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2009年04月14日

きみが見つける物語 十代のための新名作 放課後編-浅田次郎 石田衣良 橋本紡 星新一 宮部みゆき

「きみが見つける物語 十代のための新名作 放課後編」 浅田次郎 石田衣良 橋本紡 星新一 宮部みゆき

きみが見つける物語 十代のための新名作 放課後編おはようございます。

昨日は新職場、初日でした。前の晩は緊張でうまく眠れず、遠足の前の日の小学生みたいになっていました。仕事は前職と同じなので、なんの心配もないのですが、やっぱり人間関係が気になりますよね。最初こそうまくやらないとなんていつもいらぬ心配ばかりしてしまいます。自然なのが一番のはずなのに考えすぎて失敗してしまうんですよね。

さて今日はアンソロジーです。「きみが見つける物語 放課後編」です。友情編やらスクール編やら恋愛編やら休日編やらシリーズでいろんなのが出版されています。十代のためのって銘打たれているだけあって名作がそろっているみたいです。

本書「放課後編」では、星新一、浅田次郎などなど文章のうまい作家さんが揃っていて読書に引きずり込むのにいい編集なのではないでしょうかね。ただ納得いかないのが、ショートショートの星新一以外は長編の一部分を抜き出しているようになっているのです。つまり、この本を読んだだけでは物語の全貌がつかめない。国語の試験のように一部分だけを抜き出して「おもしろいでしょ?」って押しつけているようにしか思えないのが不満です。小説はやっぱり、最初から最後まで読んで初めて作家が言いたいことがわかるのだと思うし、最初の文から最後の文の言葉、どれをとっても作家が一生懸命探してジグソーパズルにあてはめるようにカチッとはめこまれたピースなのだと思う。こういう編集の仕方は納得いかないな。まぁ出版社側としてはこれを入り口に本が売れてくれればいいな、ってことなのかもしれないですけどね。

僕にとってこの本を読んでびっくりだったのは、石田衣良の代表作「池袋ウエストゲートパーク」を読めたこと。こういう物語だったんですね。でもやっぱりドラマ版の長瀬智也のイメージが強くてすっきりと入り込めなかったのですけどね。といってもドラマ版も観ていないのですけどね。

まぁ、学生の頃は本なんか読まずに友人と遊び回っていた方が健全なのかもしれないですけどね。それでも時間があまってしょうがないってなって初めて本を開けばいいのではないかしら。本を読む時間なんて、おじさんになったらいっぱいつくれますとも。




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2009年03月28日

ドッペルゲンガー奇譚集 死を招く影-アンソロジー

「ドッペルゲンガー奇譚集 死を招く影」 阿刀田高 小池真理子 筒井康隆 増田みず子 生島治郎 森真沙子 山川方夫 皆川博子 都筑道夫 赤川次郎

ドッペルゲンガー奇譚集 死を招く影おはようございます。
とうとう仕事が終わりました。今日から無職です。というわけでお祝いをしにお花見に行って来ます。5時に起きる予定が午前2時半に目が覚めて、えいやっとお弁当を作っていました。どうして仕事以外だと気持ちよく起きられるのでしょうかね。
本日の献立は筑前煮、鰹ののっけ盛り、しらすおろし、鶏のからあげ風、じゃがいものシーチキン炒めの上にチーズをかけてオーブンで焼いたもの、卵焼きです。結構豪華じゃないですか?

さて、「ドッペルゲンガー奇譚集」。アンソロジーです。結構豪華な作家陣ですよね。でも書き下ろしじゃなくて、すでに出版されているものから選んだようです。まぁいい作品に出会えればなんでもいいんですけどね。

全ての作品がドッペルゲンガーを題材にした作品になっています。ドッペルゲンガー、それは自分と同じ人間がこの世の中にいる現象。こわいですよね。よく言われているのは、ドッペルゲンガーを見ると死んでしまうという俗説。この話は結構有名ですけど、そんなことをテーマに書いている作品が一個もなかったのには驚きました。そういうのは除いて集めたのかもしれないですね。

好きだった作品は山川方夫の「待っている女」と赤川次郎の「忘れられた姉妹」。
山川方夫の作品は、ある日妻とけんかをして妻はまた実家に帰ってしまった。旦那が家の前にあるたばこ屋に行くと、たばこ屋の前でたたずむ美女を見つける。ふと気になり、時間をおいてたばこ屋を眺めると彼女は何時間も同じところに立っていた。きっと彼氏に待ちぼうけを食らわされているのだろうと、寒そうだね、なんて心配して声をかけるとつれない態度をとられた。彼女の目的は?

なんてお話です。その後妻の出ていった理由とシンクロしながら物語は進んでいくのですけど、山川方夫はきれいな短編を書く人のようです。でも彼はもう亡くなってしまっているようですね。寂しい限りです。

赤川次郎の作品は、自分のドッペルゲンガーが自分のまわりでどんどん悪さをしていって、周りの友人関係が変わっていってしまうというお話。その過程で家族の秘密を知ってしまったりと、これは一番こわいなぁっていう展開になります。

さてさてそろそろ時間なのでいきましょうかね。
お弁当の支度しているときは楽しいのに、仕事になると代わりに働いてくれる誰かを作ってくれる道具をだしてよ、ドラエモン。なんて言っているからいつまでも仕事が決まらないのでしょうかね。まぁ今日はそんなことは忘れてきれいな桜でも眺めながら酔っぱらってきます。ドッペルゲンガーには会わないようにしないとね。




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2009年02月17日

最後の恋-三浦しをん 谷村志穂 阿川佐和子 沢村凛 柴田よしき 松尾由美 乃南アサ 角田光代

「最後の恋」 三浦しをん 谷村志穂 阿川佐和子 沢村凛 柴田よしき 松尾由美 乃南アサ 角田光代

最後の恋おはようございます。

おとといぐらいから鼻水はじゅるじゅるだし、のどはイガイガしているし、目はカユカユだしで完璧に花粉症の症状ですね。まだ二月だっていうのに、早すぎませんか?もうこんなことは今年で最後にしてほしい、そんな風に切に願います。

さて、「最後の恋」。アンソロジーです。

最後って言葉を聞くと、漠然と悲しいことやつらいことを想像してしまいますよね。最後の晩餐にはなんだか悲壮感が漂いますし、今年で終わりにして欲しいなんていうと辛いことからの解放ですし。でも、それが「最後の恋」となると180度変わるんですね。

だって、最後の恋ってことはもうそれ以上恋をする必要のないこと=生涯で最愛となる人を見つけたってことでしょ。

素敵な言葉だったんだなぁ、なんて思っています。

さて、最後の恋をテーマにしたアンソロジーです。いろんな女性作家が最後の恋について描いています。
おすすめは三浦しをんの物語。これはここでは書きませんので、どうかご自身でご確認ください。立ち読みでもそんなに時間がかからない分量なので是非。

阿川佐和子の"海辺食堂の姉妹"はなんだか映画「かもめ食堂」を思い出させます。といってもこの映画を観ていないのでわからないのですけど、こういう雰囲気の映画なんだろうかって思わせてくれるって意味ですけど。(今調べたのですけど、「かもめ食堂」の原作は群ようこでしたね。全然違っていました。ごめんなさい。)

"スケジュール"の沢村凛は多分初読なのですけど、なかなか興味深かったです。スケジュールを作るのが小さいころからの特技だった天音(あまね)。結婚への準備も恋人ができたところからスケジュールを作ってしまう。しかし生涯で初めて自分で決めたスケジュールを破ってしまう。って書けばどういうことかはだいたい想像が出来てしまうかもしれませんが、これもおもしろいので読んでみてくださいね。

一番よかったのは"LAST LOVE"柴田よしきでした。この人も初読でしたけど、他のも読んでみようと思うぐらい収穫でしたね。「ワーキングガール・ウォーズ」という広告によると「負け犬小説」を書いているようですけど、この作品もそれに近いものがあるかもしれませんね。

合コンで知り合ったテレビ局勤務の剛志とつきあって五年になる真由美。長すぎる春に決着をつけるべく、友人の結婚をだしに、それとなく聞いてみると剛志からは別れのメールが来た。好きな人がいる。次の恋を最後の恋にしたいと。自分が最後から二番目のブービーだってことに腹をたてる真由美。
そしてそれから月日が経ち、剛志が離婚したことを知る。誰と結婚したかも聞いていなかった真由美は剛志と連絡を取りランチをすることになった。

そんなあらすじなわけですが、最後に真由美もやっと最後の恋を経験できるところあたりが負け犬小説で終わっていないってことなのかもしれませんね。

さて、僕の最後の恋はいつやってくるのでしょうか。こればっかりはスケジュールのたてようもないですけどね。その前にちゃんと就職しないと女の子もよってこないですね。はい、がんばります。




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2008年12月27日

コイノカオリ-アンソロジー

「コイノカオリ」 角田光代 島本理生 栗田有起 生田紗代 宮下奈都 井上荒野

コイノカオリこんにちは。

今日は友人と忘年会の予定です。14人集まってどんちゃんさわぎです、ってお店には迷惑なだけですね。今日はデンマーク在住の友人も来てくれることになっています。毎回誕生日会でサプライズを演出してきたわけですが、今日のターゲットはその友人です。僕ともう一人とで三人しか集まらないと思っているその子をみんなの待っているお店へと案内していきます。その時の彼女のびっくりして、少し照れた笑顔を想像するとこちらの顔まで、にまぁ、ってなってしまいます。

さて、「コイノカオリ」です。女性作家六人によるアンソロジーになっています。今年の直木賞の井上荒野や僕の好きな島本理生、角田光代などの作品も収録されていて、楽しみな作品でした。生田紗代の「オアシス」以外に初めてみた作品だったので、それも楽しみでした。

不倫というか自由恋愛というか、そういうのをテーマとする井上荒野はいつものことでしたし、母の元恋人とデートする女の子の話の角田光代もいつものようで安心ですし、定時制高校での年齢差のあるカップルを描いた島本理生も楽しませてもらいましたけど、今回のアンソロジーでの収穫は栗田有起でした。
"泣きっ面にハニー"という作品です。もうこのタイトルだけでやられちゃいそうでしょ?
物語はといえば、マッサージルーム「密の味」での出来事。父さんの会社が倒産し、ってつまらないことをいいながらも家計を助けるために手に職をつけることを決めた女子高生、繭子。元風俗店でマッサージの技術を教わりながら成長していく繭子が描かれています。

鍋や釜もなくなってしまった四畳半に住む家族を描きながら、最後には家族がいるんだから大丈夫って思わせてくれるお話になっています。そして何がいいって物語のテンポがいい。今時の女の子のような言葉を使いながら古くさい言葉も使うような会話にいつまでも引き込まれてしまいながら物語の世界にどっぷりはまれます。
最後はちょっとほろっとさせられたりして、ひさしぶりにはまりそうな作家さんを見つけられました。

こういうのがあるからアンソロジーを読むのをやめられないんですよね。
さっそく彼女の作品を買ってこよう、そう決めたわけですけど、今日も14人なんて大人数で満足な時間みんなとお話することはできないだろうけど、仕事帰りに一緒に飲んでくれるような人を一人ぐらい見つけられるようにがんばってきます。まぁがんばるようなことじゃないんですけどね。自分が幹事なわけですし(笑)。






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2008年11月27日

告白。-芦原すなお 安藤由希 岩井志麻子 岸虎次郎 本沢みなみ 前川麻子 若竹七海

「告白。」 芦原すなお 安藤由希 岩井志麻子 岸虎次郎 本沢みなみ 前川麻子 若竹七海

告白。こんばんは。みなさんご無沙汰しております。韓国から26日に無事帰国いたしました。

ところでさっき自分のブログを開いてみたのですけど、海外の変な広告サイトに飛ばされて、seesaaがウイルスにでも感染したのか!?と心配してgoogleで検索してみたら、ブログパーツで使っている「ザッピング」というところのドメインが変わっていたらしいです。韓国にいるあいだにこうなっていなくてよかったぁと胸をなで下ろしているところです。今日の昼過ぎから23時ぐらいまでのあいだにいらっしゃった方、ドキドキさせてしまってすみませんでした。

富士山プルコギ冷麺





さて、機上から富士山を眺めながら韓国に向かいました。現地で仕事の終わった友人と四苦八苦しながらもなんとか再会しました。
以前学校のプログラムで夏休みにアメリカに語学留学したときに知り合った彼女ですが、そのとき知り合った別の友人も一人来て、僕と僕の連れと四人でおいしいプルコギ屋さんに行きました。
ビールやサンサ酒を飲みながらキムチをつまみおいしい食事をしました。いろんなキムチがあるのにびっくりです。というか、何種類ものキムチや総菜がお通しとして出てくるのにびっくりです。ビールだけ頼んでお通しだけ食べて帰る人はいないのかと心配になってしまいましたけど、韓国人はお酒を飲むときはキムチを食べないんだということを友人に聞き納得してしまいました。飯を食べるときにしかキムチを食べないらしいですよ。まぁここから韓国料理の辛地獄が始まるのですけどね。最後に冷麺をおいしくいただき店をでて、友人の予約してくれたホテルにやっと落ち着いて一日が終わりました。韓国語のまったくわからない僕ですけど、彼女がいてくれたおかげで気分良く酔っぱらって一日を終わることができました。

こうやって始まった韓国旅行ですが、飛行機の上で読み始めてベッドの上で読み終わったのがこの作品集「告白。」です。恋愛アンソロジーと呼べるのでしょうかね。初めて買う出版社の文庫です。「告白」という言葉にまつわるドキドキ感が韓国旅行にぴったりでしょ?と思いつつ読んでいたのですけど、中学生、高校生ぐらいが対象年齢なのでしょうね。ひねくれてしまった僕には少し物足りなかったです。

