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2008年03月31日

古書店アゼリアの死体-若竹七海

「古書店アゼリアの死体」 若竹七海

古書店アゼリアの死体おはようございます。昨日はいやなことがあって、昼間から一人でビール、焼酎と飲みながら酔った勢いで一人なのに、ピザを頼んでしまいました。40-50分で届くということで待っていたのですけど、なかなか来ません。踏んだり蹴ったりってなかなか実感できないものですけど、こういうことをいうんでしょうね。一時間ほどたってからやっときた配達員はかわいらしい女の子。あやまりもしない彼女に怒る気も失せてしまい、冷たくなったピザを一人で平らげてしまいました。ストレス太りなんですよ、これは。っていうのはいいわけにしか聞こえませんか?

というわけで初めての若竹七海です。どっかで、すっごいおもしろいと感想を読んでから、いつか読もうと思っていたのですけど、すっかり忘れていて、先日なんかの本の最後にある広告で「競作 五十円玉二十枚の謎」というおもしろうそうな作品をみつけ、この作品の出題者が若竹七海ということでその名前を思い出し、そういえば読みたかったんだということで、さっそくブックオフで手に入れてきました。最近は初めての作家さんでも、長編を手に取るようになったのは、本を読む人としては成長したということなんでしょうかね。

作品自体はミステリーということなんですけど、不幸続きの相沢真琴がそれまでの不幸をはらすかのように、「バカヤロー」と葉崎の海岸で叫ぶところからはじまります。するとそこで死体の第一発見者になってしまい、警察の取り調べを受けることになり、重要参考人として、葉崎市内に滞在しなくてはならなくなり、それから彼女にまつわる物語がはじまっていきます。といっても、彼女は主人公でもなんでもなくて、いろんな人の視点で語られるのがこの作品の特徴でもあるのでしょうかね。

タイトルにある、古書店アゼリアは登場人物の中でも重要な働きをする、紅子おばあちゃんのものであり、その紅子おばあちゃんが心臓の検査入院をするときに、代わりに真琴が店番を頼まれたところでもあります。

みなさんは、海に「バカヤロー」と叫びにいったことはありますか?恥ずかしながらkbbはあります。人も少なくなった冬の横須賀の先にある城ヶ島まで夜中に行きました。誰も渡ることがないので、城ヶ島にいくための橋は料金所に人もいないで無料でわたれるようになっています。そこまでいって、岩場のために歩きにくいところを海に向かっていきながら、暗くてこわいし、寒いしということで、海の目の前までは行かずに、海がちょっと見えるところまで行き、そこで大声をはりあげてバカヤローと叫ぼうとしたら、二時間も三時間も暖かい車の中に一人でいたのでだれともはなすことがなく、おかげでタンがからまってうまく声がでませんでした。一つ咳払いをしてから、もう一度大きな声をだそうとしたら、今度はうまくコントロールできずに思わず高い声がでてしまい、誰も聞いていないと思っているのに、赤面してしまいました。そしてやっと声の準備もできて、今度こそというところで、城ヶ島を望むところにある、大きなホテルの窓があき、酔っぱらいが大きな声で歌い出しました。その声を聞いていると、こんなところまでわざわざ来て、バカヤローと叫ぼうとしている自分の決意が馬鹿にされているようで、そのままなにもせずに帰ってきました。
そして暖かい車の中であしたもがんばろうと決意した覚えがあります。

まぁあまりいいことはないってことなんでしょうね。もしかしてそんな夜中にくると海の神様がうまく眠れないからと邪魔をしたのかもしれないですね。




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posted by kbb at 06:39 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ラワ行

2008年03月30日

犬の話-角川書店編

「犬の話」 角川書店編

犬の話こんにちは。うちには14歳になるミニチュアダックスフンドのボビー君がいるんですけど、この犬がもうぼけはじめたのか、耳は遠くなったし、目もあまりみえないようです。僕が名前を呼んでも無視します。外に自由に出入りできるようにはなっているんですけど、雨の日なんかは外にでるのが億劫なのかそこらじゅうにおしっこをひっかけてしまいます。しかも、それを見つけたときはじっとこっちを見て「なんか文句ある?!」っていう目をしています。バカにされているのかしらね。

うちには他に二匹の大型犬と中型犬がいたんですけど、もう彼らは亡くなっています。がさつで、そこらじゅうに体をぶつけながら愛らしい目を向けてしっぽをちぎれるぐらいに振って迎えにくるバロンちゃん。すっごい臆病で弱虫だけど、とっても賢くて自分がリーダーだって顔をしているけど、けんかでは体の大きさが違いすぎてバロンにかなわなくなってしまって、それでも孤高のリーダーのようにふるまっていた九太。kbbって僕の名前はそいつらの頭文字をとってできているのでした。

犬をみると思わず近寄っていってなでてしまうkbbさんですが、それを連れている美人の飼い主さんに思わず見とれてしまい、犬好きなんだか女好きなんだかわからないですよね。

そんな犬好きからにおすすめの作品が「犬の話」です。小川洋子や江國香織、椎名誠や遠藤周作なんて豪華な作家たち20人が犬にまつわる、エッセイやお話を書き連ねています。ここに川上弘美がいればパーフェクトなんだけどと思いつつ、いろんな方の犬に対する思いを垣間見た気がします。突然、(関係者以外の立ち入りが禁止されている)母校で犬を散歩させているなんていう告白があったりといろんなびっくりがありましたけど、全般的に楽しめました。

一つ気付いたのが、犬とともに旅にでる話がおおいなってこと。なんでと言えないですけど、犬と旅するお話は多いけど、猫と旅する話って少ない気がしませんか?猫はどこか常に旅をしていて、どこかに帰るところを確保している、犬は常に誰かに寄り添っていて、今いる場所が帰る場所ってイメージがあるのですけど、旅のお話になるとやっぱり犬って気がしますね。猫の一人旅は人間のお話にはなかなか入り込めないんでしょうかね。

犬好きに悪い人はいないってことで、いい人ぶりをアピールしてみたんですけど、これでkbbさんもモテモテですかね。ってここまで書いてイイヒトはもてないことを思い出しました。またまた作戦失敗ですねぇ。ザンネン。




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2008年03月28日

館という名の楽園-歌野晶午

「館という名の楽園で」 歌野晶午

館という名の楽園で小学校の卒業文集の将来の夢という欄に弁護士になりたいと書いていました。火曜サスペンス劇場なんかを見ていて、法廷に颯爽と立つ弁護士たちにあこがれていたというなんともミーハーな夢でしたけど。ところがただでさえきれいな女の子一人の前でもなにも言えないのに、もっと大勢の人の前にたつと頭のなかが真っ白になってしまって何も言えなくなってしまうことをはたと思いだし、その夢はすぐにあきらめたんですけどね。

そんな小さい頃からの夢を実現させた男が主人公の物語、「館という名の楽園で」です。野球少年がプロ野球選手を夢みるように、音楽少年はプロのミュージシャンを目指す。探偵小説を大好きだった少年はミステリー小説でよく事件が起こる、館に住むことを夢見る。

そして、そんな館を北関東の田舎に建てて学生時代に小説について語っていた仲間を数十年ぶりに呼びだし、招待客をそれぞれ、被害者役、犯人役、探偵役として推理劇を行う。イギリスを舞台にしたホラーまで飛び出した館の出自にまつわるミステリーとは、って感じで物語が進んでいきます。

館の主人、つまり主人公とその妻の決意がとっても悲しかったです。どうしてこんなところでこんな推理探偵ごっこをしなくてはならないのか。

夢を叶えるってのは悲壮感が必要なんですよね。それに向かっていつまでもいつまでも執着しなくてはならない。それをかなえるためにはほかのこと犠牲にする必要すらある。そうやってみんな夢をかなえていき、夢を叶えた人だけがそれを大きな声でいえる。えてして夢を叶えた人っていうのは苦労を苦労とも思わない人ばかりですから、その話を聞いている人にとって見れば想っているだけでかなえられると思ってしまう。それでかなえられないことがわかったときに、その難しさを知る。難しいものですねぇ。

連日のミステリー小説ですが、きっと疲れているからあまり考えなくていいものを手にとってしまうんでしょうかね。まぁ歌野晶午は大好きな作家さんなので、読めるのがうれしいんですけどね。今回のは少し短いお話でしたけど、歌野晶午の良さがでるのは「葉桜の季節に君を想うということ」ぐらい長いほうがいいかもしれないですね。



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2008年03月27日

チョコレートゲーム-岡嶋二人

「チョコレートゲーム」 岡嶋二人

チョコレートゲーム暖かい日が続いて桜も暑い暑いとつぼみというコートを脱ぎだしたようです。というわけで薄着の女性を見るよりは薄着の桜をみにいきましょう。

という枕ではじまるお花見の招待状をメールで送ったのですけど、誰もこの枕についてふれずに参加不参加だけを返事してきて悲しい思いをしているkbbです。こんばんは。

せっかくこんな詩的な表現をしたのにみんなひどいと思いませんか!?

