本のタイトルは過去記事またはアマゾンへ飛びます。出版社等の確認にどうぞ。

2008年06月30日

テロリストのパラソル-藤原伊織

「テロリストのパラソル」 藤原伊織

テロリストのパラソルこんばんは。最近では眠れないから本を読むのか、本を読むから眠れないのかわからない夜を過ごしています。今日も三崎亜記の作品を読みながらどのタイミングで本を閉じて目をつむるか悩んでいるところです。

さて、最近ナンパな作品が続いていましたがここでkbbさんらしい硬派な作品をだしてきました。ハードボイルドな感じがプンプンとしている「テロリストのパラソル」です。藤原伊織はこの作品で乱歩賞という探偵小説の新人賞と直木賞をダブル受賞しました。でも彼はその10年前にもいわゆる純文学のすばる文学賞をとっているんですよ。才能のある人は何を書かせてもうまいってことなんでしょうね。この十年間の彼が何をしていたかが気になるところではありますけどね。

物語はというと、アル中のバーテンダーが新宿中央公園で起こった爆破事件にたまたま居合わせるところから始まります。彼はその事件で被害にあったわけではないのですけど、彼の残したウイスキーのボトルや過去から彼が手配されることになり、彼は身を隠します。過去と交錯する現在。ニューヨークと新宿が交錯していく。なんてまとめてみました。

それにしてもこの作品にでてくる登場人物がしっかり描かれていて、ぐいぐい引き込まれていきます。主人公はもとより、まわりのちょっとしか出てこない人まで丁寧に描かれていて、それが物語にリアリティを与えているんでしょうね。

このバーテンダーを評して昔の恋人は彼のことを

ノーテンキと鈍感が仲良く同居している

と、言っています。

たしかにノーテンキと鈍感さは一緒にはいられないかもしれませんね。
これだけとっても筆者が人物をよく見ているなぁって思っちゃいました。

さて、そろそろ寝ないと明日の仕事に響くわけで、仕事に関してはノーテンキにいられないのが辛いところですね。今日もいい夢がみられますように。




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2008年06月29日

もつれっぱなし-井上夢人

「もつれっぱなし」 井上夢人

もつれっぱなしこんばんは。週末になると寝過ぎてしまったりお酒を飲み過ぎてしまって思い通りにいかない生活をしているkbbです。

さて、岡嶋二人の片割れ、井上夢人の作品です。全編が男女の会話だけでできている短編集です。タイトルの「もつれっぱなし」の通り、起承転結の転がうまくて、おぉ!ってなっちゃう作品が多かったです。

それぞれのタイトルは"〜の証明"となんらかを証明するような会話が繰り広げられます。たとえば、"宇宙人の証明"、"四十四年後の証明"、"狼男の証明"、"嘘の証明"など証明しようとするんだけど、途中で立場が変わったりしてそれがうまく「転」となっているんですよ。

"嘘の証明"が一番わかりやすくて、それでいて、背筋がぞくぞくとなっちゃうようなお話でした。万引きをした生徒と問いただす先生というシチュエーションなんですけど、やった証拠もなければ、やっていない証拠もない。生徒は、ガードマンが私を脅して身体を狙って万引き事件を作り出したんだ、という。

それをそのまま信じるわけにもいかず、かといってやっていない証拠もないということでどうしていいか悩む先生。ところが!?

ここで、結論を書くことができないのが、つらい。是非読んでほしいなぁ。まぁ会話だけなので途中で飽き飽きしちゃうってこともあるんですけどね。

岡嶋二人のもう一人の片割れはテレビドラマの作家となったようですけど、井上夢人のこの作品も映像を見ているかのような構成で、目に浮かぶようでした。

金曜日にはその週末になにをするかを映像のようにして頭の中で妄想しているんですけど、なかなかうまくいかないですよねぇ。




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2008年06月28日

バイブを買いに-夏石鈴子

「バイブを買いに」 夏石鈴子

バイブを買いにこんにちは。タイトルが過激すぎてビックリしちゃったでしょ?(笑)

さてさて、最近子供が欲しくて、車を運転していて、かわいい女の子が道を歩いていたりすると思わずスピードを落としたりして安全運転になってしまいます。追い抜きざまにじっくりと観察して、かわいいなぁなんてヨダレをたらしてしまうんですけどね。男の子がいても絶対に見たりしないところなんかから、性的対象と見ているなんて思われたら困るんですけどね。

そんなわけで、って別に上の話と繋がるワケじゃないですけど、今日の作品はいやらしいタイトルなんですけど、読んでみるとそんなことすっかり忘れてしまうようなお話です。「バイブを買いに」。赤瀬川源平の新解さんの本の編集者でその後自分でも一冊ものしている鈴木マキコと夏石鈴子は同一人物なんですよ。夏石鈴子の小説は以前、雑誌ウフで読んだことがあったのですけど、今回は初の作品集です。

短篇がいくつも収まっているんですけど、そのうちのいくつかは連作のような形になっています。

恋愛とセックスと好きな人と、結婚と子供。恋愛とセックスと結婚が自然な形で繋がっているんだなってことを思わせてくれます。子供ができたから結婚しよう、っていうのがいかに不自然なことなのか。子供ができたから、ではなくて、好きな人とセックスをしたら子供ができた。だから結婚っていうことなんだなぁって考えちゃいました。何言ってるかわからなくなってきましたね。

まぁつまり結婚はなにも特別なことでもなんでもなくて、なんにも理由なんて必要じゃなくて、好きな人がいて、その人といつまでも一緒にいられればいいなっていう気持ちが強くなったらそれはもう恋愛から結婚って名前が変わるのだけれど、中身はなんにも変わらないんだよっていうことが言いたかったわけです。

タイトルはすっごいいやらしく、バイブを買いに行く前に、この本を買うのが恥ずかしくなるけど、本のタイトルだけで中身まで判断しちゃうようだと、素敵な恋愛はできないと思う。まぁそういうわけです。出版社の担当者が新聞社に批評を頼んだら、タイトルをみただけで、「うちではちょっと」っていわれたようですけど、そんな人間にならないように是非是非読んでみてね。って図書館にも入ってなかったら随分悲しい気分になっちゃうだろうね。




