本のタイトルは過去記事またはアマゾンへ飛びます。出版社等の確認にどうぞ。

2008年01月31日

誘拐ラプソディー-荻原浩

「誘拐ラプソディー」 荻原浩

誘拐ラプソディー どうもこんばんは。ふとテレビを見ていたら、姓名判断についてやっていたので、ネットで調べて自分のをみてみました。

どこかのサイトに姓の最初と名の最初の画数は同じにしちゃだめって書いてあって、もろそうですし、総画数が25でこれはまぁまぁらしいですけど、幼少期から人生の中盤にかけてはだめだめだたみたいですね。ついでに、人生の終盤もだめって書いてありました。唯一よかったのは、姓の最後と名の最初の文字をあわせた画数ってやつで、21。仕事や結婚はなんとかなるみたいですね。(^。^;)ホッってか吉数がないのはどうしてでしょうか・・・。僕の人生は名前がいけなかったんですかね・・・。結構気に入ってる名前だったのに・・・。改名を本気で考えてみましょうかしら・・・。
http://www.kaiunya.jp/unchiku/

そんな生まれ持って不幸をしょいこんでしまった伊達秀吉さんが主人公の「誘拐ラプソディー」です。酒乱の父親のせいで、母親に逃げられて、弟も早くに亡くしてしまって、貧乏でボールを買ってもらえずキャッチボールも満足にできなかった幼少期をすごした彼ですが、30代になりとうとう行き詰まってしまって死のうとしたところへカモがネギをしょったかのように金持ちの子どもが現れる。その子を誘拐して一発逆転の人生をって感じのストーリーです。

そこはもちろん荻原浩ですから、あんなエピソードやこんなエピソードを詰め込んで、秀吉は警察はおろか、ヤクザに香港マフィアにといろんなものに追いかけられるはめになってしまうんですけどね。

物語は逃げ回るだけあって、スピード感はあるんですけど、少しサイドストーリーが長すぎるかなって思っちゃったんですけど、そこは荻原浩のいつものことですかね。

どうしようもない不幸の固まりのような伊達秀吉さんですけど、今ちらっと画数を数えてみたら総画数32で吉数でした。なんて素敵なお名前をもっているのでしょうか。誘拐なんてしなくてももしかしたらなんとかなったかもしれないですね。

ってか、吉数をもっていてもこんな人生なんだから、凶数ばかりの僕でもなんとかなるってことですかね。って物語の主人公と比べている時点でだめなのかしら・・・(笑)


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2008年01月30日

ざらざら-川上弘美

「ざらざら」 川上弘美

ざらざらこんばんは。根気強く川上弘美布教活動をしてきたせいか、最近、まわりに川上弘美ファンが増えてきてうれしい限りです、「センセイの鞄」は名作だ!といってくれる友人や、すすめてもいないのに、「ハヅキさんのこと」「真鶴」を手に入れた友人など、川上弘美についての会話がお酒を飲みながらできるなんて幸せですね。

というわけで今日は川上弘美の「ざらざら」です。10ページに満たない短篇が23篇収録されています。

今まで川上弘美を読んだことのない人には「センセイの鞄」をすすめていました。でも、今日からは違います。これからはこの「ざらざら」をおすすめいたします。それぐらい川上弘美ワールドがつまっている一冊だと思いました。一編一編はたしかに短くて物足りなくなってしまうこともありますけど、人と人のお話があったり、人と人でないもののお話しがあったり、濃いものもあれば、薄いものもあり、伸びたり縮んだり、素敵な小料理屋がでてきたりといろんな川上弘美を堪能するのならこの一冊だ、と確信いたしました。

一番川上弘美らしい作品ってこのなかではどれになるんでしょうかね。川上弘美っていろんな種類の作品を書いているような気がするから一つを選ぶのって難しいですね。

自分が気に入ったのは"パステル"でしたね。作家であるおじさんとわたしのお話しなんですけど、これは福助という会社の広報誌に載った作品のようです。ずるいですね。こんな作品が読めるのなら福助に入社したい!って強く思っちゃいました。福助からの依頼なだけあって、靴下の登場がちょっと唐突かしらっておもったりもしたんですけど、それを許せてしまうのは川上弘美の文章がうまいからなんでしょうね。

素敵な小料理屋といえば"笹の葉さらさら"にでてくるスナック「リラ」ですね。スナックといっても人のよさそうなおばさんがやっている小料理屋なんですけど、こんな雰囲気のお店があれば仕事帰りに毎日でも通いたくなりますね。このお店で肉じゃがだの、鰺の南蛮漬けだのをたべながらぬる燗を二本ぐらいやって帰りたいですね。

今度富山出身の友達が田舎に帰ったときに"月世界"にもでてくる銘菓"月世界"をおみやげに買ってきてくれるのが楽しみです。というか、お酒のつまみにあうような白海老なんかのほうがうれしいのだけれど・・・。なんてこと言っちゃいけませんね(笑)

お茶用意して待ってるので月世界おねがいしますねー。




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2008年01月29日

イッツ・オンリー・トーク-絲山秋子

「イッツ・オンリー・トーク」 絲山秋子

イッツ・オンリー・トークこの本の書き出しはあれにしようって思っていたのに、それをすっかり忘れてしまいました。あれがこうだから、身近なものを亡くした"第七障害"のお話しに続けられてなんて思っていたのに、何があれでどうしたらこうなのかさっぱりわからなくなっちゃいました。まずいですね。歳ですね。それとも最近よく記憶をなくすようになったお酒のせいでしょうか?それともなかなかやめられないタバコのせいなのでしょうか。

こんな書き出しですけど許してください。素敵な作品でしたから。

表題作のイッツ・オンリー・トークもなかなか刺激的だったけど、併録されている"第七障害"の方がすきだったな。

"イッツ・オンリー・トーク"は簡単にいっちゃえば鬱の芸術家と痴漢の話しであって、それ以上でもそれ以下でもない気がした。ただ、どっちが先かはわからないけど、「ニート」のどうしようもない男を助ける女性の話が元になったんじゃないかしらって思う部分があって、またかって思っちゃったところもあるんですけどね。

