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2008年08月10日

All Small Things-角田光代

「All Small Things」 角田光代

All Small Thingsこんばんは。

今までで一番印象に残っているデート。それは、晴海埠頭をみたあとにお台場にまわってベイブリッジに回るような計画的なものでも、東京タワーや六本木、国会議事堂を回るような東京観光的なデートでもない。

学校帰りの彼女を車に乗せて、おなか空いたねぇと言いつつ車の向くまま浅草へ向かい、天丼を食べる。帰りに桜の咲き残った隅田川沿いを歩いて手をつないでもう今では何を話したかも思い出せないようなことを話しながら、門限のある彼女を家まで送りに行く。でも印象に残っているデートを書こうと思って最初に思い出したのがこの出来事。特になにも始まることもなく、終わることもなかった、ただの途中のデート。

そんな普通のデートが人にとって一番大切な思い出になり得ることがよく描かれているのが角田光代の「All Small Things」。

今までで一番印象に残っているデートってどんなの?

そんなところから物語が始まる。登場人物がそれに答えた上で、次の人に別の質問を投げかけていく。

もっともデートとはいえないようなデートってどんなの?
結婚していちばんよかったことってなあに?
自分が自分でなくなったような恋をしたことはある?

短いお話の中でこれらに答えていく、登場人物がでてくる。そして、

恋人と過ごしたどんな時間が心に残っている?

という質問に百人の読者が答える。

それの答えがおよそ、小説らしくない、普通の物語。でも、それぞれの胸にちゃんとそれが残っているのがわかる。

誰にでもちゃんとあるこういう思い出。そのうちの一つを角田光代が小説化してこの作品は終わる。

こういう企画本って大しておもしろくなかったりするんですけど、角田光代が前面にでているせいで、企画本ってイメージも強くなく、こういうのっていいよねぇ、って思える作品に仕上がっています。

昔のことを思い出すのをそろそろやめて、新しい思い出を作りたい、なんて思いつつ長い時間が経ってしまっています。時の経つのは早いものでなんて、当たり前のことを今更いいたくはないけど、どっかで印象に残るデートをしないと、残りの長い人生で思い出せる記憶もそろそろ少なくなりつつあり、飽きてきています。焦りますなぁ。




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posted by kbb at 23:51 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(1) | 角田光代
この記事へのコメント
普通の話を魅力的に書かれてますよねぇ。
たぶん、だれもが一度は「こんなことあったなぁ」と共感できる話があると思います。
あたしも新しい思い出を作りたいのですが、なかなか・・・笑
Posted by sonatine at 2008年08月12日 10:32
sonatineさん。

こんばんは。
新しい思い出つくるのは難しいですよねぇ。街を歩いているだけでどっかから降りかかってくれればいいのだけれど・・・。
Posted by kbb at 2008年08月13日 23:56
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