本のタイトルは過去記事またはアマゾンへ飛びます。出版社等の確認にどうぞ。

2008年08月05日

秘密-東野圭吾

「秘密」 東野圭吾

秘密こんばんは。昨日はすてきな夢をみてしまいました。夢の中で誰かと戦っていて、最後は華麗なかかと落としを決めた!ところが現実にはそんな相手がいるはずもなく、フローリングの床に思いっきりかかとを打ち付けることになりました。おかげで歩くのにも苦労するぐらいの痛みが。。。思いっきりアホなことをしたってことですね。

夢のなかではなにが起きても不思議なことはありませんが、それが実際に起こったらどうなるか。夢でなら死んだ人にも出会えるけど、現実でそれが起こったら。そんなことがうまく描かれているのが、東野圭吾の「秘密」です。

広末涼子主演で映画にもなっているのでご存じの方も多いかとは思いますが、事故で死んだはずの最愛の妻が娘の体を借りて戻ってきたっていうのがあらすじです。小学校6年生の体で戻ってきた妻とのセックスはどうするのか?近所にはどう説明するのか。風呂にはいつまで一緒に入っていいのか。

なかなかどきどきする展開にところどころほろっとさせられますけど、子供から自分をやり直せるようになった妻は主人との生活をとるのか、自分の人生を思い通りにやり直すことを選ぶのか。なかなか問題が多そうですね。

さすがミステリー作家の東野圭吾だけあって、ラストはちゃんと驚きをもって終わらせてくれます。そうきたかぁ、とおもわずつぶやいてしまうような作品になっています。

もういちど自分の人生をやり直せるならどこに戻りたいか、なんて酔っぱらって他に話題がなくなってはじめて持ち上がる話題のように思えますが、実際にそれを考えてみると難しい問題がいろいろ転がっているんですね。

かくいう僕もいろんなポイントに今の自分の脳を持って戻りたいなんて思う時もあるのですけど、やっぱりそれは無理な相談っていうやつで、今を精一杯生きなければなんて思います。

「秘密」で最後の場面で思わず平介に同情してしまったのは僕だけではないですよね?



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2008年06月30日

テロリストのパラソル-藤原伊織

「テロリストのパラソル」 藤原伊織

テロリストのパラソルこんばんは。最近では眠れないから本を読むのか、本を読むから眠れないのかわからない夜を過ごしています。今日も三崎亜記の作品を読みながらどのタイミングで本を閉じて目をつむるか悩んでいるところです。

さて、最近ナンパな作品が続いていましたがここでkbbさんらしい硬派な作品をだしてきました。ハードボイルドな感じがプンプンとしている「テロリストのパラソル」です。藤原伊織はこの作品で乱歩賞という探偵小説の新人賞と直木賞をダブル受賞しました。でも彼はその10年前にもいわゆる純文学のすばる文学賞をとっているんですよ。才能のある人は何を書かせてもうまいってことなんでしょうね。この十年間の彼が何をしていたかが気になるところではありますけどね。

物語はというと、アル中のバーテンダーが新宿中央公園で起こった爆破事件にたまたま居合わせるところから始まります。彼はその事件で被害にあったわけではないのですけど、彼の残したウイスキーのボトルや過去から彼が手配されることになり、彼は身を隠します。過去と交錯する現在。ニューヨークと新宿が交錯していく。なんてまとめてみました。

それにしてもこの作品にでてくる登場人物がしっかり描かれていて、ぐいぐい引き込まれていきます。主人公はもとより、まわりのちょっとしか出てこない人まで丁寧に描かれていて、それが物語にリアリティを与えているんでしょうね。

このバーテンダーを評して昔の恋人は彼のことを

ノーテンキと鈍感が仲良く同居している

と、言っています。

たしかにノーテンキと鈍感さは一緒にはいられないかもしれませんね。
これだけとっても筆者が人物をよく見ているなぁって思っちゃいました。

さて、そろそろ寝ないと明日の仕事に響くわけで、仕事に関してはノーテンキにいられないのが辛いところですね。今日もいい夢がみられますように。




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2008年06月22日

幽霊狩人 カーナッキの事件簿-W・H・ホジスン

「幽霊狩人 カーナッキの事件簿」 W・H・ホジスン

幽霊狩人 カーナッキの事件簿こんにちは。風邪も熱燗が追い出してくれたようでだいぶよくなりました。やっぱり酒は百薬の長ですね。ってそういう意味ではないですよねぇ……。

さてそんなふわふわとしたよくわからない意識の元、本が好き!経由でいただいた作品です。もらわないかぎり読まなかったなっていうのが第一印象。読みはじめてみると、もらっても読むのがつらい作品ってやっぱりあるなぁってことを考えちゃいました。

まず、キャラクター設定がよくわからない。友人を呼んで自分の冒険譚を語る。食後に暖炉の前に移動してパイプをくゆらせながらロッキングチェアーに揺られながら。決して人に問いかけられても話し始めることはなく、自分のペースで口を開く。

なんだかかっこいいこの男が幽霊狩人、幽霊探偵となってさまざまな怪奇現象の原因を解決していくんですけど、幽霊がでてくるたびにあわてふためき、逃げ回る。手にした拳銃を取り落とし、防御するために用意した五芒星の装置を自分で壊してしまう。