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2008年06月27日

あの日にドライブ-荻原浩

「あの日にドライブ」 荻原浩

あの日にドライブこんばんは。昨日は試写会に行って来ました。「ラストゲーム 最後の早慶戦」というやつです。いい映画でしたよー。泣きたい人も泣きたくない人も見終わった後にはほろっとさせてくれる映画でした。決して泣かせようとしていないからこそ、号泣ではない、暖かい涙がぽろっと落ちてくるような感じです。

で、その帰りに前からいいなぁと思っていたお店に行って来ました。囲炉裏のようなところがオープンキッチンの中にあり、炭で野菜や魚を焼いているのを見ていつもヨダレを垂らしていたんですけど、初挑戦でした。料理もおいしいし、日本酒もいっぱいあるってことでとってもいい時間を過ごしてきました。でも、飲み過ぎたときのいつものくせで、一緒にいる子にきついことを口走っていて、いつのまにか喧嘩していました。お酒を飲んでひどいことをいうのって本当に最悪ですよね。今日起きるまではまったく気付かなかったですけど、起きてから自己嫌悪で胸焼けとともに頭の中まで焼けるようでした。

さて、そんな風に決定的なひと言で一流銀行を辞めることになってしまった伸郎が主人公のお話「あの日にドライブ」です。荻原浩の得意なユーモアにブラックを絡めて、失敗した男を料理しています。

銀行を辞めることになったことを後悔しながらも、やめて正解だったなんて自己肯定しつつ次の就職先を見つけるまでの腰掛けとして選んだタクシーの運転手。でも、だんだんとタクシーの営業に慣れてくると、それが楽しくってしょうがなくなってしまう。妻にも息子にも娘にも疎んじられて、家の中には居場所がない。そんな中年の悲哀がうまく描かれています。

こんなことどうやって知ったんだってほど、タクシーの運転手についての細かい描写があって、実は荻原浩って運転手をやっていたんじゃないかって思わされますけど、きっと綿密な取材をしたんでしょうね。

作中に元甲子園球児の男がでてくるんですけど、僕も最近知り合った人に元甲子園球児っていう人がいました。春夏合わせて三回ぐらいでているらしく、しかもキャプテンとしてでたこともあったそうなんですけど、彼はその話をはじめるともう目を輝かせてしまって、でもそんなに強くもないお酒をあおるように飲んでいました。誇らしいけれども、今の自分を考えると苦いってことなのかもしれないですけど、そんなこと聞けないですよね。彼はどんな気持ちで野球を諦めてサラリーマンをしているのかしら、なんて思いながら僕も一緒になってお酒をあおっていたんですけどね。


三谷幸喜のマジックアワーも公開されていますね。次の映画の日にでも見てこよう、そんな風に考えているので、もし見た人がいてもなにも話さないでくださいね。おねがいしまーす。



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2008年06月25日

きいろいゾウ-西加奈子

「きいろいゾウ」 西加奈子

きいろいゾウこんばんは。最近なんだか、田舎に住みたいって欲求がでてきています。飽きっぽい僕は満員電車に飽きちゃったんでしょうかね。山が間近にせまるような景色を思い浮かべているんですけど、そんなところで何ができるってわけでもないんですけどね。自分が食べるぐらいのキュウリとトマトを育てて、ネギは掘り返さないようにしながら毎日少しずつ伸ばして、ジャガイモで一冬を越す。そうやって生きていくのが人間にとって一番幸せなんじゃないかしらって思うのは、きっとただの逃げなんでしょうね。

さて、MOWさんのおかげで出会えた、最近一押しの作家さん、西加奈子の「きいろいゾウ」です。最近新刊を二冊もだして結構波にのっている作家さんですよね。今回の舞台は田舎。長野の小布施あたりを想像したんですけど、実際はどこだったんでしょうかね。大阪弁をしゃべる二人だから、岡山あたりかもしれませんね。そんな田舎に住む夫婦二人の物語です。

奥さんは旦那のことをムコさんと呼ぶ。旦那は奥さんのことをツマと呼ぶ。その理由は是非本書を読んでください。そのエピソードで捕まったら最後まで止まることのない西加奈子ワールドに引き込まれること間違いないです。ツマとムコさんのお話が交互に組まれています。よくできていますよ。

西加奈子の作品を紹介するたんびに同じこと言っている気がしますけど、西加奈子ってほんとに周りのすべてが大好きなんでしょうね。それが証拠に、今回の主人公ツマはいろんなものの声を聞きます。野良犬やソテツ、クモや隣に住むアレチさん。まぁアレチさんは人間なので、声が聞こえるのは当然なんですけどね(笑)。

そんな風にツマの目を通して描かれた世界とムコさんの目を通して描かれた世界がいかにバラバラか。それなのに、いかに同じかってことが作品を通して語られていきます。そして、ところどころ挟まれるきいろいゾウの童話が最後に、ほっほーって感じでした。

こういう夫婦になりたい。そして夫婦でこんな生活がしたい。そんな風に思わせてくれる小説でした。西加奈子はきっと、素敵な恋愛を現在進行中な気がします。そうじゃなきゃこんな風に愛のこもった目で全てを見られるはずがないもの!




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2008年06月24日

青空チェリー-豊島ミホ

「青空チェリー」 豊島ミホ

青空チェリーこんばんは。

先日、駅で前を歩くすっごい短いワンピースをはいた女の子を見つけました。膝上30センチというか、歩いて裾が揺れただけでパンツがみえちゃうんじゃないかとこちらが心配になっちゃうほど短いワンピース。どきどきしながらも後をついていきました。ってもうこの時点で犯罪者の匂いがぷんぷんしていますけど、そんな格好しているんだからしょうがない。その先にある階段を上っていく彼女の後ろをついていきながら見上げると、そこには・・・。はい。スカートの下には普通に歩いているときには見えない黒いスパッツがありました。なんていうか、その瞬間におまえってスケベな男だなってことを突きつけられた気がするんですよね。すっごい罪悪感です。しかも、パンツをみることすらできなかったんですよ!?なんていうかダブルパンチ。後をつけていったそんなおまえが悪いって言われればそれまでなんですけどね。そんな格好しているんじゃねえ!って怒鳴りたくもなりますけど、そんな気持ちも萎えさせてしまうほどあのスパッツの威力は強かったですね。いいわけするならば、自分が向かうべき階段を上っていったことは幸いでしたね。もし全然違う方向に歩く彼女の後をつけていったとしたならば、たぶん立ち直れていなかったでしょうね。