ってことで、そろそろお花見に向けて準備をしないとなぁ、なんて思いつつ毎年使ってるブルーシートで十分かとも思っています。ところが一つ気がかりがあって、毎年豆鯵を使った南蛮漬けを持っていくのですけど、毎日会社帰りにスーパーによって見ているんですけど売っていない。どこにいっちゃったんでしょうかね。これもきっと地球温暖化のせいだ!なんて、なんでも温暖化のせいにするのはかわいそうですよね。毎年この時期にみていた気がしたんですけどねぇ。二日ぐらいつけ込んで味がしみこんで柔らかくなった南蛮漬けをみんなにたべさせてあげたいのになぁ。味がしみこんだ鯵とかなんとかいいながらね。・・・・。( ^o^)ノ◇ 山田く〜ん座布団1枚もってって。♪

というわけで、いつもながら前フリと関係のない本のお話でもしましょうかね。岡嶋二人の「チョコレートゲーム」です。もう10年以上の昔の作家さんなのでなかなか新刊書店にもブックオフにもないので、見つけるとすぐに買ってしまいます。積ん読がいっぱいあるのにねぇ。

お話は名門秋川学園で起こる連続殺人事件にまつわるお話です。高校生の息子が殺人犯とされ自殺をしてしまう。そんな息子の無実を信じて事件のことを調べ始める父。そして真相は・・・。というお話です。ここまで書いちゃうと結構お話がばれちゃうような気がしますけど、この作品の核心はチョコレートゲーム。秋川学園の生徒がはまっていたチョコレートゲームとはなにか、っていうのがなかなか明かされないのでだんだんじりじりとしてきますけど、それがわかったときはなかなか爽快でした。みんなこういう風に明かされたときの爽快感が忘れられなくてミステリーとか探偵小説とかにはまっていくんでしょうね、きっと。

で、チョコレートゲームなんですけど、実は僕も高校生のときにはまっていたときがありました。大きな声ではいえないんですけどね。まぁみんな勝てないようであまりおもしろくないからか、長くは続きませんでしたけどね。

まぁこのチョコレートゲームは甘さの中にとっても苦さがあって、超ビターなチョコレートですけどね。




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2008年03月25日

シュガータイム-小川洋子

「シュガータイム」 小川洋子

シュガータイム「 東芝の体重体組成計が欲しい! 」とブログに書くと、抽選でプレゼントという企画をブログ村でやっているので、とりあえず書いてみました。

目の前の利益と将来の不利益を天秤にかけて目の前の利益をとるという、経済学の考え方。だからせっかちな人ほど太る。

と、なんかの新書に書いてあると、どっかの書評で読みました。思わず膝を打ってしまうほど、自分にぴったりだなぁ、と感慨深く感じてしまいました。経済学の理論が自分にぴったりなんて、なんだか誰かに操られているようでいやですね。自分のせっかちな性格と旺盛な食欲がこんなところでリンクしているだ、なんてお前にはダイエットはムリだって言われているようでなんだかつらいですね。ダイエットなんて、禁煙と一緒で始めるのは簡単なんですけど、続けるのが難しいんですよね。

まぁ、そんなことはさておき、小川洋子の「シュガータイム」です。久しぶりの小川洋子でしたが、あぁそういえばこんな雰囲気だったと思いだし、思いだし読んでいました。

物語は"わたし"の日記からはじまる。

四月二十二日(火)
フレンチトースト四切れ(シナモンをかけすぎた)
セロリのサラダ 醤油ドレッシング
ほうれん草のココット
ハーブティー(口に残ったシナモンの香りを消すために)
草加せんべい五枚(ハーブの匂いを消すために)
納豆と胡麻のスパゲッティー
ドーナツ七個
キムチ百五十グラムぐらい(ドーナツが甘すぎて胸焼けしたから)
フランスパン一本(口の中がひりひりしたから)
ハヤシライス二杯
フライドチキン八本
ソルトクラッカー一箱
あんずジャム一口


ある日からはじまった、異常な食欲。常に食べ物のことが頭の中から離れなくなる。近くのスーパーマーケットに売られているショーケースの中の熊の掌に興奮しながら自分の身の丈にあった食料を買い込んでいく。

彼女をとりまく恋人吉田君の奇妙な行動と、弟の奇妙な病気。彼女の異常な食欲がどこからやってきたのかなんて理由をさぐることなんかせずにいつのまにかそれを受け入れてしまう。むしろ、自分にもそういうことがあったと思わされる。

そうそう、そうやって食べ物がなくなっていくのを快感に感じてしまった時があった。コンビニで袋いっぱいの食料を買い込んで一晩で消費したこともあった。なんて思い出させてくれる。結局排泄されてしまうものなのに、そうやってエネルギーをためないとやっていけないことがあった。エネルギーをためたところでそれを使う何かなんてなかったのに。

それがいつ終わるのか。作品では描かれていない。それが終わるときが子供から大人になる瞬間なのか。それともそんなのはいつまでも終わることがないのか。そうやって自分を受け入れていかなければならないのか。そんなことを感じさせてくれる。

なんともいえない、すてきな作品でした。この雰囲気好きかも、なんて思いながらいつもより時間をかけてゆっくりと一冊の本を読みました。いつまでも"わたし"の生活を見ていたいなんて思ってしまう。

小川洋子、やっぱり好きかも。




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2008年03月24日

木野塚探偵事務所だ-樋口有介

「木野塚探偵事務所だ」 樋口有介

木野塚探偵事務所だこんばんは。学校が春休みに入ったようで、短いスカートをはいた高校生ぐらいの女の子を電車の中で見つけました。あんな短いスカートをはいていたらちょっと風がふいたぐらいでめくれちゃうんじゃないかしらと心配になっちゃいます。でもそううやってみられていることを知っているから彼女たちは美しくいられるのでしょうね。

そんな風に短いスカートをはいている女の子を見て、喜びの前に心配をしてしまうのはお父さんの心境なんでしょうかね。歳をとった証拠なんでしょうね。

というわけで、今回の作品は本が好き!からの献本です。最近樋口有介の作品をいっぱい読んでいるのは本が好き!のおかげなので感謝しないといけませんね。今回の作品は前二作(「誰もわたしを愛さない」「不良少女」)の柚木草平シリーズとは違う新しいシリーズです。60歳を過ぎて定年を迎え、警視庁を退官し、探偵小説の大ファンだった木野塚佐平氏は念願の私立探偵事務所を開設します。

結婚して30年。後悔をしたことはあっても、喜ばしいと思ったことのない結婚生活で初めて夫人の了解をとらずに始めた自分の好きなこと。グラマーな美人秘書を夢見て求人雑誌に募集広告を載せるが、やってきたのは・・・。ってところからはじまって、金魚誘拐事件や、念願の殺人事件(?)なんかを華麗に(?)解きながら物語がすすんでいく、連作短編集です。

っていう作品なんですが、美人秘書というか、かわいらしい秘書がどんどん事件を解決していって、負け惜しみの言葉を心の中でつぶやく木野塚氏になんだか哀れみを感じてしまってどんどん楽しめなくなってしまいました。だんだんぼけたおじいちゃんのようにも見えてきて、そんな風に助手の能力を認めるのなら、趣味の野菜作りに精をだしていればいいのに、なんて思っちゃいました。

自分も歳をとったら自分の能力を過信しつつ、若者の能力を認めることができなくなるのでしょうかね。そんな悲しい歳の取り方したくないなぁ。ってもう十分年寄りだって?そんなこといわないでくださいな。