この語るときの彼と、現場での彼のギャップがどうしても許せなくて、最後の方は斜め読みって感じでした。久しぶりにつまらない本を読んだ気がします。

翻訳も誤訳があったり、誤字脱字なんかも見つけてしまって、そのたんびに手を止めてしまいました。

きっとこれは風邪のせいなのでしょう。意識に膜がかかったようになっているのは、鼻が通ってないからでしょうね。もっと安心して読めるものを探してきます。




幽霊狩人カーナッキの事件簿
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書評/ミステリ・サスペンス


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2008年06月10日

gift-古川日出男

「gift」 古川日出男

giftこんばんは。今日は仕事帰りに銀座を通って新橋、赤坂、永田町と約一時間半徘徊してきました。むしゃくしゃしているときは歩くのがいいですね。「もう疲れた」とか「足が痛い」とか考えてしまって、他のこと考えられないから。

前文とまったく関係のない作品です。初古川日出男作品「gift」です。ほんとに短い作品が20編収録されています。

なかなか読みやすい文章で、さらに彼自身の世界が描かれていて、彼の世界に足を踏み入れられる人ならはまれるでしょうね。

別れた彼女が話していた妖精の足跡を捕まえるために試行錯誤する男の話"ラブ1からラブ3"が一番楽しめました。

妖精の正体は、実は!って感じの物語なですけど、それが実はって感じです。それを伝える彼女も絶対かわいい!って思わせてくれる描写がいい!って思いました。

お台場が水没する"台場国、建つ"や出生率が突然何十倍にもなる物語"ベイビー・バスト、ベイビー・ブーム 悪いシュミレーション"なんて背筋が寒くなるようなSFがここから書けそうな気がして、これをこんな短いお話でまとめちゃうのはもったいないって思っちゃいました。

今日は歩いただけで2kg近くの体重が減りました。帰ってビールを飲んだだけで、すぐに戻っちゃうのでしょうけど、なんだか一時だけの神様のgiftのようでした。今日だけは罪悪感なしでお酒を飲めますね。っていっても酔わないぐらいにしておきますね。えっ!?文章が酔っているって?いつものことですって。




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2008年05月02日

心に水をやり育てるための50のレッスン-廣瀬裕子

「こころに水をやり育てるための50のレッスン」 廣瀬裕子

こころに水をやり育てるための50のレッスンなんかおかしい。最近おかしい。ここ二週間ぐらい自分がまとまってない。

人と会いたいくせに会いたくない。人と飲みたいくせに、一人で飲んでいたい。誰かと話していたいくせに、早く家に帰りたい。かわいい女の子と差しつ差されつしたいくせに、一人で背中を丸めていたい。

二週間ぐらい前からどうもおかしい。誰とも話したくない。誰と話しても家までの道で自己嫌悪がひどくなる。さんざん飲んできたくせに、家でまた飲み直す。でもぜんぜん酔えない。というか、アルコールが体を通過するだけな気がする。

こんなことおかしい。かわいい子にお酌されても居場所がない。人と楽しい話をしているはずなのに、笑っている自分の後ろに冷静な自分がいて、そいつの顔色ばっかりうかがってしまう。

こんなときだから、こんな本をよんでしまったんだろう。わかりやすく、直截な言葉で書いてある。こうしたら楽になれる。こうしたらいいよ。こうすればいいじゃない。

どの言葉も空虚に聞こえる。そんなことはわかってる。でも今のこの気持ちをどうにかしてくれ。お酒を飲んでも忘れられない、寝てもどこにもいかない、この気持ちをどうにかしてくれ。

人は誰かのために生きているわけじゃない。自分のために生きているだけなんだ。そんなくだらないことが頭をかけめぐる。でも自分のためだったとしても生きていかないといけない。

こんなこと書いているなんてやっぱりおかしくなっているのかもしれない。

作者の廣瀬裕子さん、ごめんなさい。この本を読んで、決してこういうことがいいたかったわけじゃないんです。作者に向かってこんな言葉もいいたかったわけじゃないんです。自己矛盾。それが自分を壊していく。壊れていく自分はなにものだったのか。自分はどこへ行くのか。わからない。

生き方はお任せします。死に方は任せてください。


今日見た映画のキャッチコピーです。
そんなやつらにまけてたまるか!

なにをおっしゃるうさぎさん。

そんな昔から口にしてきた言葉がぐるぐるとまわる。




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2008年04月16日

人生を変えた5つのメール-濱田秀彦

「人生を変えた5つのメール」 濱田秀彦

人生を変えた5つのメールこんばんは。先日初の出張に行きまして、人生三度目の新幹線に乗りました。今まで新幹線なんて、夜行で行った京都の帰りに行きと同じ時間電車に乗るのはいやだなぁととっても根性なしの結果の時と、名古屋の友達に飲みに来いって言うわれてその一週間前に車が全損してしまい、しょうがなく乗ったときぐらいしかなく、なんだかどきどきわくわくしてしまいました。車窓から見える風景に東京から一時間も離れていないのに、こんなに田園が広がっているのかとすこしびっくりしてずっと見ていたら、先輩にそんなにおもしろい?と聞かれてしまいました。出張に行くなんて、なんかビジネスマンっぽくないですか!?

