本のタイトルは過去記事またはアマゾンへ飛びます。出版社等の確認にどうぞ。

2008年07月25日

ユリイカ-青山真治

「ユリイカ」 青山真治

ユリイカこんばんは。

自分の性格を忘れていました。最近なぜかパチンコにはまっていて、ちょこちょこ勝っていたんです。こんなくだらないことなんでやっているんだろうと思いつつ、なぜか入り口をくぐってしまう。きっとパチンコってカタルシスを味わうのが魅力なんじゃないか、と最近思います。何もせずにハンドルを握ったままぼーっと無駄な時間を過ごす。パチンコ台につくられる幻想を見せられるかのように、当たらないスーパーリーチが何度も自分の前をよぎっていく。何枚目の千円札が吸い込まれたかわからないぐらいになってやっと、大当たりがくる。確率変動をひいてレンチャンを繰り返す。脳内には興奮物質が渦巻いている。これって五百円とか座ってすぐ当たってもこうはいかないんですよね。それが証拠に少ない投資と時間で当てた時は大当たりが終わるとすぐに席をたつけど、大金をつぎ込んだあとの大当たりではその大当たり分を全部飲み込ませてもまだ未練がましく席から立つことができない。次こそは当たるはずと思いながら300回も回している自分がいる。次こそは、次こそは思いつつずるずると。そう、これが僕の性格だったのに。自分のことなんかよくわかっていたはずなのに。やっぱり忘れてしまう物ですね。

さて、なかなか大当たりのこないパチンコ台のような本を読んだ気がします。そろそろおもしろくなって来るだろうと思いつつ、いつまでページを繰っても話がぜんぜん見えてこない。視点がころころ変わって誰の発言なのか、誰の感情なのかまったくわからない。突然人の名前がでてくるけど、こいつが誰だかわからない。

この作品、三島由紀夫賞を受賞しているんですよね。さらに作者の青山真治は映画監督さんで、映画「ユリイカ」の監督さんでもある。この映画で国際批評家連盟賞をとっている。(-_-;ウーン おれには理解できない世界だったってことか・・・。

結局最後まで読むことができませんでした。そんなので記事をつくるなって怒られそうだけど、自分の性格を忘れないように。つまらないと少しでも思ったらすぐに本を置いてもっとおもしろい本を読めるように。自分のためにここに書いておきます。これだけはお酒を飲んでも忘れないようにしないとね。なんだって時間は有限なんだもの。パチンコやったり、つまらない本を読んだりする時間はそれほどないんだよ。といっても、そういうことに時間を使うのも贅沢でいいんですけどね。(゚゚;)\(--;)ナンデヤネン




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2008年07月24日

不恰好な朝の馬-井上荒野

「不恰好な朝の馬」 井上荒野

不恰好な朝の馬こんばんは。

先日芥川賞、直木賞の発表がありましたね。芥川賞は中国出身の楊逸。「時が滲む朝」でしたね。そして直木賞が井上荒野。「切羽へ」でしたね。

北京オリンピックというイベントを控えているということもあり、楊逸が芥川賞を取るのは予想されている人も多かったようですけど、井上荒野の直木賞受賞は誰も予想していなかったんじゃないかしら?個人的には荻原浩か三崎亜記にとって欲しかったんですけどね。

そんなタイミングのよさで発表当日に読んでいたのが井上荒野の「不恰好な朝の馬」です。予想もしなかったので、夜にニュースを見てびっくりしてしまいました。

以前小説デビュー作の「もう切るわ」を読んでいたのですけど、格段にうまくなっていますね。ダジャレで物語を終わらせるようなこともなくなっていましたし(笑)

今回の作品は連作短編集なんですけど、短いものもちゃんと書けていて、これなら直木賞とるのも頷けるって思いました。

誰が中心というわけでもない群像劇という感じの今作ですが、次のを開いて今度は誰にスポットがあたっているのかしらなんて予想していると、ぜんぜん違う人がでてきたりして、その驚きがまたよかったのかもしれないですね。

人が考えているコトって自分が予想していることとは全然違うってコトがこれを読むとよくわかりますね。みんな自分のことを考えて生きている。奥さんのことも考えずに教え子に手をだしてみたり、勝手に離婚したいなんていってしまうし、母親の心配をよそにやりたいことをやってみたら、父親も勝手なことをしているし。そんな群像劇ですが、どの人の心情もしっかりと表現されていて、うまいなぁって思わせてくれます。

誰も想像しなかった芥川賞、直木賞ですが、ちゃんと予想していた人もいるかもしれないですね。何が起こるかなんて誰にもわからないってことですね。




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2008年07月04日

オアシス-生田沙代

「オアシス」 生田沙代

オアシス駅前の大通りから一本細い道に入ったところをさらに左に折れもっと細い、暗い道を行く。その店はそんな路地に面した地下にあった。昭和な感じの無口な旦那さんと明るい奥さんが二人でやっているようなお店だった。無駄なことは一切言わず、代わりにすべてを料理に注ぎこんでいるようなご主人で何を頼んでも満足のいくつまみがでてきた。奥さんの方は常に客に神経を使っているようで、グラスがあくかあかないかの時にはもう次の注文を笑顔でとりにやってきていた。そんな居ることだけでも気持ちのよいお店に友人を連れて行くと誰もがまた行きたいと言う。

最近、読む作家さんが決まってしまって、大きなフロアで店員がうるさいぐらい「いらっしゃいませ」を繰り返すような大衆居酒屋のような誰もが知っている作家しか読んでいない気がする。小さくても気持ちのよい、そんなお店のような小説家を見つけようと、本屋さんの書棚を端から端まで丹念に見て歩く。見知らぬ作家の名前を見つけてもタイトルと装丁が気に入るのが少なく、なかなかどれを買おうか決められなかった。

そんな中で手に取ったのが「オアシス」。生田沙代の作品だった。聞いたことのない作家さんだ。開いてみると文字のポイントも大きく、失敗したとしてもあまり時間の損失は少ないように思えた。

