こんばんは。最近なんだか人と話すのが辛いです。まぁいつものことなんですけどね。人と飲みに行ってもちょっとした沈黙に耐えられなくて、無理矢理話題をつくろうとするのですけど、その話題が唐突であったりつまらないものであったりと逆にしらけさせることになってしまう気がします。一番最悪なのが、その場にいる人を貶めるような言葉を言ってしまうこと。決してその人が嫌いなわけでもいじめようと思っているわけでもないのに、安易にそういう言葉を吐いてしまう自分がいる。人をけなさないと笑いがとれないのって自分が一番嫌いな最近のお笑い芸人の典型じゃないですかね。
って、もう言ってしまった言葉についてこんなところで懺悔している自分はもっとかっこわるいと思いますけどね。
でもこれって結局自分が中学生の子供のようにいつまでも過剰な自意識、自尊心を持てあましているからなのかもしれないですね。別に少しぐらいの沈黙があったっていいのにね。誰もおまえになんて期待していないって。
さて、そんな自尊心を同じように持てあましている吉岡君が主人公の物語。吉岡君はバイトをしながらかつかつの生活をしている。それもこれも小説家になるためだ。そして童貞でもある。音楽家やカメラマンの卵がせまい部屋で生活する。そんな場所が幸荘だ。
音楽家の卵の吉岡君の彼女がとびっきり美人の女の子を紹介してくれても何を話していいかわからず、しかも喫茶店で二時間ももたず帰してしまう。円町君がそんな僕をソープランドに連れて行ってくれた。初めて触れた女の子。自分に自信を持たせてくれた女の子。そうやって僕は小説家という夢に向かって突き進む。
そうそう、昔は僕もこうだった。何を話していいかわからずに何も話せずにいて、哀れむような目をした女の子が「そろそろ帰るね」と言うのを何も言えずに見送っていた。今じゃ何を言っていいのかわからなくて、よけいなことしか言えなくなってしまう。何も言わないのと、よけいなことをいうのとどっちがいいのでしょうかね。
そうそう、この作品。吉祥寺が舞台なんですけど、サトウのメンチカツやら井の頭公園やら慣れ親しんだ場所がいっぱいでてきて物語に簡単にはいりこめました。吉祥寺周辺に住んでいる人なら同じように物語を楽しめるのじゃないかしらね。
だけどこの作品、文庫化されたときにタイトルを変えたようでタイトルから「吉祥寺」の文字がなくなっています。まぁ吉祥寺はそんなに重要なキーワードじゃないですからでしょうね。この作品の作者、花村萬月がどっかの新人賞の講評で、おれならもっとおもしろいものを書けるなんて言っていたのですけど、言うだけのことはありますね。今度は元気なときに読んでみたいなぁ。



