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2009年03月30日

なんでも屋大蔵でございます-岡嶋二人

「なんでも屋大蔵でございます」 岡嶋二人

なんでも屋大蔵でございますこんばんは。
土曜日にお花見行ってきました。総勢16人ぐらい集まって大成功でした。
朝早くから起きてお弁当をつくり、開始時間の二時間前から場所取りを行い、ブルーシートの下には防寒対策で段ボールを敷き詰め、僕のために薄着をしてくる女の子のために毛布を四枚も用意して準備万端です。まぁ誰も薄着をしてこなかったけれど、ダウンの上から毛布にくるまる子もいて毛布を持っていってよかったと内心うれしかったんですけどね。
みんな僕が無職になったことを知っていて、ここまで完璧に花見の準備ができるのだから、これを商売にすればいいんじゃない?なんてことで盛り上がっていました。でも東京じゃ二週間ぐらいしか商売にならないので、桜前線とともに北上しないといけないんですけどね。年に二ヶ月ぐらいしか商売にならない仕事ってどうなのでしょうかね。まぁ梅の季節も桜の季節もありますし、そのほかにも場所取りの必要なところはあるのかもしれないですけど、そんな名人は便利屋さんに何人もいることだろうし、今更新規参入なんてできないでしょうね。

そんな便利屋さん、もとい、何でも屋さんが主人公の「なんでも屋大蔵でございます」岡嶋二人です。安心して読める岡嶋二人ということでいつでも手にとれるのがうれしいですよね。でも今回のは珍しく短編集。しかも今までの作風となんだか違う気がして、もしかしたらこの作品に限って二人の役割が変わっていたのかしら、なんて思いながら読んでいました。

どぶ掃除から映画の席取りまでなんでも請け負う大蔵のところに舞い込む奇妙な依頼の数々。それを口上よろしく読者に伝えてくれるのが今作です。
浮気調査書が盗まれた。しかもそれを盗んだのがその調査書を作成した探偵自身、なんてのがあったり、記憶喪失の男から、自分がいったい誰なのか?と問われたり。

世の中にはこういう不思議なことを一身に集めてしまう人がいますけど、大蔵はまさにそんな感じの人ですね。彼の人柄の良さやまじめな性格が人を集めるのかもしれないですね。

人柄も悪く、不真面目な僕にはきっと便利屋さんなんてつとまらないのかもしれないですね。しかもまたもや花見の途中から記憶の無くなってしまった僕はまたなんかやらかしてしまったんじゃないかしらと戦々恐々としています。場所取りまでして酔えなかったら悲しい!とばかりにお客さんと一緒に飲み始めて請求書を渡し忘れる。そんなことになりそうなので、この商売はやめときましょうかしらね。




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posted by kbb at 20:25 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 岡嶋二人

2009年03月28日

ドッペルゲンガー奇譚集 死を招く影-アンソロジー

「ドッペルゲンガー奇譚集 死を招く影」 阿刀田高 小池真理子 筒井康隆 増田みず子 生島治郎 森真沙子 山川方夫 皆川博子 都筑道夫 赤川次郎

ドッペルゲンガー奇譚集 死を招く影おはようございます。
とうとう仕事が終わりました。今日から無職です。というわけでお祝いをしにお花見に行って来ます。5時に起きる予定が午前2時半に目が覚めて、えいやっとお弁当を作っていました。どうして仕事以外だと気持ちよく起きられるのでしょうかね。
本日の献立は筑前煮、鰹ののっけ盛り、しらすおろし、鶏のからあげ風、じゃがいものシーチキン炒めの上にチーズをかけてオーブンで焼いたもの、卵焼きです。結構豪華じゃないですか?

