぽっかりと穴があいていた一年って感じでしたね。やるべきこともやらず、やってはいけないことばっかりやっていて、反省し通しでした。反省だけなら猿でも出来るって言葉を痛感しますね。本だけはあいかわらずたくさん読んだんですけどね。

というわけで、今年最後の更新です。大好きな作家、大崎善生の作品です。大好きといっても、大崎善生の作品はこちらの精神状態によって開くかどうか悩まされるので好きと言えるかどうかって感じではあるんですけどね。

5編の短篇が収録されている短篇集です。今回は元編集者のちょっとかっこいい中年にさしかかった男性だけが主人公でないのが珍しいなって思っちゃいました。いっつもそんな男ばっかりでてくるので、最初の短篇を開いたときに主人公が若い女性だってわかって違和感を感じてしまったんですけどね。

"シンパシー"という短篇に弾をこめていない銃をつかってロシアンゲームをするシーンがでてくるんですけど、弾がはいっていないってわかっているのに、読んでいるだけで(*・o・*)ドキドキ(*・。・*)バクバクしちゃいました。こういうシーンを考えられるってすごいなぁって感心です。なかなか思い付かないですよね。

表題の"孤独か、それに等しいもの"もそうですし、「パイロットフィッシュ」の

     一度出会った人間と、一度発した言葉と、人は二度と別れることはできない。

という言葉でもそうでしたが、大崎善生はこういう、短い言葉にすべてをこめるのがうまいですね。彼の作品は弾が全部つまっているような銃のなかから一つずつ弾をとりだしていく作業のような気がします。そうやって一つずつの弾を物語の中からとりだしていきながら、最後に銃を取り出して磨き上げながら眺めて、その銃が心の奥深くにいつまでも残っていく、そんな読後感が彼の作品にはあるような気がします。

今回の作品は短篇集なので、弾を抜いていく作業が少し短かったので物足りなく感じてしまう部分もあるのですけどね。彼の作品は長編の方が満たしてくれますね。

というわけで、今年のエントリーはこれでおしまいです。一年といっても、途中穴があいていましたが、今年も一年ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします!

最後に今年の自分的ベスト3でしめようかと思いまする。

No.3 トールキン 「指輪物語 全10作」
長くて、途中であきらめそうになったけど、読んでいけばいくほど物語から離れられなくなりました。

No.2 瀬尾まいこ 「天国はまだ遠く」
がんばろうって思わせてくれる、素敵な物語でした。

No.1 枡野浩一 「ショートソング」
和歌と物語がうまく合わさっていて、さらに自分のよく行くところをなぞるようなストーリーが気に入りました。

では、来年もよい読書を〜。



posted by kbb at 16:05 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 大崎善生

2007年12月30日

MISSING-本多孝好

「MISSING」 本多孝好 

MISSING こんにちは。本日二度目の更新です。年末なのに暇だなぁなんてつっこまないであげてください。といっても、昨日の忘年会の日本酒が抜けきって無くて頭が痛くてしょうがないので、いつもよりさらにひどい文章になることはわかっているんですけどね。

さてさて、以前アンソロジー「I LOVE YOU」を読んで気に入った本多孝好の短篇集です。ブックオフで目について、そういえばと思い買っちゃいました。読んでいない本がいっぱいあるのに、また買っちゃうのは悪い癖ですね。というよりもブックオフにいかなければいいのではないかしらってこれを書きながら気付きました。って気付くのおそいですね(*^.^*)えへっ

この短篇集は2000年の「このミステリーがすごい!」第10位らしいのですけど、全然ミステリーっぽくなくて、拍子抜けしてしまいました。トリックがちゃんと明かされるわけでもなく、そのトリックもそんなのありかっていうのが多かったりしますしね。まぁミステリーと呼べなくもないかなって感じですね。

全部で5編の短篇が収められていますけど、個人的に好きだったのは"蝉の証"と"瑠璃"でしたね。

"蝉の証"は老人ホームにいるおばあちゃんに依頼されて、同じホームにいるおじいちゃんの様子がおかしいから探ってくれってストーリーです。求職中の主人公の彼がなんだか力が抜けている感じで好感が持てました。