さて今日の作品は「青空チェリー」。豊島ミホのデビュー作といっていいのかしら。「女による女のためのR-18文学賞」の読書賞を受賞した作品です。

ゆるしてちょうだい、だってあたし十八歳。発情期でございます…。ってことで、予備校に通う男女がラブホテルを覗きながらだんだんと・・・。ってだけのお話なんですけどね。そこに男女の細かい感情がうまくでていて、ほほーって感じでした。でもまぁ官能小説並の表現なんかもあって、満員電車に乗りながらちょっと困ったことになったりもして。

さて、そんな30ページ足らずの作品とともに収録されているのが、「ハニィ、空が灼けているよ。」と「誓いじゃないけど僕は思った」です。

「誓いじゃないけど僕は思った」は中学時代の片思いがいつまでも忘れられない大学生のお話です。もう一つの「ハニィ〜」は三崎亜記の「となり町戦争」のような見えない戦争のお話。

最近この年代の作家による見えない戦争のお話が多いですよね。戦争を舞台として大切な人と別れてしまうことによって成長するお話。そういった装置が必要なのかもしれないですね。それとも戦争を実感していないからこそ、書きやすいのかもしれないですね。って僕も体験したことはないからわからないですけどね。

18歳の発情期が描かれた作品でしたけど、30近くなっても発情期がおさまらないのは困ったもんですよね。近所の夜中になるとうるさくなる野良猫に文句いえないですね、これじゃぁ・・・。




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2008年06月23日

ガラス張りの誘拐-歌野晶午

「ガラス張りの誘拐」 歌野晶午

ガラス張りの誘拐おはようございます。なんかすっごい大切なことを見つけて、おおすごい!と思いつつ、それをそっと人に話すのだけれど、誰にも共感してもらえないことが最近多くて、僕にはそう見えるのに誰一人としてそうは見てないのかぁと悲しくなっております。共感系じゃないってことなんでしょうね。それとも話し方、伝え方の問題なのでしょうかね。

さて、今日の作品は昨日の作品と違ってはずれがないことを知っている作家さん歌野晶午の「ガラス張りの誘拐」です。歌野晶午って誘拐ものばっかり書いている気がしますけど、気のせいですかね。

三編のお話がつながった連作短篇っていっていいのかしら。一つ目は連続婦女誘拐監禁暴行殺害死体損壊遺棄事件。長ったらしい事件ですね。その事件を被害者に対して事件を思い出させてしまうような取り調べができなくなってしまった刑事佐原の目を通して見ていきます。

二つ目の事件は佐原刑事の娘が家出中に誘拐されてしまう事件。娘のものと思われる紅い靴が送られてきて、身代金を要求する電話がかかってくる。

三つ目の事件は読んでみてのお楽しみってことにしておきます。

佐原の娘に対する気持ちをなんだかうれしくなって読んじゃいました。特に娘、深雪(みゆき)が生まれたときの描写にうるっとしてしまいました。たった四行ほどのところなんですけどね。最近こういう子供の誕生の瞬間の父親の気持ちが書かれているのを読むと涙腺がゆるんでしまうことが多いんですよ。子供を欲しくなってきているんでしょうかね。

さてやっぱり歌野晶午でした。はずれがなかったですね。まぁ全てがあたりっていうわけにもいかないですけどね。誰の発言にも共感、感嘆できるわけじゃないってことなんでしょうね。




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2008年06月22日

幽霊狩人 カーナッキの事件簿-W・H・ホジスン

「幽霊狩人 カーナッキの事件簿」 W・H・ホジスン

幽霊狩人 カーナッキの事件簿こんにちは。風邪も熱燗が追い出してくれたようでだいぶよくなりました。やっぱり酒は百薬の長ですね。ってそういう意味ではないですよねぇ……。

さてそんなふわふわとしたよくわからない意識の元、本が好き!経由でいただいた作品です。もらわないかぎり読まなかったなっていうのが第一印象。読みはじめてみると、もらっても読むのがつらい作品ってやっぱりあるなぁってことを考えちゃいました。

まず、キャラクター設定がよくわからない。友人を呼んで自分の冒険譚を語る。食後に暖炉の前に移動してパイプをくゆらせながらロッキングチェアーに揺られながら。決して人に問いかけられても話し始めることはなく、自分のペースで口を開く。

なんだかかっこいいこの男が幽霊狩人、幽霊探偵となってさまざまな怪奇現象の原因を解決していくんですけど、幽霊がでてくるたびにあわてふためき、逃げ回る。手にした拳銃を取り落とし、防御するために用意した五芒星の装置を自分で壊してしまう。

この語るときの彼と、現場での彼のギャップがどうしても許せなくて、最後の方は斜め読みって感じでした。久しぶりにつまらない本を読んだ気がします。

翻訳も誤訳があったり、誤字脱字なんかも見つけてしまって、そのたんびに手を止めてしまいました。

きっとこれは風邪のせいなのでしょう。意識に膜がかかったようになっているのは、鼻が通ってないからでしょうね。もっと安心して読めるものを探してきます。




幽霊狩人カーナッキの事件簿
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書評/ミステリ・サスペンス


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2008年06月21日

北村薫の創作表現講義 あなたを読む、わたしを書く-北村薫

「北村薫の創作表現講義 あなたを読む、わたしを書く」 北村薫

北村薫の創作表現講義こんにちは。せっかくの週末だというのに、風邪をひいてしまったようです。木曜の夜に友達と飲みに行った飲み屋さんですでに、鼻はじゅるじゅる、くしゃみはしょっちゅうって感じでした。昨日も会社に行くと鼻水は止まらないし、咳はコンコンでるし、くしゃみはぶわっくしょんってのが続いて、同僚のみんなに迷惑をかけているはずなのに、誰も「風邪なの?」って言ってくれない。自分から言い出すわけにもいかないし、と思ってたらみんなに風邪菌をばらまいてると思うと段々と申し訳なくなっちゃって、どんどん小さくなっていました。あぁいうのって心配するほうも難しいですよね。風邪ひいたの大変ねぇって感じで近づくと相手を調子に乗らせるだけだし、なにも言わないでいると、なんか怒っているように感じさせちゃうし、笑い話でごまかせばいいのだけれどね。そんな理由で「バカは風邪をひかない」なんて真実とはかけ離れたような言葉があるのかもしれないですね。