さて、「ドッペルゲンガー奇譚集」。アンソロジーです。結構豪華な作家陣ですよね。でも書き下ろしじゃなくて、すでに出版されているものから選んだようです。まぁいい作品に出会えればなんでもいいんですけどね。

全ての作品がドッペルゲンガーを題材にした作品になっています。ドッペルゲンガー、それは自分と同じ人間がこの世の中にいる現象。こわいですよね。よく言われているのは、ドッペルゲンガーを見ると死んでしまうという俗説。この話は結構有名ですけど、そんなことをテーマに書いている作品が一個もなかったのには驚きました。そういうのは除いて集めたのかもしれないですね。

好きだった作品は山川方夫の「待っている女」と赤川次郎の「忘れられた姉妹」。
山川方夫の作品は、ある日妻とけんかをして妻はまた実家に帰ってしまった。旦那が家の前にあるたばこ屋に行くと、たばこ屋の前でたたずむ美女を見つける。ふと気になり、時間をおいてたばこ屋を眺めると彼女は何時間も同じところに立っていた。きっと彼氏に待ちぼうけを食らわされているのだろうと、寒そうだね、なんて心配して声をかけるとつれない態度をとられた。彼女の目的は?

なんてお話です。その後妻の出ていった理由とシンクロしながら物語は進んでいくのですけど、山川方夫はきれいな短編を書く人のようです。でも彼はもう亡くなってしまっているようですね。寂しい限りです。

赤川次郎の作品は、自分のドッペルゲンガーが自分のまわりでどんどん悪さをしていって、周りの友人関係が変わっていってしまうというお話。その過程で家族の秘密を知ってしまったりと、これは一番こわいなぁっていう展開になります。

さてさてそろそろ時間なのでいきましょうかね。
お弁当の支度しているときは楽しいのに、仕事になると代わりに働いてくれる誰かを作ってくれる道具をだしてよ、ドラエモン。なんて言っているからいつまでも仕事が決まらないのでしょうかね。まぁ今日はそんなことは忘れてきれいな桜でも眺めながら酔っぱらってきます。ドッペルゲンガーには会わないようにしないとね。




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posted by kbb at 08:24 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | アンソロジー

2009年03月26日

ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶-大崎善生

「ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶」 大崎善生

ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶こんばんは。

毎朝、毎朝どこから湧いてくるのかって思うほどたくさんの人が電車に乗っていますよね。恋人同士のベッドの上。海外から久しぶりに帰ってきた友人と抱き合う空港。どちらも距離が0になることは親密感を表しているのに、満員電車で隣の人と距離が0になると腹がたつのは不思議なことですよね。そこで腹をたてずに知らない人とでも仲良くなれれば戦争なんかなくなるのかもしれないですね。

さて、大崎善生「ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶」です。四編の作品が収められている短編集です。

パイロットフィッシュにつながりそうな熱帯魚がキーワードの物語"ドイツイエロー"。"九月の四分の一"につながる物語"キャトルセプタンブル"。初めて会ったその日の夜を共にして、二度と会わなかった男の話をいつまでも信じ続けた女の子吉岡礼子の物語"いつかマヨール広場で"。可憐な「かれん」という自分の名前がいつまでも好きになれなかった女の子が自分の名前の秘密をしる物語"容認できない海に、やがて君は沈む"。

大崎善生の描く男女は、例えセックスを共にしても、所詮は他人でしかない、どこかしら距離があるということがしっかりと描かれているように思う。そして完璧に、半分でしかないけれど、他人ではないのは親子。そういう存在である人間をしっかりと描いているのが大崎善生の物語ではないかしら、とこれを読んで強く思いました。

満員電車に乗っていても、まわりにいるのは他人。だからあんなに不快にかんじてしまうのでしょうね。恋人や仲のいい友人との抱擁のときの安心感でさえ一瞬だけの勘違いかもしれない。でもその勘違いを忘れないようにすれば人は孤独で居続けることはないのではないかしら、なんてたまには楽観的なことでも言っておきましょうかね。




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posted by kbb at 03:11 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 大崎善生

2009年03月22日

さよならスナフキン-山崎マキコ

「さよならスナフキン」 山崎マキコ

さよならスナフキンこんばんは。

東京でも桜の開花宣言がでましたね。今週末にお花見を計画しているので、ちょうどよい時期に咲いてくれてうれしい限りです。でもちょうど満開の時期なので場所取りが大変かもしれないです。あんまり人のいっぱいいるところは好きじゃないし、朝早くから行くのは疲れちゃうしで、だったらお花見なんてしなければいいのにって言われちゃいそうですけどね。