家に帰り、こわごわ開いてみる。ふむふむ。女の子がでてきて、駅前の駐輪場においておいたら自転車を盗られちゃったわけね。その自転車は大切なもので、ポスターを作って街中の電信柱に張り付けたり、せっせと街を歩き回って自転車を探すワケね。歳のそう離れていないお姉ちゃんがいて、旦那が単身赴任したと同時に家事をすべて放棄してもぬけの殻のようになっている母親がいるわけね。

って、そこらへんでだんだんと、本当にだんだんと小説的な物語になっていくんだけど、途中まではだらだらと二十歳そこそこの女の子の生活が続いて、まぁこれはこれで個人的には関心があるからいいのだけれど、自転車のお話は思い出したかのように出てくるだけで、少しだけ、ほんの少しだけ飽きていました。でも、最後の方でやっと、やっとその自転車がどうして大切なものなのかっていうのが読者に知らされて、そうなのかぁ、って思わずつぶやいてしまいました。だったらもっと早くに教えてくれればいいのに、って言葉ととともに。

裏カバーの見返しに著者のプロフィールが載っていました。今作で文藝賞受賞だそうです。なんだよ、オレが知らなかっただけかよ。新人賞とっているぐらいだから、そこそこ宣伝もされただろうし、結構平積みになっていたんじゃないだろうかね。結局素敵なお店は見つけられずに大衆居酒屋の四人掛けのテーブルに一人で座ってグビグビとビールを飲んでいただけってなりましたとさ。

ちゃんちゃん。




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2008年06月29日

もつれっぱなし-井上夢人

「もつれっぱなし」 井上夢人

もつれっぱなしこんばんは。週末になると寝過ぎてしまったりお酒を飲み過ぎてしまって思い通りにいかない生活をしているkbbです。

さて、岡嶋二人の片割れ、井上夢人の作品です。全編が男女の会話だけでできている短編集です。タイトルの「もつれっぱなし」の通り、起承転結の転がうまくて、おぉ!ってなっちゃう作品が多かったです。

それぞれのタイトルは"〜の証明"となんらかを証明するような会話が繰り広げられます。たとえば、"宇宙人の証明"、"四十四年後の証明"、"狼男の証明"、"嘘の証明"など証明しようとするんだけど、途中で立場が変わったりしてそれがうまく「転」となっているんですよ。

"嘘の証明"が一番わかりやすくて、それでいて、背筋がぞくぞくとなっちゃうようなお話でした。万引きをした生徒と問いただす先生というシチュエーションなんですけど、やった証拠もなければ、やっていない証拠もない。生徒は、ガードマンが私を脅して身体を狙って万引き事件を作り出したんだ、という。

それをそのまま信じるわけにもいかず、かといってやっていない証拠もないということでどうしていいか悩む先生。ところが!?

ここで、結論を書くことができないのが、つらい。是非読んでほしいなぁ。まぁ会話だけなので途中で飽き飽きしちゃうってこともあるんですけどね。

岡嶋二人のもう一人の片割れはテレビドラマの作家となったようですけど、井上夢人のこの作品も映像を見ているかのような構成で、目に浮かぶようでした。

金曜日にはその週末になにをするかを映像のようにして頭の中で妄想しているんですけど、なかなかうまくいかないですよねぇ。




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2008年06月18日

スティル・ライフ-池澤夏樹

「スティル・ライフ」 池澤夏樹

スティル・ライフこんばんは。最近タバコ税の話題がよくでてきますね。また増税されちゃうんでしょうかね。この国は嫌いではないけれど、これ以上税金を負担させられちゃったら、ただでさえ薄い愛国心がますますすり切れていっちゃいそうです。

そんな愛国心について考えさせてくれる作品が表題作とともに併録されている作品です。昨日の記事で難しい単語が一つでもあると、その文章が頭に残ると書きましたが、今日の作品は科学と小説の融合とでもいうべきものでした。初池澤夏樹作品、「スティル・ライフ」です。表題作は芥川賞受賞作。相変わらず芥川賞受賞作ってあんまりおもしろいとは感じられないですけど、一緒に収録されていた、国際スパイになることをロシア人から誘われる男を描いた"ヤー・チャイカ"が素敵な作品でした。あぁ、こういう文章かきたいなって思わせてくれる作品を書く作家さんでしたね。

ところどころでてくる、科学的視点から描かれた素敵な表現。

「ひょっとしたらチェレンコフ光が見えないかなと思って」


宇宙の果てから飛んでくるその粒子は水の原子核と衝突して光りを出す。バーで二人で飲みながらグラスをのぞき込む男。

なんだかとっても小説的な場面描写ですよね。そんなこと言ってるやつがいたら結構頭のおかしなやつだって思われるだろうし、女の子といるならばくさすぎるセリフっていわれちゃうかもしれない。でも、この作品の中ではとっても際だっている。

ひさしぶりにもっと読んでみたいって思わせてくれる作家さんに出会った気がします。お話の雰囲気自体は少し暗いので、もう少し明るければいいのになぁって思っちゃいますけどね。




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2008年06月17日

随筆 おにやらい-巖谷大四

「随筆 おにやらい」 巖谷大四

随筆 おにやらいこんばんは。昨日の作品名なんですけど、「めしたのこいびと」ではなくて「もっかのこいびと」です。今だけとかって意味に近い言葉ですね。ちゃんとふりがなふっておけばよかったと今更ながらに思っています。なんでこんなこと書くかっていうと、僕の友人がこれを読んで、「めしたのこいびと」の記事だけど、と言ったから。いろんな読み方があるのが漢字ですものね。そういわれてなるほどって思っちゃいましたよ。

さて今日の作品ですが、ひらがなだから簡単でいいですね。「随筆 おにやらい」。1963年、昭和38年出版の作品です。もちろん僕はまだ生まれていません。作者は「文藝」の編集長だった人です。以前、読売新聞の一面のコラム欄にこの作品が紹介されていて、おもしろそうだと思って探していたら、amazonで見ると古書扱いで3万いくらで売っている人がいました。当時550円の本が3万って百冊ぐらいとっておいたらすっごい財産になっていたのにね。僕の友人が住んでいるところの図書館にあることを突き止めたので、借りてもらって読んでみました。すっごいいい!