というわけで、ビジネスマンとして成長するための大切なヒントと副題のついた「人生を変えた5つのメール」を読んでみました。本が好き!からの献本でしたが、こういう自己啓発本というか、ビジネス書は高校の時以来読んでなかったのでなんだか懐かしかったです。

最近のビジネス書の書評とかを読んで思ったのですけど、物語に絡めて著者の言いたいことをいう作品が増えたとおもいませんか?「チーズはどこへ消えた?」とかそんなのですよね?(読んだことないですけど・・・)

読みながら思っていたんですけど、これって「ソフィーの世界」からはじまったような気がしませんか?哲学者から手紙が来てそれに答えていく内に主人公がだんだんと問いを理解していく、そんな風にどれも思ってしまいます。

そういえば、ソフィーの世界はなぜか高校の時の世界史の先生に貸してそれっきりです。返してくれないのかしら・・・。っていまさらですね(笑)

まぁそんなわけで読んでみたわけですが、結局どれを読んでも書いてあることは一緒なんですよね。成功するためには、まわりとコミュニケーションをとらないといけない。そのためにコミュニケーション能力を鍛えなければならない。ブレイクスルーするためにはきっかけが必要だ。そのきっかけは身近に転がっている。できることからはじめよう。

そんなことはもうわかっているんですよ。やらないだけで。まぁ、気付かせてくれるにはもってこいの本だったんですけどね。こういう本が売れるっていうのは、気付かせてもらうためにみんな買うんでしょうかね。どれも書いてあることが一緒なのだったら、同じ本を何回も読み返した方がいいんじゃないだろうかって考えちゃうんですけどね。




人生を変えた5つのメール
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書評/ビジネス


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2008年04月11日

毒笑小説-東野圭吾

「毒笑小説」 東野圭吾

毒笑小説こんばんは。あしたはお花見です。といっても、今週の暴風雨で桜は全部散っちゃってるんでしょうけどね。葉桜見物会だっていいじゃないか!ってちょっと古いですが、森山直太郎の「さくら」を聞きながら今この記事を書いています。気分だけでも盛り上げないとね。だってきっとあしたは僕らだけが宴会をしているだろうから、まわりから「一週間間違えたぜ、あいつら」って冷たい視線が飛んでくるはずですからね。よけい酔っぱらっちゃいますね。

さて、桜が散った後に花見をするように、世間とちょっとずれたことをするとなかなかおもしろいことが見えてくることが多いですよね。そんな風に世間をみて書いたんじゃないかってお話が12編も入っている、東野圭吾の「毒笑小説」です。以前、「怪笑小説」を記事にしましたが、それのシリーズのようなものです。巻末に京極夏彦との対談が載っていて、お笑い小説をまじめに書きたかったというようなことを言っています。以前の記事に筒井康隆や清水義範に近いものがあると書きましたが、対談でも筒井康隆が教科書だったと言っていますから、間違ってはいなかったんですね。

孫と遊べない寂しさから、その孫を誘拐してしまおうとする百億ぐらい簡単に現金でだせる超富豪の老人四人組が巻き起こす"誘拐天国"や女流作家の正体はだれだ!?の"女流作家"やいきすぎたマニュアルがとうとう警察にもやってくる"マニュアル警察"とか、どれを読んでも背筋が寒くなるようなそれでいて、にやにやしてしまう笑いにあふれています。

でも一編だけ異色の作品が収録されています。"つぐない"という四十をすぎたうだつのあがらない中年のおっさんがピアノを習い始めるという作品なんですけど、作者の意図に反してほろりとさせてくれます。これを読むだけでも価値はある作品集だったと今では思います。

よく言われることですが、いかりや長助などが泣かせる演技をするのがうまいように、人を笑わせることのできる人にとっては人を泣かせるのなんて造作のないことなんでしょうね。巻末の対談で東野圭吾はこのことを、笑いのスイッチのすぐそばに涙のスイッチがあるんだと表現しています。なかなかおもしろい表現ですね。でももっと大きなシラケルというつぼがど真ん中にあるから難しいと言っていますけどね。

京極夏彦も同じような作品を書いているとここで言っていたので、それを探してみることにします。なんか、作家さんも自分につくられたイメージを壊そうとしているんですね。花が散ったあとの桜と乾杯をして、葉桜のよさを発見してくることにします。「葉桜の季節に君を想うということ」なんて素敵なタイトルの作品もありますしね。お弁当もばっちりつくったので、あしたが楽しみです。




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2008年04月07日

ALONE TOGETHER-本多孝好

「ALONE TOGETHER」

ALONE TOGETHERこんばんは。グーグルのロゴで、もうご存じの方も多いかとは思いますが、四月七日は「鉄腕アトム」のアトムの誕生日のようです。2003年誕生ということで、五歳の誕生日ですね。男の子ということで七五三のお祝いをしているんでしょうかね。千歳飴でもなめていたりしてね。アトムが生まれた世界では2003年にはすでにロボットは結構つくられていて、ロボットの人権を認めるロボット法なんてのもできているみたいですよ。手塚治虫が思い描いた未来ですが、人の心の波長と自分の波長を合わせて、その人の本音を引き出す能力、そんなものはさすがに思い描けなかったようですね。

ディズニーの言葉に「想像できることは実現できる」というものがあるようですが、普通の人間が想像しているよりもこの世の中の進みかたは早いようです。でも、そんな科学技術の発展の早い社会でも、人と波長を合わせる能力、それによって、その人の澱を吐き出させる能力をもった人間はいないようです。小説の世界以外には。

そんな能力を代々受け継ぐ血筋に生まれた男がでてくる物語「ALONE TOGETHER」です。久しぶりの本多孝好です。タイトル通り、こんな能力をもっているからこそ、誰かと一緒にいても"Alone"、一人なのに"Together"です、なのかしらと、思わされました。