さて、山崎マキコ「さよならスナフキン」です。「マリモ 酒漬けOLの日々」で僕を虜にした作家さんです。

主人公は大学生の大瀬崎亜紀。薬科大学を二年で中退して理系の学部に入り直した。男の三浪ならいいけど女の三浪はどうなんだと、といつも自分に問いかける。とってもオバカで世間知らずで自分に自信もない。いつもくよくよしているけど、いざとなったらどこまでも突き進んでいってしまう。妥協せずに一生懸命なのだけれど、世間知らずだから騙されてしまうことも多い。
そんな彼女がバイトをはじめたのは編集プロダクション。出版社を退社して株で一儲けして会社を興したやり手の社長に認められて自分の本を出すことになった。社長に認められたい一心でがんばる大瀬崎亜紀。でも本当にそれでいいのか。

社長に認められたい一心でどんなにひどいことをされても社長が喜んでくれればなんて思いながらがんばる亜紀。この社長、周りに与える影響力が強すぎるのか、自分の体をこわしてまで社長のためにがんばろうとするやつが周りに多い。でもその社長を見限ってさっさと辞めていく人もちゃんといるんだけどね。

仕事って結局何かのためにがんばろうと思わなければ続かないのかもしれないなぁって思いながら読んでいました。どこで働いていたって好きな経営者、好きな先輩、好きな女の子、好きな商品。そのためにだったらなんでもできるのに、いざ自分のため、お金のためっておもっちゃうとモチベーションが続かないですものね。人間って弱い存在なのかもしれないですね。前にここで書いたかもしれないけど、明石家さんまが言っていました。会社で一人好きな女の子を作れば、喜んで会社に行くようになると。これってある意味当たっているのかもしれないですね。

お祭り好きの僕は去年まではなにかあるたんびに飲み会を企画していたんですけど、最近そのモチベーションが維持できなくなりつつあります。実は自分だけが喜んでいるんじゃないか、とか、お誘いメールをもらうみんなは実は迷惑を感じているんじゃないかと、そんな風に思ってしまうとなんだかめんどくさくなっちゃってね。でも毎回来てくれる人もいて、そういう人たちはきっとそんなこと思っていないはずだし、逆にそういう風に僕が思ったら失礼なのかもって思いますけどね。ってかただめんどくさくなっちゃっただけなんですけどね。お花見、晴れるといいなぁ。




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posted by kbb at 23:57 | 東京 ☔ | Comment(2) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ ヤ行

青春デンデケデケデケ-芦原すなお

「青春デンデケデケデケ」 芦原すなお

青春デンデケデケデケこんばんは。

まだ昨日の二日酔いが残っています。10年以上前、まだ若かったあのころなら朝まで飲んでも昼過ぎには二日酔いも解消してきて腹減ったなぁ、なんて思っていたのに、大田胃酸を飲んでも全然治りません。年取った証拠の一つなのかしらね。

さて、芦原すなお「青春デンデケデケデケ」です。直木賞を受賞し、大林宣彦監督で映画にもなっている作品です。

タイトルはもちろんベンチャーズのパイプラインから。香川の田舎の高校生がロックと出会い、バンドを結成し、そして解散するまでの物語。一夏をつぶしてバイトをしてギターやドラムを揃えいろんな人の協力に助けられながら合宿を経て文化祭で大団円です。最後は少し悲しくなるのですけど、それでも文化祭で成功している彼らは簡単に乗り越えていきます。

登場するキャラクター達もとっても生き生きと描かれていて、青春物語はとかく飽きやすい話が多いのですが、この作品はどんどんページをめくれます。

僕が高校生の時も軽音楽部は人気がありましたね。僕もギターを習えば少しは音痴が解消されるんじゃないかしら、とギターに飽きた友人から安く譲り受けて練習したこともありましたけど、押入の肥やしになってしまいました。音痴を直す前に音痴ではギターで曲を弾くことは不可能なことを知っておくべきでしたね。そういえば最近先生と予定が合わなくてサックスの練習を全然やってないや。なんだか久しぶりにメリーさんの羊を吹きたい気分です。

この作品、20年以上前に出版されているのですけど、文庫本の字ってこんなに小さかったかしらとおもうぐらいページにびっしりと字が印刷されています。なんだか読みにくいなぁって思うのはとうとう老眼の影響が出始めたから!?そんなのイヤイヤ!