さて、風邪を引いていても飲みには行くわけですけど、昼間は布団にはいって本をいっぱい読めるってわけで、いいこともあるわけです。
ブログなんて書いていると文章をもっとうまく書きたいって思うわけです。そんな折り本屋さんでこんな帯を見つけました。

「この本の面白さがわかる人は小説が書けます。」


なんだか挑戦されているようで、思わず手にとってしまいました。北村薫の小説は読んだことないのに、こんな言葉に騙されて買ってみました。「北村薫の創作表現講義」。北村薫が母校の早稲田大学文学部で授業した内容が本になっています。

この本、けっして文章の書き方をおしえてくれるわけではありません。当然ですよね。そんなの手取り足取り教えられたら世の中には小説家があふれてしまいますものね。

ではなにが書かれているかというと、小説とは何かってことなんですね。もちろん漠然としていることなんでしょうけど、どうやって考えはじめるか、どういう文章が小説でどういう文章が小説ではないのか。そんなことを読みとれるのではないかと思いました。

結局、小説ってどう書くかっていうのはそこまで重要ではなくて、何を書くかってことが重要なんでしょうね。それを見つけられない限り、世の中にゴマンといる小説家志望の人は世に出ることはできないんでしょうね。逆に言えば、世の中にいるホンの少しの小説家になれた人たちって言うのは何を書くかを見つけられた人たちなんでしょうね。

ブログなんて短い文章ですけど、やっぱり毎日何を書くかって考えちゃいますものね。そうやっていると電車にのっていても、街を歩いていても目を皿のようにして何かを探している気がします。女の子と歩いているときょろきょろしている落ち着かないやつってことになっちゃってるんでしょうけどね。むしろその女の子にもっと目を向ければまた違った展開になるんじゃないのかしらって、やっぱり反省で今日の記事も終わろうとしています。反省する材料は世の中にいくらでも転がっていますね。(ノД`)シクシク。




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2008年06月18日

スティル・ライフ-池澤夏樹

「スティル・ライフ」 池澤夏樹

スティル・ライフこんばんは。最近タバコ税の話題がよくでてきますね。また増税されちゃうんでしょうかね。この国は嫌いではないけれど、これ以上税金を負担させられちゃったら、ただでさえ薄い愛国心がますますすり切れていっちゃいそうです。

そんな愛国心について考えさせてくれる作品が表題作とともに併録されている作品です。昨日の記事で難しい単語が一つでもあると、その文章が頭に残ると書きましたが、今日の作品は科学と小説の融合とでもいうべきものでした。初池澤夏樹作品、「スティル・ライフ」です。表題作は芥川賞受賞作。相変わらず芥川賞受賞作ってあんまりおもしろいとは感じられないですけど、一緒に収録されていた、国際スパイになることをロシア人から誘われる男を描いた"ヤー・チャイカ"が素敵な作品でした。あぁ、こういう文章かきたいなって思わせてくれる作品を書く作家さんでしたね。

ところどころでてくる、科学的視点から描かれた素敵な表現。

「ひょっとしたらチェレンコフ光が見えないかなと思って」


宇宙の果てから飛んでくるその粒子は水の原子核と衝突して光りを出す。バーで二人で飲みながらグラスをのぞき込む男。

なんだかとっても小説的な場面描写ですよね。そんなこと言ってるやつがいたら結構頭のおかしなやつだって思われるだろうし、女の子といるならばくさすぎるセリフっていわれちゃうかもしれない。でも、この作品の中ではとっても際だっている。

ひさしぶりにもっと読んでみたいって思わせてくれる作家さんに出会った気がします。お話の雰囲気自体は少し暗いので、もう少し明るければいいのになぁって思っちゃいますけどね。




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2008年06月17日

随筆 おにやらい-巖谷大四

「随筆 おにやらい」 巖谷大四

随筆 おにやらいこんばんは。昨日の作品名なんですけど、「めしたのこいびと」ではなくて「もっかのこいびと」です。今だけとかって意味に近い言葉ですね。ちゃんとふりがなふっておけばよかったと今更ながらに思っています。なんでこんなこと書くかっていうと、僕の友人がこれを読んで、「めしたのこいびと」の記事だけど、と言ったから。いろんな読み方があるのが漢字ですものね。そういわれてなるほどって思っちゃいましたよ。

さて今日の作品ですが、ひらがなだから簡単でいいですね。「随筆 おにやらい」。1963年、昭和38年出版の作品です。もちろん僕はまだ生まれていません。作者は「文藝」の編集長だった人です。以前、読売新聞の一面のコラム欄にこの作品が紹介されていて、おもしろそうだと思って探していたら、amazonで見ると古書扱いで3万いくらで売っている人がいました。当時550円の本が3万って百冊ぐらいとっておいたらすっごい財産になっていたのにね。僕の友人が住んでいるところの図書館にあることを突き止めたので、借りてもらって読んでみました。すっごいいい!

「新聞 記事コラム」さんにこれを紹介している「編集手帳」の記事がありました。

最初はその記事にある文章だけを読みたくて、コピーすればいいや、なんて思っていたんですけど、読み始めると全く止まらなくなってしまいました。40年以上昔のエッセイなのに、書いてあることが今に通じるのが不思議ですね。日本人の政治的責任感は一般的に薄い、なんてことこんな昔から言われていることだったんですね。学生運動がおさまったころでしょうかね。その他にもいろいろ紹介したい文章がありました。

一番考えさせられたのは、散文についての項。

散文は人を立ち止まらせなければいけない。...すらすらと書き流した文章は読みやすいが、また人の脳裏に止まることを知らないという弊害がある


文章といえば、読みやすく、頭に入りやすい物が一番いいと思っていたんですけど、こういう考え方もできるんですね。そういえば、難しい単語が一つでも入っていると結構頭の中にその文章が残っていることがありますものね。

実は僕、って別に隠していたわけじゃないですけど、この時代ぐらいより前の文章って読めなかったんですよね、今まで。なんとなく、小難しい言葉がいっぱいあったり、雰囲気でしか読めない漢字があったりして、取っつきにくい印象を持っていました。でもこれを読んで、この時代のものもなかなかおもしろいじゃないか、って思いました。いきなり小説からはいるとその世界をイメージするのが難しそうだから、わかりやすい随筆あたりから探してみようかしら。

それにしても、この本。いつでも読めるように手元に置いておきたい。でも図書館に返しに行かないと・・・。高い本だから買うわけにもいかないですしね。みなさん、ブックオフの100円コーナーなんかにあったら絶対買いですよ。転売してもうまいし、読んでもうまい。なんていい本なんでしょうか(笑)