ある日、恩師でもない大学時代の教授から妙な頼み事をされるところから話ははじまります。特異な能力をもった柳瀬はそれをコントロールすることもできずに、しかし、うまく使いながら様々な人間の問題を解決していくかに見えます。しかし、波長を合わされた人間の結末は想像しているものよりもひどいものだった。

人と違う能力をもってしまったばかりに、人にはわからない苦悩を抱えながら生きていく。しかも、それは決して人にはわからない。

そんな風に物語は進んでいきますけど、読んでいく内に、これは決して柳瀬だけに当てはまる物語ではないのではないだろうか、と思い始めました。誰だって他人に映った自分を鏡で髪の毛を直すように変えていくものだし、変えられないものは、自分が覚悟しながら一生つきあっていかなければならない。それは生まれたときから背負わされた呪いのようなものなのかも知れない。でもそれに負けないように盲信という祈りをしながら自分自身をうまくあわせていかなければならない。

彼だけが鏡なのではなく、だれもが鏡になるのだろうな、そんな風に読んでいました。

彼のような能力をもっていなくても、"Alone"を感じることはよくある。それは誰かと飲んでいるときに。彼のような能力をもっていなくても"Together"を感じることがある。電車の中で地震を感じて不安そうな目をしている乗客と目があったときに。

結局、人間は一人で生きてはいけないということなのか。
なんてかっこつけて終わらせてみようかと思いましたが、キャラじゃないですね。っていうキャラだって自分がつくったのか、人に思いこまされているのか。現在みんなが思っているアトムのキャラだって手塚治虫一人で作り上げたものじゃないらしいですし。誰だって周りによってつくられるのかもしれないですね。




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2008年03月12日

ビッグボーナス-ハセベバクシンオー

「ビッグボーナス」 ハセベバクシンオー

こんにちは。大分体は楽になったんですけど、腰が痛い!ぎっくり腰?!ってぐらいいたい。あちらを立てればこちらが立たずって感じです。ってそれは違うか(笑)

先日新宿で一円パチンコというものにいってまいりました。普通は一玉4円のところ1円で遊べるって事で同じ値段で四倍の量遊べるって事であんまりお金を気にしないで遊べるのがいいですね。友達と待ち合わせしているときにパチンコに行くとでる、のジンクス通りそのときも結構でてしまって、友達を待たせることになったんですけど、大当たりも終わって早速交換を楽しみにしていたところ、やっぱりというか、当たり前というか、あんまり換金率は良くないようで、悲しい思いをしたのですけど、飲み会の前に余り玉で森永キャラメルを手に入れられたのがうれしいところって感じでしたね。

今日の作品のテーマはパチンコではなくて、パチスロ。パチスロメーカーで働いていた男がそこを辞めてパチスロ攻略情報を売る会社を立ち上げるところから物語がはじまります。といっても、ほんもののネタは一年に一回あるかないか。ほとんどがガセのネタをうっている。けれどそんなこと気にしてたらやっていけない。お客の顔がお金に見えないとだめ、って思いながら営業をし続けます。でもパチスロなんて勝てるわけがないのに、勝てると思っているお客さんはガセだろうが本物だろうが次こそはって感じで買っていってくれるので順調に売上を伸ばしていく会社になります。

この作品は第二回このミス大賞優秀作を受賞して出版されたのですけど、今までもこのブログで「パーフェクトプラン」「四日間の奇蹟」を紹介してきましたが、大賞には本物のネタしかないんですけど、優秀賞となるとたまにガセネタがあってびくびくしながら買うんですけど、これは大丈夫でしたね。まぁ最後の方にちょっとしたご都合主義があったり、暴力シーンがなんだかそこらにあるような描写だったのが残念でしたけどね。

昔はよくはまっていた、パチスロですけど、最近はぜんぜんいかないんですよね。絶対勝てないものだって思っているのも原因ですけど、パチスロしている時間に本を読んでいたいって最近では思っちゃうんですよねぇ。でもこの本を読んだらなんだかあのタバコくさくて、目と耳にうるさい店内の様子が懐かしくなっちゃいました。給料日明けにでも行ってこようかしら。ってずいぶん先の話しですね。それまでにこの決意は鈍ってくれればいいのだけれど。




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2008年03月11日

怪笑小説-東野圭吾

「怪笑小説」 東野圭吾

怪笑小説こんにちは。笑うとのどが痛くて、テレビのバラエティなんてみたくない感じです。今年の目標はいつも素敵な笑顔のkbbさんだったのに!

というわけで、テレビでなく本で笑ってみようというわけでアンソロジー以外では初の東野圭吾作品です。といっても、長い長い小説を手に取る勇気はなく、短篇集です。裏表紙に書いてある、あらすじを読んでなかなかおもしろそうだぞ、と思って買ってみたのですけど、正解でしたね。

といっても、この本、ミステリー作品とは言い難いものがありますね。たぶんミステリーなのではないと思います。UFOの正体は文福茶釜であると主張する男のでてくる"超たぬき理論"や周りの人間が人間以外の動物にみえてしまう"動物家族"などなど、筒井康隆や清水義範を読んでいるような気がしました。

一番こわかったのは、満員電車の中で本音が言葉になってでてしまう"鬱積電車"という作品。疲れたサラリーマンやミニスカをはいたOL、席をとれなくて頭に来ている老女、仕事にストレスを感じている会社員などの本音が満員電車の中で言葉になったら・・・なんて感じで話しがすすんでいきます。