"第七障害"のなんでも捨てられて、自分のためにお金をばんばんかけられる女の子と、人に会うからおしゃれをする、そんな女の子の同居の話しの方がリアリティがあった気がします。野反湖がほんとうにあるのかわからないけれど、一度いってみたいなっておもっちゃいましたね。両手に抱えるようにして星をみてみたいな。




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2008年01月28日

大人たばこ養成講座

「大人たばこ養成講座」

大人たばこ養成講座えっと、以前このブログにも書いたかもしれないのですけど、禁煙して、それに失敗しました。みんなに最後の一本は絶対に吸わないとして、煙草のパッケージにいれたまま、写真まで撮ったのに、3ヶ月ぐらいして、もう吸っても常用はしないかしらって試してみたらまたまた常習者になっちゃいました。

というぐらい煙草からはなれられないんですけど、SPA!とか東京ウォーカーとかって雑誌に載っている大人たばこ養成講座という広告をご存じですか?マナーの向上を訴えているのだろうけど、そんなこと全然頭に入らずにただただ笑わせてもらっています。

例えば、出張でのお作法やプールでのお作法、フリマーケットでのお作法など、いろんな場面でのお作法が紹介されています。まぁJTの広告だけあって、そこでのお作法に必ずタバコを一服するシーンが含まれるんですけどね。

遊園地でのお作法では、

1. 切ない思いをするので、奇数ではなく偶数人数で行くこと。

なんて書いてあって、もっと早くにこれを知っていれば、初恋の子を含めた男2人女3人で言ったあのディズニーランドも寂しい思いをしなかったのになぁ、なんて心に少し甘酸っぱいものが広がってきます。

広告の対象が20歳以上ということがあってか、少しシモネタに走りすぎてるキライもあるんですけどね。

鍋処でのお作法で

10. ドサクサにまぎれて、美女のモモ肉に手をつけないこと。

とか、電車通勤でのお作法で

11. 階段は上り下りの列を守ること。ミニスカ女性の後ろでは挙動不審にならないこと。

なんて大変勉強になりますね。少なくとも僕には(笑)


広告を集めても、という方には本購入特典としてアダルトたばこ養成講座なんてのもあって、芸者遊びのお作法とかラブホテルでのお作法なんてのもあって、ファンとしてはうれしい限りですね。でもやっぱり下に走るんだ。って突っ込んじゃいましたけどね。

もうしばらくタバコとのおつき合いが続きそうですけど、最近マナーの問題で肩身がとってもせまいです。喫煙者の方は自分のクビをしめないように、歩きタバコやポイ捨て、非喫煙者のことを考えない喫煙はやめましょうね。続編もでているみたいなので、見つけたら買いたいな。探してまで買いたいとは思わないけど・・・。


posted by kbb at 07:54 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他ノンフィクション

2008年01月27日

トキワ荘の青春 僕の漫画修行時代-石ノ森章太郎

「トキワ荘の青春 ぼくの漫画修行時代」 石ノ森章太郎

トキワ荘の青春中学から高校の頃まで毎週8冊の週刊漫画誌を読んでいた。何が楽しかったかと聞かれるとなんとも言えないけど、習慣となっていたのかもしれない。電車に乗る前に駅の売店で一冊買って、乗り換えの駅でもう一冊買う。学校に行って読み終わった雑誌は友達に半額で売るか、あげてしまうかしていた。なにもあとには残らない。実物も、心の中にも。

そうやって消費していた漫画を書いていた漫画家の中に石ノ森章太郎はいた。あのドラマにもなったホテルだ。そんな石ノ森章太郎がギネスをもらったそうだ。

仮面ライダーの故石ノ森さん、最多コミックでギネスに(朝日新聞)
http://www.asahi.com/culture/update/0124/TKY200801240324.html

そんな石ノ森章太郎がトキワ荘に住んでいた頃のお話しを自伝として書いたのが今回の作品です。

ドラえもんの藤子不二雄やバカボンの赤塚不二夫、鈴木伸一、角田次朗、水野英子なんかと一緒に椎名町のぼろアパートの二階でみんなバカをやったり、酒を飲んだり、漫画を書いたり、アニメをつくろうとしたり。こうやっていつの時代でも通用する漫画を書き続けた石ノ森章太郎ができたのだろう。

月刊誌しかなかった時代ののんびりした雰囲気、週刊誌になって漫画が大量消費されていくようになった時代。その時代の変化につれて、漫画が社会に認められていったこと。そんなことを日本の商業漫画の黎明期から漫画家としてすごしてきた彼の言葉で描かれている。

やはり同じ目標をもった仲間と一緒に過ごすのは楽しいのだろう。もちろん中には夢を捨てて去った仲間もいたけど、それでもそこにすがりついて離れなかった人たちは、生活がどんなに苦しくても笑って過ごしていたことがよくでている。

トキワ荘が取り壊されて、最近の若者のニーズに合わせて立て替えたとき。彼ら仲間が集まってその一部屋を借りて、昔の自分たちのようにお金もない、基盤もない、だけど漫画をかくことが大好きな人一人に一年間無料で部屋を貸し与えて漫画家を育てようとトキワ賞を創設したらしい。ネットで調べた限りもうその賞はなくなってしまったようだけれど、どこかのNPOが同じような主旨で漫画家にサポートをしているらしい。(http://tokiwasou.dreamblog.jp/)

