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2008年08月03日

鍋の中-村田喜代子

「鍋の中」 村田喜代子

鍋の中こんにちは。
もう八月になってしまいましたね。毎年同じことを言っているような気もしますけど、時の経つのが早いものでもう今年も残すところあと4ヶ月ですね。2/3がもう終わってしまったということですね。みなさん充実した時間を過ごしていますか。僕の場合は読書だけは充実した時間を過ごせているんですけどねぇ。

さて、あれからもうどれぐらい時が経ったのか忘れてしまいましたけど、中学か、高校の時に国語の授業で読まされた「鍋の中」村田喜代子です。1987年の芥川賞受賞作です。「無名時代の私」で久しぶりに村田喜代子の名前をみかけて随分懐かしくなってしまって、まだ本棚の中にしかっりと残っていた本を手に取りました。四つの短篇が収録されています。

読み始めてもちっとも、読んだ記憶がよみがえってこなくて、実は読んでいないんじゃないかと思って読み終わった"鍋の中"。これまたまったく記憶がない"水中の声"。実験作のような読みにくい文章で途中で投げ出したくなってしまった"熱愛"。なぜか書き込みがあってもしかして、これが国語の授業の課題だったのではないかと思うも、結局内容がまったく記憶に残っていないことがわかった"盟友"です。

芥川賞をとっているはずの"鍋の中"はいまいちでしたが、子供を事故で亡くしてしまった親による地域パトロールの様子を描いた"水中の声"は改めて読むと、ぐっとぐるものがあり学生のころよりかは少しは人の気持ちが想像できるようになったのかしらと思いました。また、スカートめくりをして懲罰を受けることになった塚原とタバコがみつかって懲罰を受けることになった僕のトイレ掃除の様子を描いた"熱愛"は高校のころのなんでもないことに熱くなれたころを思い出して懐かしくなってしまいました。

村田喜代子は何気ない日常を描くのがうまい作家なんでしょうね。自身は主婦をしながらまだまだ高価だったワープロをどこからか安く手に入れて個人誌を発行していたっていうことが「無名時代の私」に書かれていましたが、書くことが大好きなんだろうなぁって気づかせてくれるような文章です。

村田喜代子は今でも文芸雑誌に作品を発表しているようなので、新しい作品も読んでみようかと思っています。

記憶の中からはすっかりと抜け落ちているこの作品ですが、本棚にはしっかりとこの文庫本は残っていました。これが本というものもすばらしさなのかもしれませんね。いつでも手にとって、思い返すことができる。新たな気付きを手に入れることもできる。時が経つのは早いものだし、記憶から物事がすり抜けていくのも早いですけど、いつまでもこうやって新たな何かを手に入れていきたいものです。

ちなみにこの作品集は絶版になってしまっています。下記の作品に"鍋の中"が収録されています。他の作品が収録されている本は見つからないので、図書館でしか手に入らないかもしれないですね。


八つの小鍋

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posted by kbb at 15:56 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ マ行
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