これはほんとにこわいなぁって思いました。自分も「あの子かわいいなぁ」とか「あのスカートにあの靴を合わせるのはどうなの?」とか「あのカップルは不倫だな」とかって考えていることが多いので、これが全部まわりに聞こえるようになったら、僕はきっと電車を生きて降りることができないでしょうね。

って上のを読む限り電車の中では僕は女の子しかみていないようですね。「それでも僕はやっていない」ではありませんが、きっとこのブログが証拠となって有罪になってしまうんでしょうね。少しは慎まないといけませんね。こわいこわい。




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2008年02月20日

ラヴ・コール-伴一彦

「ラヴ・コール」 伴一彦

ラヴ・コールおはようございます。最近なんだか、電話で人と話すのが億劫になってしまって、はやく切ろうとしてしまいます。若かりし頃にはデートに誘うために夜の8時ぐらいに電話をかけ、いつのまにか「あれ、朝日がのぼってきたよ」なんていいながら「新聞配達されちゃったね」とかって会話を続け、「電話をはじめてからそろそろ12時間経つね。そろそろ眠い」と、電話を切るまで長電話していたこともあったのに。12時間も何を話すことがあったんでしょうかね。誰かがこの電話を盗聴しているのがわかったら、今更ながら恥ずかしいですね。そんなに長い時間話していたら下らない自慢話もきっとしていたんだろうなぁ、なんて思っちゃいますものね。

いいものを手に入れたんです。なんだと思います?盗聴器ですよ、盗聴器。でも、ただの盗聴器じゃありません。この世の中で交わされている電話の会話のすべてが、聞けるんですよ。...私が聞いた会話の中で、面白かったものを書き留めてみたんです。それがこの本。


からはじまるこの作品。久しぶりに人に強くすすめたくなる作品でした。どうぞみなさん読んでみてください。といっても、アマゾンでも中古でしか売っていないようですから、探すのが大変だろうけど・・・。

10編以上の短篇が収録されているんですけど、すべてが会話文で構成されています。そりゃそうですよね、盗聴したことが書いてあるだけですものね。

やはり男女の会話が多いのは、それが一番おもしろいからなんでしょうね。口説いているときが一番本性がでやすいですものね。

男女の会話にもいろいろありますね。別れ話あり、口説き話あり、けんかありと悲喜こもごもですね。盗聴されているとわかったらこんな会話していないだろうけどね。

1994年に発行された作品だけあって、「留守電のメッセージを暗証番号で聞く」とか、携帯電話がある世の中しかしらない今の小学生、中学生にはきっと理解できない行動もあるんでしょうね。

この作者は「喰いタン」や「君の瞳に恋してる!」なんかの脚本を書いた人のようですね(伴一彦公式サイト)。三谷幸喜の「俺はその夜多くのことを学んだ」(過去記事)に通じるものがあるかもしれない。この本が好きだった人はぜひ読んでみてくださいな。



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2007年12月30日

MISSING-本多孝好

「MISSING」 本多孝好 

MISSING こんにちは。本日二度目の更新です。年末なのに暇だなぁなんてつっこまないであげてください。といっても、昨日の忘年会の日本酒が抜けきって無くて頭が痛くてしょうがないので、いつもよりさらにひどい文章になることはわかっているんですけどね。

さてさて、以前アンソロジー「I LOVE YOU」を読んで気に入った本多孝好の短篇集です。ブックオフで目について、そういえばと思い買っちゃいました。読んでいない本がいっぱいあるのに、また買っちゃうのは悪い癖ですね。というよりもブックオフにいかなければいいのではないかしらってこれを書きながら気付きました。って気付くのおそいですね(*^.^*)えへっ

この短篇集は2000年の「このミステリーがすごい!」第10位らしいのですけど、全然ミステリーっぽくなくて、拍子抜けしてしまいました。トリックがちゃんと明かされるわけでもなく、そのトリックもそんなのありかっていうのが多かったりしますしね。まぁミステリーと呼べなくもないかなって感じですね。

全部で5編の短篇が収められていますけど、個人的に好きだったのは"蝉の証"と"瑠璃"でしたね。

"蝉の証"は老人ホームにいるおばあちゃんに依頼されて、同じホームにいるおじいちゃんの様子がおかしいから探ってくれってストーリーです。求職中の主人公の彼がなんだか力が抜けている感じで好感が持てました。

"完全週休二日制で可愛い事務職の女の子がいて、さして忙しくも暇でもなく、有給をフルに使っても後ろ指をさされない会社というのは、これが結構見つからない。"

って言ってるんですけど、そんな会社あったらこっちが紹介してほしいぐらいですよ。ご存じの方いらっしゃいましたらご連絡おまちしております。

"瑠璃"にでてくるルコちゃんがまた僕好みの女の子で、とっても素晴らしかったですね。ただ、ルコちゃんが突然今までの自分でいられなくなってしまうのだけれど(常識的な言葉で言えば「成長」だけれどそれでけでは説明できない変化)、どうしてそうなってしまったのかをもう少し説明してくれればよかったなぁって思いましたね。