トキワ荘が取り壊されたときにみんなで集まって記念品を持ち帰ったように、こうやって若い頃に一緒に踏ん張ってきた仲間っていうのは何年経っても仲間でいられるんですね。なんだかうらやましい。彼らの多くは亡くなってしまったけれど、多くの人たちが大量消費されている漫画の中からなにかを感じ取ってちゃんと残している。それだけで彼らのしてきたことは素晴らしいことだったってわかりますね。




posted by kbb at 00:05 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

2008年01月26日

ナイフ-重松清

「ナイフ」 重松清

ナイフ もうやめてー。目の前にきれいなOLさんが座っている昼時の喫茶店で、本を開くのがやっとという感じに混み合っている帰りの電車の中で、なんどもそう叫びそうになりました。いじめの描写、いじめられている子たちの感情、それを見守る大人たちの心の動き、どれもにリアリティがあって、ぐいぐいひっぱられてしまう。そんなひどいいじめを受けながら、そんな優しいことを考えたり、言ったりしないで!涙が何度もでてきました。喫茶店ではその涙を隠すためにトイレに立ち、満員電車の中では思わず上を見上げたり、その必要のない駅で降りて寒い中次の電車をまってみたり。

重松清の「ナイフ」です。テーマはずばりいじめ。5編からなる短篇集です。いろんなイジメの姿が描かれています。その最中の彼らの気持ち。それが終わった瞬間の彼らの気持ち。数十年経ってそれを振り返ったときの彼らの気持ち。どれもが手を抜くことなく、細部まで描かれていました。いじめの現場まで手を抜かずに描いているから読んでいる方は辛く辛くてしょうがなかった。

いじめに関しては言うことはありません。ここで何を言っても仕方がないし、自分の経験から言えばそこまでがんばって学校なんていかなくても、やめちまえばいいのに、なんて思うけど、彼らには彼らの事情というものもあるし、ひと言で片づかないのが難しいですね。まぁただ一つ言えることは、学校なんて辞めてもいくらでも取り返すことができる環境が今の日本にはあるよ、とだけですね。

しかし、親の中には"キャッチボール日和"のお父さんのように、一度逃げ出したらいつまでも逃げることになると考えている人もいますし、いじめられている人の中にだって"エビスくん"のそばから離れられなかったひろしのように、強い人に憧れて、どんなことをされても彼らのそばから離れたくないって人もいるでしょう。

人が三人いればそこには権力争いが生まれ、もしかしたらそこには弱いものいじめが生まれるのかもしれない。でも、された方は一生忘れないだろうし、心になにかしらの傷を負ってしまう。それに比べていじめた方は「そんなこともあったね」ぐらいの気持ちしかもつことはない。きっとここがいじめの最大の悪いところなんでしょうね。身体と身体をぶつけあうとっくみあいのケンカなら双方に同じようになにかしらを残すような気がしますもの。

荻原浩「コールドゲーム」、重松清「ナイフ」とイジメがテーマの作品が続いて少し、疲れちゃいました。しばらくこの種の本は手に取るのをやめておこうと心に誓うkbbなのであった。




posted by kbb at 02:10 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ サ行

2008年01月24日

さらわれたい女-歌野晶午

「さらわれたい女」 歌野晶午

さらわれたい女散り行きて
  桜に道を
    ゆずりても
      白き美しさ
        思う人あり

もうちょっと後の季節でしたけど、ずっと昔に詠んだ歌です。散ってしまって誰にも見向きされなくなった梅があまりにもかわいそうで、俺は忘れないぞって宣言してみました。

そんなふうに和歌ばっかり詠んでいると思っていた人の本を買ってみました。歌野晶午です。以前「このミステリーがすごい!」第一位に選ばれて結構売れたであろう、「葉桜の季節に君を想うということ」を本屋さんで見て、その詩集のようなカバーと詩人のような名前で、本を開くこともせずに通り過ぎたのをよく覚えています。

先日「さらわれたい女」を本屋さんでみつけて、思い詰めた顔の女性の顔に、「あれ!?勘違いしてたのかしら」って開いてみたら本格ミステリーでした。結論から言ってしまえば、最初の本の時の勘違いが大きな間違いでした。歌野晶午も本のタイトルと名前でだいぶ損しているとは思いますけどね。今年はなんだか素敵な作家さんに出会える年のようです。実社会でもこんな素敵な出会いがつづけばいいのですけど・・・。

まぁなにはともあれ、おもしろかったです。アイデアも(自分にとっては)斬新でしたし、最後まで何回あったか思い出せないほどあったどんでん返しに本を閉じたあとも心がいつまでも躍っていました。

そしてなにより、「あとがき〜あるいは読前の注意」というところに今では古くなってしまったアイデアについての説明が書かれていて、この作者に対してとっても好感をもってしまいました。これが作品に対してここまでベタ惚れしてしまった原因なのかもしれないですね。

あとがきで歌野晶午は1997年当時携帯電話をもっていないし、今後ももつつもりはないと、言っていますが今でも持っていないんでしょうかね。そういうところが気になるのは野次馬根性なのかもしれないですけど・・・。次に読む彼の作品は「葉桜の季節に君を想うということ」になると思います。たのしみー。



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2008年01月23日

真鶴-川上弘美

「真鶴」 川上弘美

真鶴 最初の記憶はおばあちゃんの家の窓際にあったロッキングチェアにすわっている三歳ぐらいの男の子の姿だ。青い半ズボンとTシャツをきてぽつねんとしている。自分の記憶であるはずなのに、天井から第三者のような自分をみている。すごくつまらなさそうな顔をして、窓の外をみている。誰かが迎えにくるのを待っているかのように。

母が一歳下の弟をうむときに僕を祖母の家に預けたことを中学生ぐらいのときに聞いた。二週間ぐらい預けて迎えに行ったときにはまったく笑わない子どもになっていたと。もし上の記憶がそのときのものだったとしたら、自分は一歳ちょっとだったはずで、三歳ぐらいの男の子だったはずがないのに、自分ではそのときのものじゃないかと確信している。

