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2008年02月13日

アヒルと鴨のコインロッカー-伊坂幸太郎

「アヒルと鴨のコインロッカー」 伊坂幸太郎
 
アヒルと鴨のコインロッカー途中の駅で彼女が乗り込んできた。背が低くて、髪の毛にかかったウェーブが彼女のもののようにしか見えなかった。以前つきあっていて、それまでの恨みをはらすかのように振った彼女だ。それで、見事なまでに、完璧に僕は落ち込んだ。彼女はドアの方をむいて、僕の前で顔を向こうにむけてたっていた。どうしたらこの子を振り向かせて顔を確認できるか一生懸命に考えた。わざと軽くけってみるとか、奇声を発して驚かせるとか。でも、どれをやっても彼女だったとして、彼女じゃなかったとしても、ただのおかしな人にしか見られないと思ってやめた。何もできないまま、電車が銀座一丁目の駅に着いて、彼女は電車をおりていった。急いでいたのだろう、振り返ることもなく改札まで一生懸命に走っていた。腕の振り方や足の運び方など、走り方まで彼女そのものだった。ぼくはそのまま電車に乗り続け、目的の駅で降りる。

そんな風に僕の過去は僕の現在へとつながっている。いろんなものが積み重なって今の僕がある。

二年前の物語と現在の物語が交錯する、「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んだ。大学入学のために引っ越してきたアパートの隣に住んでいる男に挨拶に行ったら、本屋を襲わないかと誘われる。そんな非日常から物語がはじまっていく。不思議や奇蹟の物語とは縁遠い存在でいたかったのに、周りがそれを許さない。

最後にすべてがうまくまとまっていく感じはとても素敵だったのに、その終着点までいくみちのりが長い長いレールを思わせる。途中の車窓からみえる風景が長すぎたらそれが素晴らしい景色だったとしても、少しぐらい寝てもいいかな、って思わされちゃうものね。でも寝てしまったら小説は先に進んでくれないので、我慢して読まないといけない。

それに琴美ちゃんという子があまりにもリアリティがなくて、それも途中で読むのが億劫になった原因の一つかもしれない。ペット殺しに夜の公園で盗み聞きしているのをばれて、なにもされずに解放されたのに、少し離れたところから、「警察にいいつけてやる」なんていう女の子はまず見つからないんじゃないかしらね。

他の登場人物がとってもリアリティがあって、物語にすんなりと引き込んでくれるのに、琴美ちゃんだけがどっかあさっての方を向かせていた。

以前読んだ「死神の精度」は結構すきだったのに、今回のはちょっと残念だな。伊坂幸太郎作品は短篇の方がいいのかもしれないな、なんて思って読み終わりました。映画で麗子さん役は誰がやったのかしらって気になっているのはおまけです。麗子さんになら右ストーレートをもらってうれしかったりするかもしれない。

そうそう、日曜日の飲み会の前に森永ミルクキャラメルを仕入れていったら、女性陣のウケが非常によかったです。男性諸君、あれは、いいぞぉ。といっても、僕のでなくミルクキャラメルのウケがよかっただけですけどね。




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posted by kbb at 04:00 | 東京 ☁ | Comment(4) | TrackBack(1) | 伊坂幸太郎
この記事へのコメント
先日はブログに遊びに来ていただいてありがとうございました!

>終着点までいくみちのりが長い長いレールを思わせる。
物凄くいい表現ですね・・・本当に途中はそんな感じでした。
琴美に関しても、読んでいて違和感を感じてしまいますよね。
映画もなかなか面白いらしいので、一度観てみたいなぁと思ってます。
Posted by 黒猫 at 2008年02月13日 18:22
こんばんは。

「死神の精度」の予告編を、この間、映画を観にいった時にみましたよ。

kbbさんと同じで、原作を結構楽しんで読んだので、映画版もよく出来ているといいなぁと思います。
Posted by FPJ at 2008年02月13日 18:57
黒猫さん。こんばんは。はじめまして。

ようこそいらっしゃいました。ささ、どうぞ奥の方へ。
おい、かぁちゃん。おちゃをもってきて。
いやーよく来てくれましたねえ。おじさんはうれしいですよ。おい。かあちゃん。座布団がないぞー。

ってどこでやめればいいのかわからなくなったので、この辺で・・・。

映画、いいらしいですね。今日仕入れた情報によると、麗子さんは大塚寧々らしくて、色白で色気がある感じが想像できますよね。是非みないとなって思っちゃいました。

これに懲りずにまた遊びにきてくださいねー。お茶ぐらいはお出ししますので。
Posted by kbb at 2008年02月13日 20:04
fpjさん。こんばんは。

おいかあちゃn(略

ようこそいらっしゃい。死神の精度も映画化されるの!?それはしらなんだ。

誰が千葉さんやるんだろうか。ってあの短篇を映画にするってことは、どれか一つだけなのか、それともいろんなところにいくのかもしれないね。

なんだか見たい映画がいっぱいになってきたなぁ。少し整理しないとなぁ。
Posted by kbb at 2008年02月13日 20:07
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Excerpt:      『アヒルと鴨のコインロッカー』     伊坂幸太郎     東京創元社                &nbs..
Weblog: ★YUKAの気ままな有閑日記★
Tracked: 2009-04-16 17:33
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