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2005年11月05日

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由-スティーブン・ウェッブ

「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」 スティーブン・ウェッブ

広い宇宙に.jpgこの本は物理学者のフェルミという人が研究者仲間とのランチの時に言った、「みんな、どこにいるんだろうね」に対する50の反論が書いてある。フェルミは優秀な物理学者で原子力発電の原理など多くのことに関わっていた。彼の有名なエピソードにフェルミ推定の話しがある。例えば「シカゴにはピアノの調律師が何人いるか?」などの答えの大きさを世界や日常の経験などをもとにおおざっぱな近似を求めるような推定である。

シカゴの人口はだいたい300万人→ピアノは世帯にある→一世帯はだいたい5人ぐらいだとしてシカゴには60万世帯ある→20世帯に一つピアノがあるとしてシカゴには3万台のピアノがある→ピアノは一年に一度調律が必要→調律師は一日に二台分仕事する。年に200日働いたとして一人年間400台調律できる→シカゴに必要な調律師は3万/400で75人。概数を求めているのでだいたい100人と推定できる。

といった具合に推定していく。この方法の利点は細かい数字が間違っていたとしても、計算をやり直せばいいだけである。要はどうやったら答えが考えられるかということのほうが大切であって、細かい数字はあとからいくらでも調節がきくのである。

この推定を利用してフェルミは地球にはとっくに誰かが来訪してもおかしくないと考えていた。銀河系に産まれる星の数、そのなかで惑星を持つような恒星の割合、生命を維持できる環境のある惑星の割合、生命が実際に育つ惑星の割合、生命が知的能力を発達させる割合、恒星間通信ができる文明が育つ割合、最後にそのような文化が通信を行う期間を考えると、もうすでにいくつかの知的生命が来訪するなり、連絡してくるなりしてないとおかしいという結論になるのである。もちろん個々の数字はわからないことの方が多い。しかし少なくともこういう風に計算はできる。

とまぁ、このような結論に対する反論が50個書いてあるのが本書である。
それらの反論は様々な分野から提出されている。進化論、社会学、物理学、宇宙論、確率論、はては言語学まで様々な理由が考えられている。それら一つ一つのわかりやすい説明がされており。宇宙人に興味がなくても、個々の研究がに興味がもてるようになっている。

どんな分野に関しても(地球外生命体に興味があるならば)最良の入門書になっていると思う。訳も難しくないので、一度本屋さんでパラパラとめくってみるとおもしろいと思います。




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Excerpt: 最近、科学関係の雑誌を読んでいると、よく、宇宙の話を目にします。 ※その手の議論それ自体がお好きな方には、これ以上は余計なことだろうと思います。他人様が何を楽しいと感じられるかまでは、口を挟むつ..
Weblog: 自然科学と、近頃の私
Tracked: 2005-11-07 20:26
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