「新聞 記事コラム」さんにこれを紹介している「編集手帳」の記事がありました。

最初はその記事にある文章だけを読みたくて、コピーすればいいや、なんて思っていたんですけど、読み始めると全く止まらなくなってしまいました。40年以上昔のエッセイなのに、書いてあることが今に通じるのが不思議ですね。日本人の政治的責任感は一般的に薄い、なんてことこんな昔から言われていることだったんですね。学生運動がおさまったころでしょうかね。その他にもいろいろ紹介したい文章がありました。

一番考えさせられたのは、散文についての項。

散文は人を立ち止まらせなければいけない。...すらすらと書き流した文章は読みやすいが、また人の脳裏に止まることを知らないという弊害がある


文章といえば、読みやすく、頭に入りやすい物が一番いいと思っていたんですけど、こういう考え方もできるんですね。そういえば、難しい単語が一つでも入っていると結構頭の中にその文章が残っていることがありますものね。

実は僕、って別に隠していたわけじゃないですけど、この時代ぐらいより前の文章って読めなかったんですよね、今まで。なんとなく、小難しい言葉がいっぱいあったり、雰囲気でしか読めない漢字があったりして、取っつきにくい印象を持っていました。でもこれを読んで、この時代のものもなかなかおもしろいじゃないか、って思いました。いきなり小説からはいるとその世界をイメージするのが難しそうだから、わかりやすい随筆あたりから探してみようかしら。

それにしても、この本。いつでも読めるように手元に置いておきたい。でも図書館に返しに行かないと・・・。高い本だから買うわけにもいかないですしね。みなさん、ブックオフの100円コーナーなんかにあったら絶対買いですよ。転売してもうまいし、読んでもうまい。なんていい本なんでしょうか(笑)




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2008年05月19日

勝手にしゃべる女-赤川次郎

「勝手にしゃべる女」 赤川次郎

勝手にしゃべる女こんばんは。

久しぶりの赤川次郎です。中学、高校の時にいっぱい読みましたけど、買いに行くたんびに新しい作品が2-3冊でていていやになちゃった赤川次郎です。ショートショートということで、星新一を思い浮かべながら読んだのですけど、人が違えば作品も当然違いますね。星新一の方が救いのない作品が多い気がしました。赤川次郎はきっと優しすぎるのかもしれないですね。

結構オチがわかってしまう作品も多かったんですけど、オチがわかっていながらおもしろかったのが夫婦喧嘩。結婚して最初の夫婦喧嘩で自分の立場をわからせないと今後が大変とばかりに周りの友人に聞いて回る新婦。いざ喧嘩になったときに旦那のとった行動はって感じです。これだけでもオチがわかっちゃうかもしれないですね。

この本。古本屋で買ったんですけど、はさまっていた新潮社の広告が1986年のもの。もう二十年以上前の作品なんですね。その広告に載っている作品も知らない人が多かったり、遠藤周作編の作品があったりします。随分きれいな本だったので最近の作品かと思っていたんですけど、こんな古いのが挟まっているとなんだかタイムスリップしてきたような感じですね。

二十二年前、自分が何をしていたかなぁなんて考えてみるんですけど、小学校低学年の頃の記憶がない。どんどん幼い頃の記憶がなくなっていっています。忘れたい記憶しかないのか、それともお酒とタバコの影響なのか。今、この瞬間の記憶もいつかなくなってしまうかも、って考えたらなんだか寂しいですね。いつか忘れてしまう物なら、今のウチにかわいこちゃんとデートしまくるべきですね。



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2008年05月07日

バッテリー3-あさのあつこ

「バッテリー3」 あさのあつこ

バッテリー3こんばんは。飲み過ぎたのにぜんぜん二日酔いになりませんでした。それだけでうれしいですね。こんなよく晴れた日で布団を干してパタパタとする音が聞こえている平和な一日なのに、せんべい布団の中でうなっているのはつまらないですものね。

さてゴールデンウィーク最後の夢は映画「スピード」バリのアクション大巨編でした。高さ制限を無視して屋根をがりがりと擦りながら右折する小田急バスに乗っている僕はなぜか車内の中学生たちとなかよくなっています。不思議なことに三年生はみんな男、一年生はみんな女の子でした。その中の一人の女の子のメールアドレスも知っていて、車内でメールをやりとりするような仲のようでした。坂道を疾走する車内では三年生が騒ぎ出します。このままだと午後の定期試験に間に合わないと。女の子たちはみんな心配そうにしておろおろしています。一人の女の子が、どうにかならないかしら?、と僕にメールを送ってきます。いろいろ考えたけど、僕にはなにもしてあげられなかった、と思っていたら男の子がまわりにいません。すでにバスから降りたようで、女の子に聞くと、その子の親が車で迎えに来ていたようです。結局、僕はなんの役にもたたなかったようです。そんなハリウッド映画のような大団円を迎えて、ラストシーンはその女の子たちにむかって、漢字は読めなくても、漢文の書き下し文は読めるようになっていた方がいいと説教くさいことを言っていました。その女の子は漢文の本がたくさんおいてある本屋さんの娘だったというのに。

話のつながらなさや、飛び方が夢って感じがしますねぇ。わけのわからない夢でしたけど、起きてみると顔が痛いので、にやつきすぎていたことは確かですね。

そんなかわいい子がでてくればもっといいのに、と思いつつ、バッテリー第三弾です。天才野球少年、巧は野球部内で徐々に自分の実力をまわりに認めさせていきます。部活動停止になってしまって最後の大会にでられなかった三年生のために画策する監督。そのために活動停止明けに部内で紅白戦を行い、校長に認めさせようとするが、校長の冷たい態度。なんやかんやで強豪校との試合を行えるようになったのに、一番大切にしなければならないはずのキャッチャー、豪との間に亀裂が・・・。

っていうあらすじです。なんだかだんだんとご都合主義的な部分も見えてしまったんですけど、まぁそれはしょうがないですか。六巻で完結ということで折り返し地点にやってきましたね。この文庫には巧の弟、青波の視点で描かれたサイドストーリーも掲載されているんですけど、これは村山由佳の「おいしいコーヒー」シリーズのようですね。

