本のタイトルは過去記事またはアマゾンへ飛びます。出版社等の確認にどうぞ。

2009年02月04日

こうふく みどりの-西加奈子

「こうふく みどりの」 西加奈子

こうふく みどりのこんばんは。

今朝通勤中に京王線で痴漢が捕まっているのを目撃しました。
被害者とおぼしき女性が男性を駅員さんに突きだしていました。なんだかこわくなってしまいました。
冤罪だったら自分がその立場になりえるわけででこわいですし。
もしあれが本当にやっていたとしたら、あんな締め切られた孤立した箱の中にそんなやつと一緒に入れられていたのかと思うともっとこわい気がしました。

そんな怖さはがこの人の作品には全然見あたらない。西加奈子です。「こうふく あかの」と前後編といえる「こうふく みどりの」です。どちらが前でどちらが後っていうのはないんですけど、なんとなく、っていうか実際つながっているんですけど、明示的につながりが示されているわけではありません。

というわけでまずは「みどり」の方からです。

辰巳緑の家は女系家族。おじいちゃんは失踪中で母親は不倫の末に私を生んだ。おばの藍ちゃんは旦那と離婚の予定で、娘の桃ちゃんを連れて実家に戻ってきている。おばあちゃんには不思議な力があって人がいなくなったりでてきたりするのが見えるらしい。というわけで知らないおばさんがうちにはよく来る。
コジマケンという転校生がやってきた。突然私の前に現れて、いい名前だな、なんて言う。意識しないわけがない。モテモテの友達、明日香との関係がコジマケンのせいでぎくしゃくしてしまった。でもコジマケンが好きだったのは藍ちゃんだった。
そんな緑の日常が描かれている間に挟まれてもう一つ別のストーリーが描かれる。最初は全然別の物語のように見えるそれが、緑と、辰巳家と関係を持ってくる。

西加奈子の描く物語は日常のなんでもないことがだらだらと描かれている。だらだら描かれているのはいやだ、なんてつい最近「しょっぱいドライブ」で書いたばかりなのに、だらだらという点では西加奈子も同じようなものじゃないかしら。とりたてて事件が起こるわけでもないですしね。でも西加奈子の物語は好きなんだよなぁ。そこに悪意がないからかもしれない。それは、だらだら、ぐらぐらしていてもどっちに転んでも、どっちも悪い方に転ぶことがないからだと思う。「しょっぱいドライブ」ではそっちいっちゃうのぉ?でもそっちいっていいのぉ?なんて感じでだらだらしていたんだけど、西加奈子の場合はそっちいってもいいけど、こっちもいいんじゃない?まぁはやく決めてよね。なんて思いながら遠くから眺めている余裕を持てるんだよなぁ。なんだかわがままいっているだけのような気がしてきましたけどね(笑)。

まぁどっちにしろなんとなく安心できる西加奈子はやっぱりいいよねぇ、って感じが伝わればうれしいんですけどね。




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ他の方の書評を読む。

posted by kbb at 23:26 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 西加奈子
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

お名前・メールアドレス・ホームページアドレスを(入力があれば)クッキーに保存しますか?



この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/113685971
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。