とまぁ、本多孝好の作品集を読んでみましたけど、表現が丁寧できれいなのはわかるんですけど、たまにくどいなぁって感じてしまうんですよね。それと、大崎善生を直後に読んでいて、なんだかストーリーがごちゃごちゃになってしまったのは、僕の頭がお酒で弱っているのだけが原因ではなくて、二人の文章に似ているところがあるからなんでしょうね。次はもう少し明るくてスピード感のある作品を読みたいです。
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2007年11月15日

床下仙人-原宏一

「床下仙人」 原宏一 

床下仙人おはようございます。相変わらず毎日のように、食品偽装事件が発覚していますね。自分の仕事に責任や誇りがもてなくなった人たちがお客さんを甘く見ているってことなんでしょうね。お客さんが見ていなくても誰かが見ているってことですね。まぁ、一日ぐらいごまかしてやれって気持ちはよく理解できるんですけどね。自分の作ったものを自分の手でゴミ箱にすてるのはずいぶんと哀しいものですしね。

さて、また吉祥寺のサンロード内にある新刊書店に行って参りました。先日、「海の仙人」なんておもしろい本を教えてもらった本屋さんなので、楽しみに行ってきました。なにかおもしろい本ないかなぁ、なんて店内のPOPを一通り眺めてきたのでけど、ほとんどが前回と同じもので、つまらん、などと独り言を言いながら歩いていたのですけど、ふと見つけた

「異能の人・原宏一の最高傑作」

のPOP。最高傑作というなら読んでやろうじゃないかと、買ったのが「床下仙人」という作品です。

はじめて買った作家さんの本だったので、買って早々読み始めたのですけど、前置きが長すぎてうまく作品にはいっていけない、ということで、しばらく置いて他の本を読んでから読みさしておいた本を手に取りました。

あらためて読んでみると、前置きを抜けるといいテンポの作品が並んでいますね。五作品が収録されている短篇集なのですけど、それぞれがそれぞれの良さをもっていて、うぅむとうなってしまうような作品ばかりでした。

この作品集に収められている短篇のテーマが日本社会で身を粉にして自分を犠牲にして働く人々。まさに食品偽装している人たちとは正反対の人々。もしくは、会社につぶされるままに、食品偽装している人たちなのでしょうか。

"床下仙人"の主人公の働き過ぎに胸を痛めながら読んでいました。自分がこうやって仕事していたら、どうなっているだろうか、とかそんなことを考えながら読み進めていきました。そして、彼が働きづめで職場から二時間の郊外にやっと手に入れた夢のマイホームには、そんな仕事を優先する彼をみて寂しさを感じる奥さん。すれ違いのはじまった二人の間に入ってきたのは・・・。

なんてお話しなんですが、彼はどうすれば良かったんでしょうかね。妻を優先すれば仕事がおろそかになる。仕事を優先すれば、奥さんとすれ違う。結局彼は不器用だったんでしょうね。っていう、感じ方自体が男の考え方だ、なんていう声が聞こえてきそうですけどねぇ。

で、そんな風に仕事に追いつぶされる人々がたくさんでてくる、短篇集なのです。どうすりゃいいんだよぉ、なんて思いながら読み進めていたのですけど、作者・原宏一はちゃんと一つの答えを用意していたんですねぇ。結局これがいいたいがためだけに、この短篇集は作られたんじゃないかしら、と思えるぐらいしっくりとくる答えがしかるべき場所に見つけられました。

「仕事は家庭に持ち込むべきなんだよ」

"シューシャインギャング"の中で仕事によって家庭が壊された家出少女が、リストラされて仕事一筋だったばっかりに帰る場所をなくした、中年男にいうセリフです。

そうそううまく、器用なことができればいいのだけれど、努力してみる価値はあるのかしら、なんて未来のことを想像しながらこのセリフを眺めていました。

自分はどんな家庭を築くのでしょうか、それともなにも築かないのでしょうか。そんなことを思いながら毎日、朝はやってくるのでした。
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2006年05月30日

雨やどり-半村良

「雨やどり」 半村良

雨やどり一週間ぶりのお休みで久しぶりに目覚ましをかけないで寝られると思ったら、寝過ぎて体がだるすぎるkbbです。こんにちは。やすみの次の日が一番からだが疲れている気がするのは気のせいなのでしょうかね。

さて、半村良の「雨やどり」です。この作品で直木賞を受賞しているようですね。以前「たそがれ酒場」を読んだときに、これを読もうと決めてから早いものでもう5ヶ月ですね。時が経つのは早いもので思ったらすぐ行動しないとすぐに忘れてしまいますね。それは老化だろうってつっこみはなしの方向でお願いします。

さて、作品の方はと言うとバー「るヰ」のマスター仙田をとりまく、夜の新宿を舞台としております。八つの短編が収録されていますけど、連作短編というかどっかしらに仙田がでてきます。

自分が飲食店で働いているからなのか、この作品で語られている、客として居心地のいい場所なんかはとっても参考になりますね。なんだかこの本を読んでいると水商売も楽しそうだぞと思わされちゃうから不思議です。でも夜働くのはそれはそれで大変なんですけどね。

表題作の"雨やどり"では、ずっと独身を通してきた仙田にとうとう女ができた、というお話です。ドシャブリの通り雨の振る午後に仙田のマンションの軒下で雨やどりをしていた美女。その子と過ごすうちに仙田自身の心にも変化がやってきて・・・・。

