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2008年01月27日

トキワ荘の青春 僕の漫画修行時代-石ノ森章太郎

「トキワ荘の青春 ぼくの漫画修行時代」 石ノ森章太郎

トキワ荘の青春中学から高校の頃まで毎週8冊の週刊漫画誌を読んでいた。何が楽しかったかと聞かれるとなんとも言えないけど、習慣となっていたのかもしれない。電車に乗る前に駅の売店で一冊買って、乗り換えの駅でもう一冊買う。学校に行って読み終わった雑誌は友達に半額で売るか、あげてしまうかしていた。なにもあとには残らない。実物も、心の中にも。

そうやって消費していた漫画を書いていた漫画家の中に石ノ森章太郎はいた。あのドラマにもなったホテルだ。そんな石ノ森章太郎がギネスをもらったそうだ。

仮面ライダーの故石ノ森さん、最多コミックでギネスに(朝日新聞)
http://www.asahi.com/culture/update/0124/TKY200801240324.html

そんな石ノ森章太郎がトキワ荘に住んでいた頃のお話しを自伝として書いたのが今回の作品です。

ドラえもんの藤子不二雄やバカボンの赤塚不二夫、鈴木伸一、角田次朗、水野英子なんかと一緒に椎名町のぼろアパートの二階でみんなバカをやったり、酒を飲んだり、漫画を書いたり、アニメをつくろうとしたり。こうやっていつの時代でも通用する漫画を書き続けた石ノ森章太郎ができたのだろう。

月刊誌しかなかった時代ののんびりした雰囲気、週刊誌になって漫画が大量消費されていくようになった時代。その時代の変化につれて、漫画が社会に認められていったこと。そんなことを日本の商業漫画の黎明期から漫画家としてすごしてきた彼の言葉で描かれている。

やはり同じ目標をもった仲間と一緒に過ごすのは楽しいのだろう。もちろん中には夢を捨てて去った仲間もいたけど、それでもそこにすがりついて離れなかった人たちは、生活がどんなに苦しくても笑って過ごしていたことがよくでている。

トキワ荘が取り壊されて、最近の若者のニーズに合わせて立て替えたとき。彼ら仲間が集まってその一部屋を借りて、昔の自分たちのようにお金もない、基盤もない、だけど漫画をかくことが大好きな人一人に一年間無料で部屋を貸し与えて漫画家を育てようとトキワ賞を創設したらしい。ネットで調べた限りもうその賞はなくなってしまったようだけれど、どこかのNPOが同じような主旨で漫画家にサポートをしているらしい。(http://tokiwasou.dreamblog.jp/)

トキワ荘が取り壊されたときにみんなで集まって記念品を持ち帰ったように、こうやって若い頃に一緒に踏ん張ってきた仲間っていうのは何年経っても仲間でいられるんですね。なんだかうらやましい。彼らの多くは亡くなってしまったけれど、多くの人たちが大量消費されている漫画の中からなにかを感じ取ってちゃんと残している。それだけで彼らのしてきたことは素晴らしいことだったってわかりますね。




posted by kbb at 00:05 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行
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