ここまで来ると最後まで読みたくなるのが人ってものですね。はやく続きをよんでしまいたいと思います。ってまだ手に入れてもいないんですけどね。こうやって積ん読が増えていってしまうんだよなぁ。って本の感想を書いていない!ってここに来て気付いても遅いですね。
ごめんちゃいm( __ __ )m




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2008年05月06日

椿山課長の七日間-浅田次郎

「椿山課長の七日間」 浅田次郎

椿山課長の七日間飲み過ぎて死んでしまったほうがよっぽど楽になれるんじゃないかと思うkbbです。こんばんは。短かったゴールデンウィークも、もう終わりですね。寂しくもあるけど、この更新頻度を見ればヒマだったんだろうなってのもばればれですね(笑)。

さて、人は死んだらどこへいくのか。そもそもお葬式は誰のためにあげるのか。なかなかむずかしい問題ですよねぇ。

そんな問題に答えを与えてくれる作品「椿山課長の七日間」です。曰く、天国と地獄へ行く前に役所があってそこで審査をし地獄へ行くか、天国に行くか決められる。悪いことをしたとしてもそこで講習を受けスライドを見ながら反省をして最後に赤い反省ボタンを押せば天国にいける。その役所もお役所主義そのまんまの、現世で言うなら免許試験場のようなところで、入り口で申請書をかいて矢印通りすすむと写真撮影があって、その先でそれぞれの講習室にわかれてそこで反省する。審査に文句のある人は古びた建物の別館に行って審査をやりなおしてもらう。そこで現世に七日間だけ復帰するよう要求することもできる。そして美女の体を借りて現世に戻ってきた椿山課長が見たものは!

って感じのお話です。中陰があんな役所のようなところだったらいやですねぇ。試験場にはいい思い出がないですもの。あっちへやったりこっちへやったり・・・。まぁ免許試験におちたことはないんですけどね。

この作品。ずっと前に映画「椿山課長の七日間」をみているので、椿山課長は頭の中でどうしてものほほんと話す西田敏行になっちゃうし、現世の椿山課長はため息がでちゃうほど美しい伊東美咲になっちゃうし、部下の嶋田係長はどこかひょうきんで、だけどかっこいい沢村一樹になっちゃってそれはそれでなかなか楽しめましたけどね。

映画では取り上げられなかった原作の最後の部分にはうるうるさせられちゃって、電車の中であくびをするフリなんてさせられちゃいました。さすが浅田次郎ですね。笑わせたり、はらはらさせたり、うるるさせたり、こんな風に人の感情を簡単に動かせるのなら恋愛もうまいんでしょうね、きっと。目指すは背中で語れる男じゃなくて浅田次郎か!?




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2008年05月01日

バッテリー2-あさのあつこ

「バッテリー2」 あさのあつこ

バッテリー2こんばんは。もう五月ですね。もうすぐ今年も半分経とうとしていますね。

さて中学生の成長が描かれた先日のバッテリーの第二弾です。中学入学前に出会った、キャッチャーの豪とともに中学に入った巧は当然のことながら野球部に入ります。そこで出会った監督は徹底管理を行い、野球部をそこそこ強豪と呼ばれるところまで持っていきました。そして彼は学校の生活指導担当教諭でもあり、生徒みんなからおそれられています。上級生からの嫌がらせや監督の言葉に負けずにきた、巧は果たして試合に出場することができるのか!

なんてあおるような書き方をしてみましたが、まぁ楽しめましたよ。やっとお話がすすんでだんだんと作者もリズムに乗ってきたのかしら、そんな気がします。

それにしても、巧の通う学校は、毎週服装検査が校門の前にあり、それにひっかかった生徒の名前が校内放送で呼ばれたり、クラスごとに持ち物検査があったりとなかなか厳しいですね。それにオトナってずるいって思わせるのが、その服装検査や持ち物検査がクラス毎に選ばれた風紀委員が主催して行われるということ。でも裏側ではちゃんと先生がそれを支配しているという。自主的という名の責任逃れのようにしか聞こえません。

僕の通っていた中学、高校は幸いにも服装検査もなければ持ち物検査もなかったので、こういう学校って本当にあるんだぁって感じで見ています。胸ポケットにタバコをいれて職員室に行って、先生にこれなにが入っているんだ?って聞かれて財布ですって答えても、無理矢理じゃあ出して見ろなんてことにもならない、そんな学校でしたね。ってそんな学校だから、高校生なのにタバコを持ち歩いている生徒がいるんだ、なんていわれちゃうかもしれませんね。

でも、どんな環境でも一定の割合で悪いやつはいるし、悪いこともいいことも経験しておかないと無菌室のような高校を卒業して、そのあともっと悪いことに引っかかるかもしれない。借金をつくれないような高校生の時に、自分の動かせるお金の範囲内でパチンコ屋に行きそれで飽きれば大きくなって消費者金融に借金をこさえてまでギャンブル狂いになることはないと思うんですよね。高い勉強代でしたけどね。

