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2008年11月15日

雪が降る-藤原伊織

「雪が降る」 藤原伊織

雪が降るおはようございます。

先週の土曜日ですが、フリーマーケットを計画していました。以前のフリマの時に友人一同から集めたものの売れ残ってしまったものをいい加減売らないと僕の部屋は足の踏み場もない。ってその前からそうだったんですけど、今はそういういいわけをしています。というわけで、韓国行くのに贅沢をするためにも現金をつくっていこうというわけで出店を計画したのですけど、先週の土曜日は朝から雨で明日の日曜日に変更したのですけど、天気がいいのは今日までで明日からは下り坂のようですね。雨女がいるようにしか思えません。一緒に出店する人を考え直した方がいいのでしょうかね。

さて、以前「テロリストのパラソル」で気に入ってしまった藤原伊織の作品、「雪が降る」です。最近寒くなって朝に布団からでるのがどんどん辛くなってきましたけど、この季節にぴったりのタイトルです。

6編が収録されている短編集となっています。「テロリストのパラソル」の主人公、島村の物語"銀の塩"、大切なのものを壊されたときの人の行動を描いた"台風"、同期と取り合った女、そして自分が死なせてしまった女、陽子の息子から突然のメールが来たところから物語が始まる表題作"雪が降る"。どの物語も、自分の大切な物を守るために自分自身のルールをもっている男たちが主人公です。ハードボイルドというのか、こういう男っていいですよねぇ。なかなか見つけられない。まぁ近寄りがたいっていうのもあるだろうし、人になかなか心を開こうとしないっていうのもあるのでしょうね。

そんな男が主人公の他の五編と違って一つだけ異色の作品がありました。"トマト"という短編です。

「私はね、人魚なのよ」
というセリフからはじまるこの物語。こういう書き出しの物語を僕は好きなのでしょうかね。川上弘美の"神様"もこんな書き出しでしたしね。

銀座の街中で声をかけてきた人魚とバーに行きお酒を飲むという物語です。彼女が銀座までやってきた理由、それはトマトを食べること。人魚の世界にはないトマトを食べたという先輩の「風と太陽の光がつまっている」という話を聞いてどうしても食べたくなってやってきた彼女。彼女にとって最初の経験となったトマトを食べるという行為。

新しい経験って、だいたいむごたらしくて悲惨なもの

でも、最後にこう続ける。

でも、どんな経験も少なくともゴミじゃない


僕もなんかむごたらしくて悲惨な新しい経験をしてみたくなってきました。そういう勇気をくれるこの物語。こんな物語も書けるなんてまた一層藤原伊織にはまってしまいそうな気がしてきました。それともむごたらしく悲惨な新しい経験のために新しい作家さんを手に取るべきなのでしょうね。少なくともその経験はゴミにはならないはずですからね。




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posted by kbb at 10:48 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ハ行
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