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2008年10月11日

重力ピエロ-伊坂幸太郎

「重力ピエロ」 伊坂幸太郎

重力ピエロこんばんは。

電車内の広告で電話番号にふりがながふってあるこんなのをみつけました。

読むなら サンスポ

この読むならってところの数字が「467」なんですけど、これって「読むな」っていう風にしか思えなかったんですけど、その番号を変えるところから広報活動を始めた方がいいと思うのは僕だけなんでしょうかね。

さて、伊坂幸太郎の「重力ピエロ」です。これは傑作ですね。以前「死神の精度」のコメントでtsukikoさんからおすすめされてから二年以上経ってやっと手にとってみました。おすすめしてくれてありがとう。もっと早く読んでおけばよかった。

遺伝子をモチーフに、放火と放火犯からのメッセージが主なテーマになっています。

僕と僕の弟とガンで死にかけている親父。これが主な登場人物です。遺伝子関連の仕事をしている僕と街の落書き消しが仕事の弟。親父は末期のガンで病院で生活しています。

ある日から街で放火が起こり始め、その現場を弟が予言する。その現場には共通点があった。

なんてあらすじなんですけど、これ以上書けないのが辛い。どうか読んでみてください。あっと驚く展開です。

さて、遺伝子なんですけど、GCTAの四つの文字で書かれています。三つの文字がセットとなり、どのアミノ酸をつくるかの命令となっています。それによって作られたアミノ酸によりタンパク質が合成され、人間の生命活動が行われる。

でも、その文字が一つでも狂ってしまうと全然別のものができあがってしまいます。しかも文字が一つでも狂うなんてことは結構な確率で起こっているらしく、コピーに失敗したりしただけで、全然別のものができあがります。ところがうまくできているもので、ちょっとぐらい間違っていてもそれは生物にとって大きな問題となることは多くはありません。ところが、それが大きな問題となってしまうことがまれにある。そうやって狂ってしまった遺伝子の地図で、細胞の寿命をコントロールできなくなって細胞が異常増殖するガンなんてことも起こってしまう。

人間って生まれながらに体内で言葉遊びをやっていたんですね。一文字入れ替えたりして全然別のものをつくる。うまくいけばそれが進化となるし、失敗すると生命をおびやかすことになる。でもリスクはたった一つの命。でもそこで得られるリターンはその後何世代も続くことになる、その遺伝子の子孫たち。結構ローリスクハイリターンの仕組みが出来ているんですね。

というわけでサンスポの電話番号の言葉遊びも人間本来が持っているものということで、今のままの電話番号で遊び続けることがいいのかもしれませんね。なぁに、失敗したってサンスポが一社つぶれるだけですもの。大した問題じゃないですよね。




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posted by kbb at 00:28 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 伊坂幸太郎
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