まぁそんなこんなで巧はどうなってしまうんでしょうかね。さっきの煽りの文章はそのまま今の僕の気持ちを表しただけだったんです。ごめんなさい。



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2008年04月29日

バッテリー-あさのあつこ

「バッテリー」 あさのあつこ

バッテリーこんにちは。先日の日曜日は芸術の秋ならぬ、芸術の春というわけでいくつかの団体が演奏を行った吹奏楽の演奏会を聞きに行って来ました。

その中に区立の中学の吹奏楽部がいて、これがまたよかったぁ。三曲演奏していたんですけど、二曲目のキューティーハニーがなんだかとっても素敵でした。指揮に合わせて揺れる美人の顧問のお尻もよかったんですけど、それ以上にまだキューティーハニーを表現するには早いだろう中学生の演奏がかわいらしかったです。特にラテン音楽でよく使われているコンガをたたいていた女の子がかわいかった。手首が固まらないようにけだるそうに叩いているように見えるんですけど、そのリズムに合わせて手首に反してリズミカルに揺れる彼女の後ろで結んだ髪の毛を見ているとこちらもなんだか全身で揺れたくなってしまいました。そして演奏後に見せた彼女の笑顔もなんだか子供らしくてつい微笑んでしまうような笑顔でした。そして彼女たちは演奏後に僕の二列前の客席で他の団体の演奏を聞いていたんですけど、そのときの曲にのって踊るように手拍子をしながら隣の友達と話している子供っぽい仕草と、足を組んだときに露わになった彼女の太腿の白さのギャップにドキドキしてしまいました。決してロリコンではないはずなのに、と思いつつ、あと三年、いや二年もしたら彼女はとびっきりの美人やかわいい子にはならないだろうけど、どの男の子も放っておかない、そんな女の子になるんだろうなぁってみていました。同じ年になってドキドキしたい、なんて無理なお願いですね。

それにしても、何がうらやましかたかって、僕は楽器を演奏をすることもできないし、口笛も吹けません。手拍子を叩いているとだんだんと周りとずれていって、邪魔をしちゃいけないからと途中でやめてしまう、それぐらい音楽的感覚とかけ離れたところにいるんですけど、それにくらべて、彼女たち、彼らは中学の頃から楽器で曲を奏でて音を出す喜びを知っている。みんなと演奏をする喜びも知っている。そうなったら例え楽器を演奏することがなくなっても、手拍子や口笛、自分の声を使って音を楽しむことができるんだろう。そこが一番羨ましかった。

そんな才能のない僕とは大違いの天才野球少年が主人公の「バッテリー」です。NHKでドラマ化されるみたいですね。

親の転勤にあわせて連れてこられたところは、おじいちゃんの住む家。昔高校野球の監督をしていたおじいちゃんは主人公、巧の才能を見抜いているが、何も言わない。親も体の弱い弟、青波の方ばかり見ている。僕は野球があればそれでいい。そんな巧が中学に入る直前までのお話です。

巧が野球を通して様々な経験をして、そこから成長していくという物語にも読めますが、なんの成長もせず自分自身を信じてつきすすむ物語とも読めます。

シリーズは第六作まででているようですが、これはこれで終わらせようと思って書いた作品のようですね。だからちょっと尻切れトンボのように終わってしまっています。まぁシリーズものと最初から思って読んでいればそこに不満はもたないですけどね。

このブログの過去記事を振り返ってみたんですけど、僕の読む本ってなかなかミーハーなのが多いですね。この作品だってドラマ化されるわけですし。といっても、少し流行に乗り遅れていますがね(笑)




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2008年04月28日

スワロウテイル-岩井俊二

「スワロウテイル」 岩井俊二

スワロウテイルこんばんは。

久しぶりの岩井俊二です。「ラヴレター」以来ですね。ってそのラヴレターを探していたんですけど、本棚に見あたらない。僕の本棚はなんだか四次元ポケットがついているみたいです。いるんな本がどこかへ行ってしまっています。どうせなら僕もどこかへやってくれればいいのに・・・。

というわけで、日本なのに日本じゃない世界のお話「スワロウテイル」です。

昔片思いしていた女の子のおもしろかった、という言葉だけで恵比寿ガーデンシネマに見に行った覚えがあります。ぜんぜん意味がわからず、なんだか黒い部分が多い映画だった気がします。最後まで色彩的になんだか暗くてよくわからなかったなぁ。その子にどうだった?と聞かれてうん・・・。とあいまいにしか答えられなかった。そんなんだからうまくいかなかったんでしょうね。今ならもう少しうまく話題を変えられるのに。

なんてことを今いっても仕方がないですね。

本の方ですが、映画と同じようにうん・・・。って感じです。おもしろいか?と聞かれればまぁまぁと答えちゃうだろうし、つまんないの?って聞かれればそうでもないって言っちゃいそう。そんな感じでした。

胸に大きなアゲハチョウを入れ墨している女の子と飲んでみたい。僕だったらそんな子が隣に座ったら違うお話を思いつくのに。

気を取り直して、別の本を読もう!そういう結論にしておきましょう。




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2008年04月22日

原宿セントラルアパート-浅井愼平

「原宿セントラルアパート物語」 浅井愼平

原宿セントラルアパート物語こんばんは。人間はいくつまでなにかの卵でいられるんでしょうかね。

そんな卵がいっぱいいたという伝説のアパート、原宿セントラルアパートの物語「原宿セントラルアパート物語」です。写真家の浅井愼平が(たぶん)自己の経験を書いたものなんでしょうが、小説風に描かれています。といっても、主人公以外は全部実名ででてきます。

石原裕次郎や、アラーキー、渥美清、タモリなんかがでてきます。
寺山修司の言葉の作り方なんかも紹介されていて、なんだか(知らないけど)懐かしくなってきます。

原宿交差点の現在GAPのあるところに、原宿セントラルアパートはありました。一階にあった喫茶店、レオンにはそのアパートに住む卵たちが集まり、それぞれの世界観を闘わせていました。当時は写真家も、小説家も、デザイナーもイラストレーターも境界なんてなかったと誰かが言っていました。そこにあるのは、世界の何を切り取るのかということだけ。

ネットで検索すると当時の面影が少しだけですがよみがえってきます。こんなところにいれば自分は何者かになれる、そんな風に自信をもてるのかもしれないですね。

そうやって人はつくられるんじゃないか、そんな風に最近考えることがあります。人はなにかによって自分をつくられる。立場や責任がそうやって人をつくっていく。そんな風に考えるとこういうコミュニティーっていうのが一番有効なものなのかもしれないですね。

先日のお弁当で卵焼きをつくりましたが、卵ってしょう油にもケチャップにもソースにもあうんですよね。まだなんにも染まっていなくて、なんにでもなれるもの。それが卵なのかもしれないですね。って考えると、写真家の卵は写真家にしかなれないのだから、それはもう卵でもなんでもなくてただのヒナかもしれないですね。