でも、岩井志麻子の"形見の花園の廃園"の怖すぎるラストや若竹七海の"話を聞いて"のおもしろすぎるラストでまぁまぁ楽しめましたよ。

こういう作品がいくつか入っているのなら損ではないだろうし、高校生ぐらいの子たちがこういう作品に触れられるいい機会になるのではないでしょうかね。

さて韓国の友人とは告白という言葉とは無縁だからこそ友人としていられるわけですが、この日プルコギを食べた四人で釜山まで二泊三日で旅行にいくことになるのですけど、それは次の記事で書くとします。

ではではおやすみなさい。昨日に引き続き日本の布団をむさぼってきます。





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2008年11月06日

LOVE or LIKE-石田衣良 中田永一 中村航 本多孝好 真伏修三 山本幸久

「LOVE or LIKE」 石田衣良 中田永一 中村航 本多孝好 真伏修三 山本幸久

LOVE or LIKEこんばんは。

今日の朝、いつも通り、ぎりぎりの時間に目覚めて顔を洗うのもそこそこに駅まで走っていったのですけど、いつも乗る電車が行ってしまったあとでした。しょうがないなぁ、今日は遅刻かなぁ、などと一人言をいいながら降りる駅で都合のいい車両までホームを歩いていると、見たことのある顔を見つけました。小学校の時の初恋の相手がそこにいたのです。一度だけ開かれたクラス会で見たことがあるので、成長した顔を見ていたからこそ見つけられたのかもしれませんが、薄い化粧と小学校の頃と同じように背が低いところがまたいいんだなぁ。初恋の頃から僕は小さい子が好きだったんだなぁ、なんて再確認させてくれるような出会いでした。もちろん声なんてかけませんでしたよ。好きな子にはイジワルをして、そうやってかまってくれるのを待つという典型的な男の子だった僕に対して彼女がいい思いを持っているはずがありませんものね。

そんな風に女の子の扱いも知らないうちから人間って恋をするのが不思議でなりませんね。気持ちに応えられたとしてもどう扱っていいのかわからないはずなのにね。

もちろん今でもLoveとLikeの違いなんてわからないですけど、少しはわかる努力をしなければ、と思い興味をもったのが本作、「LOVE or LIKE」です。石田衣良や中村航、本多孝好などなど、アンソロジーで好きになった作家さんも書いていたので安心して読めました。

といっても、やはりLOVEとLIKEを比べるというテーマが難しいからなのか、その答えを明確に作品の中に出している人はいませんでしたね。以前読んだ、"百瀬、こっちを向いて"がすばらしくよかった中田永一にも期待していたのですけど、エンディングはよかったけど、途中がまぁねぇって感じで不満の残る内容だっただけに、残念でなりません。

全体的にLIKEの気持ち、初恋に近い気持ちはきれいに描かれている作品が多かったのですけど、それがLOVEに発展したり、LIKEからLOVEへの変化の過程などが描かれている作品がなかったのが残念です。

そういう点でも、石田衣良がこの作家の中では一つ飛び抜けていたのかもしれませんね。彼が描いたのはバイト先で知り合った大学生の男女。お互いがそのバイト先にいる人を好きなことをうち明けて協力する約束をする。しかし二人の間にも肉体関係がある。しかし、その関係は肉体だけで完結している関係だ。ある日、お互いが好きだった人との仲が発展しないことを知り・・・。

っていう内容だったんですけど、ちゃんとLIKEとLOVEが一つの物語の中にでてきて、一枚上手ですね。

そんな風に他人の書いた物を批評している僕ですが、僕はいつになったらLOVEとLIKEの違いを実感できるようになるのでしょうかね。それともそんなことは知る必要なんてないのでしょうかね。いつかは知りたいなぁって思っているのですけど、それを知る機会を与えてくれない神様ってなんだかいじわるですね。




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2008年11月03日

作家24人の名作鑑賞 私を変えたこの一冊-アンソロジー

「作家24人の名作鑑賞 私を変えたこの一冊」 北方謙三 夢枕獏 久世光彦 橋本治 小池真理子 阿刀田高 田辺聖子 立松和平 原田宗典 秋元康 ねじめ正一 三田誠広 大林宣彦 谷川俊太郎 清水義範 俵万智 柳美里 畑山博 氷室冴子 武田鉄矢 林望 群ようこ 中沢新一 大沢在昌

私を変えたこの一冊こんばんは。

ビールから焼酎に変えましたよ。いい加減気持ちよくなってきました。
たったいま起きた出来事でしたけど、一緒に住んでいる弟の彼女から電話がかかってきました。用件はフジテレビの「あいのり」を予約録画してくれのとこと。

「あいのり」ってわざわざ録画予約するような番組なのかしらと予約しながら酔いもさめるような気持ちを味わっています。個人的には「あいのり」を予約録画するような女の子とつきあいたいと思うのですけど、それは弟の問題なので関係ないですね。

さて、いろんな作家が名作と呼ばれる集英社文庫の作品の解説に書いた物を再収録したのがこの作品集です。芥川龍之介や川端康成、キャロル、坂口安吾、志賀直哉などなど誰でも名前ぐらいは聞いたことのある作品の解説になっています。

解説っていっても、人それぞれというもので、その作家の生涯の作品全部を俎上に乗せる人もいれば、その作品にまつわる自分を描く人たちもいてなかなか興味深いですよね。

秋元康が中原中也の「汚れちまった悲しみに……」について書いています。彼は、過去の自分の恋愛とこの作品の接点を書いているのですけど、その中でこんなことを言っています。

流行書きというのは、いかに、多くの人と、相性をよくするか? という職業である。


秋元康ってこういう自覚のあった人だったんですね。時代に合わせて自分を捨てるようないろんな作品をつくる彼ら。自分たちが流行を生み出しているかのような錯覚を生ませるぐらい人気の作品を生みだし続ける彼ら。それでも、自分はただ他人に合わせているという自覚があったんですね。もっとえらそうに、おれが流行だ!なんて言っている人だと誤解していた自分を少し反省しています。

「あいのり」をどうして自分が嫌いかっていまいちよくわからないんですけど、あんな風に他人の恋愛、しかもそれに台本があるような恋愛を遠くから見てうらやましがっているのがいやなんだろうなぁって思うのですけど、それだって人の勝手なんですよね。小説だって結局人の人生をなぞっていく作業なのかもしれないですし、小説好きの僕がとやかくいう問題ではないですよね。




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2008年10月24日

Re-born-伊坂幸太郎 瀬尾まいこ 豊島ミホ 中島京子 平山瑞穂 福田栄一 宮下奈都

「Re-born はじまりの一歩」 伊坂幸太郎 瀬尾まいこ 豊島ミホ 中島京子 平山瑞穂 福田栄一 宮下菜都

Re-born はじまりの一歩こんばんは。

あさっての結婚式に向けて、やっとちゃんと僕の胃腸が言うことを聞いてくれるようになりました。まだ怖いから整腸剤を飲んではいるけど、今日も久しぶりにビールを飲んできたし、いつもよりも多めにご飯を食べることができました。お多福という下北沢のおいしいお好み焼き屋さんで、昔と比べたらちょっとっていうところはあっても、全体的に満足です。

さてRe-bornです。生まれ変わる。再生する。復活する。それぐらいの意味になるでしょうか。アンソロジーです。本屋さんに並んでいるのをみかけていて、豪華な執筆陣だなぁと思いつつしばらく寝かせておいた本です。

伊坂幸太郎、瀬尾まいこ、豊島ミホなんて僕が好きな作家さんが入っているのなら、他の人も気に入れるだろうと思ったのですけど、三人の印象が強すぎて残念ながらあんまり印象にのこっていないんですよね。

でもどの作品もちゃんとテーマ通りのものに仕上がっていて、読後にさっぱりというか、すかっとっていうか、心を覆っていたよけいなものが一枚するっと剥けていくような感覚が味わえます。

瀬尾まいこの話は、自分の好きな子に頼まれて自分の兄貴へのラブレターの代筆をするという。いつも通りのなさそうでありそうななさそうな話だし。

豊島ミホは珍しくエロい話じゃなくて楽しめました。

そんなテーマの流れで最後に伊坂幸太郎がおいてあるのですけど、これがまた他の作品と全然雰囲気の違う作品で、脅迫や殺人、強盗なんて平気でするようなチンピラがでてきて、普通の家庭じゃないけど一見すると平和そうな家族を殺しちゃうんじゃないかとはらはらしながら、でも最後はやっぱりテーマ通りまとめてくれた、と安心できるお話になっていました。

伊坂幸太郎の作品に限って言えば、読者をテーマに復帰させるという意味でRe-bornさせてくれたのかもしれないですね。

僕のおなかもRe-bornできたことですし、素敵な作品にも出会えたことですし、すばらしい週末が待っている予感がしています。たのしみっ!




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2008年09月28日

空を飛ぶ恋 ケータイがつなぐ28の物語-アンソロジー

「空を飛ぶ恋 ケータイがつなぐ28の物語」 島田雅彦 小池真理子 大岡玲 阿川佐和子 重松清 堀江敏幸 唯川恵 石田衣良 高橋源一郎 藤田宣永 川上弘美 吉田修一 谷村志穂 立松和平 藤沢周 高樹のぶ子 佐野史郎 佐伯一麦 椎名誠 平野啓一郎 星野智幸 柳美里 町田康 金原ひとみ 俵万智 高村薫 中村文則 北村薫

空を飛ぶ恋 ケータイがつなぐ28の物語おはようございます。

なんだか寒くなってきましたね。昨日は久しぶりに長袖を出してきました。基本的に持っている服が少ないので、冬服だろうが夏服だろうがどっかにしまい込むってことはないんですけどね。街を歩くと流行に敏感な女の子たちの履くブーツの踵がたてる鈍い音が聞こえてきますね。

友人がブーツを履いていると、「ブーツ嫌いなんだよねぇ」なんていつもいっているのですけど、「どうして?」と聞かれてもうまく答えることができず、「だって足が臭そうじゃん」とか「だって蹴られたら痛そうだもん」とかって言っているのですけど、どうして僕はブーツが嫌いなんだろう、と不思議に思っています。待つことが嫌いだから、座敷や家に上がるときに脱ぐ間待っていなければならないからかなぁとか、スニーカーに比べて不安定な歩き方をしている人が多いからかしら、とか色々考えています。きっと生理的に嫌いっていうのはこういうことを考えるのがめんどくさくて言うのかもしれないですね。

さて、秋の空だろうが、夏の空だろうがもちろん冬の空だろうが恋はいつの時代にもやってきます。今この時間も恋を叶えるためのケータイの電波がそんな空を駆けめぐっていることでしょうが、そんなこんながテーマのアンソロジー「空を飛ぶ恋 ケータイがつなぐ28の物語」です。川上弘美、吉田修一、谷村志穂、金原ひとみ、重松清、石田衣良などなど僕の好きな作家さんがいっぱい書いていて幸せな気分になれちゃいます。新旧と言っていいのかいろんな作家さんがいます。

一つ一つは5ページぐらいの短いもので、週間新潮にKDDIがスポンサーとなって連載されていたものみたいですね。KDDIもにくいことやりますねぇ。こんな贅沢な連載なかなかないですものね。

阿川佐和子の"拾い主からの電話"。ケータイを無くしたと友人から連絡があったが、その友人のケータイから連絡があった。男が「モォ、いやん」と言い、「フォッホッホ。またね」と言う。その後、友人からケータイが隣家のゴールデンレトリバーの犬小屋から見つかったと連絡がある。

ゴールデンレトリバーは人間の言葉がしゃべれるんですよ、みなさん。うちにいたゴールデンも話していましたもの、僕と。そしてへらへらと笑っているんですよ。弟のミニチュアダックスに腹を踏まれようと、おもちゃを横取りされようとへらへらと笑ってしょうがねぇなぁなんて言いながら横になるんですよ。

でかい犬が欲しくなってきましたね。って本のテーマはケータイがつなぐ恋のはずだったのに(笑)。犬の話だけでおわっちゃいましたね。もちろん川上弘美の作品"不本意だけど"もよかったですよ。子供のようなママと大人のような娘の物語。川上弘美が書きそうでしょ?




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2008年09月12日

恋愛小説-川上弘美 小池真理子 篠田節子 乃南アサ よしもとばなな

「恋愛小説」 川上弘美 小池真理子 篠田節子 乃南アサ よしもとばなな

恋愛小説こんばんは。

最近、ノンフィクションが多い気がしています。小説の読めない体になってしまったのかしら。きゃっ、やめて!