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posted by kbb at 01:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

2009年03月21日

きのう、火星に行った。-笹生陽子

「きのう、火星に行った。」 笹生陽子

きのう、火星に行った。おはようございます。
昨日はデンマークから友人が一時帰国したので酔っぱらってきました。彼女はイタリア人の彼を連れて帰ってきていて総勢8人でお食事会です。彼との会話はもちろん英語。つたないスピーキング力とリスニング力しかない僕はお酒に逃避してしまうわけで、記憶がないのも当然のことかもしれません。英語を理解するために頭はフル回転でしたし、なかなか大変でしたけど、とっても楽しかったです。行く前は何をどう話そうか、なんて悩んでいましたけど行ってみるとなんとかなるものですね。せめてもう少し英語が話せたらなぁなんて思いますけど。飲むと英語が突然流暢になるなんて都合のいいお酒でもあればいいのに。

さて、笹生陽子の「きのう、火星に行った。」です。児童向けに書かれたお話です。

僕は山口拓馬、小学6年生。
病弱で親戚の医者の家でくらしていた弟がある日突然帰ってきた。7年ぶりに会った弟は、子どものいない親戚の家で甘やかされて育ってきたらしい。うろちょろくっついてきたり、自転車を勝手にもちだしたり。困ったものだ。
学校ではハードルの選手に選ばれてしまうし、友達はいらない、やる気もださない、なんてかっこつけていたのに、めんどくさいことばかり起こる。
弟や同級生の原田、一緒にハードルの選手になった「でくちゃん」を通して変わる僕の心。

この物語の重要なアイテムに弟がつけていた変な形のゴーグルというものがでてきます。お菓子についていたシールを集めて当たったもの。そのゴーグルをつければ自分が行きたいところへどこへでも飛んでいける。火星にだっていけるんだ。

弟のそんな説明を最初は否定し続けていた拓馬。しかしある日をきっかけにゴーグルをつけてみることにした。そしてそこにみえたものは。

素直になること。やってみること。失敗してみること。いろんなことを教えてくれるこの作品。笹生陽子は子ども達に伝えたいことがいっぱいあるのでしょうね。

とことんまでやってみる。失敗したっていいじゃないか。英語が話せないからって臆病になっていたら昨日の会合にでるようなこともなかったかもしれませんね。おかげで楽しい時間を逃してしまうことになっていたかもしれない。挑戦してみる心を持ち続けられる限り、ゴーグルが例え割れてしまっても無くならないのかもしれない。




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posted by kbb at 18:36 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ サ行

2009年03月15日

イニシエーション・ラブ-乾くるみ

イニシエーション・ラブ 乾くるみ

イニシエーション・ラブこんばんは。

初恋の人から手紙が来ました。ちょっと長いけど引用したいと思います。




kbbさん、元気にしてる?
今でも長ズボンの丈は微妙に短いままですか?洗濯で縮んだって必死に言い訳していたkbbさんをなつかしく思います。

泣きじゃくる私にkbbさんが「別れても連絡するから大丈夫だよ」と慰めつつパッタリ連絡が来なくなったあの日から、もう15年が経ったのですね。月日が流れるのは早いものです。

あ、そうそう、お手紙を書いたのは何か理由があるわけではないんです。ひさびさに友達に会ったときにkbbさんの話題になってなつかしかったので、思いつくままに手紙でも書こうかなって。

今あのころの付き合いをあらためて考えてみると、私たち、めちゃめちゃな恋愛でしたね。なんだかんだ言っても余裕があるのはいつもkbbさんのほうで、私はいつも泣いていたような気がします。そういえばあのころkbbさんはよく「おれと別れたあとのおまえが心配だ」と言っていましたね。本当はkbbさんのほうがモテていないことは黙っていたのですが(私はわりと告白されていたので)、その後はどうですか?