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2008年06月16日

目下の恋人-辻仁成

「目下の恋人」 辻仁成

目下の恋人おはようございます。一昨日は友人の結婚式の二次会というやつに生まれてはじめて行って来ました。知らない人がいっぱいいて、一緒にいった人に紹介してもらおうと思っても、人を人に紹介するのってなかなか難しいんですよね。で、紹介されないとうまく話の輪に入れなかったりして結局お酒に逃げちゃって近寄り難い人なんておもわれているんだろうなぁって思いつつ、さらに酒をあおるみたいになっちゃうんですよねぇ。

さて、以前友人からもらった作品、「目下の恋人」です。辻仁成は以前いくつか読んでいたんですけど、これは未読だったので、売らずに自分で読んじゃいました。横領ですね(笑)

10編の作品が収録されている短編集です。表題作"目下の恋人"が一番よかった。

人に彼女を紹介するときに「目下の恋人のネネちゃん」と紹介するヒムロ。体だけを求められているように感じる、ネネ。周りからみてると、ヒモのような存在のヒムロ。目下の恋人だなんてすぐにいなくなっちゃうような気がする。ある日、ヒムロが育ての親の祖父母のところのいくというので、ついていくネネ。祖父母は結婚はせずに二人で暮らしている。その二人が使う言葉「目下の恋人」。結婚などせずいつまでも恋人でいるという二人。

一瞬が永遠になるものが恋
永遠が一瞬になるものが愛


こんな風に何十年も、そしてこれからもずっとよりそっていく祖父母。

なんかいいものを読んだ気がします。

辻仁成の文章って結構くせがあるから、読みにくい作品も多いのですけど、これは結構うまく入り込めました。

10編のうち、連作のようになっている作品がいくつかあって、それはちょっと狂気的でこわいって感じでうまくはいりこめなかったです。

一昨日もそうでしたけど、素敵な言葉をいっぱい知っていても、なかなか使えないんですよねぇ。以前の「すいかの匂い」での江國香織の言葉

結局のところ、問題なのは美人かどうかということではなく、美人らしくふるまうかどうかなのだ


いつか、この言葉も使いたいんですけどね。魅力があるのだけれど、それをうまく表せることのできない子、僕の目の前に現れてくださいな。




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2008年06月15日

大人の心に効く童話セラピー-アラン・B・チネン

「大人の心に効く童話セラピー お姫さまと王子さまが中年になっても幸せでいるために」 アラン・B・チネン

大人の心に効く童話セラピーこんにちは。もうすぐ、30歳。毎日お酒を飲んで、毎日タバコを吸って、なんにも変わらない自堕落な生活をしている気がします。歳でなにかが変わるとは思えないけど、これをきっかけにして気持ちを変えないといけないんでしょうね。

30までは青年。そこから先は中年。そんなことが書いてあって上のようなことを思ってしまいました。「大人の心に効く童話セラピー」です。本が好き!経由でいただきました。うん、よかった。

作者は精神分析を専門とする医者。童話を青年童話、中年童話、老年童話という視点から分析しています。

簡単に言えば、青年童話はヒーロー、ヒロインがでてきて、悪を倒すお話。中年童話は主人公が試練に出会うもそれを乗り越えていきます。でも青年童話ほど悪にも厳しくなく人生にいかに対処するかを教えてくれる。死や運命などがテーマになりやすい。老年童話では死は中心的なテーマにはならない。もうそれがすぐ目の前にあるから。

そんな中年童話を詳細に分析しているのが本書です。

世界中のいろんな童話を集めてきて、それを死や運命、再生、命などのテーマにそって解説していきます。

青年期は自分の信念を持ち、やりたいことを見つけ、夢に向かって進み続ける。しかし、30を過ぎ、中年期には自分の現実を受け入れ自分が何者でもないことに気付くべきだ。それを受け入れ、自分の仕事をしっかりとこなして、次世代へ何かを残すことを第一に考える。

これが中年童話が本当に伝えたいことだろうと、書いてあります。たしかに、自分が何者でもないことをうけいれてはじめて、青年を脱却できるんでしょうね。それができないといつまでも大人になれない子供になってしまう。

でも今の世の中、「夢のないやつはだめだ。夢を持ち続ければいつかそれがかなう。」っていう考え方がもてはやされている気がします。それよりも、それが不本意なものであったとしても現在の仕事でしっかりと自分を固めるべきだ、なんてことをいう人がいなくなっていますね。

現在の価値観が下の世代の若者への評価でつくられているからなのかもしれませんね。一昔の話を読んでいると、上の人に認められたい、そういう動機をもって生きていた人が多い気がします。これも"父親"が弱くなったことが原因なんでしょうかね。

日本のお話も結構でてくるんですけど、カッパのお話のところで、日本ではカッパは悪魔のような存在である、とか武士で医者という男を分析するのに、武士という人を殺す職業と医者という人を治す職業を両方やっているこの男は象徴的だ、なんて書いてあってもう少し背景を知って分析して欲しかったなぁって思っちゃいました。

でも、30を前にしてこの本を手に取れてよかった気がします。人生や生き方について、もう一度心から考えさせてくれました。

さて、自分は何者なのでしょうかね。何者にもなれなくても、みんなが無機的になんの特徴もないまま集団に埋もれていることはできないはずですものね。なんだか最近こんなことを考えてしまって、気付くと電車にも乗らずに街を徘徊しています。おかげで毎日筋肉痛と闘っています。まぁダイエットにはちょうどいいんですけどね。




大人の心に効く童話セラピー
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書評/心理・カウンセリング


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2008年06月14日

邪魔-奥田英朗

「邪魔」 奥田英朗

邪魔こんにちは。昨日は金曜日!ということで、合コンに行くのか勝負服に身を包んで準備万端の女の子の集団がいたり、彼氏を喜ばせるのか彼に見せるためだけにチラッとセクシーなところがある服を着た女の子がいたりして、華やかな銀座でしたね。