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2008年04月20日

もう切るわ-井上荒野

「もう切るわ」 井上荒野

もう切るわおはようございます。最近、肝臓が悪くなっているのか、普段はビールからはじめて、焼酎か日本酒へと晩酌は続くのですが、ビール一本でもういいや、ってなってしまうときがあります。人からはフォアグラみたいな脂肪肝って言われるんですけど、肝臓に負担をかけすぎです。休肝日をつくってあげないと超過勤務手当を請求されちゃいますね。フォアグラには利用価値はありますけど、脂肪肝じゃ移植もできないですものね。

そんなわけで、「もう切るわ」です。先日本が好き!経由でいただいた、雑誌「ウフ」で井上荒野を初めて読んで、他のも読んでみたいと思い読みました。

登場人物は男と女二人。旦那とその妻と旦那の不倫相手。一人よけいなキーパーソンもいますが、この三人で物語がすすんでいきます。そして妻にも不倫相手にも恋人らしき人はいます。そして旦那が余命数ヶ月の病気になり、妻と不倫相手と旦那、それぞれの心の揺れ動きが描かれています。

妻と不倫相手の視点が交互に描かれていて、どっちがどっちだかわからなくなる瞬間もたしかにあるんですが、とっても読みやすい文章でした。最初なかなか話がすすまないところがあって、これはどうかなぁなんて思ったりもしたんですけど、途中からノンストップでした。

女心の複雑さがよくでていて、大変勉強になったんですが、おでんを旦那と不倫相手が買いに行くシーンがあって、この行動力が女性をひきつけるんだなぁ、と感心しました。屋台においてあるようなステンレスで中が仕切られたおでんの鍋を問屋街に買いにいって、くたくたに疲れた旦那は家にもどるかと思いきや、そのままおでん種が売っているお店に食材を買い込み、その日の内におでんをつくってしまう。まぁこれにはいろいろと理由があったのですけど、これぐらいの行動力がなければ女はついてこないんだろうなぁ。

タイトルにかけたダジャレのような言葉もでてくるんですが、あれはよけいだった気もしますが・・・。まぁそこはおいときましょう。つまらないダジャレを禁止されたら僕にしゃべるなっていうのと同じことですからね。井上荒野の作品はもう一つ積んであるので、これで読む気になれました。っていってもハードカバーなので、いつの週末になることやら。。。




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2008年04月01日

僕は結婚しない-石原慎太郎

「僕は結婚しない」 石原慎太郎

僕は結婚しないこんばんは。四月一日ですね。新入社員の方々、おめでとうございます。これからつらいこともいっぱいあると思うけど、がんばってくださいね。出社時間が遅いので新入社員が満員電車にすし詰めにされる洗礼が見られなかったのですが、いつも行く喫茶店のテレビでNHKのニュースを見ていると都職員の入庁式の様子を放送していました。相変わらず偉そうに、それでいて、神経質そうにまばたきをしながら石原慎太郎が演説というか訓辞をしている様子が放送されていました。残念ながら何を言っているかは放送していなかったのですが、まぁいつもと同じようなことを言っていたことでしょう。

ここで石原慎太郎批判をしてもしょうがないとは思いますけど、会見で見られる彼の偉そうな話し方も、考え方も僕は好きではないのですが、作家なのに本を読んだこともないのに、嫌いだっていうのも、どうかと思い、読んでみました。

うーん。なんていうか、小説という作品を生み出す才能と、人に好かれる話し方をする才能が全然ちがうものなのだなぁって思わされました。

なかなか含蓄にとんだ内容で、いろいろ考えさせられました。35歳が結婚をする結婚適齢期の限界、キリの歳であることから、結婚について真剣に悩む男の話です。まぁ、小説の定番というか、彼はパーティで出会った素敵な女性から、豊満な肉体をもった年上、すっごい年下の女性にまでもてもてなのですけど、結局結婚しないことを決意します。

結婚なんてしたら、家に帰ると毎日同じ女が家で待っている、という友人の話や、世間には未婚を見越しての罠がいっぱいある、などのうならされる言葉がいっぱいあったんですけど、結婚しない、したくない彼の気持ちはもっとわかる気がするなぁ。今の時代っていうのはインターネットもあれば毎週雑誌が何冊も発売されている、情報過多な時代。情報が多すぎると一つには絞れないってことなんでしょうね。結婚っていうのは、一つを選択してそれ以外の選択肢を全て捨てるってことでしょうからね。

先日の芥川賞をとった川上未映子「乳と卵」の書評で石原慎太郎が

一人勝手な調子に乗ってのお喋りは、私には不快でただ聞き苦しい。

といっているのをどこかで読んだけど、まさにこの本は主人公の一人語りがほとんど。おもしろかったのに、他人の本に対して言っていることを聞いてしまうとなんだか悲しくなってしまいました。




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2008年03月02日

ダーリンは外国人2-小栗左多里

「ダーリンは外国人2」 小栗左多里

ダーリンは外国人2こんばんは。最近よく思い出す子がいます。大学の同級生だった子なんですけど、ちっちゃくてかわいらしい女の子で、大学入学と同時に「初めてのメーク」のような本を買っちゃう、そんな女の子でした。彼女の家にみんなで遊びに行ったときに彼女の本棚でその本を見つけたときの彼女の恥ずかしそうに赤くなった頬がいつまでも忘れられません。

そんな彼女は今ではデンマークでイタリア人の彼をみつけ、ロンドンに住んでいます。ずいぶん遠くまでいっちゃったなぁなんて感慨深いです。そういえば、今はオランダにいるって連絡があったような気がします。EU内はずいぶんと移動が自由なんだなぁって思った記憶がありますもの。

その彼女がロンドンに留学するときにくれた本が同じ小栗左多里の「ダーリンの頭ン中」。そのときにはイタリア人の彼がいたので、興味があったんでしょうかね。まぁことばに興味があったからっていいわけをしていましたけどね。

その小栗左多里の「ダーリンは外国人」の第二弾が今作「ダーリンは外国人2」です。外国人の彼と結婚したらどうなるの?るぽ、という副題がついているぐらいなので、彼、トニーとの生活が大きなテーマとなっています。というよりも語学オタクでチョコレート好きのトニーの観察記という感じです。