私にとっては8人目の彼氏でしたが、そういえばkbbさんにとっては初恋の相手が私でしたよね。最初のころのkbbさんはキスすら歯に当てる下手さでがっかりしたものですが、最終的には妙に自信をつけていましたね。勘違いとは恐ろしいものです。

kbbさんは付き合った当初から思いやりに溢れていて、「一生おれについてきてもいいよ。女はおまえ一人でいいから」と言ってくれましたね。何様かと思いましたが、すごく嬉しくもありました。その後、結局何人にそのセリフを言ったんですか?それからのこと知りたいです。

総括して言えば、私はkbbさんと付き合ったことを決して恥とは思っていません。もっと素敵な人がいたかもと言えばそうですが、イライラする自分をこらえられるようになったのもkbbさんのおかげだし、感謝しています。

いろいろ書きましたが、私はkbbさんのことがそれでも好きでした。これからもkbbさんらしくいられるよう、そしてたまにはスーパー以外で洋服を買って(笑)、幸せをふりまいてください。

またいつか会いましょう。では。

P.S. お笑いについて知ったようなこと言うクセはもうなくなりましたか?

ここまでお読みになられた方ならこれが本当のものじゃないことはわかっていただけるかと思いますけど(そうだと信じたい(笑))、初恋の人からの手紙というネット上のサービスです。なかなかおもしろいサービスですね。しかも微妙に当たっているところが怖い。長ズボンの丈が微妙に短いのを洗濯のせいにしているところとか・・・(笑)。
キスの勘違いもどっかでしてそうで怖いです。指摘してくれなかった今までの彼女が悪いと開き直ってもいいですか?

まぁ勘違いってとっても怖いですよね。そんな勘違いの怖さを教えてくれる乾くるみの「イニシエーション・ラブ」です。必ず二回読みたくなる大傑作と裏表紙にも書かれています。そんな裏表紙に惹かれて買ったわけですが、いやぁ二回読みたくなりましたよ。もちろん僕の場合は飛ばし読みでしたけどね。あらすじを書いてしまうとすっごいつまらない失敗をやらかしてしまいそうなので書きません。これだけはどうぞ読んでみてください。絶対損はしませんよ。荻原浩の「噂」以上のできです。

乾くるみはこれから買い続けてしまうことになりそうです。

ネット上には本当にいろんなサービスがあるんですね。上記の初恋の人からの手紙もそうですし、この「イニシエーション・ラブ」の解説をしてくれるサイトもありました。わかりやすく教えてくれてありがたかったです。でも読んでいないひとは決して見ないでくださいね。後悔しますよ。

そういえば以前初恋の人を通勤電車の中でみたと書きましたけど、その後見かけることがなくなりました。避けられているのかしらとちょっと寂しくなっています。そんなことないよね?って誰でもいいから否定してほしい、そんなサービスはネット上にすらないですよね・・・(涙)。




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posted by kbb at 21:07 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

石川くん-枡野浩一

「石川くん」 枡野浩一

石川くんおはようございます。休日の朝早くという時間でもないですけど、どうしてこんな時間に起きているかというと、TOEICを受けてきます。少しばかり英語が得意なので、履歴書にウリを一つでも多くつけようかと思って。そんなこけおどしが効くのかどうかわかりませんけどね。

さて、妻に話せないようなことをローマ字で日記に記していて、さらに現代ではそれが出版されてしまっている石川啄木の短歌を枡野浩一が現代語化してなおかつ、解説まで付けちゃったという豪華な作品です。

石川啄木。国語の教科書には彼の写真とともに必ず載っている人ですね。そんな偉い人をどうして石川くんなんて呼んでいるのか。それは彼の歌が必ずしも偉そうに思えないこと。彼の歌と彼の生き方がリンクしていないこと。そして石川くんは20代で亡くなっていて、枡野浩一の方が年上だから。そんな理由のようです。

はたらけど
はたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざり
ぢつと手を見る

それを枡野浩一はこうやって現代語化しています。
がんばっているんだけどな
いつまでもこんな調子だ
じっと手を見る

こんな感じで現代語化されています。
この歌は有名な歌ですが、枡野浩一によると実は石川くんは全然働いていなかったとのこと。働き者というよりも怠け者の部類に入るようですよ。友人に金を無心して、娼婦通いなんかをして散財していたようですね。

