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2008年03月25日

シュガータイム-小川洋子

「シュガータイム」 小川洋子

シュガータイム「 東芝の体重体組成計が欲しい! 」とブログに書くと、抽選でプレゼントという企画をブログ村でやっているので、とりあえず書いてみました。

目の前の利益と将来の不利益を天秤にかけて目の前の利益をとるという、経済学の考え方。だからせっかちな人ほど太る。

と、なんかの新書に書いてあると、どっかの書評で読みました。思わず膝を打ってしまうほど、自分にぴったりだなぁ、と感慨深く感じてしまいました。経済学の理論が自分にぴったりなんて、なんだか誰かに操られているようでいやですね。自分のせっかちな性格と旺盛な食欲がこんなところでリンクしているだ、なんてお前にはダイエットはムリだって言われているようでなんだかつらいですね。ダイエットなんて、禁煙と一緒で始めるのは簡単なんですけど、続けるのが難しいんですよね。

まぁ、そんなことはさておき、小川洋子の「シュガータイム」です。久しぶりの小川洋子でしたが、あぁそういえばこんな雰囲気だったと思いだし、思いだし読んでいました。

物語は"わたし"の日記からはじまる。

四月二十二日(火)
フレンチトースト四切れ(シナモンをかけすぎた)
セロリのサラダ 醤油ドレッシング
ほうれん草のココット
ハーブティー(口に残ったシナモンの香りを消すために)
草加せんべい五枚(ハーブの匂いを消すために)
納豆と胡麻のスパゲッティー
ドーナツ七個
キムチ百五十グラムぐらい(ドーナツが甘すぎて胸焼けしたから)
フランスパン一本(口の中がひりひりしたから)
ハヤシライス二杯
フライドチキン八本
ソルトクラッカー一箱
あんずジャム一口


ある日からはじまった、異常な食欲。常に食べ物のことが頭の中から離れなくなる。近くのスーパーマーケットに売られているショーケースの中の熊の掌に興奮しながら自分の身の丈にあった食料を買い込んでいく。

彼女をとりまく恋人吉田君の奇妙な行動と、弟の奇妙な病気。彼女の異常な食欲がどこからやってきたのかなんて理由をさぐることなんかせずにいつのまにかそれを受け入れてしまう。むしろ、自分にもそういうことがあったと思わされる。

そうそう、そうやって食べ物がなくなっていくのを快感に感じてしまった時があった。コンビニで袋いっぱいの食料を買い込んで一晩で消費したこともあった。なんて思い出させてくれる。結局排泄されてしまうものなのに、そうやってエネルギーをためないとやっていけないことがあった。エネルギーをためたところでそれを使う何かなんてなかったのに。

それがいつ終わるのか。作品では描かれていない。それが終わるときが子供から大人になる瞬間なのか。それともそんなのはいつまでも終わることがないのか。そうやって自分を受け入れていかなければならないのか。そんなことを感じさせてくれる。

なんともいえない、すてきな作品でした。この雰囲気好きかも、なんて思いながらいつもより時間をかけてゆっくりと一冊の本を読みました。いつまでも"わたし"の生活を見ていたいなんて思ってしまう。

小川洋子、やっぱり好きかも。




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posted by kbb at 02:12 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 小川洋子
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