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2007年12月15日

恋愛寫眞-市川拓司

恋愛寫眞 市川拓司 

恋愛寫眞水中の生活に飽き飽きしたコイとフナとドジョウが陸に遊びにいきました。ところが陸に上がった三匹の中で一匹だけ靴をはきませんでした。さてその魚は?

答えはコイです。恋ははかないから。

なんて、くだらないところからはじめてしまいました、ごめんなさい。こんにちは。

映画を市川拓司がノベライゼージョンしたのがこの小説です。"もう一つの物語"なんて副題がついているので、原作が別にあって、それを映画化して、さらに小説化したものかなぁなんて思って原作を探してみたのですけど、そんなものなかったですね。小説家が映画を小説化するってのもめずらしいんじゃないかしらね。

さて、ストーリーといえば、冒頭のクイズというかなぞなぞの答えのようなはかない恋を演じる二人が主役です。よくある三角関係がお話しの中心になるのですが、ヒロインの静流の体というか健康が良くある話しではなかったってのがミソですね。彼女の場合恋がはかない以上に命がはかなかったのです。

恋愛をしたとたんに相手の色にそまるっていう意味で、恋をすると(今までの)自分の命はおわる、っていう風にかんがえられるかもしれないけれど、その場合は幸せな自分となって生まれ変わるはずなんだけど、静流の場合はそうはいかなかったようですね。ウスバカエゲロウやせみのようにこの世に生をうけて、恋をして、そのまま通り過ぎていってしまう。むしろ、恋をするためにそれはもうこの上なく美しく成長して、(本当なら)相手との間にできた種を残して死んでいくのがウスバカゲロウやせみや彼女のような体をもつ人にできる最善のことなんでしょうけど、彼女はそんなことも放棄して、好きになった男のために身をひいてしまう。

なんだかとっても哀しくなってしまうお話しなのですが、彼女のそういった生き方、とくに命すべてをささげることのできる相手に一瞬でも会えたことが彼女を死ぬまで幸せにしたんだろうなって感じさせてくれました。

こういうファンタジーというか現実にありえないようなお話しをリアリティをもってつくらせたら市川拓司はうまいですねぇ。最初の方の会話文や文体が村上春樹的だなぁなんて思って読み進めていったのですけど、途中からそんなの気にならないぐらいにめり込んでしまいました。映画も結構楽しめましたけど、小説もなかなかのデキでしたね。もう一度映画をみたくなるような素敵な小説に仕上がっています。

posted by kbb at 11:05 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ ア行
この記事へのコメント
こんばんは。お邪魔します。
ここまで捧げられる相手にめぐり逢うって素敵ですよね。
「村上春樹的」、私もそう思いました。
私だけではなかったのですね(笑)
まぁ、それだけ影響力のある作家であり作品の数々なんだなぁと変に感心していました。

あ、この本には関係ありませんが、私もお酒大好きです(笑)
記憶は無くしませんが( ̄m ̄*)
Posted by このみ。 at 2008年02月19日 00:36
このみ。さん。こんばんは。

おいでやす。

こんな素敵な恋愛なかなかっていうか、一生に一度もできない人もいるはずでうものねぇ。

村上春樹の影響はいろんなところにでていますよね。って勝手に思ってるだけかも知れないですけどね。ドーナツとか図書館とかでてくるとそれだけで反応しちゃったり(笑)

僕もお酒は大好きなんですけどね、隣に口説きたくなるぐらい可愛い子がいてくれれば、もったいなくて記憶なんてなくならないんですけどね、なんていったら各方面からクレームがきそうなんで、やめときますね、ってかもうおそいか(笑)

また是非いらしてくださいね。
Posted by kbb at 2008年02月19日 21:58
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