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2008年04月07日

ALONE TOGETHER-本多孝好

「ALONE TOGETHER」

ALONE TOGETHERこんばんは。グーグルのロゴで、もうご存じの方も多いかとは思いますが、四月七日は「鉄腕アトム」のアトムの誕生日のようです。2003年誕生ということで、五歳の誕生日ですね。男の子ということで七五三のお祝いをしているんでしょうかね。千歳飴でもなめていたりしてね。アトムが生まれた世界では2003年にはすでにロボットは結構つくられていて、ロボットの人権を認めるロボット法なんてのもできているみたいですよ。手塚治虫が思い描いた未来ですが、人の心の波長と自分の波長を合わせて、その人の本音を引き出す能力、そんなものはさすがに思い描けなかったようですね。

ディズニーの言葉に「想像できることは実現できる」というものがあるようですが、普通の人間が想像しているよりもこの世の中の進みかたは早いようです。でも、そんな科学技術の発展の早い社会でも、人と波長を合わせる能力、それによって、その人の澱を吐き出させる能力をもった人間はいないようです。小説の世界以外には。

そんな能力を代々受け継ぐ血筋に生まれた男がでてくる物語「ALONE TOGETHER」です。久しぶりの本多孝好です。タイトル通り、こんな能力をもっているからこそ、誰かと一緒にいても"Alone"、一人なのに"Together"です、なのかしらと、思わされました。

ある日、恩師でもない大学時代の教授から妙な頼み事をされるところから話ははじまります。特異な能力をもった柳瀬はそれをコントロールすることもできずに、しかし、うまく使いながら様々な人間の問題を解決していくかに見えます。しかし、波長を合わされた人間の結末は想像しているものよりもひどいものだった。

人と違う能力をもってしまったばかりに、人にはわからない苦悩を抱えながら生きていく。しかも、それは決して人にはわからない。

そんな風に物語は進んでいきますけど、読んでいく内に、これは決して柳瀬だけに当てはまる物語ではないのではないだろうか、と思い始めました。誰だって他人に映った自分を鏡で髪の毛を直すように変えていくものだし、変えられないものは、自分が覚悟しながら一生つきあっていかなければならない。それは生まれたときから背負わされた呪いのようなものなのかも知れない。でもそれに負けないように盲信という祈りをしながら自分自身をうまくあわせていかなければならない。

彼だけが鏡なのではなく、だれもが鏡になるのだろうな、そんな風に読んでいました。

彼のような能力をもっていなくても、"Alone"を感じることはよくある。それは誰かと飲んでいるときに。彼のような能力をもっていなくても"Together"を感じることがある。電車の中で地震を感じて不安そうな目をしている乗客と目があったときに。

結局、人間は一人で生きてはいけないということなのか。
なんてかっこつけて終わらせてみようかと思いましたが、キャラじゃないですね。っていうキャラだって自分がつくったのか、人に思いこまされているのか。現在みんなが思っているアトムのキャラだって手塚治虫一人で作り上げたものじゃないらしいですし。誰だって周りによってつくられるのかもしれないですね。




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posted by kbb at 21:46 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(1) | 小説・エッセイ ハ行
この記事へのコメント
こんばんはです!

考え始めるとグルグル回ってしまう世界だったです。
「自分でも見ないようにしてるのにヤメテよぅ!」みたいな。

リリー・フランキーさんデザインの「アトムくん」も
メタボでユルイ雰囲気でおもしろいですよ。
Posted by MOW at 2008年04月08日 21:41
MOWさん。
こんばんは。

見ないようにしてる世界をさんざん見せられてしまいましたね、この作品では。途中でやめたいのに、やめられない。

MOWさんが♪一つの評価だった理由がよくわかりますよ。

リリー・フランキーのアトムをみてみました。あれじゃあ空を越えていけないですね(笑)
Posted by kbb at 2008年04月08日 22:27
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どうしたらいい?《ALONE? TOGETHER?》それとも…
Excerpt: 『ALONE TOGETHER』本多孝好 ♪ 最近また 本多さんの記事を読んだりとか 思い出すことが多かったので… チャレンジしてみました、長編にぃっ!! まぁそれはいいとして。(え?!いいの?)..
Weblog: M's BOOKcaSe
Tracked: 2008-04-08 21:33
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