"完全週休二日制で可愛い事務職の女の子がいて、さして忙しくも暇でもなく、有給をフルに使っても後ろ指をさされない会社というのは、これが結構見つからない。"

って言ってるんですけど、そんな会社あったらこっちが紹介してほしいぐらいですよ。ご存じの方いらっしゃいましたらご連絡おまちしております。

"瑠璃"にでてくるルコちゃんがまた僕好みの女の子で、とっても素晴らしかったですね。ただ、ルコちゃんが突然今までの自分でいられなくなってしまうのだけれど(常識的な言葉で言えば「成長」だけれどそれでけでは説明できない変化)、どうしてそうなってしまったのかをもう少し説明してくれればよかったなぁって思いましたね。

とまぁ、本多孝好の作品集を読んでみましたけど、表現が丁寧できれいなのはわかるんですけど、たまにくどいなぁって感じてしまうんですよね。それと、大崎善生を直後に読んでいて、なんだかストーリーがごちゃごちゃになってしまったのは、僕の頭がお酒で弱っているのだけが原因ではなくて、二人の文章に似ているところがあるからなんでしょうね。次はもう少し明るくてスピード感のある作品を読みたいです。
posted by kbb at 13:22 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ ハ行

ギャンブル人生論-阿佐田哲也

「ギャンブル人生論」 阿佐田哲也 

ギャンブル人生論こんにちは。先日のテレビチャンピオンで手先が器用な人が集まっていろんなものを積むということを競っていました。天才的に不器用な自分としては、生まれつきこんなだったらいいなぁと思って観ていたのですけど、観ているこっちも手に汗握ってしまいますね。それにしても同じ時間にやっていた、巨大カジキマグロを釣って四億円っていう番組とのスケールの違いはなんなんでしょうかね。でもテレビチャンピオンの方に共感できるのは自分のスケールが小さいからなんでしょうかね。

さて、阿佐田哲也の作品です。彼のギャンブルについての考え方や様々な人の麻雀の打ち筋なんかが紹介されています。

「この世に天才なんか居やしない」

っと彼は言っていますが、テレビチャンピオン出演の手先が器用な人たちについて彼はどんなコメントをしてくれるんでしょうかね。

最近麻雀にはまってる私としては色んな人の打ち筋が知れてよかったんですけど、ギャンブルに興味のないひとは楽しめるのかどうかわからないですね。阿佐田哲也の若かりし頃の生活から学ぶべきことはたくさんあるのかもしれないけど、そんな生活してきたやつは今時いないやい、なんてつっこみながら読んでいましたが、まぁ学ぶべきことはどんなところにでもあるってことなんでしょうね。

ギャンブルはしないやつが一番勝つというのが、一番痛い言葉ですね。意志が弱いからギャンブルに手を出してしまうのに、意志が一番強い奴がギャンブルで一番強いやつなんていわれても、どうしようもないですよね。私はずーっと負け続けていってしまうのであろうか。(反語)


posted by kbb at 08:51 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

2007年12月27日

天国はまだ遠く-瀬尾まいこ

「天国はまだ遠く」 瀬尾まいこ 

天国はまだ遠くこんにちは。最近安ワインにはまっていて、ひとりでチーズを食べながらグラスを傾けています。といっても、キッチンドランカーのようになっているだけですけどね。と、今回の作品は瀬尾まいこです。最近好きになった作家さんですね。

瀬尾まいこの作品は「幸福の食卓」しか読んだこと無かったんですけど、変な風景をうまく描くなぁって思っていたんですけど、今回のもちょっと変わった女の子とちょっと変わった男性のとっても変わった関係をうまく描いていますね。