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posted by kbb at 21:11 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(4) | 樋口有介

2008年03月23日

未来(あした)のおもいで-梶尾真治

「未来(あした)のおもいで」 梶尾真治

未来(あした)のおもいでこんにちは。昨日の宣言通り、いろんな種類のビールを飲めるお店に行って参りました。アンバーエールやIPA、スタウトとIPAのハーフ&ハーフなど、世の中にこんなにいろんな種類のビールがあるのかと、少し驚きました。今まで知らなかったような日本の醸造所で作られたようなビールもいっぱいあって勉強になりましたよ。ビールだけをいっぱい飲んで酔っぱらったのが初めてということもあり、焼酎で酔っぱらったときや日本酒で酔っぱらったときとは酔ったときの感覚が微妙に違ったので楽しい気分になればいいのか、内に入り込んでいけばいいのか、わからないところがありましたけどね。これもいつか慣れていくのでしょう。こうやってどんどん違う自分ができていくのでしょうね。保守的なkbbとしては少し悲しいところもありますけどね。

というわけで、梶尾真治の作品です。作品名がすてきなパラドックスになっていますよね。タイムマシンものという感じの作品ですが、タイムマシンやワームホール、ブラックホールなんて小難しい仕掛けは出てきません。未来の彼女に恋をしたらどうなるか。未来の彼女のために現在を変えたらどうなるか、そんなお話です。

こういう話はかけない部分が多いので難しいのですが、最後のところで、ほほぅとうなってしまうようなストーリーになっていて、なるほどねって言っちゃうようなお話に仕上がっています。

27年後の世界が描かれているのですけど、電話はすべてテレビ電話になっているし、画像はすべて3Dでみられるようになっています。そして、煙草を吸う人もあいかわらず存在します。どんなに世の中のテクノロジーがすすんでも煙草を吸うには煙草の先にライターで火をつけて、口から煙をすいこむしかないようです。というか、煙草ってニコチンパッチのようにニコチンを摂取することを目的とはしてないんでしょうね。あの煙を吸い込む行為が煙草の全てですものね。煙がたたないと香りも楽しめないですし、煙でわっかをつくって遊ぶこともできないですものね。といっても、ちゃんと未来の世界にも嫌煙者は存在しているんですけどね。とまぁ、こんなところで煙草に出会えるなんて、と思って少し熱くなって一席ぶってみました。すみません。

昨日ビールの飲み方を教わったように、僕の中でもどんどん世界が変わっていくのでしょうね。27年後はビールしか飲んでいないかもしれないし、今は飲めないウィスキーやブランデーを飲み込んでいるかもしれないですね。煙草なんてやめているかもしれないですし、選ぶ本の種類も変わっているかもしれないですね。そうやって変わっていくことが怖くもあり、楽しみでもある気がしますが、どちらにしても寂しさは感じそうです。オトナになりたくないっていうことなのかもしれないですけどね。これはきっとピーターパン症候群ですね。そんなかわいい名前のものじゃないよなんてつっこみが聞こえてくる気がしますが、無視しておきましょう(笑)



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posted by kbb at 14:48 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 梶尾真治

2008年03月22日

ビールボーイズ-竹内真

「ビールボーイズ」 竹内真

ビールボーイズ僕は毎日お酒を飲まなきゃやっていられないわけですが、とりあえず家に帰ってあけるのは缶ビールです。グラスになんていれる時間はもったいないとばかりに缶からそのままのどに流し込みます。でもこれが、最近流行の発泡酒や第三のビールといわれるものじゃ物足りない。どんなに稼ぎが悪くてもビールの質だけは落としたくないし、煙草はやめたくない。

そんな僕のビールに対する思いなんて、大したことないって思わせてくれた作品が今日の「ビールボーイズ」です。本が好き!からの献本でいただきました。すてきな本をありがとう。もちろん今もビールを飲みながらこれを書いていますよ。

物語は四人の少年少女が30歳までに何ができて、何ができなかったかを描き出しています。ガキ大将だった正吉は義理の父親の酒屋に就職し、自分で地元でビールをつくることを夢見て、働きながら醸造学科への進学を果たし、理論の次は実践だ、とばかりに英語もはなせないくせにオーストラリアにワーキングホリデーを利用してビール修行の旅にでます。夢のためならエンヤコラというわけで、彼はそのすべてをすばらしいバイタリティでなしとげるわけです。

小学校当時ガキ大将の正吉の周りにいた三人。一人は親の転勤によって高校時代に東京に行ってしまい、離ればなれに。一人は何も先がみえていないけれど、とりあえず東京にでてきて、そこで自分のしたいことをみつけます。そしてもう一人は、やっぱり自分らしく生きるために東京にでてくるのですが、地元に帰り自分や仲間のために役所で働き始めます。

人それぞれにちゃんと役割があって、キミは今ここにいないとだめなんだね、っていうことを教えてくれます。久しぶりにこういう青春小説を読みましたが、読後はなんだか心が洗われますね。自分もがんばらないとね、ってね。こういう人の気持ちを震わすことのできる文章ってどうやったら書けるんでしょうかね。

まぁ、そんな難しいこと考える前に、この作品で知ったペールエール、インディアンペールエール、スタウト、アンバーエールの違いを知るために飲みに繰り出すことにしますか。ちょうど明日は元バーテンダーの友人が富山からでてきて、ビール専門店に飲みに行くことになっているので、勉強もかねて酔っぱらってきますねー。そうそう、この作品、各章の間にコラムが挟んであって、ビールの歴史が学べるようになっています。ちょうどビールの泡がビールのおいしさを閉じこめた上に引き立てるそんな感じでおいしく読めるようになっていますよ。




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2008年03月21日

生存者、一名-歌野晶午

「生存者、一名」 歌野晶午

こんばんは。昨日は地下鉄サリン事件から13年目だったんですね。当時高校生の僕はもちろんまじめに高校なんていってなかったわけで、そのおかげで日比谷線の隣を走る東横線にのることもなく、おかげで夕方に起き出してバイト先にいってはじめてみんなからそのニュースを聞いて知ったのでした。その無差別ぶりにびっくりしたと同時に、被害者の方には悪いと思いつつ自分が乗り合わせなかったことに素直にほっとしました。被害者の方々のご冥福をお祈りいたします。

そんな狂信的な教団の信者で都内の駅で爆破テロを起こして鹿児島沖の離島でひっそりと逃亡生活をおくる4人が主役の物語が本日の「生存者、一名」です。

歌野晶午はもう僕にとって安心して読める作家の一人となりました。この本も夜に眠れなくて軽く読もうと思って手に取ったら最後までおけなくなるぐらいのめり込んでしまいました。物語の作り方がうまくて、次はどうなるの?って思っちゃうので途中で置きたくないんですよね。彼の作品は電車で目的地も決めずに旅にでたときのお供にちょうどよいかもしれないですね。読み終わった駅でおりるなんて楽しそうな旅になりそうじゃないですか?

さて、作品ですが、四名の信者が残り少ない食料を心配しながら隠遁生活をおくるわけですが、そこは人間。食料のことで争い、一人、また一人と殺されていきます。犯人は誰なのか?誰が最後まで残るのか。手に汗握る感じですね。タイトルにあるとおり生存者は一名だけなんですけど、それが誰になるかってところがポイントです。最後のページまで目が離せなくて、さらに最後の一行まできたところで必ず途中のページまで戻ってしまうはずです。

でも、本土から船で10時間も離れた無人島に何ヶ月も住んでいられないだろうなぁ。広辞苑でもあれば、暇つぶしにもなるのだろうけど、そんな島まではきっとアマゾンは届けてくれないですものね。きっと活字中毒なんでしょうね、僕は。電車の中でだって、本を読み終わってしまって、ほかに読むモノがないときは困ってしまいますモノ。そういうときに満員電車はまわりに興味深い人が一人や二人はいるものだから楽なんですけどね。もちろん美人さんもいっぱいいますものね。ってこんな風に思える僕は幸福者なんでしょうね。




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2008年03月20日

1ポンドの悲しみ-石田衣良

「1ポンドの悲しみ」 石田衣良

1ポンドの悲しみこんばんは。昨日は友人と市ヶ谷で飲んできました。だんだんと市ヶ谷近辺のお店を発掘しているわけですが、まだまだ情報募集中ですので、コメントくださいな。おねがいしまーす。

