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2006年03月24日

失恋-鷺沢萌

「失恋」 鷺沢萠

失恋おはようございます。春になったのにまだまだ寒いと思っていたら心が寒かったんですね。ってこんなこと言ってるから「あんた、痛いよ」って言われちゃうんでしょうね。

そんな心の寒さも乗り越えて今日も本を読みましたよ。そのタイトルはなんと「失恋」。あまり気に入ったタイトルじゃなかったのですけど、以前「贅沢な恋愛」の鷺沢萠(さぎさわめぐむ)の解説の文章を気に入ったので読んでみようと思っていました。やっぱり最初は短編集ということで本屋さんの書棚から彼女の短編集を探したらこれしかなかったのですよ。やっぱりどんぴしゃりでしたね。ひさびさにわくわくしながらページをめくれる作家さんに出会いましたよ。

失恋をテーマにした、"欲望""安い涙""記憶""遅刻"の4つの作品が収録されています。どの作品も

そんな男やめちまえ

って叫びたくなるような男ばっかりでてくるのですけど、好きになっちゃったらどうしようもないんでしょうね。しっかりと相手も自分も見えているのに、やめられない恋。その壁にぶつかりながら乗り越えていくようなお話でしたね。

"記憶"の主人公だけ男性なのですけど、信吾と勢津子は一年ぐらい前のある日偶然同じバーに居合わせたところから仲良くなります。そんな信吾が勢津子に恋心を抱き、しかし自分の気持ちを伝えることができません。

勢津子のほうにはそんな気持ちはない場合を考えると、怖いのだ。傷つくのが怖いのではない。ふたりのあいだに妙なしこりができて、もう会えなくなるのが怖いのである。


って、この場面を読みながら想ったのですけど、これって異性を友達と見られる人特有の考え方なんだろうなて。その友人を喪うのが怖くて自分の気持ちを伝えられない。その友人を喪うぐらいなら自分の気持ちを隠して、その気持ちを押さえ込んででも、今の関係を保ちたいって思っちゃうんでしょうね。

4つの短編の中で一番面白かったのは"記憶"でした。情報学科の博士課程にいる樹子(みきこ)は政人(まさひと)とつきあっています。樹子は携帯電話のショートカットダイヤルやグループ登録機能を全部使いこなし、まわりにある電気製品のデジタル時計は正確に合わせておく。「機能の無駄遣いが嫌だから」というような女性です。でもその政人がどうしようもない男で樹子と同じような関係の女性がいくにんもいて、すべての女性が彼にとってなんらかの得をもたらすような女性達ばかりなのです。車をもっていたり、パソコンが得意であったり、もしくは女性の中では果てることのできない政人のために口ですることができたり。そんな男とつきあっていちゃだめってのは樹子にはよくわかっているのですけど、どうしてもやめられない。そして、ある日政人の新しい女の子から突然電話がかかってきて、クダラナイ男だったんだってわかってしまいます。そして次に会った時に樹子は政人に復讐と政人のクダラナサを確認するために・・・。

その復讐の仕方ってのがまた精神的につらいものですね、男にしてみれば。背中を刺された方がよっぽどいいやってぐらいのものです。その後にキスするのですらいやなのに、そんなこと想像すらしたくないですもの。しばらくは見たくなくなりますね。って読んだことない人にはさっぱりの内容になっちゃいましたね。でも、ここが一番のクライマックスなのでネタバレしたくないのです。お許しを。

とまぁ、鷺沢萌はしばらくはまりそうです。ブックオフで鷺沢萌の本をたくさん抱えていたらkbbさんですので、お見逃しを。

posted by kbb at 05:31 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷺沢萠
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