はい、すみません。取り乱しました。というわけで、アンソロジー「恋愛小説」です。といっても、タイトルに騙されました。

どの小説もテーマはウィスキー、なんでしょうね、きっと。裏表紙にも解説にもどこにも書いてありませんけど、どの小説にもウィスキーがでてきます。それはおじいちゃんの思い出であったり、恋人との思い出であったり。

久しぶりの川上弘美の未読の作品でした。今回は母と息子のお話。母には恋人がいて、息子にも恋人がいる。二組のカップルがデート中にバーでばったり出会ってしまう。そんな悲しさというか、気恥ずかしさというか、うれしさというか。それがしっかりと描かれているのはさすが川上弘美と言わざるをえませんね。

でも、どの作品も恋愛小説に感じられなかったのはウィスキーを飲みたいと思わない僕にはウィスキーの持つ意味がとれなかったからなのかもしれないですね。
明日はひさしぶりにワインを飲んできます。きっとすっごい酔っぱらってしまうのでしょうけど、まぁあきらめましょう。って人に迷惑かけてから後悔してもしょうがないんですけどねぇ。

ってまだまだ全然短い文章しか書いていないのに、まとめようとしているのはやっぱりうまく読めていないからなんでしょうね。どうしちゃったんでしょうか。

まぁ普段長すぎるから短いのもいいですよね。ではではー。




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2008年08月11日

オトナの片思い-アンソロジー

「オトナの片思い」 石田衣良 三崎亜記 井上荒野 栗田有起 大島真寿美 佐藤正午 伊藤たかみ 大崎知仁 角田光代 山田あかね 橋本紡

オトナの片思いこんばんは。

この二日間で5冊の本の感想を書けました。実は手元にあと8冊の感想待ちの本が積んであります。読むべき本も積んであるのに、書くべき本もたまっているってどんだけさぼり症なんでしょうか。今でも少しそういう気配がありますが、これ以上ためるとなにを書こうと思っていたのかすっかり忘れてしまうので少し多めの更新をしていこうと思っています。といってもどうなるかはわからないですけどね。

さて、アンソロジーです。といっても、そこらのアンソロジーと違ってこの作品は贅沢ですよ。石田衣良、三崎亜記、伊藤たかみ、井上荒野、佐藤正午、角田光代などなど売れっ子で実力派の作家さんがどんどんでてきます。しかもテーマが「オトナの片思い」。それぞれの持ち味を生かしながらしっかりと書き上げられています。石田衣良は石田衣良の口振りで、三崎亜記は三崎亜記の世界観で、井上荒野は井上荒野の風景でそれぞれテーマを生かした作品に仕上がっています。

今回の直木賞のインタビューで井上荒野は今まで「島」を書くことができなかった、と言っていた記憶があります。ところがこの作品では"他人の島"という作品を書いています。受賞作を読んだわけではないので、なんともいえないのですけど、もしかして、これが受賞作に関係があったりするかもしれないですね。この作品でも、彼女の持っている「島」への特別な感情がしっかり表れています。

三崎亜記も彼独特の世界なのにそこの日常があまりにもこの世界の日常と変わらない世界が描かれています。影無きものが生活するこの町。町が影無き者を受け入れるようになって時間が経った。隣にすむ影無き者。彼と交流を持つようなったイラストレーターの彼女はだんだんと彼への親近感を持ち始める。そんな二人がいつかすれ違い、離ればなれになっていく。

となり町戦争から比べたらどんどん三崎亜記自身の世界がちゃんと機能してきてますね。これぐらいの長さが彼の世界を書くにはちょうどよい長さなのかもしれないですね。

オトナの片思いってなんだか素敵なだなぁと思いつつ、片思いじゃしょうがないじゃんって思ってしまう僕はまだまだ子供だってことなのかもしれないですね。




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2008年08月10日

female-アンソロジー

「female (フィーメイル)」 小池真理子 唯川恵 室井祐月 姫野カオルコ 乃南アサ

femaleこんばんは。最近は花火大会がいろんなところで開催されているせいか、浴衣で電車に乗る女の子が多くて、思わず興奮してしまいますね。あれこそ究極のワンピースですものね。なんの飾りがなくて、女性の体、それこそが最大の飾りであるというかのような布のデザイン。ちょこちょこと下駄の音を鳴らしながら前に出す足。アップにした髪の毛がほつれて、それがかかるうなじ。うーん。どれをとってもいいですね。西洋のドレスには決して出せないエロスが香ってきます。露出が多くないって言うのもポイントなのかもしれないですね。

さて、女性作家が描くエロスの世界という裏表紙のあらすじを読んで思わず手に取っちゃうのは出版社の戦略にひっかかりまくりってことなんでしょうかね。まぁ男だからしょうがない。というわけで、アンソロジー「female」です。小池真理子、唯川恵、姫野カオル子などなど、結構有名どころの作家さんが書いているのがうれしいですね。

室井佑月も書いているのですけど、どうしてもこの人好きになれません。朝のワイドショーで解説だかコメンテーターだかよくわからないポジションでコメントを発していますけど、知性のなさが現れているような馬鹿な話し方をする彼女をどうしても好きになれませんでした。

この作品にでてくる彼女の作品も彼女のまくしたてるような話し方にそっくりの文章で、でも途中まではうまくついていったんですけど、最後の最後でそうはいかないだろう、って感じの終わりでうーん、もう少しだったのにぃ、なんて残念な、それでいてくやしい感じの読後感でした。

そんな室井佑月の話はエロって感じなんですけど、乃南アサや姫野カオル子の作品はエロスって感じで、エロとエロスの違いをうまく言葉で説明するのは難しいのですけど、それは裏ビデオとセックスの描写のでてこないけれど、お気に入りの女の子がでてくる小説。それぐらいの違いがあるのではないかしらと思います。

僕は、毎朝の地下鉄で私服で通勤するOLさんをみただけで、妄想劇場を始めながら興奮しちゃうぐらいなので、もちろんエロスの方がよけいな描写がなくて好きなんですけどね。




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2008年07月13日

無名時代の私-文藝春秋編

「無名時代の私」 文藝春秋編

無名時代の私おはようございます。きのうの昼間の雷はすごかったですね。突然強い雨が降り出して、雷が鳴り続けるなんてまるで夏の夕立、もしくは熱帯地方のスコールを見ているようでした。もう梅雨をすっとばして夏がやってきたんでしょうか。このままだと確実に水不足になってしまうような気がして心配です。不作なんてことになったらきっとまた野菜やらなんやらが高くなっちゃうんでしょうね。

さて、春が来て夏が来る、そして一年の終わりに向かうように秋が来て冬がくる。そんな秋や冬の人たちが自分の春や夏の頃を描いたエッセイ集「無名時代の私」です。文藝春秋に連載されていたものを収録したようです。ってもう10年以上前に文庫化されているので、雑誌に載っていたのはもっと昔のことなんですけどね。

というわけで、知らない人がほとんどなんですけど、まぁ楽しく読ませていただきました。小説家だけでなく、俳優や監督、舞台美術の人なんてのもいていろんなジャンルの人の無名時代を知ることができます。

多くの人たちが、無名時代を書けなんて言われたけど、未だに有名になっていないのに、云々なんて枕で書き始めているのが結構おもしろかったです。同じテーマなのだから似たような書き出しになってしまうのは仕方がないのかもしれないですね。

妹尾河童なんかも書いていて、舞台美術家になるのに、才能を見いだしてくれた人がいて東京に連れてきてくれた、なんてことが書いてあるのですけど、その人に東京に誘われる時に結構生意気なことをいっていて、これぐらい自己主張をしないと、やっぱり有名になるのは難しいのかしら、などとおしとやかで引っ込み思案の僕なんかは思ってしまいましたとさ。

他にも、池澤夏樹や逢坂剛、尾辻克彦(赤瀬川源平)、立松和平、田辺聖子、内田春菊なんかがいて、やっぱりどの人にも共通しているのは自己主張の強さでしたね。おれは、わたしはここにいるんだぞ、ってことを強く言わないと誰にも聞こえないですものね。

作家の村田喜代子も書いているのですけど、この人のところでページをめくる手が一瞬止まってしまいました。高校時代か中学時代に、もう当時の先生の名前も忘れてしまいましたけど、国語の授業でこの本を読まされたのを覚えています。本の内容も、授業の内容も忘れてしまいましたけど、未だに本だけは手元にあります。今度読み返してみよう。そう思っています。

そんな風に古いものとの再会なんてのもあってよかったです。僕が秋や冬になったときに、春や夏の時のことをどう振り返っているのか。想像もできないですけど、振り返って楽しかったなぁって思えるように生きたい。そう思います。




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2008年06月12日

あの日、「ライ麦畑」に出会った-アンソロジー

「あの日、「ライ麦畑」に出会った」 角田光代 加藤千恵 久美沙織 桜井亜美 下川香苗 谷村志穂 中村航 野中柊 藤野千夜 前川麻子 横森理香 吉元由美

あの日、「ライ麦畑」に出会ったこんばんは。最近穀物の価格がすっごいあがっているみたいですね。人間にとってなくてはならないものなのに、どこまでこの世界は生きにくくなっていくのかしらね。きっとライ麦も価格高騰しているんでしょうね。ウイスキー好きは困っているでしょうね。幸い僕はウイスキーは苦手なのでいいんですけどね。ってビールだって焼酎だって価格があがっていますね。貧乏人からこれ以上お金を搾取するようなことはやめてもらいたいものです。

さて、「ライ麦畑」とはサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」ですね。村上春樹訳がでて一時期話題になりましたね。この本、僕は一回だけしか読んだことがありません。しかも野崎孝訳でした。でも初めて出会った「ライ麦畑」はそれではなくて、原書でした。アメリカをバスで二ヶ月かけて一周したことがあって、バスの中で暇だろうからと、なんか本でも読めるかと思って買ったのがサリンジャーの「Catcher in the rye」。結局最初のページをひらいただけで、辞書を使って読むのがいやになっちゃってそのまま鞄の底にしまわれることになったんですけどね。それから何年も経ってから、一度ぐらいは読んでみないとね、ってことで読んでみたのですけど、大した感動を得ることもできず、まぁ雰囲気は初期の村上春樹作品に似ているなぁって感じでしたね。それから数年後に彼が翻訳するものがでるとは全く思いもしませんでしたけどね。

さて、そんな「ライ麦畑」に出会った頃のことを題材にいろんな作家さんがエッセイにしたのが、本書です。角田光代、中村航、谷村志穂なんかの文章が読みたくて買ったんですけど、「ライ麦畑」の感想というよりは当時の彼ら、彼女らの考え方の方が色濃くでていて、うんうん、そうだった。なんて思いながら読み進めることになりました。

その内容を一つ一つここで書くことはしませんけど、みんな十代の終わりには「ライ麦畑」に出会っているんですね。きっとその頃の方がこの作品にのめり込めるのかしれませんね。

僕はというば、日本でいやなことがあって、それから逃げるようにして一月後には機上の人になり、そのままバスでアメリカを一周するなんてことをしていました。一カ所に留まるのはせいぜい三日まで。移動手段は徒歩かバス。そんな風に歩き続け、動き続けて得たものといえば、帰るところは一カ所しかないってことかしらね。結局どこに逃げても自分からは逃げられないのだもの。

そんなことを考えながら、諦めた「Catcher in the rye」。本棚にあるそれは、そこにしまわれてからずっとタバコの煙を浴びつつ、僕と同じだけの年を過ごしてきたってことなんですね。

いつかもう一度手に取る日がくるのかしら。それまでに英語を辞書なしで読めるようにならないと。




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2008年06月08日

今度こそ、さうようなら 新・別れの言葉辞典-現代言語セミナー編

「今度こそ、さような-新別れの言葉辞典」 現代言語セミナー

今度こそ、さようならこんばんは。明日は、というかもう今日ですが、フリーマーケットに行く予定です。以前もこんなことがありましたが、またもや雨の予報です。友人から集めた服が部屋で山となっていて早く片づけたいのに。

で、明日はそんなわけで早起きしなければならないのに、こんな時間まで起きてしまっています。なぜかというと、本を読んでいたから。どうして早く寝なきゃいけない時ほど本を手に取ってしまうんでしょうかね。このまま寝ないで行こうか、なんてことまで頭に浮かんでしまっていますけど、もう徹夜しても大丈夫、という年ではないですものね。早く、そんな現実逃避をしてしまう自分とお別れがしたい。どなたか、そんな時のためのとっておきの別れ言葉を知っていらっしゃるかたはいらっしゃいませんか?

さて、そんな言葉は載っていませんでしたが、古今東西(といっても日本の作品が多かったですけど)の本や映画、舞台から別れの言葉ばっかり集めた作品です。「別れの言葉辞典」なんてそのまんまの作品名ですが、これがまた中身がつまっていて、楽しかったです。なんと783も収録されているみたいです。これだけの数をいっぺんに読むと別れの達人になれそうですね。

その中でも思わず、ひどい、とつぶやいてしまった一つをご紹介。

君の体からは僕のじゃない匂いがするんだよ。


山田詠美の作品に出てきた言葉だそうです。なんてひどいことなんでしょうかね。本当のことだったとしたら、彼にとっては二度と思い出したくない経験になるだろうし、もしそれがただの勘違いだったとしたら、彼女は二度と恋愛なんてしたくない、なんて思っちゃうかもしれないですね。匂いって結構重要な恋愛のファクターですものね。匂いだけで恋に落ちちゃうことだってあるとおもいますしね。そんな経験はないけどね。でも、匂いだけで嫌いになっちゃった経験はありますけどね。

さて、この本を読んで別れの達人になったと思いこんでいるだけで、まわりにあるしがらみのどれからも逃げ切れない僕ですが、そろそろ本ではなくて、夢の世界へ逃避しようと思います。だって体がもたないもの。もう若くはないのだからね。




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2008年06月04日

Love Letter-アンソロジー

「Love Letter」 石田衣良 島村洋子 川端裕人 森福都 前川麻子 山崎マキコ 中上紀 井上荒野 桐生典子 三浦しをん いしいしんじ

LOVE LETTERこんばんは。

先ほど、テレビで神戸の小中学校は校内に土足ではいるために、靴箱がないっていうことを紹介していました。靴箱がなかったら、ラブレターやバレンタインデーのチョコが靴箱にはいっているという、貴重な体験ができないなんてかわいそうって思っちゃいました。

それに合わせて読んだわけでもないのに、タイミングのよさに自分でびっくりしてしまいます。ラブレターをテーマにしたアンソロジー「Love Letter」です。石田衣良や島村洋子、三浦しをん、井上荒野など有名どころも結構かいていますが、名前も聞かないような人の作品もあって楽しさ詰め込みって感じです。

やっぱり石田衣良が一番うまいなぁって思わせるのが彼の語り方が一人の人間に語りかける手紙に似ているからなのでしょうかね。

山崎マキコの彼氏からの暴力をテーマにした作品は救いようがなくて、あまり好きにはなれなかった。井上荒野の彼女から好きになった人をうばう話もまっすぐに生きられない女を描いているようで好きになれなかった。