まぁそんなわけでよっぱらいながら、その彼の恋愛模様を昼のメロドラ風に想像してみたわけですが、聞いている彼はとっても恥ずかしそうにしていて、だんだんと語り聞かせているこっちの方まで恥ずかしくなってしまって、どんどんリアリティのないお話と僕の突拍子のない希望にエンディングまでいけなくて、それが幸せなエンディングなのか悲しいエンディングなのか見定めることができないままお開きになってしまいました。幸せなエンディングまでいきたかったのになぁ。

さて、石田衣良の短篇集です。「スローグッバイ」に続く第二弾ということでした。10編の短篇が収録されていますが、それぞれ素敵な恋愛が描かれています。

"デートは本屋で"にでてくる女の子が素敵だったなぁ。素敵な男性にはまずどれくらい本を読むかをたずね、ある男性が熱中した本は、その人の学歴や職歴などよりずっと深いところで人物を語ると信じている。そんな千晶が取引先の男性と出会い、本屋さんでデートする。久しぶりに男の人と好きな本の話をしながらするデートに目を輝かせる千晶。

こんな素敵な子いないかなぁ。本の話だったら飲みながら朝までしてあげるのに。でも僕は本屋でデートなんてできないなぁ。だって欲しい本がいっぱいあって、女の子をおいてさっさと本棚に走っていってしまってその子のことを放ってしまいそうなんだもの。でも、その子も本が好きで一緒に棚をみていけばいいのかな。

これまで読んだ本を知れば、あなたがどういう人で、何が好きか。心の底でどんなふうに生きたいと思っているか、わかる。と千晶はいっているけれどこれはちょっと賛成できないかなぁ。だって自分の本質を隠したいから理論武装するために本を読んでいる人もいるだろうし、自分のことをあまり話したくないから、本の話でごまかしてしまう人もいると思う。僕のようにね。

久しぶりの石田衣良だったけれど、彼の語り口はぜんぜんかわらないですね。なんだかそれだけで安心してしまいました。相変わらずこんな可愛い子いないけど、いたらいいなぁって子ばっかり描いてくれるんだもの。kbbさんのリアリティのない昼ドラのような想像力がどんどん鍛えられていっちゃいますよ。




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2008年03月18日

西の魔女が死んだ-梨木香歩

「西の魔女が死んだ」 梨木香歩

西の魔女が死んだおはようございます。日に日に女の子のスカートが短くなり、日に日にスカートの生地がうすくなる今日この頃ですがみなさんいかがお過ごしでしょうか。

kbbさんは、インフルエンザとぎっくり腰と花粉症のトリプルパンチに悩まされています。なんだか最近不健康の話題が多いのは30が近づいてきたからなんでしょうかね。病は気からといいますが、身体の調子が悪いので気分がぜんぜんよくなりません。病は身体から、ともいえるのではないでしょうかね。

さて、今日はそんなおじさんのことは放っておいて、小さな女の子の成長の物語です。

以前読んだ「ウエハースの椅子」の解説で大学の教授でもある解説者の金原瑞人が学生に「出れば必ず買う作家って、いますか」の質問に「江國香織、川上弘美、佐藤多佳子、梨木香歩、三浦しをん」と答えたという文章があり、川上弘美好きな人がいうのなら、未読の梨木香歩も三浦しをんもおもしろそうだから読んでみようと思い立ち、先日ブックオフでみつけたこの作品を買ってみました。文章の雰囲気が川上弘美と似ているのかなぁと思って読み始めたわけですが、結論からいうと、雰囲気や作風はあまり似ていなかったですね。といって共通点がなかったわけではなく、日常の細かい描写や、視点の持っていきかたなどは似ていて、いい文章を書く人だなぁって思わせてくれました。

物語は一人の女の子が学校に行きたくなくなり、西の英国出身の祖母の家にしばらく居候するというお話です。そこの生活で自然とのつきあい方をしり、少しずつ、ほんの少しずつですが成長していきます。そこで、おばあちゃんに魔女になる方法を教わり、魔女修行の生活をはじめます。といっても、魔法をびゃーってだしたり、ほうきにのって夜空をだーっとかけめぐるなんてことはしないわけですが、その修行は人間にとっても、非常に重要なことでした。自分で決めたことは最後までやり通す。周りの刺激にむやみやたらと反応しないなど、これができたら誰にも文句は言わせないのになぁ、なんて僕は思ってしまいました。

江國香織もそうですが、この梨木香歩も児童文学作家出身のようです。最近児童文学出身の作家さん多いですよね。「カラフル」、「ショート・トリップ」の森絵都さんもそうでしたよね。もともと子供向けだから文章も小難しいことがかいていなくて、ひねりが少ないから読みやすいし、子ども目線で世界を見るからなのか、日常の細かいことが書いてあっていいですね。好きになりそうです。次の作品でこの人の好き嫌いが決まりそうで、少し慎重に選ばないといけませんね。こういう出会いがあるから本はやめられないんですよね。




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2008年03月17日

ベリーショート-谷村志穂

「ベリーショート」 谷村志穂

ベリーショートおはようございます。なんだかとても楽しい夢を見ました。とっても視点の入れ替わりの激しい夢でした。自分は甲子園を湧かせてプロ入りを果たしたスーパースター。開幕前のオープン戦でも見事な仕上がりをみせて開幕一軍入りは決定済み。今日は埼玉にある球場で開幕前のオールスター大運動会の日。といっても、経費節減とスケジュールを調整しやすいとの理由から、四球団ずつの三部制になっています。今も甲子園でのライバルと同じ種目にでて投げ勝ってきました。

次になったのが、その運動会をスタンドからみているしがないおじさん。しかも、片手間にその運動会の模様を眺めています。何をしているかっていうと、文房具屋さんに売っているような製本テープでもって、背表紙をとめて冊子というか、本のようなものを作っています。しかも何冊も何冊も。そしてたまに思い出したかのように去年の甲子園をわかせたスーパースターに声援を送っていました。

そしてまた野球選手になりました。今度はベンチに座って目の前で繰り広げられている運動会の様子を放送しているテレビをビールを飲みながら見ています。そこではタモリが司会をしていて、女子アナが選手が打った球を追っかけています。滑りやすいビニールシートの上を走っていて、ご丁寧に空から雨のような水をホースで降らされています。滑ったり転んだりしながら一生懸命打球を追う姿を周りのみんなで大笑いしながら見ているシーンです。そんなのを見ながら膀胱にたまったビールを我慢できなくなり、隣に座った先輩に、「ちょっとトイレいってきまっす。」といったところで目が覚めました。

うーん。この夢は何を暗示しているんでしょうかね。野球なんて甲子園を目指すどころか学生時代を通してやったこともありませんしね。でも松坂などの野球選手をみていると、甲子園を目指して努力するというのはきっとすばらしい体験なんだろうなぁって想像することはありますけどね。仲間がいて、結果を出すためだけに三年間を費やす。毎日毎日気の遠くなるような練習をして、それでも届かない人もいるのに、その人たちに打ち勝って手に入れるもの。それにしても夢の中の彼は本当に楽しそうでした。それに引き替え製本テープで本をつくっているおじさんはなんだったんでしょうかね。製本テープで本をつくったこともないんですけど、なんだかこっちの方が僕を表しているような気もしますけどね(笑)

さて、高校生が主役、といっても甲子園を湧かすようなスーパースターはでてきません。毎朝の電車の中にいるようなどこにでもいる高校生のお話がぎっしりつまった谷村志穂の短篇集です。高校生の心の動きが短いお話の中にちりばめられています。短すぎるという難しさの中に彼女の文章のうまさが出ている気がします。

それにしてもこれだけ、高校生だけを描くって言うのも難しそうですね。そう思うのはちゃんと高校にいっていなかったからそう思うんでしょうかね。高校生には毎日毎日冒険が待っているのかもしれませんね。高校も行かず毎日バイトに明け暮れていた僕には学校で出会う冒険にはあまり魅力を感じられなかったんですもの。というものの、男子校に行ってしまったのが間違いだったかもしれませんね。