そんなきらびやかな銀座を一人もくもくと歩いていた僕ですが、その子達からみたら体のでかい男が大股であるいているのなんて邪魔でしょうがなかったでしょうね。

やっと今日の作品につながった(笑)。というわけで奥田英朗「邪魔」です。流れるように数組の登場人物と彼らのエピソードがつながっていきます。

上下二段組で500ページ近くある本なんて、短篇好きのこの僕がよく開いてみようって思うなんて、今なら考えちゃいますけどね。

でも、読み始めたら(心理的に)止まらずにどこまでも読み進めて行けちゃって、あまり長さを感じさせるような作品ではなかったですね。単行本を読んだので、重さで腕が疲れてきたところに長さを感じてしまいましたが。

刑事の九野さんには騙され続けましたよ。そういうことだったのかぁってね。桜桃の会に結果的に騙されていた恭子さんもかわいそうでしたけどね。

刑事の井上が最後にこういいます。

人間、将来があるうちは無条件にしあわせなんだよ。それから先は全部条件付きだ。家族があるとか、住む家があるとか、仕事があるとか、金があるとか、そういうものを土台にして乗っかってるだけのことだ。


これだけ登場人物の将来を台無しにした作者が言わせた言葉とは思えなかったです。

初版本だったので、いくつか誤植や誤記があって読んでいくのに邪魔でしたが、そんなことはどうでもいいですね。やっと読み終わって「積ん読中の一冊」が変えられます。長いこと変わっていなかったので結構目障りでしたよね。邪魔な物が消えたってことですね。

↑のパラグラフは無理矢理「邪魔」って言葉を使いたっかたのがミエミエですね。それが一番邪魔でしたか。すみません・・・;;




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posted by kbb at 17:39 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | 奥田英朗

2008年06月12日

あの日、「ライ麦畑」に出会った-アンソロジー

「あの日、「ライ麦畑」に出会った」 角田光代 加藤千恵 久美沙織 桜井亜美 下川香苗 谷村志穂 中村航 野中柊 藤野千夜 前川麻子 横森理香 吉元由美

あの日、「ライ麦畑」に出会ったこんばんは。最近穀物の価格がすっごいあがっているみたいですね。人間にとってなくてはならないものなのに、どこまでこの世界は生きにくくなっていくのかしらね。きっとライ麦も価格高騰しているんでしょうね。ウイスキー好きは困っているでしょうね。幸い僕はウイスキーは苦手なのでいいんですけどね。ってビールだって焼酎だって価格があがっていますね。貧乏人からこれ以上お金を搾取するようなことはやめてもらいたいものです。

さて、「ライ麦畑」とはサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」ですね。村上春樹訳がでて一時期話題になりましたね。この本、僕は一回だけしか読んだことがありません。しかも野崎孝訳でした。でも初めて出会った「ライ麦畑」はそれではなくて、原書でした。アメリカをバスで二ヶ月かけて一周したことがあって、バスの中で暇だろうからと、なんか本でも読めるかと思って買ったのがサリンジャーの「Catcher in the rye」。結局最初のページをひらいただけで、辞書を使って読むのがいやになっちゃってそのまま鞄の底にしまわれることになったんですけどね。それから何年も経ってから、一度ぐらいは読んでみないとね、ってことで読んでみたのですけど、大した感動を得ることもできず、まぁ雰囲気は初期の村上春樹作品に似ているなぁって感じでしたね。それから数年後に彼が翻訳するものがでるとは全く思いもしませんでしたけどね。

さて、そんな「ライ麦畑」に出会った頃のことを題材にいろんな作家さんがエッセイにしたのが、本書です。角田光代、中村航、谷村志穂なんかの文章が読みたくて買ったんですけど、「ライ麦畑」の感想というよりは当時の彼ら、彼女らの考え方の方が色濃くでていて、うんうん、そうだった。なんて思いながら読み進めることになりました。

その内容を一つ一つここで書くことはしませんけど、みんな十代の終わりには「ライ麦畑」に出会っているんですね。きっとその頃の方がこの作品にのめり込めるのかしれませんね。

僕はというば、日本でいやなことがあって、それから逃げるようにして一月後には機上の人になり、そのままバスでアメリカを一周するなんてことをしていました。一カ所に留まるのはせいぜい三日まで。移動手段は徒歩かバス。そんな風に歩き続け、動き続けて得たものといえば、帰るところは一カ所しかないってことかしらね。結局どこに逃げても自分からは逃げられないのだもの。

そんなことを考えながら、諦めた「Catcher in the rye」。本棚にあるそれは、そこにしまわれてからずっとタバコの煙を浴びつつ、僕と同じだけの年を過ごしてきたってことなんですね。

いつかもう一度手に取る日がくるのかしら。それまでに英語を辞書なしで読めるようにならないと。




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posted by kbb at 23:32 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2008年06月10日

gift-古川日出男

「gift」 古川日出男

giftこんばんは。今日は仕事帰りに銀座を通って新橋、赤坂、永田町と約一時間半徘徊してきました。むしゃくしゃしているときは歩くのがいいですね。「もう疲れた」とか「足が痛い」とか考えてしまって、他のこと考えられないから。

前文とまったく関係のない作品です。初古川日出男作品「gift」です。ほんとに短い作品が20編収録されています。

なかなか読みやすい文章で、さらに彼自身の世界が描かれていて、彼の世界に足を踏み入れられる人ならはまれるでしょうね。

別れた彼女が話していた妖精の足跡を捕まえるために試行錯誤する男の話"ラブ1からラブ3"が一番楽しめました。

妖精の正体は、実は!って感じの物語なですけど、それが実はって感じです。それを伝える彼女も絶対かわいい!って思わせてくれる描写がいい!って思いました。

お台場が水没する"台場国、建つ"や出生率が突然何十倍にもなる物語"ベイビー・バスト、ベイビー・ブーム 悪いシュミレーション"なんて背筋が寒くなるようなSFがここから書けそうな気がして、これをこんな短いお話でまとめちゃうのはもったいないって思っちゃいました。

今日は歩いただけで2kg近くの体重が減りました。帰ってビールを飲んだだけで、すぐに戻っちゃうのでしょうけど、なんだか一時だけの神様のgiftのようでした。今日だけは罪悪感なしでお酒を飲めますね。っていっても酔わないぐらいにしておきますね。えっ!?文章が酔っているって?いつものことですって。




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posted by kbb at 23:03 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ハ行

2008年06月09日

海を抱く BAD KIDS-村山由佳

「海を抱く BAD KIDS」村山由佳

海を抱く BAD KIDSこんばんは。昨日の記事をそのまんまにして、全然書かなかったら、ブログとさようなら、みたいに思われたらいやだなぁって自分の記事を書いて思っちゃいました。前科ものですしね(笑)