その点、いしいしんじの作品は少し技巧的すぎるきらいはあるけれど、うまくまとまっていて好きだった。

手紙って誰に宛てて書くか、誰から書くかっていう点で作家のテーマ性がでやすいのかもしれないですね。そういった観点からみれば、石田衣良は普段と同じことを書いていればよかったから楽だったのかもしれないですね。

僕自身はラブレターもチョコも靴箱に入っていたことはないんですけど、あれを入れる女の子の方のドラマを考えると結構素敵なことですよね。そんな二人が二十年後に出会ったら、どんな物語が始まるのでしょうかね。靴箱には入っていなかったけれど、毎年チョコをくれた隣に住んでいた女の子をことを今でも、二月になると思い出してしまいます。あの子はいま幸せにやっているんだろうか。




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2008年05月26日

短篇ベストコレクション-アンソロジー

「短篇ベストコレクション 現代の小説2005」 宮部みゆき 唯川恵 熊谷達也 絲山秋子 平安寿子 三羽省吾 関口尚 朱川湊 奥田英朗 高樹のぶ子 小川洋子 石田衣良 筒井康隆 村松友視 中島らも 内海隆一郎 かんべむさし 草上仁 薄井ゆうじ 泡坂妻夫 阿刀田高 浅田次郎

短篇ベストコレクション2005こんばんは。

今日も閉店間際のスーパーで買った半額の幕の内弁当を一人寂しく食べています。一人で飲んでいても全然酔えないのにね。だったら飲まなければいいじゃない?っていうのはナシの方向でお願いします。

そんな幕の内弁当のようなアンソロジーです。日本文藝家協会がなにをしているところなのかはわからないですけど、こんな風にその年を代表する短篇を編纂してくれるなんていいですね。

石田衣良や小川洋子、絲山秋子など、人気の作家さんから阿刀田高や村松友視などベテランまで、いろんな作風が見受けられます。

絲山秋子の作品などは読んだことがあって、普段食べ慣れているおしんこのようだった。小川洋子の素敵なお話と、村松友視のベテランの味のでている作品が幕の内弁当の中でメンチカツと鮭のようでどちらから食べようか迷ってしまうぐらい印象的な作品でした。筒井康隆の作品はオチがわかってしまって、ご飯の下に予想通りノリがしかれているようなものだった。

平安寿子の読み方が、へいあんとしこだと思っていたら、たいらあすこ、だって知ってまず驚いて、彼女の作品を読んでこれはいい、なんて二度目の驚きを感じました。白身魚のフライだと思っていたら、幕の内弁当に入っているなんて想像もできないカツが入っていたような驚きでした。

平安寿子のお話は初めて読みましたけど、いいですねぇ。次見つけたら買いですね。

明日はやっと川上弘美の記事が書けますね。って大したことはかけないんですけど、幕の内弁当じゃなくて、ステーキ弁当を食べるときのようなうれしさがありますね。こんなんだからどんどんメタボリック体型まっしぐらになってしまうんでしょうけどね。




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2008年05月24日

考える人-雑誌

「考える人」 雑誌

考える人おはようございます。昨日は大好きな川上弘美を読んで寝たので、寝不足気味です。でも、好きな本を読んだ次の朝に目覚ましをかけないでいいっていうのはとっても素敵なことですね。でも、平日の朝よりも早く目が覚めてしまいました。どうして、週末の朝は気持ちよく目覚めることができるんでしょうかね。読み貯めている本があるので、先にそれの感想からですね。昨日読んだ本の感想は三冊先になりそうです。

昨日の川上弘美繋がりというわけではないですけど、本が好き!経由でいただいた雑誌「考える人」です。特集は海外の長篇小説ベスト100です。小川洋子や吉田篤弘、角田光代など様々な人のベスト10とともに、雑誌独自のランキングが載っています。といっても、海外作品嫌いの僕にとっては知らない作品ばかりなんですけどね。

この雑誌をお願いした理由は川上弘美が文章を書いているということだけだったんですけど、一ページしか載っていなくて全然満足できませんでした。他の人の文章はもっと長かったのになぁ。

おもしろかったのは、各国のランキングが載っていたこと。アメリカのランキングでは「グレートギャッツビー」と「ライ麦畑でつかまえて」が一位と二位なんですけど、他の国のランキングでは上位にはでてきません。フランスではヨーロッパ出身の作家が上位を占めていて、みんな地元びいきなんでしょうね。ノルウェイのランキングでやっと日本人の作家がでていて、川端康成と紫式部がランクインしています。村上春樹あたりが出てきてもよさそうなものですけど、不思議ですね。

で、この雑誌で一番気に入ったのが、俵万智による「考える短歌」というコーナー。一般の人から投稿された短歌を俵万智が添削して掲載しています。元の歌も載っていて、こうすれば言葉が美しく聞こえるのかと、ビックリするぐらいうまくなっています。だから言葉っておもしろいんですよねぇ。このコーナーが単行本化されれば絶対買うのになぁ。

先日読んだ、清水義範の本にも、若い頃に海外文学を読み漁っていた、という文章が載っていたんですけど、そういう経験があった人の物語力や文章力は違いますものねぇ。先日のコナン・ドイルの時に書いた記事じゃないですけど、海外作品も克服しなければいけないですねぇ。




考える人 2008年 05月号 [雑誌]
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書評/海外純文学



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2008年05月05日

競作 五十円玉二十枚の謎-若竹七海他

「競作五十円玉二十枚の謎」若竹七海ほか

競作五十円玉二十枚の謎こんばんは。近くの公園で女の子三人が繰り返し繰り返しかけっこをしていました。20メートルぐらいだったかな。なんどもなんども同じところをいったりきたりしながら。誰が一番早いっていうこともなかったんですけど、どの子もまっすぐ前をむいてそれはもう一生懸命に走っていました。もしかしたら初恋の男の子を誰のものにするかって争っていたのかもしれないですね。この競争で勝った人があの男の子を奪って、他の二人はだまってそれを祝福する。そんな約束事があったのかもしれませんね。

そんな風にどんぐりの背くらべのような「競作 五十円玉の二十枚の謎」です。ドングリの背比べっていったらプロの作家さんに失礼でしたね。訂正してお詫び申し上げます。

出題者が若竹七海。それに回答するのがプロの作家7人。雑誌で募集して応募してきた素人6人です。プロの作家さん、もっとがんばれー。素人の方がよっぽどおもしろかったぞー。

問題はこうです。若竹七海は学生時代に本屋さんでアルバイトをしていました。そこにある日、どこにでもいるようなうだつのあがらない中年のおじさんが五十円玉二十枚を持ってやってきます。レジにいる若竹七海に千円札に両替をするようにお願いをします。そんな注文なかなかない若竹七海はとまどいながらも千円札を渡します。中年の男はそれをひったくるように急いでお店をでていきます。それから毎週のようにその男はやってきて両替を頼みます。毎回五十円玉二十枚をもって。

1. この男はなんのために毎週五十円玉二十枚を両替するのか。
2. そもそも、この男は買い物をしてお釣りでもらったとしても毎回1枚しかもらえない五十円玉を毎週二十枚もどうして集めることができたのか。

この問題に作家さんが答えるわけですが、似たり寄ったりの答えが多かったりしていますね。男は大道芸人で集まった五十円玉を両替するのだとか、昭和何年製の五十円玉が欲しいから集めては両替を繰り返しているんだとか、五十円玉を使って模型をつくっていたのだけれどよんどころない事情でその五十円玉を使いやすいように千円札に換えているんだとかね。

そのなかでもなかなかおもしろかったのは笠原卓と阿部陽一の作品でした。笠原さんのは上にあげた一つを回答として使っているんですけど、それでもほろりとくるラストでした。阿部さんのはそれすらも全然つかっていない、ミステリ風にまとまっていてそうだったのかぁって思わせてくれました。まぁなんにしろそこら辺の人をみて、なんでそんなことをしているのか理由を考えろってのも難しい話ですよね。

冒頭のかけっこをしていた三人組だって初恋の人を争っていたわけではなくて、50往復ぐらいすると黒魔術の魔法が発動するそんな理由だったかもしれないですしね。もしくは地中のもぐらと競争していたとか。これのほうが女の子としてはほのぼのとしていていいかもしれないですね。




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2008年05月04日

世にも奇妙な物語 小説の特別編 遺留品-勝栄 中村樹基 橋部敦子 山内健司

「世にも奇妙な物語-小説の特別編 遺留品」 勝栄 中村樹基 橋部敦子 山内健司

世にも奇妙な物語-小説の特別編 遺留品こんばんは。先日の映画の日に見てきましたよ。「死神の精度」(小説の感想はこちら)。もう公開終了間近で東京でやっている劇場は二つだけという遅ればせながらの鑑賞でしたけど、見に行ってよかったぁ。仕事帰りに8時半の回をみるのは次の日を考えると少し憂鬱になってしまいましたけど、終わったときには涙を流していましたよ。金城武は続編を期待しているようなので、つくって欲しいですね。といっても、小西真奈美はもうでてこないんでしょうけどね。それじゃあつまらない!なんてわがままですかね。

でもこの映画、主演は小西真奈美ってことになっていると思うんですけど、映画の中の存在感で言えば富司純子が主役だったんでしょうね。もう63歳とは思えない姿勢の良さと肌のきれいさ。彼女がアップになるたんびにため息がでてしまいました。こんな歳の取り方をする女性とずっと一緒にいられたら、10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代とどの歳になっても変わっていく女性の良さを全部手に入れられるんですものね。

というわけで今日の作品です。「世にも奇妙な物語」です。原作を集めたのかとおもいきや、ノベライズもあるみたいですね。そういえば先日テレビでやっていましたね。「世にも奇妙な物語」。スマップ特集かなんだか知らないけど、スマップのメンバーがでていましたね。でも、この番組、そんな人気者に頼らなくても十分視聴率の取れるドラマだと思うんですけどね。深夜にやっていたのはもう十何年前になるんでしょうかね。この番組からでた監督さんはいっぱいいますものね。たしか岩井俊二もいくつかつくっていたはずだし、映画「死神の精度」で長編映画のデビューをした筧昌也の「美女缶」という作品も放映された気がします。スマップなんてでてきたら見なくなる、僕みたいなひねくれものが多いと思うんですけど、どうでしょうかね。

4編の短編が収録されているんですけど、どれも世にも奇妙な物語のテイストがでていて、楽しかったです。お笑いあり、サスペンスありって感じですね。

夜汽車で弁当を食べ続けるって作品があるんですけど、これに原作があったのが一番の驚きでした。泉昌之の「かっこいいスキヤキ」に収録されている"夜行"という作品ですって。こんなのどういう小説だったんだろうか、って気になり始めています。その小説の世界を知るためにも夜汽車にのって弁当を食べなければ。そうだ京都にいこう。ってどうですかねぇ。どうせ向こうについたら寂しくなってとんぼ返りしちゃうんでしょうね。(´(・)`)クマッタナー




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2008年03月30日

犬の話-角川書店編

「犬の話」 角川書店編

犬の話こんにちは。うちには14歳になるミニチュアダックスフンドのボビー君がいるんですけど、この犬がもうぼけはじめたのか、耳は遠くなったし、目もあまりみえないようです。僕が名前を呼んでも無視します。外に自由に出入りできるようにはなっているんですけど、雨の日なんかは外にでるのが億劫なのかそこらじゅうにおしっこをひっかけてしまいます。しかも、それを見つけたときはじっとこっちを見て「なんか文句ある?!」っていう目をしています。バカにされているのかしらね。

うちには他に二匹の大型犬と中型犬がいたんですけど、もう彼らは亡くなっています。がさつで、そこらじゅうに体をぶつけながら愛らしい目を向けてしっぽをちぎれるぐらいに振って迎えにくるバロンちゃん。すっごい臆病で弱虫だけど、とっても賢くて自分がリーダーだって顔をしているけど、けんかでは体の大きさが違いすぎてバロンにかなわなくなってしまって、それでも孤高のリーダーのようにふるまっていた九太。kbbって僕の名前はそいつらの頭文字をとってできているのでした。

犬をみると思わず近寄っていってなでてしまうkbbさんですが、それを連れている美人の飼い主さんに思わず見とれてしまい、犬好きなんだか女好きなんだかわからないですよね。

そんな犬好きからにおすすめの作品が「犬の話」です。小川洋子や江國香織、椎名誠や遠藤周作なんて豪華な作家たち20人が犬にまつわる、エッセイやお話を書き連ねています。ここに川上弘美がいればパーフェクトなんだけどと思いつつ、いろんな方の犬に対する思いを垣間見た気がします。突然、(関係者以外の立ち入りが禁止されている)母校で犬を散歩させているなんていう告白があったりといろんなびっくりがありましたけど、全般的に楽しめました。

一つ気付いたのが、犬とともに旅にでる話がおおいなってこと。なんでと言えないですけど、犬と旅するお話は多いけど、猫と旅する話って少ない気がしませんか?猫はどこか常に旅をしていて、どこかに帰るところを確保している、犬は常に誰かに寄り添っていて、今いる場所が帰る場所ってイメージがあるのですけど、旅のお話になるとやっぱり犬って気がしますね。猫の一人旅は人間のお話にはなかなか入り込めないんでしょうかね。

犬好きに悪い人はいないってことで、いい人ぶりをアピールしてみたんですけど、これでkbbさんもモテモテですかね。ってここまで書いてイイヒトはもてないことを思い出しました。またまた作戦失敗ですねぇ。ザンネン。




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2008年03月08日

ウフ2007年4月号

「ウフ 2007年4月号」 雑誌

ウフ2007年4月号おはようございます。花粉症だと思っていたら風邪をひいていたみたいです。昨日も飲み会で敏感でナイーブだから花粉症になっちゃうんだよ、なんて説明をしていたのに、風邪だったなんてみんなに知られたらただのアホっていわれちゃいますね。どうりでお酒がおいしくなかったわけです。