先日も男子校出身という友人と、子どもを男子校に行かせたいか、ということについて話していたときに思ったんですけど、高校生という人間が一番成長する時間に男だけで過ごすって言うのは一生を損する気がします。だって、体に変化があらわれてそれにつれて羞恥心や恥じらいといった女性特有の心を獲得しはじめた女性の日常にみられる小さな仕草を見たことがなく、それを表現する言葉を持つことができなかったなんて、一生の損ですよね。男性を知った女性が外見的に、内面的にどう変化するのかなんてこの頃でしか知り得ないですものね。どんなに逆立ちしたってそれを獲得することはもうできないのだから。もし一回だけでも昔の自分にアドバイスする機会が与えられたなら僕は、男子校にだけは絶対に行くなと、脅しにいきたい。

とまぁ、そんな心も体も大きく変化する高校生を描いている短篇集なのですが、"いつもいい匂いのした女"の中で女の子に素敵なアドバイスをしてくれています。

いつもいつもいい匂いをさせて、洋服にはアイロンがきちっとあたっていて、髪の毛がきれいだったら、男の子の八十五パーセントは、あなたのことを振り返るわ。男の子なんてそんなもの。でもね、そこからなのよ。だからといって喜んでいたりしちゃだめ。本当に、心の優しい、それでいてキュートな子を見つけなきゃね


女の子諸君、ほんとそうですよ。男の子の僕がいうんですもの、マチガイナイです。といってもほとんどの女の子に振り向いてしまう僕が言っても説得力ないですかね。でもでも、女の子特有のあのシャンプーなのか、体から発するものなのか、あの甘い香りがしてると振り返らない男の方がおかしいと思います。あの男の子を振り向かせたかったら、髪の毛を少し手でかきあげて、香りを周囲にふりまいたらイチコロですよ。




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2008年03月16日

葉桜の季節に君を想うということ-歌野晶午

「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野晶午

こんばんは。インフルエンザで寝込んでいて、外にでていない間に春がやってきていたんですね。冷たい風が吹いても、肌を刺すような痛い寒さではなくて、どこか優しいそんな春の風に変わっていましたね。

そんなこんなで今年も花見の季節がやってきましたね。今年も井の頭公園でやりたいと思います。kbbさんをみかけたら遠慮せずに入ってきてくださいね、ってこのブログを読んで見つけられたらとっても素敵な出会いですね(笑)今年も一升瓶をかかえながら大きな声で笑える花見にしたいなぁ。

それにしても、いやぁ今回は、すっかりダマされましたよ、歌野晶午に。こんな素敵なタイトルでこんな素敵な名前をもった作家さんがこんなふうに綺麗に騙してくれるとは。こんなふうに綺麗にダマされると気持ちいいですね。

この作品は内容をここにあらすじをかけないという、ちょっと書評ブログ泣かせの本なわけですが、ネタバレを望む方はどうぞ、検索してみてください。いろんなところでネタ明かしをしてくれています。でも、この作品だけは何の予備知識なしに一ページ目から順繰りに読んで欲しい。ミステリーであるということだけ知っていれば十分です。

ネタがあかされてから、最後の解説まで(表紙の写真は文庫版ですが、読んだのは単行本版でした)もうダマされないぞと一文字一文字一生懸命読んでいたのですが、それ以上騙すところはなかったようで、一気に疲れがたまってしまいましたが、そこまではすっきりと読ませてくれます。

大絶賛しているわけですが、ここで何も言えないのが辛い。あの子に好きっていう気持ちを言えなかった12年前のような気持ちです、ってそれは違うか(笑)

最後にあらすじを書けないので、この本の中にあった素敵で僕の賛同できる言葉達でしめくくりますね。これで少しは読みたくなってもらえるかしら。

着てみたいと思うことと着て似合うことは別物だ。

俺は逆に地方出身者にあこがれてますよ。帰るところがあるから。

男はね痩せ我慢の生き物なんだよ

非生産的な挑戦ってかっこいいよ。

人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、過ぎ去った若年無知の時代にあらず





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2008年03月15日

走ることについて語るときに僕の語ること-村上春樹

「走ることについて語るときに僕の語ること」 村上春樹

走ることについて語るときに僕の語ることこんにちは。正月の箱根駅伝で東海大学の選手が踏みきりで足をくじいてから歩くのもつらいだろうに何キロも何キロも走り、棄権した。どうしてそこまで彼は走らなければならなかったのか。マラソンでどんなにつらくても、ゴールを目指す人がいる。彼ら彼女らを走らせるものはなんなのだろうか。最近そんなことを思うようになって、走ることがテーマの記事や本に目を奪われることが多くなった。

そんなときに友人から借りたのがこの作品。走る小説家・村上春樹が走ることを通して自分のことを綴った作品です。

上の疑問に対する答えは、駅伝はマラソンとは違うのでこの作品からはなにもわからない。走る理由はひとそれぞれなので、この作品からはなにもわからない。という至極当たり前の結論になってしまったけれど、久しぶりに村上春樹を読んで懐かしさの反面、やっぱりエッセイは、特に好きな作家が自分のことを語るエッセイは読むべきじゃないって結論になった。

真の紳士は、別れた女と、払った税金の話はしないという金言がある

からはじまるこの作品に、よかった、村上春樹だと思ってすんなりと作品にのめりこんでいったのは事実だ。でも、読む進めていくことがどんどんつらい作業になっていった。

彼は言う。専業小説家として長い人生を送っていくつもりなら、体力を維持しつつ、体重を適性に保つための方法をみつけなくてはならない、と。

彼の今までの小説からはそれとは正反対の匂いがたちこめていたように感じていた。"風のうたを聞け"の鼠や"1973年のピンボール"にでてくるスペイン語教師、"ノルウェイの森"のレイコさん。彼ら彼女から感じたことは、何に備えたとしても何かがやってくるのは突然だ、それをわけもなくそのままそっくり受け入れてしまうしかない、ということだったのではなかっただろうか。

この作品中でも、

明日が何を運んでくるのか、それは明日になってみないとわからないのだ。

と書いている。

僕は作家とは不健康にタバコをふかしながら深酒をして、作品を書くときはクマをつくりながら自分の身を削って作品を生み出すものだ、とはけっして思わない。しかし、すべてを準備してそこまでコツコツとやっていくマラソンをする彼とその彼が生み出す世界観に矛盾を感じてしまい、それをこれからそのまま受け入れていく自信がなくなってしまった。

彼のこの作品中でそれに対する説明をいたるところでしてくれる。「村上さんみたいに毎日、健康的な生活を送っていたら、そのうちに小説がかけなくなるんじゃありませんか?」に対して真摯に答えていたり

真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない。

ということをいっていたりする。

健康的な生活と小説が両立できないとは思わないけど、彼の小説の世界とマラソンという絶対的に準備をしなければならない競技は決して両立できるものではないとおもってしまったんですよね、僕は。

こういう彼の生活観を知った後で彼の作品に浸ることがどこか自分の中で矛盾となってしまう。だから好きな作家のエッセイは読みたくないんだろうなぁ。でも川上弘美のエッセイは彼女の作品通りなんですけどね。きっと僕のこの思いは小説家のファンによるただのわがままでしかないんでしょうね。

なんだかテーマが走ることではなくなってしまいましたね。まだ頭の中が混乱していて、中途半端ですけど、今日はこの辺にしておきます。




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2008年03月14日

噂-荻原浩

「噂」 荻原浩

噂こんばんは。会社行ってきましたよ。なんかみんなに心配されちゃってよけい恐縮してしまいました。かといって、まだ咳をしている僕に、帰ってもいいんだよ、といってくれた上司に、いなくてもまわるのか、と少し寂しくなったのもほんとのことですけどね。

さて、最近といっても何ヶ月か前ですがモスバーガーのCMにでてきた女の子かわいくなかったですか?あんな子とモスバーガーでも買って暖かい日に公園の芝生の上でのんびりしたいなんておもっちゃった僕は完璧に広告に操られていますね。

昔モスバーガーで働いていたとき。ずっと昔の話しですけど、そのころはCMが一切なく、モスの広告戦略がずばり口コミというものでした。だからこそ、店頭に来たお客様をしっかりともてなそうって気持ちにもなれたんだろうなって思いましたけどね。だってそのお客様は二度と来てくれないかもしれないから。

