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2008年10月13日

潤一-井上荒野

「潤一」 井上荒野

潤一こんばんは。
芸術の秋!というわけで昨日は友人がやっている吹奏楽団の発表会を聞いてきました。サックスを教えてくれている友人の発表会だったのですけど、みんなが集まって一つの音楽をつくるっていうのっていいですよね。以前キューティーハニーでボンゴをたたく女の子をべた褒めしましたけど、その子がその楽団に入ってました。やっぱりボンゴをたたいて揺れる髪の毛がかわいくて胸キュンものです。もう少し僕が若くて、彼女ともう少し早く出会っていれば。少しは違った人生になるのかもしれないですね。

さて、直木賞をとった井上荒野の連作短編集です。最近こういう群像小説ばっかり読んでいる気がするなぁ。
「ニシノユキヒコの恋と冒険」のようにいろんな女性が一人の男について語った作品になっています。「ニシノ〜」と違っているのは、潤一本人が自分のことを語っている作品があること。これによってすっごい話がまとってまていい作品に仕上がっています。

潤一はいつもふらふらしていてどうしようもない男。やらせてくれるなら女は誰でもいいと思うし、彼女がいようが待っている人がいようが、他の女の所へと行ってしまう。セックスなんてご飯のようなものと言い切ってしまう。

でも決してひどい男ってわけでもなく、どの子も最後は潤一に感謝の気持ちを持ってしまう。それはきっと、彼女たちが潤一を望んでいるから。そして潤一が彼女たちが望んでいることしかしないから。

しかし、そういうことをし続けることに疲れてしまうからなのか、最後に潤一は彼女たちの前から姿を消してしまう。唐突なときもあれば、そういう予感を持たせるときもある。

そして最後に潤一自身の口から彼の生い立ちと、女性との関係、女性から逃げてしまう自分自身が描かれる。

男だったらだれでもこういう男をうらやましいと感じるのだろうなぁ、と思うけど、ここまで誰からもいいよられる男っていうのもなかなかいないと思う。彼女の処女を喪失させるために14歳の女の子とホテルに行こうとするお話もでてくるけど、友達に自慢したいがためだけに処女を失おうとする子がそこらにいるかどうか、僕にはわからない。そんな子と出会うこと自体が潤一らしさなのかもしれないけどね。

まぁそれは小説の世界なのだからって言えばそれまでになってしまうのでしょうけど。

もし僕が潤一なのだとしたら、僕は吹奏楽団の中学生の女の子ととっくの昔にホテルにいっているのでしょうね。これが小説の世界なのだとしたらね。




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posted by kbb at 18:58 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行
この記事へのコメント
「ニシノユキヒコの冒険」、私も読みました。
なので、構成が似たこの本も読んでみたいなぁ…と思いました。
主人公自身が自分のことを語る、そこがとっても気になります。
Posted by minoon at 2008年10月15日 06:54
minoonさん。
こんばんは。

「ニシノ〜」はそれぞれ独立したお話だと感じられたのと違って、この作品は主人公自身の言葉の章があることによって、だいぶまとまったように思いますよ。

ぜひぜひ読んでみてくださいな。
Posted by kbb at 2008年10月16日 00:19
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