仕事がいやになっちゃった千鶴ちゃん(いい名前だなぁ・・・。)が自分を取り戻す、というか、自分を見つめ直すストーリーなのですが、それがうまく描かれていていい物語になっていますね。読んだ後に自分もがんばらなくちゃなぁって思わせてくれるありそうでなかなかみつけられないいい作品に仕上がっていますね。千鶴ちゃんはお酒に逃げないところがかわいいですねぇ。お酒にも逃げられないというのが本当のところでしょうか。

この千鶴ちゃん、可愛くて、お酒に弱かったり、自殺するなら寂しいところ、寂しいところなら北だ!なんて既成概念にとらわれちゃうような、それでいて弱い自分をなかなか出せなかったりで、目の前にいたら思わず抱きしてあげたくなっちゃうような子です。でもなかなか抱きしめさせてくれないだろうなっていう子ですね。瀬尾まいこはこんな感じの女性なんでしょうかね。これから彼女の作品を気にしてみたいとおもいます。

彼女の文章はとってもうまくてスラスラとよめるし、風景、情景の描き方もうまくて、国語の先生をされているみたいですけど、生徒さんたちはいい環境だろうなぁって思いました。こんな先生に教わっていれば自分は今頃、なんて思わず責任転嫁してしまいましたね。さて、がんばろうと。


posted by kbb at 19:13 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(2) | 瀬尾まいこ

2007年12月25日

四人の食卓−赤瀬川隼

「四人の食卓」 赤瀬川隼 

四人の食卓おはようございます。祝日のクリスマスイブでしたがいかがお過ごしでしたでしょうか?ワインでも買って楽しく乾杯を、と思って久しぶりにスーパーに食材を買いにいって食事をつくりました。できた、と思って机に並べてワインを開けようとしたときに気付いてしまいました。簡単なので炒め物ばっかりつくったのですけど、どれもワインに合わない・・・。まぁ出来合いのものでなく、久しぶりにおいしいものが食べられたからよかったんですけどね。焼きそばをつくろうと思ったのに、キャベツを買い忘れたのは内緒の方向でお願いいたします。と、こんな感じで一人で過ごした祝日でした(/。-)シクシク

さて、そんな間の抜けた食卓はさておいて、幸福な食卓が描かれた「四人の食卓」です。といっても、食事のシーンは全然でてこないんですけどね。

11の短篇が収められていますけど、どれもちょっと物足りない長さでしたねぇ。題材や流れはおもしろかっただけに残念でした。

どれも男と女の恋模様が描かれているのですけど、著者の年齢もあってか、中年の歳にさしかかったおじさんと若いけれど色気のある女性との恋が多かった気がします。そんな素敵な女性がそこら中にいるわけがないじゃないかと思いつつ、うらやましいなぁと本音がでてしまいましたけどね。

自分も十年後、二十年後にはこういった恋がしたくなるんだろうなぁっておもいますけどね。
では、まだまだ若い皆さんも、もうお年を召された方々も楽しいクリスマスをお過ごし下さい。みなさん言っておきますけどクリスマスイブは前夜祭で本番は今日ですからね!日本においては、自由恋愛の日のようになってしまっていますけれども、まぁそれもありってことで、楽しいデートを!

posted by kbb at 04:53 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

2007年12月22日

天使のみつけかた-おーなり由子

「天使のみつけかた」 おーなり由子 

天使のみつけかたおでんの天使。

秋口から春のはじまるころぐらいまで現れる。一番の好物ははんぺんであの白さが好きらしい。他には大根とじゃがいもが大好きとのこと。玉子は苦手らしい。トマトのおでんなんて邪道だと言い張っていたのに、最近一度口にしてああいうのもいいかなぁなんて酔っぱらいのように簡単に自分の主張を曲げてしまった。食わず嫌いだったらしい。おでんを囲むみんなの笑顔をみながら熱燗を飲むのがなによりの楽しみだと、似たような顔をしているおなべの天使に語っていたという。おなべの天使も言っていたが、鍋をつつく人にあれやこれやと指示をだす鍋奉行は嫌いとのこと。そんな人がでてくると天使たちはあっというまにいなくなってしまい、しらけきって鍋やおでんを囲むことになる。