今回はそんな口コミがテーマの作品。マイブーム第二弾の作家荻原浩の「噂」です。やっぱりこの人もア行の作家さんですね。

香水を売るために流した噂。それは口裂け女のように人々の間に広まっていき、それが香水の売上を伸ばしていく要因になるはずだった。ところがそれを模倣した殺人事件が起こった。

ってところから物語が進んでいきます。主人公はしがない刑事。妻を亡くし高校生の娘と二人ぐらいの男やもめ。朝食の卵入り納豆を娘にバカにされながらも地域の、いや娘の安全のために犯人逮捕に躍起になる。相棒の女性刑事は自分よりも格上の警部補。本庁からやってきたエリートだけど、どこかノホホンとしていて、息子にバナナシュートを教えてくれとせがまれている。そんな二人で事件の核心へとせまっていく。

この女性刑事もやっぱり素敵な女性でしたね。なんだか守ってあげたくなる、だけどいざとなったら自分の足でちゃんと立ち上がって男勝りの活躍をする。守られるだけでなく、守れる存在。どうしてこう男心をちゃんとつかめる女性キャラを描けるんでしょうかね。きっと荻原浩はいつも女の子のことばっかり考えているんでしょうね。ってそんなわけないですよね・・・。

荻原浩の作品は中だるみしてしまう作品が多かった気がするんですけど、今回のはすべてのピースにちゃんとはまる場所があって、一気に読めてしまいました。

で、この作品、帯に「衝撃のラスト一行に瞠目!」って書いてあるんですけど、こわかったなぁ。この一行を読んだときは読み間違えたかと思って目をこすってしまいましたが、むむむって思わずうなってしまう一行でした。でも、途中のこれに関する伏線がぜんぜん読めてなかったんですけど、そういうのってありました?

この作品では大手代理店に勤めていた荻原浩らしく、口コミの効果がしっかりと描かれています。W.O.M.-Word of Mouth その口コミの効果を熟知した上でそれを専門に企画する会社なんてのもでてきて、これじゃあ人のうわさ話も話し半分どころか十分の一ぐらいに聞かないとだめですね。でもそんな世の中世知辛くていやだなぁ。話し十分の一で聞くのは女の子の話だけで十分です(笑)




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2008年03月13日

カフェー小品集-嶽本野ばら

「カフェー小品集」 嶽本野ばら

カフェー小品集こんばんは。明日からお仕事です。インフルエンザをひいていたとはいえ、なんだか後ろめたくて明日会社に行くのにドキドキしています。決して仮病じゃなかったんですけどねぇ;;

さて、ある友人の恋愛がいつもうまくいかないのは、なぜだろうと、最近分析していて、きっとこの子は自分にとってベストの人としか付き合わないからいつもうまくいかないんじゃないかしらという結論に至りました。これは僕にとっては大きな驚きでした。元々お互いが好きどうしでつきあい始めるなんてことできっこないと思っていたので、好きになれそうにもない人以外とだったらつきあってみればいいじゃない、なんて思っていましたので。彼女のような人をベスト人、僕のような人をノットワースト人と名づけて飲み会で盛り上がってみたんですけど、みんなに自分はどっち?って聞いてみたところ誰もが、自分はベスト人だって言い張っていました。

家に帰って考えてみたんですけど、短くて一回しかない人生、誰が好きこのんで好きになれるかどうかわからない人とつきあわないといけないんだ!?って思うからこそ、ベストの人と付き合いたいんだろうなって思い始めてきました。

同じような言葉を今日読んだ嶽本野ばらの「カフェー小品集」で見つけました。

「君」が「僕」に語りかけるシーンで

だっていろんな意味でその人は私にとって最善なのですもの。貴方は特別なの。スペシャルなの。最善は特別には敵わない。というか存在する次元が違うのね。貴方は特別だからこそ、私を苦しめる。


上のシーンは特別な「僕」に別れを告げて最善の彼の元へいく時の「君」のセリフです。きっと特別を追い求める人よりは、最善を求める人の方が幸せになれる気がするのは僕だけでしょうかね。小さな幸せを積み重ねて大きな幸せとしたい。きっとそうやって「特別」な人と恋愛のできない自分を慰めているだけなのかもしれませんが。

初嶽本野ばら作品でしたが、映画にもなった「下妻物語」の作者です。ちょっと気になっていたんですけど、やっぱり短篇集からはじめてみようということで、今回の作品を手に取ってみました。

実在のカフェー12軒を舞台にした君と僕が物語の連作短篇集です。京都から東京、小樽のカフェーまで載っています。実在ということで最後にはそのお店のデータまで載っているというサービスぶりです。しかし、そこに描かれているのは若いOLが喜んで行くような表参道の小洒落たカフェではなく、ひっそりと昔からそこにあるカフェーなのです。

この作品を読んで想ったんですけど、この作者(写真が載っているんですけど性別がわからない・・・;;)の作品ってなんだかフランス風って感じがするんですよね。作者の名前から受けてしまったイメージなのでしょうか。文章からもそういう印象を受けてしまって、立て巻きにしてフリルのついた白い日傘をさして、フランス貴族のようなスカートをはいた「君」を思い浮かべながら読む進めていくことになりました。それとも映画「下妻物語」の印象でしょうかね。

もしそれを作者が意図していなかったらすごく不幸なことだと思うけど、あながちそれもまちがっていないような格好をした女の子もでてくるので、きっと意識しているんでしょうね。

というわけで、あなたはベスト人ですか?それともノットワースト人ですか?




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2008年03月12日

ビッグボーナス-ハセベバクシンオー

「ビッグボーナス」 ハセベバクシンオー

こんにちは。大分体は楽になったんですけど、腰が痛い!ぎっくり腰?!ってぐらいいたい。あちらを立てればこちらが立たずって感じです。ってそれは違うか(笑)

先日新宿で一円パチンコというものにいってまいりました。普通は一玉4円のところ1円で遊べるって事で同じ値段で四倍の量遊べるって事であんまりお金を気にしないで遊べるのがいいですね。友達と待ち合わせしているときにパチンコに行くとでる、のジンクス通りそのときも結構でてしまって、友達を待たせることになったんですけど、大当たりも終わって早速交換を楽しみにしていたところ、やっぱりというか、当たり前というか、あんまり換金率は良くないようで、悲しい思いをしたのですけど、飲み会の前に余り玉で森永キャラメルを手に入れられたのがうれしいところって感じでしたね。

今日の作品のテーマはパチンコではなくて、パチスロ。パチスロメーカーで働いていた男がそこを辞めてパチスロ攻略情報を売る会社を立ち上げるところから物語がはじまります。といっても、ほんもののネタは一年に一回あるかないか。ほとんどがガセのネタをうっている。けれどそんなこと気にしてたらやっていけない。お客の顔がお金に見えないとだめ、って思いながら営業をし続けます。でもパチスロなんて勝てるわけがないのに、勝てると思っているお客さんはガセだろうが本物だろうが次こそはって感じで買っていってくれるので順調に売上を伸ばしていく会社になります。

この作品は第二回このミス大賞優秀作を受賞して出版されたのですけど、今までもこのブログで「パーフェクトプラン」「四日間の奇蹟」を紹介してきましたが、大賞には本物のネタしかないんですけど、優秀賞となるとたまにガセネタがあってびくびくしながら買うんですけど、これは大丈夫でしたね。まぁ最後の方にちょっとしたご都合主義があったり、暴力シーンがなんだかそこらにあるような描写だったのが残念でしたけどね。

昔はよくはまっていた、パチスロですけど、最近はぜんぜんいかないんですよね。絶対勝てないものだって思っているのも原因ですけど、パチスロしている時間に本を読んでいたいって最近では思っちゃうんですよねぇ。でもこの本を読んだらなんだかあのタバコくさくて、目と耳にうるさい店内の様子が懐かしくなっちゃいました。給料日明けにでも行ってこようかしら。ってずいぶん先の話しですね。それまでにこの決意は鈍ってくれればいいのだけれど。




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2008年03月11日

怪笑小説-東野圭吾

「怪笑小説」 東野圭吾

怪笑小説こんにちは。笑うとのどが痛くて、テレビのバラエティなんてみたくない感じです。今年の目標はいつも素敵な笑顔のkbbさんだったのに!