育ってきた国も文化も環境も違うのだから外国人と暮らすのは大変なことなんでしょうね、きっと。トニーは日本語は、というか11カ国語を扱えるようで、言葉の上であまりコミュニケーションの障害はないようですけど、やはり、ほんの小さなニュアンスが理解できないところもあるみたいですね。

フツウに日本で育った男と女だって理解できないのだから、外国人とつきあうなんてなにをいわんや、って感じですね。

彼女が彼の母親にアメリカまで会いに行くくだりがあるのですけど、帰りに漫画家である彼女がお礼にと絵を描いて置いてくるところがあるんですけど、それを母親は額にいれて飾ってあるそうです。絵を描いたり歌を作ったりなんていう才能のあるひとはこういう時便利ですよね。ちゃんと残るものを自分の手でつくれるのがうらやましいなぁなんて思いました。

全編を通してそうなんですけど、トニーと左多里はよく会話をしています。まったく違う二人がいつまでも仲良くいられる秘訣は案外こんな簡単なことなのかもしれないですね。



前向きなMOWさんが見られる記事はこちら

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2008年02月13日

アヒルと鴨のコインロッカー-伊坂幸太郎

「アヒルと鴨のコインロッカー」 伊坂幸太郎
 
アヒルと鴨のコインロッカー途中の駅で彼女が乗り込んできた。背が低くて、髪の毛にかかったウェーブが彼女のもののようにしか見えなかった。以前つきあっていて、それまでの恨みをはらすかのように振った彼女だ。それで、見事なまでに、完璧に僕は落ち込んだ。彼女はドアの方をむいて、僕の前で顔を向こうにむけてたっていた。どうしたらこの子を振り向かせて顔を確認できるか一生懸命に考えた。わざと軽くけってみるとか、奇声を発して驚かせるとか。でも、どれをやっても彼女だったとして、彼女じゃなかったとしても、ただのおかしな人にしか見られないと思ってやめた。何もできないまま、電車が銀座一丁目の駅に着いて、彼女は電車をおりていった。急いでいたのだろう、振り返ることもなく改札まで一生懸命に走っていた。腕の振り方や足の運び方など、走り方まで彼女そのものだった。ぼくはそのまま電車に乗り続け、目的の駅で降りる。

そんな風に僕の過去は僕の現在へとつながっている。いろんなものが積み重なって今の僕がある。

二年前の物語と現在の物語が交錯する、「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んだ。大学入学のために引っ越してきたアパートの隣に住んでいる男に挨拶に行ったら、本屋を襲わないかと誘われる。そんな非日常から物語がはじまっていく。不思議や奇蹟の物語とは縁遠い存在でいたかったのに、周りがそれを許さない。

最後にすべてがうまくまとまっていく感じはとても素敵だったのに、その終着点までいくみちのりが長い長いレールを思わせる。途中の車窓からみえる風景が長すぎたらそれが素晴らしい景色だったとしても、少しぐらい寝てもいいかな、って思わされちゃうものね。でも寝てしまったら小説は先に進んでくれないので、我慢して読まないといけない。

それに琴美ちゃんという子があまりにもリアリティがなくて、それも途中で読むのが億劫になった原因の一つかもしれない。ペット殺しに夜の公園で盗み聞きしているのをばれて、なにもされずに解放されたのに、少し離れたところから、「警察にいいつけてやる」なんていう女の子はまず見つからないんじゃないかしらね。

他の登場人物がとってもリアリティがあって、物語にすんなりと引き込んでくれるのに、琴美ちゃんだけがどっかあさっての方を向かせていた。

以前読んだ「死神の精度」は結構すきだったのに、今回のはちょっと残念だな。伊坂幸太郎作品は短篇の方がいいのかもしれないな、なんて思って読み終わりました。映画で麗子さん役は誰がやったのかしらって気になっているのはおまけです。麗子さんになら右ストーレートをもらってうれしかったりするかもしれない。

そうそう、日曜日の飲み会の前に森永ミルクキャラメルを仕入れていったら、女性陣のウケが非常によかったです。男性諸君、あれは、いいぞぉ。といっても、僕のでなくミルクキャラメルのウケがよかっただけですけどね。




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2008年02月09日

ダレカガナカニイル…-井上夢人

「ダレカガナカニイル…」 井上夢人

ダレカガナカニイル…学生時代の友人と勤務先が沿線で、今後市ヶ谷でお店を発掘して定期的に飲もうって話しになっているんですけど、どっかいいお店ないですかね?値段はそこそこで、落ち着いて飲めるこじんまりしていて、あんまり混んでいないようなお店がいいんですけど・・・。昨日行ったお店はなんだかあまり落ち着けなくて。。。いいところあたら情報をおねがいしまーす。

それにしても今回の作品は長かったぁ・・・。久しぶりに長編を読んでみようと、岡嶋二人を解散して、その後その片割れの井上夢人が書いたミステリです。手に持った感じでは400ページぐらいかしらと思って、読み始めたら700ページ近くあった。こんなので、長いって言ってたら東野圭吾なんて読めないんでしょうけど・・・。

内容はタイトル通り、二重人格が主なテーマなんだけど、新興宗教やそれにまつわる家族との確執、地域との確執、遊体離脱、恋愛など盛りだくさんな感じでした。

岡嶋二人のときと同じように文章は読みやすいし、筋立てもしっかりしているし、安心して読めますね。最初に出てくるシーンが文章全体をうまく引き立てていて、最後のどんでん返しまでしっかりと演出されているのがすごいなぁって思いました。どうしてこんな長いストーリーを矛盾なくつくれるんでしょうかね。行き当たりばったりの僕のような性格の人には絶対できないんだろうなぁ。

新興宗教との確執のお話しを、アレフ(旧オウム真理教)の本部がある街に住んでいる僕の観点から触れようかなぁって思ったんですけど、辞めておきますね。宗教と政治の話しはするなってよくいいますしね。というか、いろんな方面に気を使って書くのがめんどくさいなぁって思っただけなんですけどね・・・。