記憶なんて曖昧だ。自分でいくらでもつくれるし、すぐに忘れてしまうものもある。あとからあのときのものだ、なんて思いこんだらそこから逃れることはできない。でも、自分自身は記憶でしかつくられない。それを忘れているときと思い出されているときでは同じ自分ではないように感じられる。なんだか伸びたり縮んだりしているみたいだ。自分の何年もの人生が身体の中の何分の一しかない脳に支配されているなんて、なんだか悲しい。

久しぶりに川上弘美を読んだ。表紙を眺めてみる。すももが描かれた表紙は美術書でもみるような感じだ。カバーかと思って見返しを開いてみると、ただ折り込んであるだけなのに、ちょっとびっくりした。そのびっくりしたぶんだけうれしくもなったんだけど。読み始めてみて数ヶ月前まではあんなに慣れ親しんでいたのに、こんなにひらがなの多い文章だったっけと、初めて読むような感覚でなかなか読み進められなかった。

読み進めていくと、だんだん物語が見えてくる。人と人でないものの物語だった。数ヶ月離れていてもやっぱり川上弘美は川上弘美だ。

舞台は真鶴。神奈川県にある、小さな半島だ。東京からいくと熱海の手前にあって、西にむかう人には忘れられた半島のように橋やトンネルの通過点でしかなくなっている。新道を通るとそこに海につきでた陸地があるなんてわからないまま、箱根と熱海に別れる道まででてしまう。

熱海にドライブにいくときには新道をつかわないようにしていた。そこだけ陸地から離れるのがなんだか寂しかったからなのかもしれない。山が海につきでているような半島で、旧道を使うとくねくねと山を登らされる。カーブの多い道で、道の両隣には使えない土地にはさまれたところにつめこむように畑がある。民家は意識してみないと、見つけられないほど点々としている。

海側にはびっしりと木が見えて山だということが認識される。途中の橋から海を眺めるとそこだけ木がぽっかりとあいていてきれいに見える。その道沿いにはいくつも橋があるのに、その橋の上にあるバス停の名前は「橋の上」。その橋の名前なんて誰も気にとめていないようだ。

物語には五人の女がでてくる。どの人もみんな出てくるたびに伸び縮みしているかのように、定まらない。京(けい)はいなくなった夫をみつけようと真鶴に吸い寄せられていく。京の娘である百(もも)も父親を求める。

結局彼はどこにいってしまったのだろうか。最初から存在していなかったようにも感じ始めるが、百の存在がそれを否定する。

ほんとは最初からなんにも存在していないのかもしれないし、そんな考えすら存在してないかのように、すべてがそのまま進んでいくのかもしれない。記憶なんて形のないものだから。記憶にあわせて身体も伸び縮みしていく。上に書いた真鶴の光景も実際にはぜんぜんちがうものかもしれない。

確かめるために久しぶりに真鶴まで足を伸ばしてこよう。

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2008年01月22日

ハードボイルド・エッグ-荻原浩

「ハードボイルド・エッグ 荻原浩

ハードボイルド・エッグ こんばんは。みなさんの今の自分は昔想像していた自分と一緒ですかー?難しいですよね。そういう違いを受け入れるのが大人になるってことなんでしょうかね。

そんな探偵さんが主役の物語が「ハードボイルド・エッグ」です。MOWさんのところで運命的な偶然を感じてしまった作品です(大げさすぎました、ごめんなさい(笑))。

フィリップ・マーロウに憧れて探偵稼業をはじめてみたものの、殺人事件などの華やかな仕事はやってこない。来る仕事といえば猫やアルマジロ(イグアナでしたっけ)の捜索ばかり。それでも人間は食っていかなければならないということで、ペットの捜索にも「他人より損をしろ」というマーロウの教えを忠実に守りながら生きている。全然ハードじゃないのに、

     「ハードでなくては生きていけない。優しくなければ生きる資格がない」

なんて言葉を大切にしたりね。

まずはダイナマイトボディの秘書を雇うところからはじめてみようと、雇った秘書とのコンビがなかなか素敵でした。そういう風に環境から変えてみるのは何事にも大切ですよね。そしてそれに応募してきた秘書なんですけど、こんな秘書ならいつまでもそばにおいておけばいいのにって思ったんですけど、他人事だからこういえるんでしょうね。

ところで、先日テレビの番組でペット探偵をされている方の月収の調査をしていて、そのインタビューに答えた人によると、月収100-150万は稼げるみたいですよ。殺人事件で死体を見て胃液をはいたりするよりは全然いい仕事におもえちゃったのは私だけでしょうかね。そりゃスーツの汚れを気にすることもなく犬の視線になるために地面をはいつくばれるわけだ、なんてその番組をみて納得しちゃいました。

僕はマーロウの名前を聞いたことはあっても、手に取ったことはなかったんですよね。この作品を読む限り、一度読んでみたいっておもったんですけど、どうなんでしょうかね。翻訳調すぎたりしないか心配なんですけどね。マーロウ哲学の魅力の方が勝てますかね。損した気分にならないためにブックオフに行ってさがしてみようっと。


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2008年01月20日

コールドゲーム-荻原浩

「コールドゲーム」 荻原浩

コールドゲームこんばんは。最近寒くて朝布団から出るのがいやになっちゃいますね。というか、布団の中にいるといつのまにか時間が経ってしまっているのはなぜでしょうか。あと五分暖まっていようと思っているといつのまにか、十五分、三十分と経ってしまっていることが毎日のようにあります。もしかして、布団はタイムマシンなのかもしれないですね。自分を少しだけ未来の世界にすすめてくれるタイムマシン。だから時間が解決してくれる問題が起こった時に人はフテ寝をするのかもしれないですね。自分で解決しなければならない問題が起こったときにはなんにもならないですけどね。

そんな風に僕がふて寝をし続けていた年頃の気持ちがうまく描かれている作品「コールドゲーム」です。最近はまっている荻原浩作品です。手元に「ハードボイルド・エッグ」「誘拐ラプソディー」があるのですけど、先にこれから!

