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2006年01月08日

博士の愛した数式-小川洋子

「博士の愛した数式」 小川洋子

博士の愛した数式今度公開される映画「博士の愛した数式」(映画公式ページ)を見に行く話しで友人と盛り上がっています。今度こそ思いっきり泣くぞというつもりで見に行くのですけど、その前に忘れてしまっているようなあらすじを思い出すために再読してみました。

いやぁいいですねぇ。日本酒を飲んでいたからかわからないけれど最初の10ページぐらいから泣いてましたよ。本を読みながらこんなに泣くのは久しぶりです。ページに涙がボトボト落ちるのも気にせず次のページ、次のページへと読み進めていきました。今回読んで感じたのはこの作品の中には人の"悪意"ってのがまったくないんだなぁってところですね。すべての人が誰かのことを想い、善意によってすべての関係性が説明できそうな気がします。それと途中で気付いたのですけど、地の文が過去形で書かれているんですね。それがエンディングを想像させてくれて、いい感じに積み重なっていくのが素晴らしい。小川洋子さんの文章力に感心しきりでした。以前読んだ「凍りついた香り」とはエライ違いだ。それに誰もが誰かを愛情に満ちたまなざしで見ている。博士は実の父親以上に父親的だし、母親は実の母親以上に母親的だし、子供は実の子供以上に子供的だ。

最初に読んだときはまだ話題にもなっていなかったころ、全然知らなくて本屋さんで並んでいるのを見て、タイトルに数式って入ってるだけで買った本だった。家政婦が博士に恋をして云々みたいなことを予想、期待して読んでいた。結局それはでてこないけれど、喜びに満ちあふれた裏切りを感じさせてくれた。

それにしても、自分の大好きな本を紹介する難しさを改めて感じています。作品の見せるちょっとした表情ですら愛おしいのだもの。それを説明するのは難しいですね。

これをうまく映画化できているのだろうか、と不安になっている。ちょっとした表現で泣いている自分を読みながら発見してしまい、これを映画だとどう表現するんだ?なんて思ったり、過去形であらわされた地の文はどうするんだろう、とか悪意を感じさせないことは映像で可能なのかしら?とか、博士が数学を考えているときに空中の一点を見つめ続ける演技をただ呆けているようにしか見えなかったら失望してしまうし。でもその点は「半落ち」の寺尾聰なのだから大丈夫って安心感はあるけどね。まぁなんにしろ楽しみです。今日ちょっと調べてみて知ったのですけど寺尾聰って高校が僕と一緒なのね。親近感が一気に湧いてしまいました。



posted by kbb at 14:19 | Comment(12) | TrackBack(29) | 小川洋子
この記事へのコメント
こんばんは。

kbbさんの記事を読んであらためて思ったのですが、 ここにでてくる愛情は、 見返りもかけひきもない愛情だから、すがすがしいんですね。 それに比べて”母屋に住む義理の姉”は、苦しく辛い日々を送ったんだなあ・・と思いました。 映画では義理の姉の心情がどういうふうに表現されるのかしら。
よし私も観に行こう!
吉祥寺の映画館で会ったら、声掛けてくださいね。。。なんてわかるわけないですね、お互い。  TB返しさせていただきますね。
Posted by tsukiko at 2006年01月09日 04:00
tsukikoさん
こんにちは。

うんうん。見返りのない愛ですねぇ。普段なかなかそれができないからそれを美しく感じてしまうのでしょうかね。やろうと思ってもできない。やる努力はしているのですけど、メリットデメリットが頭をかすめていくのがイヤになってしまいます。

義理の姉は結構ミステリアスですよね。書かれていないからこそどこまででも想像をふくらませられる。彼女と博士の関係は一体なんだったんでしょうか。彼女は結局忘れられることから逃げ出してしまって、それでも愛情をかける家政婦に嫉妬して・・・。実は義理の姉ってのも身分を偽っているんですよね、きっと。なんて考えてしまいました。

映画館で会っても確かにわからないですね。きっと周囲のことなんてまったく気にもせず嗚咽を漏らしながら泣いているのが僕ですよ(笑)でも観たら感想を是非是非記事にしてくださいね。楽しみにしております。
Posted by kbb at 2006年01月09日 14:50
kbbさん、はじめまして!コメントとトラックバックありがとうございました。
tsukikoさん繋がりですね。なんだか少し照れくさい感じがするんですけれど、とても嬉しかったです。
ただただ人を受け入れることができるって、とても素晴らしいというか、羨ましいというか…善意ですよね。^^
映画楽しみですけれど、やっぱり期待と不安がうねってしまいます。吉祥寺ではないですが、観に行こうと思います!
「ALWAYS」観に行かれたんですね。ワタクシも観ましたっ。ちょっと笑い、そして泣きませんでした…。周囲の泣き声にやられてしまった感じです。
こちらからもトラックバックさせていただきますね。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by MOW at 2006年01月09日 18:09
MOWさん
こんばんは。