さて、相変わらず読むという約束をなかなか果たせない男になっちゃっていますね。「BAD KIDS」を読んでからもう約半年たっちゃってますね。それとリンクしながらすすむ物語「海を抱く BAD KIDS」です。サーフィンを生き甲斐にして生きる光秀と優等生の恵理の物語です。高校生の体と心の変化。死への理解。尊厳死や死に行く者の権利など、考えさせられることがたくさんありました。

それにしても、この作品。光秀と恵理のセックスのシーンがとてもとても生々しい。ここまで書かれると、目を手で押さえているのに、指を広げて見ちゃう静香ちゃんのような心境で読み進めていきました。この生々しさは、「おいしいコーヒー」シリーズでなかなかくっつかない二人に作者自身もいらいらしているのかと思っちゃうほどです。

ところで、話はかわりますが、秋葉原の事件、ひどかったですね。亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げます。今その事件を報道するニュースを見ながらこの記事を書いていますが、被害に遭われた方を賢明に救助する方がたくさんいたようですね。

先日、通勤中に目の前で女性の方が貧血でふらっと倒れてしまいました。自分は女性を目の前にしてなにもすることができず、体も動きませんでした。動けなかったのではなかったのかもしれません。動かなかっただけなのかもしれない。そんな自分が情けなくて情けなくて、いざというときに動けない人間はだめだなぁなんて考えてしまいます。

なんだか最近、自己反省の文章が多くてこれじゃあだめですね。次のは少し明るくいくことにしましょう。




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posted by kbb at 23:18 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 村山由佳

2008年06月08日

今度こそ、さうようなら 新・別れの言葉辞典-現代言語セミナー編

「今度こそ、さような-新別れの言葉辞典」 現代言語セミナー

今度こそ、さようならこんばんは。明日は、というかもう今日ですが、フリーマーケットに行く予定です。以前もこんなことがありましたが、またもや雨の予報です。友人から集めた服が部屋で山となっていて早く片づけたいのに。

で、明日はそんなわけで早起きしなければならないのに、こんな時間まで起きてしまっています。なぜかというと、本を読んでいたから。どうして早く寝なきゃいけない時ほど本を手に取ってしまうんでしょうかね。このまま寝ないで行こうか、なんてことまで頭に浮かんでしまっていますけど、もう徹夜しても大丈夫、という年ではないですものね。早く、そんな現実逃避をしてしまう自分とお別れがしたい。どなたか、そんな時のためのとっておきの別れ言葉を知っていらっしゃるかたはいらっしゃいませんか?

さて、そんな言葉は載っていませんでしたが、古今東西(といっても日本の作品が多かったですけど)の本や映画、舞台から別れの言葉ばっかり集めた作品です。「別れの言葉辞典」なんてそのまんまの作品名ですが、これがまた中身がつまっていて、楽しかったです。なんと783も収録されているみたいです。これだけの数をいっぺんに読むと別れの達人になれそうですね。

その中でも思わず、ひどい、とつぶやいてしまった一つをご紹介。

君の体からは僕のじゃない匂いがするんだよ。


山田詠美の作品に出てきた言葉だそうです。なんてひどいことなんでしょうかね。本当のことだったとしたら、彼にとっては二度と思い出したくない経験になるだろうし、もしそれがただの勘違いだったとしたら、彼女は二度と恋愛なんてしたくない、なんて思っちゃうかもしれないですね。匂いって結構重要な恋愛のファクターですものね。匂いだけで恋に落ちちゃうことだってあるとおもいますしね。そんな経験はないけどね。でも、匂いだけで嫌いになっちゃった経験はありますけどね。

さて、この本を読んで別れの達人になったと思いこんでいるだけで、まわりにあるしがらみのどれからも逃げ切れない僕ですが、そろそろ本ではなくて、夢の世界へ逃避しようと思います。だって体がもたないもの。もう若くはないのだからね。




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posted by kbb at 02:33 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2008年06月05日

ジャージの二人-長嶋有

「ジャージの二人」 長嶋有

ジャージの二人昨日のタイミングの話ではないですけど、「タイミングがとりづらいものランキング」というものを見つけました。一位は電話を切るタイミング、二位は沈黙を破るタイミング、三位は下着を捨てるタイミング、四位は謝るタイミングらしいです。

謝るタイミングは難しいですよね。12位の電話番号を切るタイミング、や13位の全開のファスナーを閉めるタイミング、25位の恋人と手をつなぐタイミングなどはなんかわかる気がしますね。

ランキングにはありませんが、親父と話すときってのが一番タイミングが難しい気がします。そんな親父との会話が中心の作品「ジャージの二人」です。

長嶋有の作品「猛スピードで母は」以来です。好きな作家さんなんですけど、なかなか作品を見かけないのはうれていないからなんでしょうね。もっと売れてもいい作家さんだと思うんですけどね。

夏になると北軽井沢の別荘に避暑にでかける父親についていく、作家志望の男。そこで、ヒマをもてあますかと思いきや、親父となんて話すことはない。湿気った布団やレタス畑の真ん中で変な行動をする女の子を見つけて、不思議な気持ちになる主人公。それぞれを丹念に描いている作品です。

"ジャージの二人"はそこまでおもしろくなかったんですけど、収録作"ジャージの三人"はそこそこおもしろかったです。三人目が結局誰だったんだ!?的な楽しみ方ができるとおもいます。

いろいろタイミングの悪いkbbですが、締め切りには間に合わせようと思います。がんばって人生の締め切りに遅れないようにしないとね。




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posted by kbb at 23:38 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ ナ行

2008年06月04日

Love Letter-アンソロジー

「Love Letter」 石田衣良 島村洋子 川端裕人 森福都 前川麻子 山崎マキコ 中上紀 井上荒野 桐生典子 三浦しをん いしいしんじ

LOVE LETTERこんばんは。

先ほど、テレビで神戸の小中学校は校内に土足ではいるために、靴箱がないっていうことを紹介していました。靴箱がなかったら、ラブレターやバレンタインデーのチョコが靴箱にはいっているという、貴重な体験ができないなんてかわいそうって思っちゃいました。