ってお話なんですけど、結局雨やどりで終わっちゃうってお話です。なんだかとってもせつなかったですね。仙田がその子に指輪を贈るシーンがあるのですけど、

一日でも早くその指を自分の指輪で占領してしまいたかった。


なんて描写があるんですけど、わかるなぁなんて独り言をいいながら読んでしまいました。

最近は前をむいて生きることを目標にしているのですけど、こんな素敵なkbbさんに指を占領されたいっていうかわいい女の子はいないですかねぇ。でも10本の指は高くつきそうなので、勘弁してくださいね。一本だけで十分ですよ。
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2006年02月26日

バカさゆえ・・・。-姫野カオルコ

「バカさゆえ・・・。」 姫野カオルコ

バカさゆえ・・・。杉村太蔵がまたおかしなことを言っています。曰く

国会議員の資産公開はそれに要した時間を考えれば国家的損失である。国民は国会議員の資産に興味があるのだろうか。興味本位で知りたい人しかいないのではないか。(杉村太蔵ブログ)

って言ってるんですけど、どうしてこの人は思ったことをこうぽんぽん発言してしまうのでしょうかね。誰が政治家の資産を興味本位で知りたいというのでしょうか。これって元々、任期中の増減を知ることによって汚職その他の不正がないかどうかを国民がチェックするためにやっていたのでなかったでしたっけ。それを国民がミーハー根性でしか見ていないなんて言っていいのでしょうかね。それに、調べるために要した時間が国家的損失ってそんなの公人ならすぐにわかるようにしておくのが当然なのでなかろうか。だったら税務調査にはいられた会社がすべての領収書、請求書、帳簿をひっくり返して調べるのは大きな経済的損失って言ってもいいのかしらねぇ。新聞もこの暴言を取り上げないなんて、どうなっちゃってるのでしょうかね。

一通り怒ったところで本のご紹介!姫野カオルコの「バカさゆえ・・・。」です。姫野カオルコは「ハルカ・エイティ」で直木賞にもノミネートされた人だから知っている人も多いのじゃないかしら。裏表紙を読むと

サマンサは身を床にかがめると、ラリーの股間ですでに45口径マグナムのように堅くなったものを啜った。


なんて書いてあって、これはギャグ小説的官能小説か!?なんて思いながらページをめくっていきました。これは官能小説的ギャグ小説でしたよ。電車の中で読んでいたら身を前に屈めなければならないほど、官能的なのに、どっか笑ってしまう。そんな小説でした。

元ネタがりかちゃん人形や、奥様は魔女、魔法使いサリーやらあしたのジョーなんかでちょっと古いし、僕も読んだことや見たことがないものばっかりなので、そこまで細かいところはわからなかったのだけれど、なかなか楽しめました。

異性をひきつけるフェロモンの素とはなんぞやなんてことも書いてあって、無計画、無防備、無思慮の三無主義が大切だ。なんて書いてありました。これはその通りですね。恋愛は考えすぎるからいつもうまくいかない。流れに身をまかせて、欲望のままにいけばうまくいくことが多い。そして一番大切なことは

恋愛、これすべて、タイミング


なんて書いてあって、姫野カオルコ!おれと同じこと言ってるじゃないか!なんてちょっと興奮しながら読んでいましたよ。

知性とマゾヒストの関連性とか興味深く読ませていただきました。

こういうバカな発言はいくらでも笑えるのに、杉村太蔵のおバカな発言は全然笑えないですね。これはやっぱり若さゆえ・・・に出てきたからなのでしょうかね。
posted by kbb at 09:00 | 東京 ?J | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・エッセイ ハ行

2006年01月09日

たそがれ酒場-半村良

「たそがれ酒場」 半村良

たそがれ酒場今日が3連休の何日目だかにわかにはわからなかったkbbです。こんにちは。カレンダーをみないと日付がわからなくなったら脳年齢が落ちている証拠らしいのでみなさまもお気をつけを。

今回は半村良による連作短編集の「たそがれ酒場」です。ベテランバーデンダーの仙田の勤めるバー「ルヰ」とホテル「ルヰ」を舞台に仙田の過去の女性たちと現在の女性たち、未来の女性が交錯していくストーリー。決して大きなイベントが起こるわけではないのだけれど、たんたんと物語が進んでいって、それがまたバーデンダーとして何年もやっていて、結局結婚も、もちろん子供もいない仙田の悲哀さがにじみ出てくるような物語だった。

この本は吉祥寺のbarに入り浸っていた頃、そこのお客さんが教えてくれた本でした。バーテンダーのマナーというか態度が描かれていて面白いよって教わって。絶版になってるからなかなか手に入らなくて、もうそれからかれこれ2〜3年たってやっと手に入れて。その一つにバーテンダーは久しぶりのお客さんにも「久しぶり」という挨拶をしないってのがあって、おもしろいなって思って読み進めていきました。「久しぶり」って挨拶をなぜしないかというと、その人の連れのお客さんにその人がちょくちょく来てるって言ってたとしたら恥をかかせてしまうからって書いてあって、そこまで考えてるなんてすごいでしょ。