高校三年になり、みんなが自分の将来を考えはじめる頃、中学時代にいじめられていたトロ吉の復讐がはじまった。いじめていたことなんてみんな忘れているのだけれど、復讐が具体化してくるにつれて、みんながだんだんとあの頃のころを思いだし、省みるようになる。クラスの有志があつまった北中防衛隊も結成され、だんだんとトロ吉を思い詰めていくと・・・。

なんて風に物語が進んでいきます。文章がうまいせいか、簡単に物語にはいっていけます。誰の気持ちに立つかは中学高校時代の自分の経験によると思うけれど、どの立場にたっても心理描写がしっかりとしているので、楽しめるんじゃないかしら。

このまますすむと結末はどんな風になるのかしらなんて途中から心配になっちゃったんですけど、あぁ、こういう風になら青春くさすぎもなく、説教くさくもなく終われるのねって感心しちゃいました。いじめの問題をとりあげるのは小説としてむずかしいですものね。どんな題材をつかってもそういう臭さをださずにいられるのが荻原浩の小説のうまさなんだろうなぁって思いました。石田衣良はその点すこしくさくなってしまうように感じてしまうんですけどね。まぁそれが彼のよいところでもあるんですけどね。

最後のシーンで新たな人間関係ができてしまい、同じような問題が起こるのかしらってときの光也の発言は思わず応援してしまいましたね。こうやって人間は成長していくんでしょうかね。ほんのちょっとの勇気ときっかけ。これだけで十分なんでしょうね。

布団にかぶってタイムマシンごっこなんてしていないで、外にでてきっかけをつかまないとだめですね。昨日のNHK「英語でしゃべらナイト」でも写真家の宮嶋さんも似たようなことを言っていました。

If you want to change your life, let's go out to find something. You can do your best anytime, anywhere, with anybody.
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2008年01月19日

ミステリー傑作選・特別編5 自選ショート・ミステリー-赤川次郎他16人

「ミステリー傑作選・特別編5 自選ショート・ミステリー」 赤川次郎他16人

ミステリー傑作選・特別編5 自選ショート・ミステリーこんばんは。会社で歓迎会をやってもらいました。結構飲んだんですけど、そのうち26歳の同僚の目がすわってきて、ひとしきり演説をはじめました。彼の言いたいことはよくわかるんですけど、他の同僚の個人的な事情を省みないその発言にだんだん我慢できなくなってしまいました。自分もその歳にはあんな話し方をしたのかしらと、ちょっと省みてしまったんですけど、そんな酔っぱらい相手に腹をたてて理屈でもって説き伏せてしまう自分のほうがまだまだ子どもだったんでしょうかね。


まぁ、こんな感じであいもかわらず悩んでいるようで、またまたアンソロジーを手にとってしまいました。今回は17人のミステリー作家が自ら選んだショートショートを集めたアンソロジーです。

目次をみると、"遺伝子チップ"や"盗聴"なんていう魅力的なタイトルの作品がならんでいて、読む前から興奮しながら本をめくっていきました。

やっぱり赤川次郎はうまいですね。なんの疑問ももたずに、世界にはいっていけるし、うまく裏切られるのがとっても気持ちよかったです。よくできたストーリーがなんだかテレビのシナリオのようでした。

他にも阿刀田高や北村薫なんかがとってもうまかったですね。北方謙三の作品は相変わらずナルシストの男性が不倫をしているお話しでしたけどね(笑)

それにしても、ミステリーがショートショートでかかれると、作品に入り込む前に物語が終わってしまうし、作りこまれれば作りこまれるほど、結末があっけなかったりして、おもしろさが半減してしまいますね。
きっと人生はショートショートで語れるほど短くはないってことなのかもしれないですね。ショートショートはしばらくおやすみしようっと。って言ってまた手に取っちゃうんですけどね。ごめんなさい(笑)



posted by kbb at 02:07 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2008年01月17日

誰かに解かせたくなる算数・数学の本-秋山仁

誰かに解かせたくなる算数・数学の本 秋山仁

誰かに解かせたくなる算数・数学の本こんばんは。みなさんは友人の友人に会うことってありますか?自分は友人が少ない方なので、まだないんですけど。というより、友人の友人はすでに友人だったってことの方が多いからなぁ。

そんなことの確率を数学的にお話ししてくれるのが今回の作品です。以前から秋山仁をテレビで見ていたのですけど、話し方が余り好きではありませんでした。しかし、いつのことか、彼が一度は数学の道を進めそうになくなったときに、それでも、食らいついていったという話しを聞いて興味を覚えました。そして、今回彼の作品をみつけたので買ってみました。やっぱり、彼の話し方、というか今回は文字ですけど、あまり好きになれそうにないですね。

まぁ、でもこの作品に関しては彼がどんな言葉を使おうが、数式や数学の美しさには関係ないですけどね。逆に、彼の言葉を補うほど数学は美しいってことがいえるかもしれないですね。

ところで、冒頭の友人の友人が知り合いという確率ですけど、1%しかないらしいですよ。そんな人を見つけたら、運命の出会いだと思って、抱きついてキスしてしまいましょう。突然そんなことしたら変人だと思われて二度と会ってくれないかもしれないですけどね(笑)

ところが、自分の知り合いと、友人の知り合いが知り合いであるという確率になると、これがおもしろいことに99.99%になるんですよ。これもこれでびっくりじゃないですか!?まぁこれには条件があって、知り合いが1000人いなきゃだめとかってことになるんですけど、顔見知りぐらいなら1000人ぐらいいるかもしれないですもんね。人と人のつながりって不思議ですねぇ。