なんて感じでいろんな天使がかわいらしい挿し絵とともに紹介されているのが、「天使のみつけかた」です。(上のは創作です。こんなできのわるい天使は載っていないので安心してくださいね。)身の回りにいつもいて、ふとしたことでみんなの周りに姿をみせる、台所天使やトイレ天使、アイデア天使、ひとめぼれ天使なんてのが紹介されています。天使図鑑として読んで天使を探すのに役立てるのも手かもしれないですね。

そんな著者から天使の見つけ方が紹介されています。

1. "会いたい"と思うキモチ。
2. 目で見ようとしない。
3. 天使のことをうわさする。
4. 心のまわりに"見えないカベ"をつくらない。

だそうです。なんだか人見知りの人に友達をつくる方法を教えているようですね。

みなさんも上を参考に、かわいらしくてどこにでもいる、そしてちょっとしたいたずらをする、時にはほんのちょびっとだけみんなを幸せにする不思議なことを起こす自分だけの天使をクリスマスに探してみてくださいね。そうそう、著者によるとクリスマスの日には(キリスト教のお祭りだからではなく、みんなが幸せを感じる日だからこそ)天使が地球のまわりに集まってくるそうです。

(ちょっとはやいけど。)天使とともにメリークリスマス!!みなさんに幸せが訪れますように。
posted by kbb at 17:59 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | おーなり由子

2007年12月20日

いとしのヒナゴン-重松清

「いとしのヒナゴン」 重松清 

いとしのヒナゴン こんばんは。今日は古本屋さんに行っておもしろそうな本をいくつか買ってから、ゆっくりとコーヒーでも飲みながら堪能しようと思ってファミレスへといきました。テーブルについて、本をひらいて何ページか読んでいたところへ、まだ高校を卒業したばかりぐらいの華やかな女の子三人組がやってきて、後ろのテーブルへとつきました。最初は気にもしていなかったんですが、だんだんと三人組の会話がきこえてきて本に集中できなくなってしまいました。その内容とは、アルバイト先でのその三人を含む複雑な恋愛関係のお話しでした。途中から恋人からふるわれる暴力についての話しになったりして、なんだかお昼のワイドショーを観ているような感じになってしまって、「そりゃ大変だなぁ」なんて途中で相づちをうったり、はたからみたらおかしな人ですよね。で、一人の子があとの二人に相談しているような感じだったのですけど、こうしたほうがいいと思う、だよね?なんていうふうにもう一人の子に話しかけ、もう一人の子もそんなふうに言われたらうなづくしかないじゃんって具合に、「だよねぇ」、なんて言って、なんだか複雑な力関係がここにもあるのかしら、なんて思いながら聞いてしまいました。ってただののぞき見趣味の親父みたいだなぁ・・・。

ってことで、そんな複雑な人間関係や(ちょこっとなりそうな気配はあるけれど)恋愛とは無縁の世界が描かれているのが「いとしのヒナゴン」でした。

コピーライター目指して東京で一人暮らしをしているのぶちゃん。両親から地元の役所に勤めるように言われ臨時職員として採用されます。その採用された先が類人猿課。何十年も昔に一時期発見されたヒナゴンがまたもや目撃されたということで、前回と同じように町おこしと夢とを背負わされて発足した課です。そのヒナゴンが中心となって、はちゃめちゃだけど憎めない、はたから見ているぶんにはいいけど近くには欲しくない町長のいっちゃんやらその幼なじみのドベさんやら、のぶちゃんの小学校時代の同級生やらで話しがすすんでいきます。

いろんなタイプの人間がでてきて、自分はどの役回りだろう、なんて思いながら読んでいました。ジュンペみたいにまっすぐにすすめる人間じゃないし、のぶちゃんみたいにお酒に弱いところはあるけれど、いっちゃんのようには振る舞えないし、ヒナゴンのように幻でいるのもいいなぁと思いつつ、自分は西野君なんじゃないかしらと思っていやになっちゃいました。まぁ西野君も最後は格好いいところをみせてくれるんだけどね。