さてさて、今日は体調もわるいので前置きはこの辺にして、本が好き!からの献本の雑誌「ウフ」の第三弾です。今回も表紙が宮崎あおいで癒されます。こんな子が「大丈夫?」なんてやさしくいいながら額と額をくっつけて熱を計ってくれたら、風邪なんてどうでもよくなったからデートに行こう!なんていっちゃうんですけどねぇ。

まぁそれはさておき、今月号(といっても去年の4月のお話しですが・・・)から井上荒野の連載小説がはじまりました。こういうのがはじまってしまうと、読まないとっておもっちゃいますよね。というか、お話し自体がこれからどうなった行くのだろうかって感じで次号乞うご期待って感じでおわっています。最近いろいろなところで目にする井上荒野ですが、はじめて読んだ彼女の文章ですが、入り口はなんだか明るいところから暗いところを覗き込んでいるようで、中がまったく見えずおそるおそる入っていくと、ちょっと開けた場所にでて少し休んでいると細い道を発見したというところでしょうか。って読んでいない人にはさっぱりわからない比喩でしたね。

まぁ週末は少しおとなしくしておくことにします。本がいっぱい読めるといいのだけれど。では、みなさんも体におきをつけて。




ウフ.2007年4月号
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2008年03月06日

ウフ2007年3月号

「ウフ 2007年3月号」 雑誌

ウフ2007年3月号こんばんは。ちょっと前の話しになりますが、日曜日の映画の日に、映画をみてきました。

朝から「陰日向に咲く」を観に行くことを決めていて、昼過ぎに家をでてもう長いことやっているからすいているだろうってことで、ぎりぎりについたら満席。携帯でそのあとの時間にやっているところを探してぎりぎりについたらまた満席、なんてことを繰り返して映画館をはしごしてやっと四軒目の西新井のシネコンでみることができました。その前の回も満席で今回も満席だろうとおもったら、ガラガラで四軒もまわった意味はなんだったんだろうって悲しくなりました。もしかして昼から観る人は多いけど、夕方から観る人が少なくなるのが映画の日なんですか?

一通り感動したあとで、テレビで「それでも、僕はやっていない」をテレビでやることを思い出し、急いで家に帰り自分の電車内での行為に思いをはせ、疑われたら申し開きができないなぁと反省する一日をすごしました。といっても決して痴漢なんてやらないですよー。痴漢をやる男なんて最低だと思っている一人ですから。

そんなわけで、映画「陰日向に咲く」で宮崎あおいとの衝撃的な出会いをしたわけですが、あの子は美人さんですね。過去の芸人さんの役のときの宮崎あおいなんて美人というか、輝きまくっていますね。あの子の笑顔はいい。というか笑顔を見せるタイミングをしっていますね。

そんな風に宮崎あおいに癒された一日だったわけですが、帰ってきて本が好き!から献本された「ウフ」の表紙をみるとなんだか知った顔があるっておもって、いろんなところをひっくり返してみると、表紙写真・モデル 宮崎あおいって書いてあって、おーい!って感じでした。

こんなところに宮崎あおいが!って感じで開いてみると、表紙裏の宮崎あおいのエッセイの存在理由がわかってみたりして、今回はまた違った角度でこのエッセイを読むことができました。

他にも新解さんネタで結構楽しませてくれた、鈴木マキコこと夏石鈴子の読み切り小説があって、この雑誌で初めて小説を読めまして。乳ガンの話しだったんですけど、女性の胸を切り取る時の気持ちってなかなか男には理解できないものですね。半身がなくなったような気分になるんだろうなって想像はできても、実感はできないですもの。

最近、宮崎あおいや沢尻エリカみたいな可愛い子との出会いがいっぱいあったわけですが、毎日地下鉄に乗っていても可愛い子は身近にいっぱいいるものですね。もっと目を見開いて周りをみてみないと、なんて思いつつ、鏡を見るときは目をつぶっているkbbでした。




ウフ.2007年3月号
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2008年02月28日

ウフ二月号-雑誌

「ウフ二月号」 雑誌

ウフどうも、こんばんは。

普段雑誌というものはほとんど買うことがなく、立ち読みは足がつかれるのがいやなので、R25ぐらしか読んでいないんですけど、本が好き!で「ウフ」という文芸雑誌?を献本してくれるというので、申し込んでみました。

だいたいが小説は本で読みたいタチで連載小説を一ヶ月も待っているなんて我慢のきかない男なので買ったことはないのですけど、情報誌という観点でみたらなかなかおもしろいかもしれないですね。新刊案内があったり、書評があったり、もちろん小説だけでなく、エッセイも収録されているので、連載を途中から読むようなことをしないでも、十分読み応えのある雑誌でした。

まぁでも連載小説を途中から読むなんてことはしたくないので、小説のところは飛ばしてしまいましたけどね。

見開きのところで宮崎あおいのエッセイが載っていて、幼稚園のころに初めてバレンタインデーのチョコをあげた男の子に嫉妬してみたり、最初のページに、川上弘美「真鶴」の書評なんかがのっていて、プロの書評家はこういう書評を書くんだなぁなんて感心してみたり、素敵な出会いでした。

この後の号も献本をいただいているので、他の楽しみ方もさがしてみますね。




ウフ.2007年2月号
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2008年02月19日

七つの黒い夢-乙一 恩田陸 北村薫 誉田哲也 西澤保彦 桜坂洋 岩井志麻子

「七つの黒い夢」 乙一 恩田陸 北村薫 誉田哲也 西澤保彦 桜坂洋 岩井志麻子

七つの黒い夢 こんばんは。久しぶりに家で一人でワインを飲んでいます。どこに「久しぶり」がかかるかはご想像にお任せしますが、夢見心地です。このブログの最近の記事を読み返してみると、なんだか夢の話しが多いですね。今ふと思ったんですけど、夢をよく覚えているって事は、深い眠りにつけてないってことですね。通りで最近体が疲れるわけですね。どっかに隣で気持ちよく、ぐっすりと寝かせてくれる、かわいらしい女性はいないものかしら。

なんてつまらないこと言ってないで、本日の作品を。乙一や恩田陸、北村薫、岩井志麻子なんて豪華な作家陣によるアンソロジー「七つの黒い夢」です。タイトル通り、七人の作家による、夢のようなというか、怖いというか、現実にはない世界がうまく描かれています。

乙一の描く作品はうまくまとまっている感じだし、恩田陸は相変わらずきれいに描いているし、って感じでそれぞれの持ち味がうまくでていたような気がしたんですけど、この作品を読んで、誉田哲也、西澤保彦、桜坂洋に出会えたことが幸せなのかもしれないなぁ。こういう作家に出会えることがアンソロジーを読む最大の幸せなんですよね。

誉田哲也の作品では、初恋の人が実は天使だったとか(そんな奥行きのない話しではないから安心してくださいね。これ以上書くと、読んだ時の楽しみがなくなっちゃうので。。。)桜坂洋の作品では派遣された職場がスパムメールを制作する会社だったとか、むちゃくちゃなところから始まるんですけど、これがまた、きれいで、うまく、破綻なく物語ができていて、すんなりと入っていけました。

そういえば最近、迷惑メールを送り続けた男が逮捕されましたね。会社員の傍ら副業でやっていた気がしましたけど、三ヶ月ぐらいで2000万稼いだらしいですね。月に600万ですよ。迷惑メール送るだけでそんなにもらえるなんて、うらやましい限りです。というか、2000万ものお金の何倍もを迷惑メールを見た人が払っていることに驚きですね。僕のところにも迷惑メールがいっぱいきて困っていますけど、クリックしようかとまでは悩みますけど、お金を払う気にはどうしてもなれないですものね。もしかしたら、お金を払う人たちは、あの想像力たくましいメールの文面を考え出したことに対して尊敬を抱いてそれに対する対価としてお金を払う、わけないですね・・・。

まぁこのブログもわけのわからないことを書いている点で迷惑メールと似ているのかもしれませんけど、無理矢理送りつけていないから許してもらえますよね?




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2008年02月07日

死ぬまでにしたい10のこと-齋藤薫 角田光代 MAYA MAXX 横森理香 倉田真由美 八塩圭子 酒井順子 しまおまほ 谷村志穂 室井佑月

「死ぬまでにしたい10のこと」 齋藤薫 角田光代 MAYA MAXX 横森理香 倉田真由美 八塩圭子 酒井順子 しまおまほ 谷村志穂 室井佑月

死ぬまでにしたい10のことおはようございます。昔つきあっていた子に素敵なことばをかけられました。いい声してるね、とかそんな感じで。あんなに嫌われてしまったのに、どうして?って問いかけたところで目が覚めました。目が覚めて、その声が寝るときにつけっぱなしにしたテレビから流れてきたことに気付いた。かわいい女の子がそんな感じの言葉をしゃべっていた。テレビから聞こえてきた声で夢をみていたことに気付いて、こんなくだらないテレビにあんな素敵な夢を見せられたこととか、その夢にあの子がでてきたこととか。腹がたったらそれっきり眠れなくなってしまった。というわけでブログでも書こうかと(笑)

むかしむかし、「死ぬまでにしたい10のこと」って映画がありました。みたことはないけど。。。

その映画に触発されて書かれたのが本書「死ぬまでにしたい10のこと」です。八人の女性が自分が死ぬまでにしたい10のことを書いています。

死ぬまでにしたいことって、今までしたくてできなかったことや、行きたくて行けなかったところがでてくるのかしら、人によっては犯罪なんてこともでてくるかもしれない、なんて思っていたんですけど、八人も並ぶといろんな考え方があるんだなぁってなんだか楽しかったです。

10も思い付かないなんて毎日が幸せなのか、強がってるのかって人もいるんですけど、シングルの人は人間関係も含めて、身辺の整理をしておきたいってのがあがり、子どものいる人はその子のことしか考えられないらしく、娘とベリーダンスを踊りたいとか、息子とディズニーランドに一泊するとか、そんなん今からやってこい、って言いたいけれどこれが親心なのかしらねってやさしい気持ちになれる本でしたね。

でも、ほとんどの人があげているのが、好きな人嫌いな人含めて知り合い全員に手紙なり、言葉を吹き込んだテープなりを残したいっていうこと。言葉を残された、ほんのちょっとしか知らない人はどうなっちゃうんでしょうね。そんな言葉を残されてしまったら、ふとしたきっかけでその人のことを思い出すことが多くなっちゃうでしょうね。そんなことを人に強制するの、いやだなぁ。どうせ死ぬならひっそりと、ひっそりと死んでいきたい。それで好きな人にだけ、あいつあんなやつだったね、なんてお酒を飲みながら思い出してもらえればそれでいいなぁなんて思っています。

この本を読みながらブログに10個列挙するために、いろいろ考えていたんですけど。ぜんぜん思い付かなかった。むしろ10個に絞ることができなかった。でも、二つだけ絶対にしたいことがあったな。

一つは、本を整理すること。うちの家族は本なんて邪魔で場所をとるだけとしか思っていないので、遺しても邪険に扱われてしまいそう。だから、友人達をうちに読んで、好きな本を持っていってもらう。それでも余った本はどこかの図書館に寄贈したい。いらないって言われたらどこかの古本屋さんにもっていって、引き取ってもらう。とにかく流通させたいな。ここで眠らされていたら本たちがかわいそうだから。

もう一つは、好きな人のしたいって言うこと、して欲しいって言うことをなんでも叶えてあげたい。いろいろ迷惑をかけているから。

そういえば秋元康の長編小説が映画化された「象の背中」ってやつも死期が迫っている人が過去を辿っていくお話しでしたっけ?なんだかむりやり泣かされそうでいやだから象の背中は観ないですけど、「死ぬまでにしたい10のこと」って映画は主人公のアンが10個なにをあげたか知りたいなって、この本を読んで観たくなりました。この本はそういう意味で十分役割を果たしたってことなんでしょうね。



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2008年01月19日

ミステリー傑作選・特別編5 自選ショート・ミステリー-赤川次郎他16人

「ミステリー傑作選・特別編5 自選ショート・ミステリー」 赤川次郎他16人

ミステリー傑作選・特別編5 自選ショート・ミステリーこんばんは。会社で歓迎会をやってもらいました。結構飲んだんですけど、そのうち26歳の同僚の目がすわってきて、ひとしきり演説をはじめました。彼の言いたいことはよくわかるんですけど、他の同僚の個人的な事情を省みないその発言にだんだん我慢できなくなってしまいました。自分もその歳にはあんな話し方をしたのかしらと、ちょっと省みてしまったんですけど、そんな酔っぱらい相手に腹をたてて理屈でもって説き伏せてしまう自分のほうがまだまだ子どもだったんでしょうかね。


まぁ、こんな感じであいもかわらず悩んでいるようで、またまたアンソロジーを手にとってしまいました。今回は17人のミステリー作家が自ら選んだショートショートを集めたアンソロジーです。

目次をみると、"遺伝子チップ"や"盗聴"なんていう魅力的なタイトルの作品がならんでいて、読む前から興奮しながら本をめくっていきました。

やっぱり赤川次郎はうまいですね。なんの疑問ももたずに、世界にはいっていけるし、うまく裏切られるのがとっても気持ちよかったです。よくできたストーリーがなんだかテレビのシナリオのようでした。

他にも阿刀田高や北村薫なんかがとってもうまかったですね。北方謙三の作品は相変わらずナルシストの男性が不倫をしているお話しでしたけどね(笑)