こうやって人のつながりでどんどん輪が広がっていくのって素敵ですよね。現実世界でもそうしたいのですけど、あいつとこいつは、なんてしがらみを考えはじめちゃうとなかなかうまくいかなくて。

僕は本を読んでいて悪意やそれよりももっとひどい、ちょっとした労力で済む想像力の欠如が感じられるともう目を伏せてしまいたくなる悪い癖があるので、この本はすんなり読めました。

三丁目の夕日は僕も(期待したほど)泣けませんでした。「博士の〜」もきっと期待しすぎると泣けない気がするのですけど、どうしても期待してしまう僕がいます。

コメントTB大歓迎なので今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by kbb at 2006年01月09日 20:52
お久しぶりです。
「博士の愛した数式」は、娘も大好きな本です。
「こんな数学の先生ならいいのに」と彼女は言っていました。
原作の静けさが映画でも表現できていればいいなあと思います。
Posted by くろにゃんこ at 2006年01月10日 09:11
くろにゃんこさん
こんばんは。

確かにこんな先生なら数学好きにしてくれそうですね。80分しか記憶がないからテストのことも忘れてくれそうですし。でも1〜10までの足し算のところではルート君に厳しい言い方もしているので教師としてはなかなかスパルタかもしれませんね。

静かさ、うんうん、泣かせるぞっていうクライマックスといもいうべきシーンはでてきませんからね。そこをうまく表現してほしいですね。
Posted by kbb at 2006年01月11日 01:20
はじめまして。TBありがとうございます!

私のなんちゃって読書感想文にお付き合いいただいて嬉しいです。

映画と原作って、やはり違いましたね。重要なところが変更や追加されていて本は本、映画は映画という感じでした。悪い意味ではなく、新鮮でしたね。

ルートの内面が博士と触れ合うことによって成長していく姿が感動しました。
Posted by 忍耐道 at 2006年03月20日 11:09
忍耐道さん。
こんにちは。初めまして。

この作品の場合映画と原作は全然ちがうものでしたね。
ルートの成長する姿もよかったですけど、博士のいつまでも変わらないでいることも大切なことだったのかななんて今は思っています。
Posted by kbb at 2006年03月21日 12:47
こんにちは。
映画の感想の方にTBさせていただきましたが、私も改めてこちらの読書感想の方にTBさせていただきます。

映画も原作も、それぞれの持つ温かさを感じられる作品でしたね。
私は映画を見て原作を読みたくなったのですが、両方触れることができて良かったです。
Posted by まり at 2006年04月16日 17:48
まりさん。
おはようございます。はじめまして。
TBありがとうございます。

この作品はほんとにいいものでしたね。
両方に触れられて両方に感動できるなんてなかなかできないですよね。

また是非遊びに来てくださいね。
Posted by kbb at 2006年04月18日 07:33
ミクシィに書いたけど、この本読んだよ。
日記を書いた後に、kbbも書いているはずと思って、この過去のブログを読みました。

博士はルートの父親ではなく、おじいちゃんでは?お爺さんが孫にささげる愛情に思えるんだけど。
父親はもっとぎこちなく、厳しく接してしまう、愛情表現の苦手な存在だと思うけど。

母子家庭の母親が、子供に母親以外からの愛情を与えてくれることをうれしく思うところは、なんだか胸を打たれるね。

映画も機会があれば是非見てみたいね。深津絵里だし。
Posted by タカアキ at 2006年06月22日 06:53
たかあき。
こんにちは。

実際父親になったことがわからないけど、愛情表現が下手な父親は多そうだね。でも、それ以上にルートが素直だからこそ
博士の愛情もうまく表現できていたのかもしれないね。

みんながそれぞれの役割をちゃんと演じていれば、誰もがすなおになれるのかもしれないなんて思っちゃいましたよ。素直になれなくて損していることの方が多いものね。

深津絵里好きだったっけ?この映画の深津絵里はほんとに美人さんだったよ。
Posted by kbb at 2006年06月22日 17:39
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