というわけで、テレビでなく本で笑ってみようというわけでアンソロジー以外では初の東野圭吾作品です。といっても、長い長い小説を手に取る勇気はなく、短篇集です。裏表紙に書いてある、あらすじを読んでなかなかおもしろそうだぞ、と思って買ってみたのですけど、正解でしたね。

といっても、この本、ミステリー作品とは言い難いものがありますね。たぶんミステリーなのではないと思います。UFOの正体は文福茶釜であると主張する男のでてくる"超たぬき理論"や周りの人間が人間以外の動物にみえてしまう"動物家族"などなど、筒井康隆や清水義範を読んでいるような気がしました。

一番こわかったのは、満員電車の中で本音が言葉になってでてしまう"鬱積電車"という作品。疲れたサラリーマンやミニスカをはいたOL、席をとれなくて頭に来ている老女、仕事にストレスを感じている会社員などの本音が満員電車の中で言葉になったら・・・なんて感じで話しがすすんでいきます。

これはほんとにこわいなぁって思いました。自分も「あの子かわいいなぁ」とか「あのスカートにあの靴を合わせるのはどうなの?」とか「あのカップルは不倫だな」とかって考えていることが多いので、これが全部まわりに聞こえるようになったら、僕はきっと電車を生きて降りることができないでしょうね。

って上のを読む限り電車の中では僕は女の子しかみていないようですね。「それでも僕はやっていない」ではありませんが、きっとこのブログが証拠となって有罪になってしまうんでしょうね。少しは慎まないといけませんね。こわいこわい。




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2008年03月10日

死体を買う男-歌野晶午

「死体を買う男」 歌野晶午

死体を買う男おはようございます。昨日はだいぶ楽になったと書きましたが、なんだかインフルエンザにかかっていたようです。午後から病院に行って来ますが、インフルエンザなんてかかった記憶がないので、びくびくしながらわくわく、と思うのは少し不謹慎かもしれませんね。

結局週末は本をほとんど読むことができませんでした。のどは痛いわ、変な汗がでてくるわでじっとしているのも辛くてうつらうつらしていました。ハードカバーは重くて満員電車の中で開くのが辛いので週末に家で読むことにしているんですけど、週に二日しかない休日が潰れてしまうとどんどんハードカバーが貯まっていってしまいますね。ただでさえ積ん読がいっぱいあるのに・・・。

さて、先週読み終わっていながらまだ記事にしていなかったのがこの作品。「死体を買う男」です。最近マイブームの歌野晶午ですよ。なんか最近気付いたんですけど、僕のブログってア行の名前をもつ作家さんが多くないですか?ブックオフとかでア行から順番にみていって、ハ行ぐらいまで来るといっぱい本を持ちすぎていて疲れちゃうからなんでしょうかね。

閑話休題

というわけで、江戸川乱歩の未発表作品が発見された!?というところから物語ははじまるのですが、その作品と地の文が交互にでてくる作中作という趣向がこらしてあります。江戸川乱歩と荻原朔太郎が謎解きをするというのも不思議な感じがしますね。

まぁ江戸川乱歩などの作品を好きな人はそういった観点からも楽しめる作品なのかもしれないですけど、江戸川乱歩作品を読んだことがない人でも二重三重のどんでん返しに驚かせてもらえる作品になっていますよ。

歌野晶午は「葉桜の季節に君を想うということ」をハードカバーでもっているので週末に読みたかったんですけど、また来週以降になっちゃいそうですね。はやく片づけて本屋さんにいきたかったのにぃ。




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2008年03月09日

ウエハースの椅子-江國香織

「ウエハースの椅子」 江國香織

ウエハースの椅子おはようございます。昨晩は風邪で39.8の熱がでて意識が朦朧としていました。どうして高熱がでているときって悪い夢をみるんでしょうかね。今回僕がみた夢は延々と細かい字を見ながら間違っているところを探すという夢でした。それで目が覚めて、また寝ると今度は違うものを探すようになっていて。
クスリのおかげか今は36度台まで落ちてくれたので大分楽になりました。3度違うとぜんぜん変わる物ですね。

小さい頃スーパーにつれていってもらうと必ずおねだりして買ってもらったお菓子がありました。そのスーパーのプライベートブランドのような包装に包まれたウエハース。手に取るとボロボロとはじから崩れていき、胸の辺りをさわるととげとげとしたものが手に触れる。学校帰りに家に帰り窓際で傾いた夕日を浴びながら、牛乳にひたして食べるウエハースが幸せだったなぁ。まぁそうやって畳の上におちたウエハースの破片を母親にみつかって怒られちゃうんですけどね。

江國香織の作品を読むと、お風呂にのんびり浸かりたくなりませんか?普段シャワーしか浴びませんが、お風呂に入りながらお酒でも飲みつつ、本を読む。少し温度を低くして、長居ができるようにしてゆっくりしたい。まぁお風呂を掃除したり湯船にお湯をはったり、濡れても捨てていいような本を探したりっていうめんどくささにそんなことしたことないんですけどね。

今回の「ウエハースの椅子」を読みながらやっぱりお風呂にゆっくり浸かりたくなり、ウエハースを食べながら浴びたあの夕日を思い出してくれるような、時が止まった物語でした。

「ストーリーは・・・ない・・・」

と解説でも書かれているのですが、女性の心の動きが細やかに描かれています。一人になると「絶望」に話しかけられる彼女。すっかり満ち足りた後にやってくるのは「死」であることを知っている彼女。死を待つぐらいなら、自分から満たされた状態を脱しようとする彼女。

とっても悲しくなるお話しでした。といっても涙がぽろぽろでてくるといったたぐいのものではなく、静かに自分の心の裏側から自分の心を眺めるような感じ。

この作品はハルキ文庫からでているのですが、ハルキ文庫と聞いて、村上春樹が出版界を憂えて自分で出版社でも興したのかしらなんておもっていたら角川春樹事務所とのこと。彼はめげずにここで再起をはかっていたわけですね。へこたれない人生、それはそれでおもしろいかもしれないですね。




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posted by kbb at 11:46 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 江國香織

2008年03月08日

ウフ2007年4月号

「ウフ 2007年4月号」 雑誌

ウフ2007年4月号おはようございます。花粉症だと思っていたら風邪をひいていたみたいです。昨日も飲み会で敏感でナイーブだから花粉症になっちゃうんだよ、なんて説明をしていたのに、風邪だったなんてみんなに知られたらただのアホっていわれちゃいますね。どうりでお酒がおいしくなかったわけです。

さてさて、今日は体調もわるいので前置きはこの辺にして、本が好き!からの献本の雑誌「ウフ」の第三弾です。今回も表紙が宮崎あおいで癒されます。こんな子が「大丈夫?」なんてやさしくいいながら額と額をくっつけて熱を計ってくれたら、風邪なんてどうでもよくなったからデートに行こう!なんていっちゃうんですけどねぇ。

まぁそれはさておき、今月号(といっても去年の4月のお話しですが・・・)から井上荒野の連載小説がはじまりました。こういうのがはじまってしまうと、読まないとっておもっちゃいますよね。というか、お話し自体がこれからどうなった行くのだろうかって感じで次号乞うご期待って感じでおわっています。最近いろいろなところで目にする井上荒野ですが、はじめて読んだ彼女の文章ですが、入り口はなんだか明るいところから暗いところを覗き込んでいるようで、中がまったく見えずおそるおそる入っていくと、ちょっと開けた場所にでて少し休んでいると細い道を発見したというところでしょうか。って読んでいない人にはさっぱりわからない比喩でしたね。

まぁ週末は少しおとなしくしておくことにします。本がいっぱい読めるといいのだけれど。では、みなさんも体におきをつけて。




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2008年03月06日

ウフ2007年3月号

「ウフ 2007年3月号」 雑誌

ウフ2007年3月号こんばんは。ちょっと前の話しになりますが、日曜日の映画の日に、映画をみてきました。

朝から「陰日向に咲く」を観に行くことを決めていて、昼過ぎに家をでてもう長いことやっているからすいているだろうってことで、ぎりぎりについたら満席。携帯でそのあとの時間にやっているところを探してぎりぎりについたらまた満席、なんてことを繰り返して映画館をはしごしてやっと四軒目の西新井のシネコンでみることができました。その前の回も満席で今回も満席だろうとおもったら、ガラガラで四軒もまわった意味はなんだったんだろうって悲しくなりました。もしかして昼から観る人は多いけど、夕方から観る人が少なくなるのが映画の日なんですか?