ジュンペは小学校五年生の担任なのですが、生徒にまだ見たこともないヒナゴンの絵を描かせようとします。子どもの想像力は無限大なのだから枠にはめず、まだみたこともないヒナゴンだからこそ、素晴らしい絵が描けるはずだ、って信じて疑わないのです。しかし、提出された絵を見てジュンペは自分が子どもの頃にもっていたような想像力を今の子達が持っていないことを知って哀しくなります。

自分だったらこの宿題どうだったんだろうって考えちゃいました。昔から絵が下手でお父さんを描いているのにお母さん?って言われたり、クスリのカプセルの絵を描いていたらどこぞの無人島か?なんていわれたりしていい思い出がないんですよね。これは想像力の問題なのかしらね。そうえいば絵に関しては想像を働かして描くよりかは、何かを見ながら描いていたことのほうが多かった気がしますね。どうしてだったんでしょうかねぇ。

まぁ絵なんて描けなくたって大きくなれますし(身体だけ)、こうやって文章やダンス、歌なんていう表現方法もありますからねぇ(どれも下手)。キニシナイ、キニシナイ。
posted by kbb at 01:48 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ サ行

2007年12月17日

ナラタージュ-島本理生

「ナラタージュ」 島本理生 

ナラタージュこんばんは。昨日の夜七時頃、渋谷の街を歩いていました。この寒い中、彼氏を喜ばせようとしているのか、短いスカートなど寒そうな格好している人が多くいました。私的にはうれしかったんですけど、kbbさんを喜ばせるなんて世の中女神様が多いんでしょうね、きっと。

さて、最近恋愛小説づいていますけど、淋しくなんかないんだからっ!
どっかで何年か前の「この恋愛小説がすごい」大賞になったなんて聞いてそういえば、持っていたけど読んでいないぞなんて思いながら読み始めました。

結論から先に言うと、うまくはいりこめなかった。大賞になるような作品ではないと個人的には思っちゃいました。淡々と物語は進んでいくのだけれど、出てくる男どもにリアリティを感じられなかったのが原因かしら。小野君は最初に描かれているのとは裏腹にすっごく子どもだし、葉山先生も大人のように描かれているけどやっぱり子どもだし。自分の幼かったころを思い出させられながら読み進めていくしかなかったような気がします。

あの頃は若かったなんてね。相手の言葉でしか恋愛関係を確認できなかったりしてね。まぁそれも楽しい思い出なんですけどね。

女友達に年上の人と付き合っている人がいるのだけれど、つきあって約半年になるのに、彼のことを苗字にさん付けでしか呼べない子がいて、この間電話で話したときに、そんなんじゃ泉ちゃんみたいにいやがられちゃうよ、なんていう風にこの本を引き合いにだしてみたけれど、自分でもそんなことを気にするかなぁ、なんて思いながら話していたんですけどね。でも、やっぱり、なんだかんだいっても彼女や彼氏のことを苗字にさん付けで呼ぶのはおかしいのかしらね。そこには照れや、なにか他の感情もあるとは思うけれど、やっぱり距離を感じてしまうのかしらね。個人的には下の名前に君付けでよばれるのが好きなのだけれど、なんだかイメクラっぽい趣味なのかしらね。

なんだか話しが堂々めぐりな気がするのはビールを飲みながらこれを書いているからかしらね。

島本理生は文章は読みやすいし、言葉もいっぱい知っていると思うけど、その言葉で表現するものがもう少しっていつも感じちゃうんです。もう少し、もう少しだけ歳をとればそれはそれは素敵な作家さんになるんじゃないかしらと期待しています。女の一番いいときは28からだって、私が信じているのもそういう経験の積み重ねを大切にしたいってことが原因なのかしらね。

では、おやすみなさーい。
posted by kbb at 23:36 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ サ行

2007年12月15日

恋愛寫眞-市川拓司

恋愛寫眞 市川拓司 

恋愛寫眞水中の生活に飽き飽きしたコイとフナとドジョウが陸に遊びにいきました。ところが陸に上がった三匹の中で一匹だけ靴をはきませんでした。さてその魚は?