他に石川くんの歌をいくつか。

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て
妻としたしむ

打明けて語りて
何か損をせしごとく思ひて
友とわかれぬ

一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと


なんかどれも共感できるのは僕も怠け者だからなのでしょうかね。でもこんな歌も残しています。これにも共感してしまうのはやっぱり怠け者の共通項なのでしょうかね。では試験がんばってきますね。

こころよく
我にはたらく仕事あれ
それを仕遂げて死なむと思う





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posted by kbb at 10:54 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 枡野浩一

2009年03月14日

ワーキングガール・ウォーズ-柴田よしき

「ワーキングガール・ウォーズ」 柴田よしき

ワーキングガール・ウォーズおはようございます。

昨日の記事に書いた「転活日記」って言葉ですが、何回か発音してみると、「天かす日記」にしか聞こえなくなるのは僕だけでしょうか?なんだかおいしい天丼を食べたくなってきました。

さて、柴田よしき「ワーキングガール・ウォーズ」です。以前読んだ「最後の恋」で柴田よしきの作品がよかったので、読みたいと思っていた「ワーキングガール・ウォーズ」。見つけてきましたよ。

 一流企業の総合音楽企業の企画部という花形のフロアで係長を務める墨田翔子。女性の中でも出世頭の彼女は疲れている。ある日ふと思い立ったオーストラリア旅行。ひょんなことからメーリングリストで知り合ったのはケアンズ在住、旅行会社でガイドをする愛美。ペリカンに癒されたい!そんな思いを抱きながら降り立ったケアンズだったけど、同じパックツアーでやってきた大泉嶺奈が起こすトラブルに巻き込まれていく。

この作品連作短編集になっているのですけど、視点は翔子と愛美が交互に現れます。ケアンズ旅行は最初の二編だけですから、上に書いたあらすじは中途半端なものなのですけどね。それぞれにちらっと事件が起こるので加納朋子の作品のような日常のミステリをイメージしたほうがいいかもしれませんね。

なんだか最近読む小説、読む小説に海外で働く日本人や海外に逃亡する日本人が出てくる気がするのは気のせいなのでしょうかね。まぁこれだけ国際化が進んだ世の中ですから小説の中に海外が出てくるのは当然なのでしょうがね。それとも海外に逃亡したい僕だからこそそういうのが目に入ってきてしまうのでしょうかね。

で、この小説ですが、ぜんぜん「負け犬小説」じゃないですね。「最後の恋」の最後に載っていた広告文は詐欺ですかね。まぁ別に負け犬小説を求めているわけじゃないのでいいんですけどね。女性三人がそれぞれプライドを持って生きている。そんなお話でした。



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2009年03月12日

此処彼処-川上弘美

「此処彼処」 川上弘美

此処彼処こんばんは。このブログ、最近転職がうまくいかないことばっかり書いてありますね。なんだか転活日記って感じです。本の感想がメインのはずだったのに。。。(笑)。

経済成長率 世界、軒並み落ち込み
「各国GDP比2%の財政出動」 米、G20会議で呼びかけへ
エプソン、今期最終赤字1000億円 構造改革費用を計上
BMW、純利益9割減 前期、高級車不振が直撃

上の四つは日経のwebサイトからランダムに、といっても恣意的にですけど、選んだ見出しです。こんな厳しい世の中じゃあ次の仕事が見つからないのもしょうがないのでしょうけどね。

さて、久しぶりの川上弘美「此処彼処」です。川上弘美が恋しい!というわけでエッセイを買ってしまいました。この作品、日経新聞に連載されていたもののようです。川上弘美のホントか嘘かわからない、現実と虚構の狭間が描かれているような文章を現実の厳しさの書かれている日経の紙上でみたら違和感がすごいでしょうね。

エッセイということですが、この作品のテーマは場所。川上弘美自身もあとがきで書いているように、場所を描くと言うことはその場所を通過した自分を描くと言うことになるのでしょうね。だから難しいと川上弘美は言っています。

小さい頃に住んでいたアメリカの話。実家のあった高井戸の話。新婚旅行で行ったマダガスカル島の話。そんなお話がホントかよ、なんて思っちゃうような川上弘美らしい文体で書かれています。