他にも20人とお見合いすることが決まっているときに、何人目までに決断すると、素敵な人と結ばれる可能性が高いか、なんてのも数学的に答えがでてしまうんですよ。最初の5人までは絶対結婚しないとかね。これはこのことをしらなかったとしても、普通の恋愛で本能的にやっているのではないかしら。平均してだいたい5-6人目ぐらいにつきあった人と結婚する人が多いのではないかしらね。6人目から10人目の相手がそれまでお見合いしたなかで一番だったらその人と結婚するのが戦略的には正解みたいですよ。

恋愛まで数学的に説明されるとなんだかいやになっちゃいますね。でも、こういう答えを教えてくれるならもっと勉強しておけばよかった!


posted by kbb at 20:23 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

2008年01月16日

クラインの壺-岡嶋二人

「クラインの壺」 岡嶋二人

クラインの壺こんばんは。地下鉄に乗りながら、仕事をしながら、スーパーでお刺身を選びながら、自分はどうしてここにいるんだろうか、どうして自分はこれをしているのだろうか。そんなことを考えることが多くなってきました。現状に不満を感じているのかしらね。

そんなことを強制的に考えさせられてしまった男が主人公のミステリー「クラインの壺」です。岡嶋二人はこの作品を最後に解散したようですね。こんなおもしろい作品をかけるのにもったいないですね。まぁ色々あったんでしょうね。

最初の場面といい、途中のストーリーといい、岡嶋二人は読者をひきこむのがうまいですよね。最後までまえのめりになりながらひきこまれてしまいました。

バーチャルリアリティのゲームが舞台になっているのですけど、現在でもバーチャルリアリティの怖さとして十分通用、問題視されていることが重要な鍵となっています。それをパソコンすらまだまだ普及する前の20年前にすでに予言していたんですね。ホラー的なこわさはないけれど、背筋がだんだんと寒くなってくる類のこわさを感じさせてくれますね。

この作品の主人公はこの怖さを強制的に感じさせられたけど、今の自分はどうなんでしょうか。理由もなくなにかをやらされるのはイヤだけれど、それでもなんらかの理由でやらなければならないと感じていることが多いのかしらね。だんだんとそれの現実感がなくなってきて、自分という現実がどこかにいってしまう。そんな風に考えることもできそうですね。

なんだか、モラトリアムから脱出するのがいやな大学生が考えそうなことを書いてしまいましたね。さてと、あしたもがんばろー。
posted by kbb at 21:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(2) | 岡嶋二人

2008年01月13日

約300の嘘-『約三十の嘘』チーム with ゴンゾウ

「約300の嘘」 『約三十の嘘』チーム with ゴンゾウ

約300の嘘 映画「タイタニック」が劇場公開されていた頃。新しくできた彼女と初めてだと偽って劇場でタイタニックを見ました。

でも、それは、前の彼女と最後に見た映画。映画に感動しているフリをして、前の彼女を思い出しながら涙を流していました。観終わったあとに、彼女が、そんなに泣けた?と聞いてきたときには必死に、あのシーンがね、などと言いながら言い訳していました。

なんていうような、約300の嘘が収録されているのが今日の作品です。映画「約三十の嘘」の公開に合わせてTSUTAYAのサイト上で一般公募されたものを集めたようです。映画は未見なのですけど、なかなか興味がそそられるタイトルですね。

それにしても、結構みなさん嘘をついてらっしゃるんですね。特に女性がつきあい始めたばっかりの彼に身長や体重、年齢まで偽っているとは、なんだか信じられなくなってきますね。一人の子なんて、彼との身長差が30cmの方がかわいく思ってもらえると思って身長をいつわり、挙げ句の果てに記念日が欲しいからと、誕生日まで偽るなんて、これじゃあうまくやっていけるはずないですよねぇ。バレタときにどういう言い訳するかまで書いて欲しかったなぁ。

まぁ、そんな嘘ばっかりでなく成績表の「2」を「3」に書き換えて母親を喜ばせようとしたりとか、雷をこわがる妹に梅干しを口にくわえていると雷にあたらないと嘘をついたり、ほほえましいものも多くてなんだか気持ちが優しくなってしまう本でした。ちなみに、雷の嘘の妹は27歳になってもまだ信じているそうです。まわりにそんなかわいい子がいたらすぐにkbbに連絡くれるようにお伝え下さい。

表紙のイラストにありますけど、ところどころにでてくるパンダもかわいくなくて、なんだかかわいいですね。これも人間が騙されているってことの一つなんでしょうかね。

日頃から嘘とホラは違う!嘘は人を傷つけるけど、ホラは傷つけることはないなんて豪語している僕ですが、いつまでも僕の妄想におつき合いいただけるとうれしいです。

みなさんもひどい嘘ではなく、素敵な嘘をついてくださいね。特に男の子を喜ばせるようなやつをお願いします!

posted by kbb at 00:07 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ヤ行

2008年01月12日

BAD KIDS-村山由佳

「BAD KIDS」 村山由佳

BAD KIDSおはようございます。

久しぶりの村山由佳です。相変わらず読みやすい文章でスラスラと読めちゃいました。村山由佳の描く女性っていうのはどうしてこう可愛くて格好良くて、そして魅力的なんでしょうか。世の中がこんな子ばっかりだったら、男は困らなくていいですね。って女性が読むと、村山由佳作品にでてくる男はみんなかっこよくて、頼りがいがあって、その上で母性本能をくすぐるって言えるのかもしれないですね。世の中がこんな男ばっかりだったら困ることなんてないのに、って言われちゃいそうです。そんなこと僕に言われても、こんな素敵な男性がすぐそばにいるんだから。はい、すみません。枕をなげないですください。痛いですから。

って、さっそく妄想の世界に逃げ込んでみました。

本の紹介でしたね。主人公は二人の高校生です。世界的に有名な指揮者の娘で、カメラにとりつかれてしまった写真部部長の都とラグビーに青春のすべてをささげている隆之の物語です。この二人がくっつけば、30ページぐらいの超短篇でおさまっているはずのこの物語ですが、都には都の、隆之には隆之の事情というものがあって、長編になっております。