答えはコイです。恋ははかないから。

なんて、くだらないところからはじめてしまいました、ごめんなさい。こんにちは。

映画を市川拓司がノベライゼージョンしたのがこの小説です。"もう一つの物語"なんて副題がついているので、原作が別にあって、それを映画化して、さらに小説化したものかなぁなんて思って原作を探してみたのですけど、そんなものなかったですね。小説家が映画を小説化するってのもめずらしいんじゃないかしらね。

さて、ストーリーといえば、冒頭のクイズというかなぞなぞの答えのようなはかない恋を演じる二人が主役です。よくある三角関係がお話しの中心になるのですが、ヒロインの静流の体というか健康が良くある話しではなかったってのがミソですね。彼女の場合恋がはかない以上に命がはかなかったのです。

恋愛をしたとたんに相手の色にそまるっていう意味で、恋をすると(今までの)自分の命はおわる、っていう風にかんがえられるかもしれないけれど、その場合は幸せな自分となって生まれ変わるはずなんだけど、静流の場合はそうはいかなかったようですね。ウスバカエゲロウやせみのようにこの世に生をうけて、恋をして、そのまま通り過ぎていってしまう。むしろ、恋をするためにそれはもうこの上なく美しく成長して、(本当なら)相手との間にできた種を残して死んでいくのがウスバカゲロウやせみや彼女のような体をもつ人にできる最善のことなんでしょうけど、彼女はそんなことも放棄して、好きになった男のために身をひいてしまう。

なんだかとっても哀しくなってしまうお話しなのですが、彼女のそういった生き方、とくに命すべてをささげることのできる相手に一瞬でも会えたことが彼女を死ぬまで幸せにしたんだろうなって感じさせてくれました。

こういうファンタジーというか現実にありえないようなお話しをリアリティをもってつくらせたら市川拓司はうまいですねぇ。最初の方の会話文や文体が村上春樹的だなぁなんて思って読み進めていったのですけど、途中からそんなの気にならないぐらいにめり込んでしまいました。映画も結構楽しめましたけど、小説もなかなかのデキでしたね。もう一度映画をみたくなるような素敵な小説に仕上がっています。

posted by kbb at 11:05 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ ア行

2007年12月08日

私は好奇心の強いゴッドファーザー-原田宗典

「私は好奇心の強いゴッドファーザー」 原田宗典 

私は好奇心の強いゴッドファーザーおはようございます。ちょっと前の話しになりますが、映画「レミーのおいしいレストラン」を観てきました。観ている最中にあの映画ではラタトゥーユが重要な役割を演じていることをしり、そんなフランスの田舎料理なんて食べたこともなければ、見たこともない私は映画にうまく入り込めずに困ってしまいました。原題は「ラタトゥーユ」なので、ラタトゥーユという言葉が少しでもタイトルに入っていれば少しは事前に勉強していったのになぁって思ってしまいました。そういえば、あの映画の原題「Ratatouille」ですが、最初の三文字を見るとネズミが主役ってことがわかるようになっているらしいですよ。

というわけで、映画館に一人でいかないとか、異性としか観ない、とかっていったルールを自分に課しているkbbさんとは違って一人で観に行くことが多い原田宗典の映画評やそれにまつわるお話しなどが満載の作品を読みました。

16の作品について書いてあるのですが、あらためて昔の映画の邦題のつけかたは素敵だなぁって思いますね。余談ですが、以前「トゥルーライズ」という映画がありましたが、あれのライズの意味がわからず、昇る(rise)って思っていたのですが、嘘の方のliseだって知って騙された!って気持ちになったことがありました。