それにしても、ミステリーがショートショートでかかれると、作品に入り込む前に物語が終わってしまうし、作りこまれれば作りこまれるほど、結末があっけなかったりして、おもしろさが半減してしまいますね。
きっと人生はショートショートで語れるほど短くはないってことなのかもしれないですね。ショートショートはしばらくおやすみしようっと。って言ってまた手に取っちゃうんですけどね。ごめんなさい(笑)



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2007年12月05日

見知らぬ私-綾辻行人 鎌田敏夫 鷺沢萌 篠田節子 清水義範 高橋克彦 松本侑子 森真沙子

「見知らぬ私」 綾辻行人 鎌田敏夫 鷺沢萌 篠田節子 清水義範 高橋克彦 松本侑子 森真沙子

見知らぬ私こんばんは。先日の記事にアンソロジーばっかり読んでいて迷ってばかりの大人になっていると書いたばっかりですが、またまたアンソロジーです。短篇好きで飽きっぽい私にはちょうどいいんでしょうね。アンソロジーの棚をよく見ている自分がいますもの。

今回のはホラーのアンソロジーということで、「私」がテーマとなっています。
鎌田敏夫の"会いたい"にこんなセリフがありました。

「人は、つらいことを忘れないと、生きていけないもの。」

そうだと思うのですけど、つらいことばっかり、頭に残っていて嬉しかったこと、楽しかったこと、幸せだったことの記憶の方がどんどん忘れられていくんですよねぇ。どうやったら幸せになれるのか、わすれちゃいました(笑)

鷺沢萌の作品はだんだんと真相が分かって来るという点では面白いのですけど、描き方が独特な点で怖さがあまりでてこなかったですね。

綾辻行人の作品は直接的に怖さを生む文章になっていて、一人で夜中に読んでいてしばらくトイレに行けなくなっちゃいましたよ。何を言っているんだおじさんが!という発言は禁止ですからそのつもりでおねがいしまーす。

人の前で自分のことをひた隠しにひた隠し、猫はおろか犬までもかぶっている私ですが、怖がりでお化け屋敷にも入れないのに本棚を見渡してみると鈴木光司のリング、らせんシリーズは全部読んでいるし、小林泰三も結構好きですし、角川ホラー文庫がちらほらあったりと隠された私は本棚にいるのかもしれませんね。その人の本棚って結構真実をついてたりしてますものねぇ。私の場合はジャンルがとりとめもなく、いつまでも迷いが消えないってコトでしょうね。
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2007年12月03日

Teen Age-角田光代 瀬尾まいこ 藤野千夜 椰月美智子 野中ともそ 島本理生 川上弘美

「Teen Age」 角田光代 瀬尾まいこ 藤野千夜 椰月美智子 野中ともそ 島本理生 川上弘美 

Teen Ageこんばんは。誕生日に役満を振り込むという素敵な経験をしたkbbです。

またまた、POPの素敵な吉祥寺のお店で本を買ってきました。お目当ての本があったわけでなく、売り場を一周して、なかなか面白そうな本を見つけられなかったのですが、階段脇に川上弘美の名前を見つけてこれだ!ってことで買ったのが今回の「Teen Age」です。

川上弘美やら角田光代やら瀬尾まいこやら、売れっ子の作家さんが多くてなかなか贅沢な作品集です。友人との待ち合わせの間に一編が読み終われるぐらい短いのばかりで物足りなくはあるのですが、ひさしぶりの川上弘美に大満足です。

ただ、十代の一瞬がテーマのようで、30間近のおじさんには少し甘酸っぱすぎてあの頃の思い出しくないものまで出て来ちゃって読みながら辛い気持ちになった瞬間もあったのですけどね。

で、この作品集を読んでいても、瀬尾まいこの

「うまくやれるようにって調べたのに、逆に知ってしまったら、なんか余計にだめなんだよね。」

という言葉や、野中ともその

「にんげんて簡単なことで、幸せになれるんだ。」

というセリフに、なるほどという言葉よりかは、そうなんだよなぁという言葉しか出てこないなんて、自分が大人になったのか、生意気になったのかよくわからなくなりますね。

というわけで、歳をとってもアンソロジーばっかり読んでいる私は相変わらず迷ってばっかりってことなんでしょうかね。
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2007年11月30日

中吊り小説-吉本ばなな 他18名

「中吊り小説」 吉本ばなな 他18名 

中吊り小説おはようございます。友達が東京から愛媛の実家に帰るのに、冷蔵庫やら電子レンジやらもらってきたのですが、部屋に入り切らなくて困っています。本棚をいくつか整理しないと、冷蔵庫をおくスペースを確保できないことが判明し、だけれども本を片づける場所がなく、物理的に不可能なのではないかと思い始めてきました。うまく押入をつかえればなんとかなるのではないかと思っているのですが、大仕事になりそうですね。

そんな部屋のようにたくさんのものが詰まっているアンソロジー「中吊り小説」です。

吉本ばなな他赤川次郎、森瑤子、曽野綾子、阿刀田高、椎名誠などなどいろーんなタイプの人が書いていて楽しめました。もともとはJR東日本の企画で車内の中吊り広告に小説を載せたもののようで、電車をテーマに書いている人もいるのですが、まったく電車にふれることもなく小説を終わらせている人もいて、そんな事情を考えるとなんとも想像がふくらみますね。

一編が10ページぐらいのものばかりで、飽きっぽい僕には十分な長さで、吉本ばななの描く新婚さんにぐっときてしまったり、村松友視の働かない働きアリと働く働きアリのエピソードに自分はどっちかなんてぐっと考え込んでしまったり、森瑤子の描くカップルのけんかと仲直りの仕方をうらやんでみたり、秋元康の夢オチよりももっとひどい終わりかたに憤ってみたりと、様々な感情を開かされしまいました。

で、阿刀田高の"別れの朝"に描かれている、二人のカップル。ちょっとした行き違いで結局だめになってしまう二人なのですが、彼の思いこみがひどすぎる。二十五歳を過ぎれば女はみんな演技上手になる、だから彼女も作っているのだろう、なんてことを思っているからこその行き違いが生まれるのですが、そこをベースに彼女のことを考えるような男はどんな女性ともつきあえなんじゃない!?なんてつっこみをいれながら読んでいました。

人前で猫をかぶるくらい日常の茶飯事だ、なんて言っているけど、男だって女だって多かれ少なかれ、誰の前であっても、自分をつくっているのではないかしら、なんて思っちゃいました。まぁ、この子は僕の前とあの人の前では全然ちがう態度なんだろうなぁって子はたまにいますけどね。みんながみんなそうじゃないし、ぎゃくにどうやって男の前で振る舞えばいい?なんて質問をされて、うまく答えられない自分もいるのですけれどね。

最近一緒に飲みに行く女の子(って年でもないけど)がみんな二十五歳を過ぎているので、作品の中に二十五歳ぐらいの女性が描かれていると注目して読んでしまうのですけど、こうなんていうか、すばらしい女性になかなかめぐり会えないんですよねぇ。もう少し大人の女性ならツキコさんがいるのだけれど、それよりも少し下ぐらいのすばらしい女性のでている小説ってなんかないですかね?

まぁそうやって小説の中で口説き方を勉強しようとしている時点でだめだってことはよーくわかっているのですけれど(笑)
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2007年11月10日

パスカルへの道 第1回パスカル短篇文学新人賞-筒井康隆 井上ひさし 小林恭二選

「パスカルへの道 第1回パスカル短篇文学新人賞」 筒井康隆 井上ひさし 小林恭二選 

画像はないけどアマゾンに飛ぶよおはようございます。ってもうこんな時間ですが、香港から帰ってきて、さっそく風邪をひいてしまったようです。のどが痛くて痛くてしょうがないです。熱もあるし。SARSの流行にやっとのったのでしょうか。そうだとしたら大変なことになるけれど・・・。

香港は初めてでしたけど、おもしろいところですね、あそこは。食べ物から人種、文化までいろいろなものが混じり合って、でもそれぞれがちゃんと存在感があるんですよね。通りを一本はいるとまったく別の文化、匂いがしてきて、それにふらふらとひきよせられていくんです。そうやって短い時間がどんどん経っていくような、そんな旅でした。まぁ特に目的がある旅だったわけでもなく、深セン(中国)にも行けたし、マカオで朝までカジノに興じたりできたので、大満足です。沢木耕太朗と同じように大小にはまってきましたよ。ディーラーとの駆け引きに頭を悩ましてみたり、のりにのって5回ぐらい連続で当ててるおばあちゃんに乗ってみたら、そのゲームだけはずしたり。おもわず「なんで」って声がでちゃいました。

今回の旅には、沢木耕太朗の「深夜特急1」の他に「パスカルへの道」ももっていきました。そう、あの川上弘美が新人賞をとった投稿から選考まですべてをパソコン通信上で行う文学賞、パスカル短篇文学新人賞の優秀作品と選考過程を収録した文庫です。絶版になっているようでブックオフで見つけたとき、おおってうれしくなっちゃいました。

川上弘美の「神様」ももちろん収録されているんですけど、他にも21編の作品が収録されています。原稿用紙20枚以内という短篇作品ばかりなので、僕好みの作品集になっていますね。玉石混合というか、
香港という土地のように様々なものが混じり合っているように、それぞれに主張があり、いい作品集になっているように思います。

他の作品と比べてみると「神様」は完成度といい、文章といい、段違いにいいですね。この作品集には選考の様子が一つ一つ書いてあるのですけど、この作品に対してはわりあいあっさりと大賞候補として残されています。さすが川上弘美ですね。でも、この作品集の中にはいっちゃうと最初に読んだときの感動というかうれしさは感じられなかったんですよね。他の作品との文脈の違いなんでしょうね。大切なんですね、文脈って。

で、選考過程がしっかり載っている、この作品集ですが、井上ひさしの意見にはまぁまぁ賛成できるところがあったんですが、筒井康隆と小林恭二が推す作品の良さがまったく分からない自分がいました。ただの読みにくい文章に対して緊張感がよかったとか、わけのわからない終わり方にカタルシスがある、とかって言われてそうかぁ!?なんて突っ込んだりして。

本を読むってのは難しいことなんだなぁって再確認してみました。まぁ結局面白ければいいじゃん、なんておもいますけどね。

結局この文学賞はインターネットの普及とともになくなってしまったようですが、川上弘美という作家を生み出したという点で歴史に残っていくんでしょうね。なにごとにも存在意義というものはあるようです。今回の香港旅行が自分の中でどうやって残っていくか、どうやって残していくか自分の中で楽しみです。

ではではー。
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2007年10月11日

I LOVE YOU-アンソロジー

「I LOVE YOU」 伊坂幸太郎 石田衣良 市川拓司 中田永一 中村航 本多孝好

I LOVE YOUこんばんはー。

先日友人が一年半ぶりにアフリカから東京に帰ってきて、一ヶ月滞在して、またアフリカへ帰っていきました。彼を成田空港まで送っていったときに空港の本屋さんで買った小説がこれです。別に空港までいって本屋さんを覗く必要は無かったんですけど、なんとなく覗いていたらしばらく前から本屋さんで目に付いていたこの作品集が売っていたので思わず買ってしまいました。こういう風に手に入れた本だときっと目にしたときに毎回この空港の想い出が思い出されることでしょうね。

この本屋さんで思ったこと。それはあまりにもエロ本が多すぎるってことですね。日本に帰ってきて真っ先に読みたいのが女性の裸ってことなのかしら。このことを友人に話すと、海外へのおみやげに日本人の女の子のでてるエロ本が喜ばれるかららしいですよ。海外の駐在員さんや外国人が喜ぶらしいです。なるほどって思わず膝をうってしまいましたよ。

そんな、札幌出身のアフリカに行く彼には大崎善生の「別れの後の静かな午後」を飛行機の中で読めるようにプレゼントしておきました。札幌の描写が細かくていいかなぁって思ったのだけれど、どうだったかしら。ただ、ほとんどの小説が編集者であったりとか、だいたいのお話しが別れちゃうことが話しのあらすじだったりして、できたばっかりの彼女を日本においていく彼には合わなかったかしらと見送った後に思い返したりしていました。でも、最後の短編のお話しがいい感じだったので、喜んで頂けているのではないかと勝手に思いこんでいます。

前置きが長くなってしまいました。この作品集ですが、石田衣良は相変わらず彼らしい作品を書いているし、伊坂幸太郎も伊坂幸太郎らしかったと思っています。(そんなに伊坂幸太郎作品を読んでいないけど。)

気に入ったのは中村航の"突き抜けろ"と本多孝好の"Sidewalk Talk"でしたね。どちらも初めて読んだ作家さんでしたけど、話しの始め方も運び方も終わらせ方もとっても好きな感じの小説でした。とくに"Sidewalk Talk"の小道具の使い方がよくある話しだけど、それを直球で投げられた感じで好感をもてました。

さてさて、アフリカに行った彼が帰ってくるのは半年後です。彼は彼なりに自分の人生を自分できっかり決めてそこにむかって邁進しています。マケルモンカ!

posted by kbb at 23:13 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2006年06月07日

あなたと、どこかへ。-アンソロジー

「あなたと、どこかへ。」 吉田修一 角田光代 石田衣良 甘糟りり子 林望 谷村志穂 片岡義男 川上弘美

あなたと、どこかへ今日やっと車の免許をとった。あの子には教習所に通っていたのは内緒だった。昨日の電話で僕は首尾よく彼女を誘い出すことに成功した。彼女とは出会ってまだ一ヶ月。まだそこまでの関係にはなっていないけれど、彼女も僕のことを悪くは思っていないはず。彼女の笑顔がまぶしくて、彼女の顔をじっくりと見ることがなかなかできないけれど、彼女の笑顔を見るためならなんでもしてあげたいなんて思っちゃうんだなぁ。