それはないだろ、隆之って部分もあれば、ちょっと仲良くなったからってそんなことまでしちゃうの、都って部分もあってつっこみどころはたくさんあるんですけどうまくまとめられているって感じでしたね。

終わり方がちょっと納得行かない部分もあって、その先どうなるんだよ!?ってところもあるんですけど、まぁ村山由佳作品らしくてそれもいいのかしら、なんて思っています。

これの続編といわれている、「海を抱く BAD KIDS」をずっと前に手に入れていて、でも「BAD KIDS」から読んだ方が楽しめるって聞いていたので、ずっと我慢してとっておいたんです。これでやっと、「海を抱く」の方がよめると思うとうれしいな。川上弘美や荻原浩なんかの本も買ってきたので、読みたい本ばかりで目移りしてしまいます。三連休はいっぱい読むぞー。

では、みなさん天気に負けずに素敵な三連休をお過ごし下さいな。


posted by kbb at 10:33 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 村山由佳

2008年01月10日

ニート-絲山秋子

「ニート」 絲山秋子

こんばんは。やっとニート生活から抜け出して、まじめに勤労しているkbbです。わからないことだらけで、とまどってばかりいるけれど、なんとかがんばっておりますよ。全然知らない世界に飛び込むのもなかなかいい経験になりますね。それに、就職祝いにと、みんなが一緒に飲んでくれるので、それも楽しみの一つですね。こんなんだったら転職を繰り返すのも。。。なしですね(笑)

というわけで、やっとニート生活から脱却できたってことで、この本を心おきなく開けるようになりました。絲山秋子の「ニート」です。

タイトル通り、どうしようもない男がでてくる作品が多いですね。一人じゃ生活出来ない男や、頭はいいはずなのに、どこかおかしくなっちゃって自分の性癖を女に押しつけようとする男とかね。でも、対して女はどうかといえば、やっぱりおかしい女性が多く登場してきたように思います。男と同じように女も男に依存とまではいかないけれど、経済的にではなく、精神的によりかかっている人が多いと思いました。これじゃ共倒れだよなんて思いながら読み進めることになりました。

まぁ、どうしようもない男のシーンがでてくるたびに自分と比べてしまうのは、状況のなせるわざでしょうね。これがもし、就職がきまるまえだったら多分一ページもすすめないうちに本をとじていたことでしょう。

この女性が全部作者の絲山秋子なのかしら、なんて思いながら読んでいったんですけど、さすがに創作ですよね、きっと。だってもしそうだったならば抱きしめてあげたくなっちゃうんですもの。こういう女性に惹かれちゃうのは、自分がどうしようもない男なんだからでしょうね、きっと。

ここに記事を書くときなんですけど、読み終わってからすぐには書かないようにしています。読み終わってすぐに書くと、文章が感情に流されてしまう気がするから。だから、もう一冊読み終わってから書くことにしているんです。でも、毎日電車通勤をしているので、本を読む時間がいっぱいあって、どんどん記事にしていない本がたまっていってしまっています。毎日記事にすればいいじゃないかって感じなんですけど、帰ってすぐにお酒を飲み始めるので、眠くなっちゃうんですよね。

そういえば、おみくじにお酒は控えよって書いてありましたね。さっそく忘れていました(笑)
さてと、あしたもがんばろー!


posted by kbb at 20:57 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(1) | 絲山秋子

2008年01月08日

神様からひと言-荻原浩

「神様からひと言」 荻原浩

神様からひと言 こんばんは。先日やっと初詣に行って来ました。結果は小吉でしたよ。大吉でも大凶でもなくて、中途半端かと思ったら、書いてあることにビックリしてしまいました。曰く、酒と賭け事を控えれば運が開けるそうです。まず酒をやめるのはむりだろうなと思って、細かいところを読んでいたら笑っちゃいました。

賭け事 大機

どうして儲かることがわかっていて、賭け事をやめられるのでしょうか。それでもやめろってことなんでしょうかね。神様も酷なことをなさると思って、笑っていたら裏面に神様の言葉として、

笑う門には福来たる。ニコニコしていなさい。

だってさ。自分でオチまでつけないでくださいな、って感じですね(笑)

というわけで、神様つながりで初荻原浩作品です。

荻原浩といえば、「明日の記憶」が思い浮かびますね。なんだ泣かせるヒューマンドラマばかり書いているイメージを持っちゃったんですけど、この本でそのイメージは覆されました。

結論から言えば、おもしろくて荻原浩にはまっちゃいました。エピソードをつめこみすぎて長編になったんだなぁって思わせる部分はありましたけど、それぞれのエピソードもおもしろくまとめられていて、読みやすい文章に止まることなく最後まで読み終えられました。

ただ、たかだか肩にあるタトゥーぐらいで今の人がめくじらを立てるかしらって疑問に思っちゃう部分もありましたけどね。

     お客様の声は、神様のひと言

を社是にしている会社でお客様相談室に異動になった主人公ですが、お客様の中にも神様なんていないのはもちろんのこと、彼が神様だと思っていた人も実は・・・、っていうふうにお話しがすすんでいきます。

初詣の話ではないですけど、神様もいたずら好きですから、なかなか顔をだしてくれないですし、これだ!ておもった人からは裏切られるだけですものね。ただ自分が信じて、だけれども期待しないってことが一番なのかもしれないですね。イワシの頭も信心からっていう言葉もあるぐらいですしね。昔の人はいろんなことをしっていたんですね。

さてと、荻原浩にはまるためにブックオフにいってこよと。川上弘美の「真鶴」もやっと手にいれたので、しばらく楽しい読書生活が送れそうでわくわくしています。
posted by kbb at 20:34 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(2) | 荻原浩