いろんな映画について紹介されていますが、原田宗典が息子と娘をつれて映画館に行ったときのエピソードが紹介されています。上映時間の合間に着いてしまい時間が余り、子どもたちと久しぶりに会話をしたときの話しなのですが、中三の娘の描き方がなんだかかわいらしくて、それでいて、父親の気持ちがしっかりと出ていて、なんだかほほえましくなっちゃいました。

原田宗典の描く人物は魅力的で好きな小説が多いのですが、それまでの作品の人物たちとは明らかに一線を画しているように感じました。家族、特に子どもを描くのがうまくなったなぁって思っちゃいましたね。確かに以前の「しょうがない人」などで家族を描いている作品が多いのですが、息子の目から通した父親の姿や母親の姿であり、この作品では父親の目を通した息子や娘の姿が描かれていて新鮮でしたね。

いくつになっても人は経験によって成長していくってことなんでしょうね。

この作品を読んでいたらなんだか映画を無性に観たくなっちゃいました。ケーブルテレビやビデオで観るのとは違うあの映画館でのわくわくを感じたくなっちゃいました。最近おもしろい映画ってありましたかねぇ。週末にでも行ってこようかしら。
posted by kbb at 10:29 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 原田宗典

2007年12月07日

7月24日通り-吉田修一

「7月24日通り」 吉田修一 

7月24日通りこんにちは。最近毎日寒いですね。風邪などひいていませんか?そんな季節にぴったりの作品、「7月24日通り」です。タイトルからは予想できませんが、メインの舞台は冬なんですね。ケーブルテレビの映画チャンネルで「7月24日通りのクリスマス」という映画をやるらしく、先日CMをみながらタイトルが似ているなぁって思っていたのですがこれが原作でした。というわけで、買ってから約半年積んで置いたこの作品を手に取りました。といってもまだこの映画はみていないんですけどね。

なんだか久しぶりの長編恋愛小説だったので、わくわくどきどきしてしました。吉田修一の作品ってスラスラと読めるのにあとから気になる言葉や情景がたくさんあってお得感満載ですね。

小さな街のだれもが知るかっこいい男を弟にもつ本田さんは、自分の街を行ったこともないリスボンに重ね合わせ通りや建物の名前を密かにリスボンのそれの名前で呼んでいる、そんな女の子。タイトルの7月24日通りもリスボンにある場所であり、岸壁沿いの県道でもある。弟の恋愛に首をつっこみ、あげくの果てに彼女にむかってあんたは弟とは釣り合わない、なんてことを言ってしまったりするようなちょっとイヤなところもあるけれど、父親の世話や離婚寸前の先輩の世話をなにげなくやいてしまったり「同窓会に行くようになったら女も終わりだ」って言ってみたりするどこにでもいる女の子だ。高校時代のあこがれの先輩に久しぶりに会ってどきっとしてみたり、嫉妬してみたり、なんてかわいらしいところもたくさんある。

そんなふうに自分の住む、飛び出したいけれど飛び出せない街をリスボンに重ね合わせて一生懸命ごまかしている彼女だけれど、「本田ってさ、この街に似てるよな」という先輩をやっぱり忘れられない。同窓会で再会した二人は!

なんて、予告編のような紹介をしてしまいましたが、吉田修一はこの作品のラストを最初から想定していたんでしょうかね。(内容は読んでない人のためにふせますが)なんだか作者自身も最後まで迷っていたんではないかしら、なんておもわせる終わりかただなって感じてしまいました。それとも僕自身が間違ってると思ってる方向に進めないからなんでしょうかね。

そうそう、作品中にこんな言葉がでてきます。

わたしたちはどんなことでも想像できる、
なにも知らないことについては。

これはフェルナンド・ペアソの「ポルトガルの海」に出てくる言葉らしいのです。的を射た言葉ですよねぇ。ほんのちょびっとでも知ってしまったらそれについてはもうそれ以上の想像はできないですものね。未来の車の想像図が今の車と外見が対して違わないのはそういうことなんでしょうね。ということは、本をたくさん読むってことは何にも想像できなくなるってことなんでしょうかね。なんだか考えちゃいますね。

posted by kbb at 14:59 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 吉田修一