親父の車を借りだして彼女との待ち合わせの場所にむかう。彼女をびっくりさせたくて車でくるのを内緒にするためにわざわざ車を止めにくい駅で待ち合わせする。小走りでやってくる彼女に軽く手を振る。車の鍵はまだポケットの中だ。相変わらずのまぶしい笑顔で「どこに行くの?」という彼女を無視して、駅とは反対の方に歩き出す。ちょっとためらった末に何も言わない僕に早足でついてくる彼女。

「ん?いつ免許とったの?」という彼女の質問に、短く
「今日」と答える。

ちょっとびっくりした彼女に
「ドライブしようよ」という僕。

彼女はいつものように困った笑顔を浮かべながらこわごわとうなずく。「大丈夫」と自分と彼女に言い聞かせながらエンジンをかける。アクセルを軽くふかすとなかなかいい音がする。今日のデートはおれにまかせとけというかのように。

この日のために彼女が好きそうな音楽を編集したテープをかける。興味深そうにいろんなボタンを押していた彼女だったけど、車が走り出すとやっぱり緊張して助手席のシートに背筋を伸ばして深く座り直す。

急カーブで隣の車線に大型トレーラーがいて、ちょっと彼女を怖がらせてしまった。「キャーッ」なんて大きな声をだしている。ジェットコースターにでも乗っているかのように彼女は少しだけ顔を火照らせている。まずいなぁなんて思いつつも晴海埠頭にむかう。

免許をとったら最初に来ようと決めていた場所。海と船とレインボーブリッジと東京タワーが一つの画面の中に収まるこの素敵な場所。

なんて、初めてのドライブの時のことを思い出してしまいました。というのも、素敵な本を読んだせいですね。それにしても、今思えばこんなデートいやですねぇ。こわかっただろうな・・・。

日産のティアナという車のスペシャルサイトで連載?されていた短編小説を集めたアンソロジーです。いやぁ、執筆陣が豪華ですねぇ。さすがお金のあるところは違うなぁなんてうがった見方をしてしまいましたけど、さすがこれだけの作家をあつめるといいものができるなぁなんて感じです。

この作品集のテーマはドライブです。8人の作家がドライブをテーマにそれぞれの個性的な文章を描いています。一人のドライブや、恋人とのデート、若い夫婦や何年も連れ添った夫婦などなど、様々な人間関係を運ぶ車内をうまく描いています。ほろっとさせられたり、わくわくさせられたり、ハッとさせられたり、なかなか感情の動きが激しくなってしまいました。角田光代も石田衣良も甘糟りり子も谷村志穂も林望も片岡義男も川上弘美もどれもよかった。でも、なんといってもこの作品集の中では吉田修一がダントツによかったです。

吉田修一の作品で初めて手に取ったのは「パークライフ」。そのときは、こんなもんかぁなんて思ってしまいましたけど、一気に評価を変えてしまいました。すぐにでも彼の別の作品を読んでみなくっちゃって思っちゃいましたよ。

時間の捉え方がなんだか違う夫婦。「焦っても一分。のんびりしてても一分は一分なのよ。」という妻ののんびりとしたところにいらいらしたり、ついていけないなと思ってしまう。そして、妻のペースに合わせていると身が持たないと思い、自分のペースで休日を過ごすことを決める。かといって、二人の仲が悪いわけでもなく、なんとなくうまくいく。そしてある休日。毎週の恒例となっているドライブに彼女がついてくるという。その車内で彼女の口から出た言葉は・・・。

なんてお話なんですけどね。誰かとつきあうってこういうことだったなぁなんて思わせてくれるお話でした。自分とペースの違う人間と一緒にいて、それにいらいらしたり、でもそのペースがある瞬間にぴったりと重なったときに一人のときよりも喜びや悲しみが倍増する。そんなこと忘れていましたよ。

この作品、最後は「ふふふ」なんて思わず笑みがこぼれちゃうようなお話でしたよ。彼女の口からでる言葉はなんなんでしょうね。ヒントは「天秤座」らしいですよ。

なんだかドライブに行きたくなってきました。次のお休みはあの子を誘って海でも見に行ってこようかしらなんて思っているのですけど、車も行き先もあるのに、あの子がいない僕はどうすればいいんでしょうかね。

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2006年04月06日

やっぱりミステリーが好き-雨の会編

「やっぱりミステリーが好き」 雨の会編:井上夢人 大沢在昌 折原一 坂本光一 高橋克彦 新津きよみ 東野圭吾 矢島誠 

やっぱりミステリーが好きおはようございます。昨日は冷たい雨がずっと降っていましたね。久しぶりに渋谷に行き、駅の二階からハチ公前のスクランブル交差点を眺めていたのですけど、傘の花がとても美しくて見とれてしまいました。

さて、なんでこんな名前なのかわからない「雨の会」というミステリー作家が集まった会が編集した「やっぱりミステリーが好き」という本を読みました。大沢在晶や井上夢人(岡嶋二人の片割れです)、東野圭吾といったそうそうたる顔ぶれです。

実は東野圭吾の短編が読みたくてみつけた本だったのですけど、なかなかおもしろいですね、彼の作品は。他の人と比べられたからよりいっそうそう思ったのかもしれないけど、なんだか視点というか味が違う気がしてなかなか楽しめましたよ。

井上夢人のはトリックというかタネがちょっとわかりづらかったってのが正直な気持ちです。結末はなかなか楽しめたんですけどね。大沢在晶はちょっとハードボイルドすぎて苦笑してしまいましたし・・・。

ミステリーがどんな種類の作品をさすのかはよくわからないけれど、もしこの本に載っているのが代表的なミステリーと言われる種類のものだとしたら、ぼくは「やっぱり」ミステリーは好きになれないなってのが読み終わったあとの本音です。(ミステリーをバカにしているわけでも、サゲずんでいるわけでもありません。ただの個人的好みなのでご容赦ください。)

国会図書館にある本だけで百万冊を越えているのに、50で死ぬとして一日一冊読んだとして一年間に360冊ぐらい。あと30年あるとしても、一万冊しか読めないとしたら、こういう種類の作品ではないものを手に取りたいなって思ってしまいました。ほかに読む本がなくて、そばにあったら手に取ると思いますけどね。といっても手元に有栖川有栖の「海のある奈良に死す」というミステリーっぽい作品(よくよく考えてみるとこのタイトル興味をそそられますね。上の発言をしたそばからまったく・・・(笑))も積まれていますし、友人に東野圭吾の「むかし僕が死んだ家」をすすめられているのですけどね。

それにしても、あと一万冊しか読めないんですね。なんだか具体的な数字がでてくると愕然としてしまいますね。それだけなんだって。もっともっと読みたい本がいっぱいあるのに・・・。





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2006年03月25日

十の恐怖

「十の恐怖」 常盤朱美 森真沙子 井上雅彦 五代ゆう 篠田真由美 飯野文彦 斎藤肇 小林泰三 朝松健 竹河聖 赤川次郎

十の恐怖おはようございます。このあいだ夢を見たんです。ネズミに命令されていて、あれをもってこい、これをもってこい、って言われているんです。最初なんだかこわいなぁって思って言うことを聞いていたんです。でもだんだん慣れてきて、実はすごい弱気なネズミだってことに気付いちゃって揚げパンもってこいって言われているのに茶色の靴を持っていったりしてね。それをそのネズミは喜んで、揚げパンだと思って受け取ってるのを見て逆に喜んでたりしてたんですよ。ネズミと人間の化かし合いって感じでしたね。

さてさて、ホラーアンソロジーの「十の恐怖」を読みましたよ。小林泰三とか赤川次郎とか読んだことのある人の作品とかも入っていて、たまには怖いのも読んでみよう、昼間読むのなら大丈夫だよなんて自分に言い聞かせて手に取ってみました。最初びくびくしながら読んでいたのに、あんまりこわくなかったのは冒頭の夢に似ている気がします。

十にまつわる恐怖の物語が十一収まっています。おしいですねぇ。欲張らずに十にまつわる十の物語にすればよかったのに、なんて思ってしまいました。文庫本になったときに一つ増えたのかしらなんて思ったのですけど、単行本の時から十一だったみたいですね。なんだかもったいない。

舞台はといえば、近未来あり、現代あり、歴史ものありといろいろと味わえますね。十一人中井上雅彦と斎藤肇の二人が、星新一ショートショートコンテストの入賞で作家になっているのですけど、ショートショートのうまい人はどんな小説を書いてもうまいなぁって再確認してしまいました。導入からキャラクターが良く描写してあって、ちゃんとラストで落としてくれるんですよね。この二つの作品を読めただけでもこのアンソロジーを手に取った価値があるかも。

五代ゆうの"十環子姫の首"には小さな生き物をこよなく愛して、邸じゅうに生き物がいるような生活をしている若君がでてきます。なんだか「虫愛づる姫君」みたいだなって思っていたのですけど、その若君の言葉がおもしろいなって思いました。

(心のない畜生は)嘘を知りません。ごまかすことをけっしてしません。餌をやるものにはなつき、蹴飛ばすものには牙をむきます。人はそうはいきません。

なんだかかわいそうですね。こう思っちゃうのって。だからこそ人間はおもしろいとも思うのですけどねぇ。うちのミニチュアダックスのボビー君なんてかわいくないですよ〜。だって僕の言うこと全然聞かないのですもの。それでいて、かまってほしいときだけ甘えてくるなんて。とっても人間らしいですよね。どっかの女の子みたいだ。まったく困ったものです。


ボビー
       ミニチュアダックスのボビー君
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2006年03月12日

贅沢な恋人たち

「贅沢な恋人たち」 村上龍 山田詠美 北方謙三 藤堂志津子 山川健一 森瑤子 村松友視 唯川恵

画像はないけどアマゾンに飛ぶよおはようございます。最近天気のいい日が増えてうれしいですね。暖かくなったらダイエットをはじめると宣言してしまったので、そろそろはじめないといけないとプレッシャーの中でびくびくしています。今日からはじめるぞ!なんてここでも宣言してしまった。というわけで一週間ぐらい飲みに誘わないようにしてくださいね。

さてさて、「贅沢な失恋」「贅沢な恋愛」に続く第三弾ともいえる「贅沢な恋人たち」です。出版社が違うので第三弾と言えるかどうかって感じですけど、著者もほとんど一緒で同じシリーズみたいなもんですよね。

このシリーズはなんだか安心して読めますよね。短編集だからってのもあるかもしれませんけどね。贅沢な失恋がレストラン、贅沢な恋愛が宝石でしたけど、今回はホテルがテーマです。実在のホテルが8つの短編にでてきて、いい宣伝になってますよね。

どれもこれもおもしろかったけど、唯川恵の描くお話ってのはどうしてこう誰も救われないお話なんでしょうね。それでほんとに幸せなのかい?って思わず聞いてみたくなってしまいましたよ。なんだか「しょうがないよ」って言葉がストーリーの底に流れているようでやりきれなくなってしまいますね。

森瑤子の"東京ステーションホテル"に素敵な男性のセリフがでてきました。クラス会にでた主婦、明子が当時全然気にもしなかった同級生と二次会、三次会と盛り上がり、帰りにホテルに誘われます。嫌なわけじゃないけどまだ気持ちの用意のできていなかった明子は「今夜は帰ります」と告げます。そこで男が言ったセリフ、

「僕とベッドに行きたくなったら、そのときは連絡してくれたまえ」

なんていうか、こう大人の余裕っていう感じの発言ですね。こんなシチュエーションになっても僕にはこんなかっこいい事言えません。絶対自分から電話してしまうだろうな。この男はそれから半年間まったく明子に連絡しません。明子はその夜以来その男のことが頭から離れることもなく、結局電話してしまいます。こういうセリフがすらっと言えるようになったら恋愛もうまくいくんだろうななんて感心してしまいました。でもこのセリフずるいよねぇ。

ホテル、というか旅館でしたけど、には一つだけいい想い出があります。昔、仕事をやめて大学受験のために一年間勉強していた時があるんですけど、ちょうどその一年間つきあっていた彼女がいて、全然遊んでやることもできず、彼女が目一杯気を使ってくれていたのもわかっていたんですけどどうすることもできませんでした。で、受験も終わり合格祝いと彼女への感謝の印にと知り合いのおばさんに頼んで鬼怒川のホテルに安く泊めてもらうことができました。安い部屋なんだろうなって期待しないで行ったらそのホテルの最上階にある貴賓室というところに通されて、内風呂もついてるし、バルコニーには庭もつくられているしってんでずいぶん贅沢な一晩を過ごした記憶があります。料理も部屋でゆっくりと頂きましたしね。あのときの彼女の喜んでくれた笑顔が僕にとって一番の合格祝いだった気がします。あんな夜をまたいつか過ごしてみたいなぁ。

それにしても、どうしてこの「贅沢な〜」シリーズはいわゆる不倫の関係が多いのでしょうかね。僕が思っている以上にそういう関係ってのはありふれていたりしているんでしょうかね。それとも不倫願望の人が多いってことなのかしらね。
posted by kbb at 05:18 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2006年02月20日

贅沢な恋愛

「贅沢な恋愛」 林真理子 北方謙三 藤堂志津子 村上龍 森瑤子 山川健一 山田詠美 村松友視 

贅沢な恋愛槇原敬之の「もう恋なんてしない」という曲にこういう歌詞があります。

君宛の郵便が ポストに届いてるうちは
片隅で迷っている 背中を思って心配だけど

さっき郵便受けを覗くと、5年前につきあってた彼女宛のカタログが届いていました。ほぼ住んでるんじゃないかってぐらいいたので、カタログなんかはうちの住所で登録していたようですけど、そんなカタログの一冊が今日届いていたのです。そのカタログの表紙を眺めながら彼女のあれやこれやを思い出していました。たまにはこういうの風に思い出すのもいいかななんて思ってね。その彼女からは前に、結婚しますって連絡をもらったので歌詞にあるようには心配はしていないのですけどね。幸せな結婚生活をしているといいなって思っています。