自分が通ったことのある場所や近しい場所なんかが描かれていると親近感なんかも感じてしまって、川上弘美ファンの僕としてはおいしい本でした。

そして最後に書かれているのは「此処」。結局人間は今自分がいるその場所から逃げることはできないってことなのでしょうね。

冒頭で、日経新聞には厳しいことしか書いていないようなことを書きましたけど、今日の日経にはちゃんとこんな記事もあったんですよ。

人文字でミッキー 2500人が参加、TDL25周年記念でイベント


なかなかかわいらしい?ミッキーですね。ではまたあしたー。




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posted by kbb at 23:47 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 川上弘美

2009年03月11日

流星の絆-東野圭吾

「流星の絆」 東野圭吾

流星の絆こんばんは。全然眠れなくてこんな時間に更新です。土日月と三連ちゃんで飲み過ぎてしまいました。そして今日の火曜日。なんだか体の芯から疲れが来ているような気がします。飲み過ぎで内蔵が疲れているのかもしれないですね。といって全然眠れないのはなぜなのでしょうかね。花粉症で鼻が詰まっているから体の中の酸素も足りない気がして踏んだり蹴ったりです。

さて、踏んだり蹴ったりの人生を歩む三人組が主人公の「流星の絆」、東野圭吾です。東野圭吾の長編作品は「秘密」に続いて二度目です。初めて彼のミステリー作品を読めるかとドキドキしていたのですけど、これも本格ミステリーって感じじゃなかったですね。

流星を見に行った兄妹三人。帰ってみると父と母が何者かに殺されていた。犯人を目撃したのは次男の泰輔しかいなかった。
それから手に手を取り合って生きる三人。といっても仕事はみんなで協力して詐欺を働くこと。妹の美貌と次男の演技力、長男の頭脳を使えば、騙せない相手なんていない。
そんなある日、詐欺のターゲットの父親があの日目撃したやつだという泰輔。今回の詐欺の目的はお金からあの日の犯人を見つけることに変わった。

こんなあらすじなわけですが、この犯人は作品のどこにもヒントとして描かれていないのでずるいなぁって感じですね。それずるくない?って思わず声に出しちゃいましたもの。

この作品ドラマ化もされていましたね。っていっても僕は見ていませんけど。妹役は誰がやったのでしょうかね。騙される男役なら僕がいくらでもやったんですけどね。だって騙される男はこうやって描かれているんですもの。ちょっと長いけど引用です。

女性に疎い男には二種類あると思っている。ひとつは、自分では女性にもてたくて努力しているが、一向に相手が振り向いてくれないというタイプで、もう一つは、決してもてなくはないのだが、別のことに関心が向いているせいで女性には縁がなかったというタイプだ。
 大抵の場合、前者は女性に対して積極的だ。自分から誘う勇気はなくても、女性のほうからなびいてくるのを待つ図々しさはある。こういうタイプ(中略)(は)目をつぶっていても落とせる。金を引き出すのも簡単で手間がかからない。


ね?僕のことが書いてあるのかと一瞬疑っちゃいましたもの。まぁお金はないので、引き出すことは不可能なんですけどね。

なんてこんなことばっかりいってちゃだめですね。kbbさん魅力アップ大作戦でも敢行しないとなぁってずっと思っているのですけど、なにかいい案があればお知らせ下さいね。
さて、眠りましょうかね。寝ているときに鼻がつまらないようにブリーズライトなんて商品を使ってみようかともくろんでいる僕でした。ではではおやすみなさい。




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2009年03月07日

真昼の花-角田光代

「真昼の花」 角田光代

真昼の花こんばんは。やっと転職活動が一段落しました。っていっても応募していた企業ほとんどから残念ですがって連絡がきただけなんですけどね。あと一社だけ連絡が来ていないところがあるので、それに賭けてみようかしらなんて思っています。人に審査されるのに疲れちゃってもう仕事なんかしないで全てを投げ捨てて海外に高飛びしたいなんて思うんですけど、それもできないのが辛いところです。