それにしても最近本の値段が上がってるとおもいませんか?この作品、文庫のくせに980円するんですよ!980円ってハードカバーの本が買える気がするんですけど・・・。ページ単価で考えるとずいぶん安いのかもしれないですけどね。

次はちょっと短めの簡単なお話を読みたいですね。それに週末だから本屋さんで来週用の本を仕入れてきたいな。また無駄な買い物をした報告が明日あたりあるかもしれないですね(笑)



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posted by kbb at 13:16 | 東京 ???? | Comment(2) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行

2008年01月27日

トキワ荘の青春 僕の漫画修行時代-石ノ森章太郎

「トキワ荘の青春 ぼくの漫画修行時代」 石ノ森章太郎

トキワ荘の青春中学から高校の頃まで毎週8冊の週刊漫画誌を読んでいた。何が楽しかったかと聞かれるとなんとも言えないけど、習慣となっていたのかもしれない。電車に乗る前に駅の売店で一冊買って、乗り換えの駅でもう一冊買う。学校に行って読み終わった雑誌は友達に半額で売るか、あげてしまうかしていた。なにもあとには残らない。実物も、心の中にも。

そうやって消費していた漫画を書いていた漫画家の中に石ノ森章太郎はいた。あのドラマにもなったホテルだ。そんな石ノ森章太郎がギネスをもらったそうだ。

仮面ライダーの故石ノ森さん、最多コミックでギネスに(朝日新聞)
http://www.asahi.com/culture/update/0124/TKY200801240324.html

そんな石ノ森章太郎がトキワ荘に住んでいた頃のお話しを自伝として書いたのが今回の作品です。

ドラえもんの藤子不二雄やバカボンの赤塚不二夫、鈴木伸一、角田次朗、水野英子なんかと一緒に椎名町のぼろアパートの二階でみんなバカをやったり、酒を飲んだり、漫画を書いたり、アニメをつくろうとしたり。こうやっていつの時代でも通用する漫画を書き続けた石ノ森章太郎ができたのだろう。

月刊誌しかなかった時代ののんびりした雰囲気、週刊誌になって漫画が大量消費されていくようになった時代。その時代の変化につれて、漫画が社会に認められていったこと。そんなことを日本の商業漫画の黎明期から漫画家としてすごしてきた彼の言葉で描かれている。

やはり同じ目標をもった仲間と一緒に過ごすのは楽しいのだろう。もちろん中には夢を捨てて去った仲間もいたけど、それでもそこにすがりついて離れなかった人たちは、生活がどんなに苦しくても笑って過ごしていたことがよくでている。

トキワ荘が取り壊されて、最近の若者のニーズに合わせて立て替えたとき。彼ら仲間が集まってその一部屋を借りて、昔の自分たちのようにお金もない、基盤もない、だけど漫画をかくことが大好きな人一人に一年間無料で部屋を貸し与えて漫画家を育てようとトキワ賞を創設したらしい。ネットで調べた限りもうその賞はなくなってしまったようだけれど、どこかのNPOが同じような主旨で漫画家にサポートをしているらしい。(http://tokiwasou.dreamblog.jp/)

トキワ荘が取り壊されたときにみんなで集まって記念品を持ち帰ったように、こうやって若い頃に一緒に踏ん張ってきた仲間っていうのは何年経っても仲間でいられるんですね。なんだかうらやましい。彼らの多くは亡くなってしまったけれど、多くの人たちが大量消費されている漫画の中からなにかを感じ取ってちゃんと残している。それだけで彼らのしてきたことは素晴らしいことだったってわかりますね。




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2008年01月17日

誰かに解かせたくなる算数・数学の本-秋山仁

誰かに解かせたくなる算数・数学の本 秋山仁

誰かに解かせたくなる算数・数学の本こんばんは。みなさんは友人の友人に会うことってありますか?自分は友人が少ない方なので、まだないんですけど。というより、友人の友人はすでに友人だったってことの方が多いからなぁ。

そんなことの確率を数学的にお話ししてくれるのが今回の作品です。以前から秋山仁をテレビで見ていたのですけど、話し方が余り好きではありませんでした。しかし、いつのことか、彼が一度は数学の道を進めそうになくなったときに、それでも、食らいついていったという話しを聞いて興味を覚えました。そして、今回彼の作品をみつけたので買ってみました。やっぱり、彼の話し方、というか今回は文字ですけど、あまり好きになれそうにないですね。

まぁ、でもこの作品に関しては彼がどんな言葉を使おうが、数式や数学の美しさには関係ないですけどね。逆に、彼の言葉を補うほど数学は美しいってことがいえるかもしれないですね。

ところで、冒頭の友人の友人が知り合いという確率ですけど、1%しかないらしいですよ。そんな人を見つけたら、運命の出会いだと思って、抱きついてキスしてしまいましょう。突然そんなことしたら変人だと思われて二度と会ってくれないかもしれないですけどね(笑)

ところが、自分の知り合いと、友人の知り合いが知り合いであるという確率になると、これがおもしろいことに99.99%になるんですよ。これもこれでびっくりじゃないですか!?まぁこれには条件があって、知り合いが1000人いなきゃだめとかってことになるんですけど、顔見知りぐらいなら1000人ぐらいいるかもしれないですもんね。人と人のつながりって不思議ですねぇ。

他にも20人とお見合いすることが決まっているときに、何人目までに決断すると、素敵な人と結ばれる可能性が高いか、なんてのも数学的に答えがでてしまうんですよ。最初の5人までは絶対結婚しないとかね。これはこのことをしらなかったとしても、普通の恋愛で本能的にやっているのではないかしら。平均してだいたい5-6人目ぐらいにつきあった人と結婚する人が多いのではないかしらね。6人目から10人目の相手がそれまでお見合いしたなかで一番だったらその人と結婚するのが戦略的には正解みたいですよ。

恋愛まで数学的に説明されるとなんだかいやになっちゃいますね。でも、こういう答えを教えてくれるならもっと勉強しておけばよかった!


posted by kbb at 20:23 | 東京 ???? | Comment(4) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ア行