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2006年04月05日

アジアンタムブルー-大崎善生

「アジアンタムブルー」 大崎善生

アジアンタムブルーおはようございます。今日は前置きなんて抜きにして作品の紹介を。

それぐらい今回のはよかった。よかったというより、号泣してしまいました。こんなに泣いたのは「博士の愛した数式」以来かも。

大崎善生の「アジアンタムブルー」です。最初の方はたんたんと物語がすすんでいくのですけど、途中から一気に泣かせてくれました。着ていたシャツがびしょびしょになるほど・・・。ここまで人を感動というか共感させてくれるなんてこの人ほんとにすごいんだなぁって実感してしまいました。最近自分でも友達に見せてるぐらいですけど、小説らしきものを書いているのですけど、この本を読むと自分のがいかにつまらないかって思えちゃって自信喪失気味です。僕にはここまで人を共感させるようなものは絶対書けないだろうなって思っちゃいました。

あらすじとしては、エロ本の編集者山崎はカメラマンの葉子と出会い、二人は恋に落ちていく。しかし、葉子は30なったばっかりだというのに、人生を終える。その終えるときに山崎には何ができるのか・・・って感じかしら。山崎や沢井、五十嵐など「パイロットフィッシュ」の続編のような感じです。僕はアジアンタム〜の方が話しとしては先なんじゃないかって思うんですけど、こっちの方が時間的にあとだって言う人もいるみたいですね、アマゾンのレビューを見る限りでは。

読み始めた時は

「男の子と女の子が街を歩くときは手ぐらいつなぐものでしょう」

という先輩のセリフや山崎は同棲を申し入れた時の葉子の断り方なんかを書きだそうと思っていたのですけど、そんなのもういらない、ってぐらい読後は呆然としてしまいましたね。

普段このブログでもずっと言ってるように、短編小説の方が好きでした。小説なんて言いたいことがあって、それが伝わればいいわけで、それを伝えるのにつらつらと言葉を並べるよりは上品に少ない言葉で確実に伝えられるのが作家の力量だと思っていたからです。でも今回「アジアンタムブルー」を読んで、長編もいいなぁって思ってしまいました。エピソードがいくつもいくつも重なり合って作品全体の雰囲気を作り出して、もうこれでもかってぐらい泣かせてくれる。うーん、今まで僕は何を読んでいたのでしょうかね、まったく。大崎善生がうまいってことなですかね。長編を読み終わって、無駄な時間を過ごしてしまったなって思うのが悔しいから短編に逃げていたのかもしれませんね。

葉子が死んでいく過程で、自分の母親の病室のことを思い出してしまい、それが涙となっていたのかもしれませんね。でも自分の彼女がこうやって死んでいくときは、僕も山崎と同じようにしてあげたいっておもっちゃいますね。

それを影からサポートしてくれる、山根先生がまた泣かせてくれるんですよね。世の中に本当にこんな医者いるんですかね。

隠す意味のないネタバレです。反転させてください。
(ここから)この本の裏表紙に書いてある、あらすじなんですけど、これって誰が書いているんでしょうかね。編集者かしら?これ、葉子が癌で死ぬことが書いてあるのですけど、そこが途中まで伏せられて初めて作品全体に通じている雰囲気が感じられると思うのですけど、どうなんでしょうかね。(ここまで)

大崎善生にはこれからも注目です。


posted by kbb at 05:49 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(3) | 大崎善生
この記事へのコメント
kbbさん こんにちは(おはようございますかしら)。
読みました、アジアンタムブルー。とっても良い本を紹介してもらって嬉しいです。 kbbさん好きそうな文章かもなぁ とか、ほんとに泣いちゃったりするかなぁ とか、最初はいろいろ考えちゃっていたんですけど、後半はそんなことを全く忘れていました。
パイロットフッシュも読んでみなくっちゃ。と決意を新たにしました。
昼夜逆転するのはツライことなんですね。応援してますっ!>
Posted by MOW at 2006年05月18日 18:06
MOWさん。
こんにちは。

読みましたね!?喜んでいただけたようでうれしいです。
なんだかたんたんとした語り口で結構好きな文章でしたね。
ほんとにぼろぼろと泣いちゃったんですよ。後半から一気に・・・。

パイロットフィッシュもいいので、ぜひぜひ読んでくださいね。いろいろ過去の自分を考えちゃうような作品ですよ〜。

昼夜逆転。夜型人間だと思っていたのですけど、やっぱりそうでもなかったみたいなんです。MOWさんから応援をいただけるなら今以上にがんばって見ようかしらなんて思っちゃいます。応援ありがとうございます。
Posted by kbb at 2006年05月20日 16:04
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◎◎「アジアンタムブルー」 大崎善生 角川書店 1500円 2002/9
Excerpt: デパートの屋上の場面からこの物語は始まる。そしてその場面は、評者に忘れていたことを思い出させてくれた。小さい頃、大好きだったデパートの屋上。最近も娘を連れて訪ねたデパートの屋上。今も昔も、子供の心をと..
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Tracked: 2006-05-04 08:17

大崎善生のことども
Excerpt: ◎◎ 『聖の青春』 ◎◎ 『将棋の子』 ◎◎ 『パイロットフィッシュ』 ◎◎ 『アジアンタムブルー』 ◎◎ 『九月の四分の一』 ◎◎ 『編集者T君の謎』   ○ 『ドナウよ、静に流れよ』 ..
Weblog: 「本のことども」by聖月
Tracked: 2006-05-04 08:18

《アジアンタムブルー》を乗り越える確率は…
Excerpt: 『アジアンタムブルー』大崎善生 ♪♪♪ この前ね、記事を読んだんですよ。 紹介されている その本を とってもとっても読みたくなるような。 #そんなkbbさんの記事へはココから! それでワタクシ どー..
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Tracked: 2006-05-18 17:57
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