こんにちは。もうすぐ、30歳。毎日お酒を飲んで、毎日タバコを吸って、なんにも変わらない自堕落な生活をしている気がします。歳でなにかが変わるとは思えないけど、これをきっかけにして気持ちを変えないといけないんでしょうね。30までは青年。そこから先は中年。そんなことが書いてあって上のようなことを思ってしまいました。「大人の心に効く童話セラピー」です。本が好き!経由でいただきました。うん、よかった。
作者は精神分析を専門とする医者。童話を青年童話、中年童話、老年童話という視点から分析しています。
簡単に言えば、青年童話はヒーロー、ヒロインがでてきて、悪を倒すお話。中年童話は主人公が試練に出会うもそれを乗り越えていきます。でも青年童話ほど悪にも厳しくなく人生にいかに対処するかを教えてくれる。死や運命などがテーマになりやすい。老年童話では死は中心的なテーマにはならない。もうそれがすぐ目の前にあるから。
そんな中年童話を詳細に分析しているのが本書です。
世界中のいろんな童話を集めてきて、それを死や運命、再生、命などのテーマにそって解説していきます。
青年期は自分の信念を持ち、やりたいことを見つけ、夢に向かって進み続ける。しかし、30を過ぎ、中年期には自分の現実を受け入れ自分が何者でもないことに気付くべきだ。それを受け入れ、自分の仕事をしっかりとこなして、次世代へ何かを残すことを第一に考える。
これが中年童話が本当に伝えたいことだろうと、書いてあります。たしかに、自分が何者でもないことをうけいれてはじめて、青年を脱却できるんでしょうね。それができないといつまでも大人になれない子供になってしまう。
でも今の世の中、「夢のないやつはだめだ。夢を持ち続ければいつかそれがかなう。」っていう考え方がもてはやされている気がします。それよりも、それが不本意なものであったとしても現在の仕事でしっかりと自分を固めるべきだ、なんてことをいう人がいなくなっていますね。
現在の価値観が下の世代の若者への評価でつくられているからなのかもしれませんね。一昔の話を読んでいると、上の人に認められたい、そういう動機をもって生きていた人が多い気がします。これも"父親"が弱くなったことが原因なんでしょうかね。
日本のお話も結構でてくるんですけど、カッパのお話のところで、日本ではカッパは悪魔のような存在である、とか武士で医者という男を分析するのに、武士という人を殺す職業と医者という人を治す職業を両方やっているこの男は象徴的だ、なんて書いてあってもう少し背景を知って分析して欲しかったなぁって思っちゃいました。
でも、30を前にしてこの本を手に取れてよかった気がします。人生や生き方について、もう一度心から考えさせてくれました。
さて、自分は何者なのでしょうかね。何者にもなれなくても、みんなが無機的になんの特徴もないまま集団に埋もれていることはできないはずですものね。なんだか最近こんなことを考えてしまって、気付くと電車にも乗らずに街を徘徊しています。おかげで毎日筋肉痛と闘っています。まぁダイエットにはちょうどいいんですけどね。

大人の心に効く童話セラピー
- 羽田 詩津子
- 早川書房
- 777円
書評/心理・カウンセリング