吉祥寺の入り浸っていたbarには60代のバーテンダーがいた。頭も真っ白で、つくるお酒もあんまりおいしくないのだけれど、彼の話術というか話しに対する食いつきがすごくて今でも連絡を取り合っているぐらい仲良くさせてもらっていた。それに60代だとは思えないほど元気でこれが今の60代なのか!?って自分の祖父や祖母と比べてみたりしてね。でも彼は離婚をして娘が20歳ぐらいでいるのだけれど一緒には住んでいないので、朝まで働いて一人寂しく静かな暗い寝床に帰っていくのを見ていつも背中に寂しさを感じてしまっていた。人間の幸せは結婚だなんていうつもりはないけれど、60すぎて一人は寂しいだろうなって思う。家族がいたとしても、息子や娘では埋めきれない寂しさを埋められるのが本来は他人であるはずの男や女だってのが不思議だけど、本当にそれはそうだと思うのよね。血のつながり以上に濃い他人とのつながり。それは僕がまだ子供を持ったことがなくて、しかも男だから自分のおなかを痛めて産むということがこれからもずっとないからそう感じるだけなのかしら。

解説にこの作品は半村良の直木賞受賞作「雨やどり」の中の一編の主人公のその後が描かれていると書いてあって、次の半村良の作品はこれでも読んでみようと思っています。

2005年12月04日

GMO(下)-服部真澄

「GMO(下)」 服部真澄



GMO(下).jpg長かったなぁ。起承転転転転転転転転転転結転って感じのストーリーでその転のたんびに登場人物を頭の中で整理していかなければならなかったのが疲れちゃったのかもねぇ。

前回書いたけど、テーマは興味のあるものばっかりでそれなりに考えさせてくれたし面白かったですね。遺伝子組み替え作物のことも知らないことだらけだったし。友人と飲みながらこの本の話しをしたときに「ヒステリックに遺伝子組み替え作物に反応するのはどうかと思うんだよね」って話したら、おまえは「ヒステリックにヒステリーになってるみたいだね」って言われちゃって。確かにそうだったのかも。もっと深く考えなければ(もちろん答えはでないことなのだけれども)自分なりにもつ考えには至らないテーマなんだなって思ったよ。

本を読んでいて改めて再確認したというか現実を突きつけられたことがって、それは食品や作物って行政に許可されるものなんだってこと。うちには犬がいるけれど、彼らはご飯を食べるときに、それがどんなものであろうと一回自分の鼻で匂いをかいで、舌先で触ってみて「大丈夫!」って確信してから食べ始めるのね。そんな能力は人間にもあると思う。だってちょっと冷蔵庫に長く入れ過ぎちゃったものはまず匂いをかいで見て、飲み込む前に舌先で大丈夫か確かめるでしょ。でも、許可されないと私たちには口にいれるものすら自分達では選べないんだなって。人間の確認する能力からかけ離れたものしか現状ではテーブルの上には載らないんだなって思った。


まぁなんにせよ、(長くて展開がだらだらとしたけれど)テーマとしては面白かったと思いました。しばらくはこの作者の本はいらないけど・・・。

2005年12月03日

GMO(上)-服部真澄

「GMO(上)」 服部真澄


GMO(上).jpgGMO-Genetically Modified Organisms 遺伝子組み替え作物をテーマにしたサスペンス。

最初はアメリカが舞台で、この作者は日本人じゃないの?なんて思いながら読んでいた。ただ展開が遅すぎるので読んでいて苦痛を感じることが多々あった。一つ一つのシーンが説明的すぎて字面を追っているだけで次の展開にわくわくするってことが少なかったかも。

なんにしても、自分が遺伝子組み替え作物について知らないことが多すぎるってことをわからせてくれた本だとは思っている。今までは食品のパッケージに「遺伝子組み替え大豆は使用しておりません」なんて書かれていても、メンデルが遺伝の法則を発見してから、それ以前でも馬や鳩のレース用の交配による改良や、作物の品種改良のように、人間の都合のいいように、種をいじっていたじゃないか。厳密に言えば人間が作り人間が収穫する作物で自然のままの種なんてないのだから、そんなヒステリックになることないんじゃない?なんて思っていたのが少し考えを改めるべきかななんて思っている。

この本は扱うテーマが多すぎて、考えながら読んでいたら、いくらたっても進まなかった。遺伝子組み替え作物にはじまって、有機農法や大規模農業などの農業問題から貧富の差や大国の論理などの経済格差の問題、コカインなどの薬物の問題とそれらを伝統的に生活にとりいれている人たちの問題意識の差、科学者の研究倫理の問題や果ては盗作などの科学的倫理の問題まで。それぞれ一つずつを一冊の本にすれば作者もこれからのアイデアに困ることはないんじゃないかなんて思ったりしてしまったよ。

まぁなんにしても下巻を今読んでいるので、それを読み終わったら思ったことも少しはまとまるのかななんて思っています。

2005年11月09日

奥様はマリナーゼ-ほしのゆみ

「奥様はマリナーゼ」 ほしのゆみ

奥様はマリナーゼ.jpgこの本は「絵日記でもかいてみようか」という人気サイトの単行本化された作品です。といってもサイトの過去絵日記だけでなく、新しく書き下ろされた部分もたくさんありゆみぞうさんのサービス精神旺盛な部分をあらためて感じさせてもらえました。

このサイトはインターネットをする(??インターネットはするものですかねぇ?)ようになって最初に毎日チェックするようになったサイトでした。ゆみぞうさん=奥さんの日常や失敗が一コマの絵日記になっていて、それにちょっとした文章が書いてあるというものです。はじめて見たときの感想は奥さん大好き!ってものでしたね。とにかくこの奥さんがかわいいのです。オットさんへの愛情が随所に感じられて、うらやましい限りです。

この本は読みやすいので通勤通学の電車の中で読み終わってしまうようなものなので是非是非手に取ってみてくださいな。電車の中での笑いすぎに注意ですよ。