一通り感動したあとで、テレビで「それでも、僕はやっていない」をテレビでやることを思い出し、急いで家に帰り自分の電車内での行為に思いをはせ、疑われたら申し開きができないなぁと反省する一日をすごしました。といっても決して痴漢なんてやらないですよー。痴漢をやる男なんて最低だと思っている一人ですから。

そんなわけで、映画「陰日向に咲く」で宮崎あおいとの衝撃的な出会いをしたわけですが、あの子は美人さんですね。過去の芸人さんの役のときの宮崎あおいなんて美人というか、輝きまくっていますね。あの子の笑顔はいい。というか笑顔を見せるタイミングをしっていますね。

そんな風に宮崎あおいに癒された一日だったわけですが、帰ってきて本が好き!から献本された「ウフ」の表紙をみるとなんだか知った顔があるっておもって、いろんなところをひっくり返してみると、表紙写真・モデル 宮崎あおいって書いてあって、おーい!って感じでした。

こんなところに宮崎あおいが!って感じで開いてみると、表紙裏の宮崎あおいのエッセイの存在理由がわかってみたりして、今回はまた違った角度でこのエッセイを読むことができました。

他にも新解さんネタで結構楽しませてくれた、鈴木マキコこと夏石鈴子の読み切り小説があって、この雑誌で初めて小説を読めまして。乳ガンの話しだったんですけど、女性の胸を切り取る時の気持ちってなかなか男には理解できないものですね。半身がなくなったような気分になるんだろうなって想像はできても、実感はできないですもの。

最近、宮崎あおいや沢尻エリカみたいな可愛い子との出会いがいっぱいあったわけですが、毎日地下鉄に乗っていても可愛い子は身近にいっぱいいるものですね。もっと目を見開いて周りをみてみないと、なんて思いつつ、鏡を見るときは目をつぶっているkbbでした。




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posted by kbb at 22:48 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2008年03月02日

ダーリンは外国人2-小栗左多里

「ダーリンは外国人2」 小栗左多里

ダーリンは外国人2こんばんは。最近よく思い出す子がいます。大学の同級生だった子なんですけど、ちっちゃくてかわいらしい女の子で、大学入学と同時に「初めてのメーク」のような本を買っちゃう、そんな女の子でした。彼女の家にみんなで遊びに行ったときに彼女の本棚でその本を見つけたときの彼女の恥ずかしそうに赤くなった頬がいつまでも忘れられません。

そんな彼女は今ではデンマークでイタリア人の彼をみつけ、ロンドンに住んでいます。ずいぶん遠くまでいっちゃったなぁなんて感慨深いです。そういえば、今はオランダにいるって連絡があったような気がします。EU内はずいぶんと移動が自由なんだなぁって思った記憶がありますもの。

その彼女がロンドンに留学するときにくれた本が同じ小栗左多里の「ダーリンの頭ン中」。そのときにはイタリア人の彼がいたので、興味があったんでしょうかね。まぁことばに興味があったからっていいわけをしていましたけどね。

その小栗左多里の「ダーリンは外国人」の第二弾が今作「ダーリンは外国人2」です。外国人の彼と結婚したらどうなるの?るぽ、という副題がついているぐらいなので、彼、トニーとの生活が大きなテーマとなっています。というよりも語学オタクでチョコレート好きのトニーの観察記という感じです。

育ってきた国も文化も環境も違うのだから外国人と暮らすのは大変なことなんでしょうね、きっと。トニーは日本語は、というか11カ国語を扱えるようで、言葉の上であまりコミュニケーションの障害はないようですけど、やはり、ほんの小さなニュアンスが理解できないところもあるみたいですね。

フツウに日本で育った男と女だって理解できないのだから、外国人とつきあうなんてなにをいわんや、って感じですね。

彼女が彼の母親にアメリカまで会いに行くくだりがあるのですけど、帰りに漫画家である彼女がお礼にと絵を描いて置いてくるところがあるんですけど、それを母親は額にいれて飾ってあるそうです。絵を描いたり歌を作ったりなんていう才能のあるひとはこういう時便利ですよね。ちゃんと残るものを自分の手でつくれるのがうらやましいなぁなんて思いました。

全編を通してそうなんですけど、トニーと左多里はよく会話をしています。まったく違う二人がいつまでも仲良くいられる秘訣は案外こんな簡単なことなのかもしれないですね。



前向きなMOWさんが見られる記事はこちら

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posted by kbb at 23:32 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

2008年03月01日

しゃべれどもしゃべれども-佐藤多佳子

「しゃべれどもしゃべれども」 佐藤多佳子

しゃべれどもしゃべれども小学校の時、たしかあれは五年生の学芸会だったと思います。リア王だか、ハムレットだかのシェイクスピアの作品をやることになり、記念に準主役あたり(主役じゃないところがおかしいですね)の王様役に立候補したことがありました。そういうのに積極的なタイプではなかったので、そのときの教室にいた同級生や先生たちの一瞬止まった顔が印象的でした。

候補者が二人いて、その選考会の日。完璧に台本も覚えて手振り身振りまでも自分で考えて、自分の番になって舞台にあがったとき。初めてあがった舞台の上で下を見ると先生や同級生の顔がしっかり、くっきりと見えてしまい、その一瞬から頭の中が真っ白になっちゃいました。そして、檀の上で何も言わず立ちつくす僕。何もいうことができず、降りることも出来ず足だけわなわなと震えていた気がします。僕にとっては一時間にも二時間にも感じられた数分後、先生から「台本見ながらでもいいのよ」なんて言葉をかけてもらったけど、せっかく覚えてきたのに台本を見ながら言うなんてと、ちっぽけなプライドがそれを許しませんでした。と、いってもその後もセリフなんて一言も出てこなかったんですけどね。その後先生からの「もういいよ」という言葉で終わった選考会。その後の教室の雰囲気はまったく思い出すことができません。

そのときの経験から、頭が真っ白になってもなにか言わなきゃなにもすすまないことをしったからなのか、その後、好きな子に告白するときに頭の中が真っ白になってなにも言えなくなるって事はなくなったんですけど、格好悪い言葉を言ってしまって結局振られてしまうんですよね。もしかして、台本をそのままいわなきゃっていう緊張が頭の中を真っ白にさせたのかもしれないですね。告白の時は自分の言葉でなんでも言えますもんね。まぁその頭の中で考えたセリフは作られた台本にはかなわないってことなんでしょうね。

読みながら、そんな忘れていた記憶を蘇らせてくれたのが今回の「しゃべれどもしゃべれども」です。うまく人前で話せない人たちが落語家を師匠にして、落語を学ぶお話し。そこに集まったのはテニス教室でラケットをふらつかせて生徒の前でどもっている良、話し方教室で言葉のでない十河という猫のような女の子、いじめを喧嘩と意地で言い切る小学生の村林、プロ野球を引退してラジオ解説者となったがアナウンサーとうまくリズムがとれず思ったことを言えない湯河原。そしてそれを教えている落語家、三つ葉もしゃべることを仕事にしているのに、好きな子の前では歌舞伎に誘うことすらできない。

言いたいことをいえないっていうのは、きっとそれを言うことで引き起こさせる将来を考えちゃうからなんでしょうね。そこにはやはり自分をかっこつけたいとか、人を傷つけたくないとかって気持ちがあるような気がするな。未来が一瞬でも頭をよぎるともうなにもいえなくなっちゃいますものね。

三つ葉はおばあちゃんと一緒に住んでいるんですけど、そのおばあちゃんの話し方がくどくどとして同じ事を何回も繰り返す、なんて描写があるのですけど、最近の僕の酔っぱらい方がまさにそれで、これを読んだときにとうとう自分もおじいちゃんか、なんて思っちゃいました。もっとスマートで若者らしい飲み方をしないとなぁ、なんて思いました。ってなんだか最近このブログ、僕の酔っぱらい反省記みたいになってますね、これじゃあイケナイイケナイ。

以前、といっても二年近く前にMOWさんのところで紹介されていて、そこのコメントで、読んでみますーなんてことを言ってから、やっと読み終わりました。MOWさんおそくなってすまんです!






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posted by kbb at 12:38 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ サ行

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