それに合わせて読んだわけでもないのに、タイミングのよさに自分でびっくりしてしまいます。ラブレターをテーマにしたアンソロジー「Love Letter」です。石田衣良や島村洋子、三浦しをん、井上荒野など有名どころも結構かいていますが、名前も聞かないような人の作品もあって楽しさ詰め込みって感じです。

やっぱり石田衣良が一番うまいなぁって思わせるのが彼の語り方が一人の人間に語りかける手紙に似ているからなのでしょうかね。

山崎マキコの彼氏からの暴力をテーマにした作品は救いようがなくて、あまり好きにはなれなかった。井上荒野の彼女から好きになった人をうばう話もまっすぐに生きられない女を描いているようで好きになれなかった。

その点、いしいしんじの作品は少し技巧的すぎるきらいはあるけれど、うまくまとまっていて好きだった。

手紙って誰に宛てて書くか、誰から書くかっていう点で作家のテーマ性がでやすいのかもしれないですね。そういった観点からみれば、石田衣良は普段と同じことを書いていればよかったから楽だったのかもしれないですね。

僕自身はラブレターもチョコも靴箱に入っていたことはないんですけど、あれを入れる女の子の方のドラマを考えると結構素敵なことですよね。そんな二人が二十年後に出会ったら、どんな物語が始まるのでしょうかね。靴箱には入っていなかったけれど、毎年チョコをくれた隣に住んでいた女の子をことを今でも、二月になると思い出してしまいます。あの子はいま幸せにやっているんだろうか。




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posted by kbb at 22:25 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2008年06月03日

あおい-西加奈子

「あおい」 西加奈子

あおいこんばんは。

seesaaのサービスで検索ワードを調べられるんですけど、以前こんなワードで検索していらっしゃった人がいるようです。

ナイスボディーになるには


その方はこのブログを読んで答えをみつけられたんでしょうかね。ってか、そんなのを検索してネットの海にこぎ出したその人の目的地はどこだったんでしょうかね。気になりますね。

さて、そんな目的地もわからず、だけどしっかりと生きていく、そんな年頃がテーマの作品「あおい」です。以前「さくら」を読んで是非この人の作品を読んでみたいと言っておきましたが、やっとですね。


「あおい」は西加奈子のデビュー作です。「さくら」を読んだときに、妹が欲しくなったと書きましたが、この「あおい」を読んでもその気持ちは変わりません。というか、西加奈子の作品にでてくる女の子を妹に欲しいのかもしれないね。そんな風にかわいらしい女の子を描くのがうまいです。男の子を描くのもうまいです。ホットケーキを描くのも、夕方のファミリーレストランを描くのも、男性を描くのも女性を描くのもうまいです。なんに対してもしっかりと愛情をもって観察して、それを適切な言葉で表しています。

タチアオイってどんな花なんでしょうかね。誰の心にもある、タチアオイを是非みつけたい。彼女はそれを逃亡中の長野の山道でみつけたようだけれど、僕のタチアオイはどこにあるんだろうか。

「ナイスボディーになるには」で検索した人のその方法がどこかにきっとあるようにね。

一緒に収録されている、"サムのこと"もおすすめなので、是非よんでみてください。願わくば、みんなのタチアオイが見つかりますように。



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posted by kbb at 21:20 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(2) | 西加奈子

2008年06月02日

縁切り神社-田口ランディ

「縁切り神社」 田口ランディ

縁切り神社こんばんは。またやってしまいました。昨日は友達が結婚したということで、内輪でパーティをしました。いつものおいしい南欧料理屋さんへ行き、飲み放題ということでワインをかぶのみしていました。ケーキやプレゼントや花束も無事に渡し終え、舞台は二次会へ。

終電ということで、夫妻が帰ったところまではしっかりと記憶があるのですが、その後の記憶がほとんどありません。終電が終わっていたので、途中まで行ってそこからタクシーで帰ったらしいのですけどタクシーに乗った記憶も、その駅で降りた記憶もない。友人が一人うちに泊まって帰ったんですけど、そいつと話した記憶もない。そいつが寝ている隣で弟の友達とさらにビールを飲んでいたらしいのですけど、まったく覚えていない。

またひどいこといってしまったかもしれない、ひどいことをしてしまったかもしれない。反省しようにも記憶がないので、反省する材料もない。激しい自己嫌悪と後悔におそわれて今日一日いやになっちゃいました。

お酒をやめればいいんでしょうけど、お酒をやめてしまったら一人で暇なときに何をすればいいのかわからない。

こうやってお酒で乱れてどんどん友達がいなくなるんでしょうね。最近みんな飲みに誘ってくれないのは、そういう理由からなんでしょうかね。でも、女の子とデートしている最中に記憶がなくなったことはないので、大丈夫だとは思うんですけどね。きっと忘れてしまったらもったいない、と思っているから記憶がなくならないのかもしれないですね。二人で飲んだあとに一人で自転車に乗って帰るところから記憶がなくなったことならあるんですけどね。

そんな風に人と人はなんらかの理由で別れていく。その別れがどっさりとつまった田口ランディの「縁切り神社」です。12編の別れが描かれている短編集です。以前「コンセント」やらなにゃらを読もうとして、途中で挫折してしまったことのある作家さんです。一編一編が短いからこれは最後まで読み終えることができたのかもしれないですね。

表題作"縁切り神社"はこわかったなぁ。どこかにあるかもしれない、縁切り神社。そこに別れさせたい相手の名前を書いて呪うかのように絵馬を奉納するとその二人は別れてしまう。ある日水野季美子はそんな神社見つけて、そこの絵馬に自分の名前が書いてあるのを見つけてしまう。

うーん、ぞっとしますね。もしかして、今までの僕の別れはここに絵馬を奉納された結果なのかもしれないですね。って、そんな絵馬を書いてくれた美人さんにまだ出会っていないんですけど、どこぞにいらっしゃいますか?早くでておいでー。

これからは友人を少しでもなくさないように、楽しい酔っぱらいになるようにがんばらないとだめですね。今年の目標をもう一つつくっちゃいましょうか。

記憶をなくすような飲み方をしない!

これに限りますね。まぁワインを飲まなきゃ大丈夫だと思うんですよね。日本酒なら一升ぐらい飲んでも記憶がちゃんとありますもの。それ以上飲むとヤバイかもしれないですけどね。

というわけで、目標を達成できるかどうか確かめるためには飲みにいかないといけないわけなので、みなさん誘ってくださいな。よろしくお願いしますね。



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posted by kbb at 00:17 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ タ行

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