さて、角田光代「真昼の花」です。
表題作と"地上八階の海"が収録されています。

表題作ですが、バックパックをしょってアジア各国を放浪している兄のあと追うように同じように日本を飛び出したフリーターの女の子が主人公です。
ある島にいったら闇両替に騙されて手持ちの現金をほとんど奪われてしまう。日本企業の前で物乞いをするようにまでなる私。帰る気もなく、進む気もない。移動と言う名のモラトリアムがいつまでも終わらない。

そんなお話です。その国で出会った男と安宿をシェアしたり、日本企業が開発を中止したビルの中に大勢の現地の人とともにすむ日本人と出会い彼女はいろんなことを考える。しかし彼女を変えるものはなにもない。

移動を目的にしている彼女とそこに住むことを目的にしている日本人との間の会話が興味深かった。会話というか、彼女の言葉というよりも、彼の言葉にガツンとやられたのですけどね。

帰らないというよりも、モラトリアムも伸ばしすぎて現実へ帰れないだけなんじゃないかな。(中略)どんなに長くいたって旅は旅だ、生活じゃない。生活じゃない部分で生活の真似事ができるから魅力的なわけでしょう。(中略)人が本当に何かを得たり、見たり、あるいはわかったりするのは、生活に密着した場所でしょう


高校の頃に沢木耕太郎の「深夜特急」を読んで旅にあこがれて、ヨーロッパにシベリア鉄道で入って一周してなんて計画して、それのためにいくら必要だからといってアルバイトをはじめて、おかげで高校を辞める羽目になって社会のレールからすっぱりと置いて行かれた僕ですけど、未だにどっかいきたいなんて思っていたんだなぁって思い知らされました。

さっさと仕事を見つけて大きな顔をしてみんなと飲む酒がおいしくなるようにしないといけませんね。なにもかも投げ捨ててどっかにいくのは、いつでもできることですものね。




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2009年03月01日

コンピュータの熱い罠-岡嶋二人

「コンピュータの熱い罠」 岡嶋二人

コンピュータの熱い罠こんにちは。
もう3月です。今年も六分の一が終わりましたね。時のすすみは早いようです。
って毎回こんなことを言っている気がしますけど、分数にしちゃうとなんかはやく進む気がしませんか?例えば僕はもう人生の二分の一を過ぎていますしね。山なんか登っていてもう半分きたからあと半分だよ、なんて言われても残りの半分が辛いんじゃないか!?なんて反論したくなってしまいますものね。だからこれからは今年も六分の一過ぎた、じゃなくてまだ六分の五残っているって言った方がいいのかもしれないですね。どんだけポジティブだよ、って感じですけどね。

さて、岡嶋二人の「コンピュータの熱い罠」です。岡嶋二人で読んでいないものをみつけるとすぐに買っちゃうんですよね。もう引退してしまった二人だから、新作は期待できないんですけどね。一冊読むごとにもうあと何分のいくつしか残っていないなんて考えてしまうんですよね。

結婚相談所のシステムを担当している会社に勤める絵里子。ある日恋人の名前をそのシステムの中に見つけてしまう。恋人に話を聞いてみると、入力されたデータと彼の提供したデータの量に違いがあることがわかる。
そんなある日、兄が嫁に殺されたから、その嫁のデータを見せろと言ってくる女がいた。独自に調べ始めた絵里子と同僚の古川。システムの中で何が起こっているのか。

これが書かれたのが二十年以上前なんですけど、そのころってもうこんなシステムがありましたっけ?個人情報の怖さについて言っていた人なんていましたっけ?トロイの木馬などのコンピュータウイルスに警鐘を鳴らしている人っていましたっけ?

岡嶋二人の小説を読むと、その先見性の高さがよく伺えますよね。コンピュータがこんなに役に立つことをこんな最初からわかっていたのでしょうね。

そういう先見性の高い人がいたからこそ、こうやって僕が読んだ本の感想をブログに書いたり、愚痴ったりなんてことをできるのでしょうけどね。

まぁそんなわけで、最近書かれた本を読んでいるような気になる本でした。こわいこわい。

冒頭の話ですけど、そうやって言葉でごまかしていてもなんにもならないのはよくわかっているんですけどね。時が過ぎていくのは止めることができないからこそ残酷だっていうのはわかっているんですけどね。




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posted by kbb at 15:03 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 岡嶋二人

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