2007年12月05日

見知らぬ私-綾辻行人 鎌田敏夫 鷺沢萌 篠田節子 清水義範 高橋克彦 松本侑子 森真沙子

「見知らぬ私」 綾辻行人 鎌田敏夫 鷺沢萌 篠田節子 清水義範 高橋克彦 松本侑子 森真沙子

見知らぬ私こんばんは。先日の記事にアンソロジーばっかり読んでいて迷ってばかりの大人になっていると書いたばっかりですが、またまたアンソロジーです。短篇好きで飽きっぽい私にはちょうどいいんでしょうね。アンソロジーの棚をよく見ている自分がいますもの。

今回のはホラーのアンソロジーということで、「私」がテーマとなっています。
鎌田敏夫の"会いたい"にこんなセリフがありました。

「人は、つらいことを忘れないと、生きていけないもの。」

そうだと思うのですけど、つらいことばっかり、頭に残っていて嬉しかったこと、楽しかったこと、幸せだったことの記憶の方がどんどん忘れられていくんですよねぇ。どうやったら幸せになれるのか、わすれちゃいました(笑)

鷺沢萌の作品はだんだんと真相が分かって来るという点では面白いのですけど、描き方が独特な点で怖さがあまりでてこなかったですね。

綾辻行人の作品は直接的に怖さを生む文章になっていて、一人で夜中に読んでいてしばらくトイレに行けなくなっちゃいましたよ。何を言っているんだおじさんが!という発言は禁止ですからそのつもりでおねがいしまーす。

人の前で自分のことをひた隠しにひた隠し、猫はおろか犬までもかぶっている私ですが、怖がりでお化け屋敷にも入れないのに本棚を見渡してみると鈴木光司のリング、らせんシリーズは全部読んでいるし、小林泰三も結構好きですし、角川ホラー文庫がちらほらあったりと隠された私は本棚にいるのかもしれませんね。その人の本棚って結構真実をついてたりしてますものねぇ。私の場合はジャンルがとりとめもなく、いつまでも迷いが消えないってコトでしょうね。
posted by kbb at 01:10 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2007年12月03日

Teen Age-角田光代 瀬尾まいこ 藤野千夜 椰月美智子 野中ともそ 島本理生 川上弘美

「Teen Age」 角田光代 瀬尾まいこ 藤野千夜 椰月美智子 野中ともそ 島本理生 川上弘美 

Teen Ageこんばんは。誕生日に役満を振り込むという素敵な経験をしたkbbです。

またまた、POPの素敵な吉祥寺のお店で本を買ってきました。お目当ての本があったわけでなく、売り場を一周して、なかなか面白そうな本を見つけられなかったのですが、階段脇に川上弘美の名前を見つけてこれだ!ってことで買ったのが今回の「Teen Age」です。

川上弘美やら角田光代やら瀬尾まいこやら、売れっ子の作家さんが多くてなかなか贅沢な作品集です。友人との待ち合わせの間に一編が読み終われるぐらい短いのばかりで物足りなくはあるのですが、ひさしぶりの川上弘美に大満足です。

ただ、十代の一瞬がテーマのようで、30間近のおじさんには少し甘酸っぱすぎてあの頃の思い出しくないものまで出て来ちゃって読みながら辛い気持ちになった瞬間もあったのですけどね。

で、この作品集を読んでいても、瀬尾まいこの

「うまくやれるようにって調べたのに、逆に知ってしまったら、なんか余計にだめなんだよね。」

という言葉や、野中ともその

「にんげんて簡単なことで、幸せになれるんだ。」

というセリフに、なるほどという言葉よりかは、そうなんだよなぁという言葉しか出てこないなんて、自分が大人になったのか、生意気になったのかよくわからなくなりますね。

というわけで、歳をとってもアンソロジーばっかり読んでいる私は相変わらず迷ってばっかりってことなんでしょうかね。
posted by kbb at 21:24 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

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