2008年01月06日

しあわせな葉っぱ-おーなり由子

「しあわせな葉っぱ」 おーなり由子 

しあわせな葉っぱこんにちは。いまだに初詣にいけていないkbbです。年の初めからこんなんでいいのかしらってほど、ぐーたらしています。まぁそのおかげで本が読めるからいいんですけどね。というわけで、今年の運が大吉なのか、大凶なのかいまだにわかっておりません。そんなところにひょんなところから再就職の知らせがまいこんだんですけど、はたしてこれは吉とでるんでしょうか、凶とでるんでしょうかね。乞うご期待ってやつですね。それにしても、大吉と大凶しかでないと思っているとこらへんがみんなに目出度いと言われてしまう所以なのでしょうかね。

なんて、年の初めから反省からはいってしまいましたが、本日ご紹介する「しあわせな葉っぱ」はそんな反省からは縁遠いところにいるかわいらしい女の子の物語です。

     かみさま
     どうか
     どうか
     ハッピーエンドに
     してください

という作者らしき人の言葉から始まるこのこの物語ですが、頭のてっぺんから葉っぱが生えてきたり、好きな彼に友人が告白してしまった、なんて悲しいことが続きます。頭から葉っぱが生えてきたことと、好きな彼のことを同程度に考えていいのかと思っちゃいますけど、この年頃の女の子にとって一番大切なことですものね。好きな人と、好きな友人と一緒になくしてしまうピンチですものね。

誰にも見えないその葉っぱですが、切っても切っても生えてきてしまうし、ふりかけにしてご飯にかけてもおいしくない。なにもかもいやになって授業をぬけだして屋上で涙をながしていました。すると誰にも見えなかったはずの葉っぱなのに・・・

ってかんじで物語が進んでいきます。いやなものとしかとらえられなかった葉っぱですが、そこにはかけがえのないものがかくされていて、って感じに話しがすすんでいくのですが(あまりばらすと読むときのおもしろさがなくなってしまいますね;;)、この葉っぱが象徴しているもの、それはなんなんでしょうかね。正直すぐにはわからなかったし、今思っているものが正しいかもわかりません。そんな風に読む人誰もがなにかをこの物語りからうけとれる、しかもそれがその人のパワーになるんじゃないかしらと思います。

実際amazonのレビューを読んでも疲れたときに読むといい、なんて言葉もありますしね。みんな同じように感じているんだってうれしくなっちゃいました。

「天使のみつけかた」と同じようにかわいらしい女の子が素敵なイラストとよくあっていて、幸せな気分になりました。

では、初詣にいって幸せになってきますね(大吉をひいたときだけですけど)。
posted by kbb at 13:56 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | おーなり由子

2008年01月03日

ボーイズ・ビー-桂望実

「ボーイズ・ビー」 桂望実 

ボーイズ・ビー あけましておめでとうございます。正月は車が少なくて空気がきれいなので、空がきれいですね。太陽の光すらやさしく降り注いでくる気がします。酔っぱらいの僕を見る周りの目は全然優しくないんですけどね。

毎年、初日の出を見るために朝まで起きて居るんですけれど、今年は23時50分までは記憶があるんですけれど、そこからばたっと午前2時までの意識がありません。きっと日本で一番最初に睡魔と戦って敗れた男でしょう。というわけで、カウントダウンをしていないので、僕だけまだ2007年にいるってことには・・・できないですよね・・・。さて、あほなことを言っていないで、新年を迎えて気持ちを新たにがんばろうとおもいます。

今年最初に読んだ本は「県庁の星」の桂望実の「ボーイズ・ビー」です。県庁の星が読みやすくて好きだったので、楽しい気分になれるだろうと思って、本屋さんで思わず買ってきました。帯に

     いいなこの本。みんなイカしてる!

ってのを楽しみにさっそく開いてみました。

結論からいうと、この本を新年最初に選んでよかった。心が洗われる気がしました。文章自体は小学生ぐらいの子が読んでもとっても理解のできるようなお話しになっているんですけれど、書いてあることはいくつになっても理解できないこと、理解したくないこと、って感じですかね。

小学六年生の隼人は去年母を亡くし、その死を理解できず心を壊していく小学一年生の弟の直人に母の死を理解させたいと、悩みます。ひょうんなことから知り合った靴職人の栄造とともに一つずつ前にむかって少しづつ進み出します。靴造りがうまくいかない栄造も隼人や人との関わりを通して、少しずつ新しい靴造りにむかっていきます。

って、感じのストーリーです。母を亡くした小学生の気持ち、母の死を理解できない弟を思いやる小学生の兄の気持ち、母の代わりにやってくる母の妹に反発する気持ち、妻を亡くし息子たちとの関わりに変化を求められる父の気持ち。いろんな気持ちがうまく描かれていて、途中で涙が止まらなくなりました。いろんなものを乗り越えながらなんとか一つになろうとする家族に思わず「がんばれ」と声をかけながら読んでしまいました。

家族の核として存在していた母がいなくなったあと、その家族はバラバラになるか、それとも新たな核を作り出すか、それしかないんですよね。核のなくなった家族に苛立ちながら、それでも直人を思いやる隼人があまりにもかわいくて、かわいそうで、かっこよくて。自分も弟がいるのですけど、そんな兄貴でいてやれたかどうか自信がありません。だめ兄貴ですねぇ。

そんな弟ももう二十代半ばを過ぎたってことで、歳とったってことですね。直人と隼人のような関係でいられたのはいくつぐらいまでだったんでしょうか。もう忘れちゃいました。

とまぁ、新年に素敵な本に出会わせてくれた、ブックオフの天使に感謝です。(おーなり由子の「天使のみつけかた」を読んでからこんなのばっかりですね(笑))

今年はがんばるぞー!みなさんにとっても素敵な一年でありますように。
posted by kbb at 08:16 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ カ行

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