昨日の占いですけど、よくよく考えてみたら結果がわかるのはずっと先のことなんですよね。昨日は吉祥寺に飲みに行ってたくさんのかわいい女の子を見かけましたけどそのうちの誰かが・・・なんて自分を励ましてみることにします。

さてと、そんな素敵な恋愛をモチーフにしたアンソロジーの「贅沢な恋愛」を読みました。昨日の「贅沢な失恋」のテーマは失恋と食事でしたけど、今回のは恋愛と宝石がテーマです。八人の作家が八様の恋愛を描いてそれの中心であったり、さりげなくであったりアクセサリーが登場します。そこについている宝石は真珠であったりオパールであったり、またはプラチナだけのシンプルなアンクレットであったりします。正直言うと「贅沢な失恋」の方がお話としてはおもしろかったのですけど、今回のもなかなかうまくまとまっていましたね。

林真理子の"真珠の理由” という作品は一人の男をめぐって二人のまったく正反対の女性が争うというストーリーを気性の激しい方の女性の目を通して描いています。その女性と男性との出会いのシーンがなかなか素敵でした。あるパーティーで二人は出会うのですけど、最初から言い争いをしてしまいます。後日その日の話しをしたときに彼が彼女をそこで気に入った理由として、

途中で(言い争いを)やめなかったところが気に入った。

という描写がでてきます。「そうかしら」とか「そうはいっても」といって言葉を濁してうやむやに終わらせることがなかったのがいいと言うのですけど、こういう女性、僕も好きですね。思ったことを途中でやめるのなんて一緒にいる方もなんだかなぁって気持ちになってしまいますもの。こういう気性が激しく、自分の思っているところをちゃんと発言して、それを言った上でひけるところはちゃんとひける女性って素敵じゃないですか?なかなかそんな女性はいないですけどね。そんな女性に見合うような素敵な男性に僕もならないといけないですしね。

宝石と言えば、昔の素敵な思い出を思い出してしまいます。その子が7月生まれで誕生石がルビーということで、ルビーのついたピアスをプレゼントしました。本当にそれが本物のルビーだったかどうかはわからないけれど、とっても綺麗な赤色の石がついていました。まだそんなにお給料のよくなかった僕が結構奮発して買ったものなんですけどね。彼女は学校に行くときにそれを外して財布の中にしまって、下校の時に付け直すということをしていたようです。ある日、学校帰りに僕の家に来て悲しそうな顔をしています。顔を見たときに、今日はピアスしていないなって思っていたのですけど、どうしたのと聞くと片方のピアスを無くしてしまったと言って泣き出してしまいました。僕はそのとき、きっと悲しい顔をしていたのだと思います。彼女は怯えた顔をして、いつまでも僕の顔を見上げていました。
「しょうがないね」
といって、後日買い直してあげようと心に決めてその場は終わりました。それから毎日の様に会っていたのですけど、数日後彼女の耳に、無くしたはずのピアスとよく似たものがついていました。よく近づいて見なければわからないほど、それは似ていました。
「どうしたの?」
と聞くと彼女は
「似ているのを探してきて買って来ちゃった」
と言いました。そのときの僕の嬉しそうな顔を見て、見せてくれた誇らしげな笑顔とそのときの声はいまでもはっきりと思い出せますね。

なんてちょっと思い出にひたってしまいましたよ。ごめんなさい。

そうそう、この本の解説は鷺沢萌が書いているのですけど、収められているどの小説にも劣らない素敵な文章だったので、今度見つけたらこの人の本を買ってみようと思ってしまいましたとさ。


posted by kbb at 12:31 | 東京 ☁ | Comment(4) | TrackBack(0) | アンソロジー

2006年02月19日

贅沢な失恋

「贅沢な失恋」 林真理子 北方謙三 藤堂志津子 村上龍 森瑤子 山川健一 村松友視

贅沢な失恋今日の恋愛運は大吉らしくて、「とてもよい星まわりです。将来を伴にする相手とめぐり会えそうです。」と言われました。おはようございます、kbbです。それでちょっと今日一日を楽しみにしています。でも、昔TBSのカウントダウンTVの最後の占いで昔の彼女から連絡があるかもっていうのを見て一週間わくわくしてすごして、暇があれば携帯に目がいっちゃってたのですけど次の土曜日に落胆したことを思い出しました。さて吉とでるか凶とでるか、今日一日が楽しみですね。

手元に「贅沢な失恋」と「贅沢な恋愛」という二つの恋愛アンソロジーがあり、別れがあるから、新しい出会いがあるのだとの考え方通り、順番通り失恋の方から読んでみることにしました。

さすがにそうそうたる作家さんが書いているだけあって、どれもこれも面白かったですね。この「贅沢な失恋」。なにが贅沢なのかしらって思って手に取ったのですけど、別れ際が贅沢なんですね。素敵な料理を食べながらの別れ話が7つ収められています。雰囲気のよさそうな六本木のレストラン、じゅーじゅーと肉の焼ける音まで聞こえてきそうな焼肉屋さん、新鮮なネタが自慢の札幌ススキノのすしやさん、おいしい肉とワインがいただける代々木のステーキハウス、荻窪の住宅街の中にあるマスターのこだわりでいっぱいのレストランなど舞台は様々です。驚いたことにすべてのお店が実在のお店で、最後のページにはそれぞれのお店の連絡先なんかも載っています。一度足を運んでみたいところばっかりなのですけど、そこにいくと失恋するなんて、この本のおかげで思われたりしないのかしらって心配になってしまいました。

一番おもしろかったのは藤堂志津子の"やさしい言葉”というのでしたね。OLと年上の彼氏の話なんですけど、彼が好きでもないのにゲーム感覚で彼女と恋をしていることを知ってしまい、解約した定期預金が全部なくなるその日にススキノの寿司屋で別れ話をするというあらすじなんですけど、短編らしく最後にどんでん返しなんかもあったりして楽しめました。

北方謙三の"チーズに合うワイン"では男が二周りも年下の彼女の"女"を磨いていくのですけど、いい女になってきたと思ったら彼女が別の男といなくなってしまったというちょっとありえるストーリーがせつなくなりますね。彼は

女を磨き上げる方法はいろいろあるが、金をかけるのが一番安直で手間が省けた。


と言っていますが、これはどうなんでしょうかね。まぁ金をかけてあげられるほどお金を手にしたことがないのでなんとも言えないのですけど、こうやって磨かれた女ってのはすごくイヤな女になりそうですね。表面だけ磨かれて中身はくもりガラスのようにまったく心の見えない女になりそうでいやだな。まだまだ僕には女を磨くなんてどうやればいいのかわからないですね。若輩者ですから。

森瑤子の"わたしの大事な人だから"は男女の友情を描いたお話です。

一番大切な女とは恋愛しない。結婚もしない。


これはほんとにその通りだと思いますよ。そりゃ男だから、女友達とかと会ったときに、抱いたらどんな感じかなって想像したくなるときもあるけれど、恋愛してしまったら、もしそれが終わったときにその子との関係は二度と元に戻らなくなるのがこわいですものね。だから僕はつきあうときはその子と出会ってから初めのうちに、できれば4〜5回目のデートぐらいにはつきあうことにしてしまいたいのです。友達になってしまったら、その関係性を失うことのリスクを考えてしまってこわくなってしまうのです。なんてことを、最近友人と話していていたのを思い出しながら読んでいました。

明日は、新しい出会い編ということで「贅沢な恋愛」でも読もうと思います。


posted by kbb at 07:07 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(1) | アンソロジー

2006年02月12日

犬のミステリー

「犬のミステリー」 鮎川哲也編

犬のミステリーかわいい女の子がでてくる夢を二本立てで見ました。美女とバイク二人乗りしている夢と、美女と一緒に机を並べてスペイン語を習っている夢でした。でもね、二人とも彼氏持ちで、バイク二人乗りした方は妊娠3ヶ月って言ってました。しかもノーヘルで、昔よくかぶっていたオレンジ色のキャップを二人してかぶって。だれか夢判断できる人に僕の無意識の部分を聞いてみたいですね。

さてさて、本屋さんで棚をみていたらタイトルに「犬」とついた本を見つけて思わず買ってしまいました。そういえば犬好きのくせに犬がでてくる本をあんまり読んでいないなと思い立ちさっそく購入。鮎川哲也編集らしいのですけど、実はこの人しらないの。書いている作家さんも佐野洋以外は知らないのですよ。実は。どの人も有名な人なのかしらね。一応あげておくと、佐野洋、仁木悦子、香山滋、多岐川恭、椿みちこ、御手洗徹、竹村直伸、樹下太郎というラインナップです。

やっぱり佐野洋のものはおもしろかったですね。よく練りこまれていてすらっと読めました。他にも椿みちこの「赤い犬」とか竹村直伸の「タロの死」、御手洗徹の「野犬と女優」なんかもおもしろかったですね。

ただ1986年初版発行で初出が昭和30年代のが多いので、情景や表現がちょっと古くさかったりするのだけれど、それも写真がうまく色あせていくような感じでけっして不快に感じるようなこともなかったですね。タイトルに「犬のミステリー」ってあるように、どれもうまくストーリーが考えられているので、ちょっと疲れたときとかに手にとるといいかもって思いました。

でも、どれもこれも犬が死んでいっちゃうのが残念ですね。手にとったときには探偵のように犬が大事な手がかりをみつけてきて、それでミステリーが解き明かされるみたいなのを想像していたのですけど、その予想は大きく外れてしまいました。犬を伏線として扱ってるのが多かったですね。残念でなりません。どなたかそういった作品ご存じの方いらっしゃいませんか?



posted by kbb at 07:19 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2006年01月22日

逆転の瞬間-「オール読物」推理小説新人賞傑作選〈3〉

「逆転の瞬間 -「オール読物」推理小説新人賞傑作選〈3〉」 文藝春秋編

逆転の瞬間昨日は朝起きたら雪で真っ白でびっくりしてしまいましたね。受験生は大変だけれどがんばって。kbbです。おはようございます。雪がうれしくて家の前ではしゃぎまくってたんですけど、連れて出たうちのミニチュアダックスフンドのボビー君は寒くて早く家の中に入りたかったみたいです。どっちが犬なんだかわからないね。

今日は、「オール読物」推理小説新人賞6編を集めたアンソロジーをよみました。推理小説なんてほとんどよまなかったのに、最近なぜか読み始めています。荒馬間、浅川純、宮部みゆき、長尾由多加、中野良浩、佐竹一彦による6編が収録されています。やっぱり宮部みゆきはさすがだなぁって思いますね。この中でも群を抜いておもしろかった。収録作は"我らが隣人の犯罪"というのなんですけど文庫にもなっているからご存じの方も多いのではないでしょうか。

その次におもしろかったのは、浅川純の"世紀末をよろしく"ですね。転換が多くて、何度もひっくり返ってしまうほど驚きました。この作品ではつくば万博で話題になったポストカプセルが大きな役割を果たしています。16年後の世紀をまたいだあとで手紙が届くという趣向のものでしたけどどこ行っちゃったんでしょうね。2001年には話題にもならなかった気がします。知らないだけなのかしら。そういえば僕の通っていた小学校でもタイムカプセルをうえていて、それが日時計の下にあったはずなんですけど、最近校舎を改築するのにその日時計が移されてしまって、あのタイムカプセルはどこに行っちゃったのかしらと心配になっています。オトナの都合で小学生の夢は壊されてしまったのでしょうか。

長尾由多加の"庭の薔薇の紅い花びらの下"という作品も内容はすごい良かったんですけど、村上春樹的比喩表現が多くて、うまいんだけどなんだかなぁって感じだったなぁ。

それにしてもこういうミステリーの作りこまれたストーリーを考える人ってどんな人種の人たちなんでしょうね。こんな入り組んだもの考えてたら頭がショートしそうでいやになっちゃいます。きっとショートした頭を冷やすのに今の倍以上のビールが必要な気がするな。でも、その驚きをまた経験したいですね。




posted by kbb at 07:48 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

2006年01月10日

LOVERS-安達千夏 江國香織 川上弘美 倉本由布 島村洋子 下川香苗 谷村志穂 唯川恵 横森理香

「LOVERS」 安達千夏 江國香織 川上弘美 倉本由布 島村洋子 下川香苗 谷村志穂 唯川恵 横森理香

LOVERS昨日のテレビ朝日の深夜番組「くりぃむナントカ」を見ていて大木ちゃんのワンピース姿に惚れ直したkbbです。おはようございます。

今日の本は珠玉の恋愛短編集「LOVERS」です。9人の女性作家が恋の始まりから終わりまでを描いた作品を集めた素敵なアンソロジーです。どれもこれも気に入ったので一つ一つじっくり紹介したいのですけれどそんなことしてたら日が暮れてしまう!ということで駆け足で。

一番気に入ったのはやっぱり川上弘美の"横倒し厳禁"という作品ですね。彼女の世界に久しぶりに戻れた気分で嬉しくなってしまいました。ふらふらとしている水菜とセックスの前よりも最中よりもセックスが終わった後に一番丁寧になる永瀬さんの物語。セックスの後に一番丁寧になるなんてなかなかできないですよ。だいたいコトが終わった後は放心していたいものですから(これは男も女も変わらないと思うけど)。ムラムラと来て今日は二回でも三回でもしてやるぞ!なんて意気込んで果てた瞬間にもうどうでもよくなることすらあるのに、終わった後の彼女に桃の缶詰を食べさせてあげる永瀬さん素敵|_-。) ポッ。よし、これからはそんな男を目指すことにします!って朝からセックスセックスって言ってる自分って・・・。また言ってしまった!

谷村志穂の"キャメルのコートを私に"もよかったですねぇ。まだまだ大人になりきれない女の子が女性に変わっていく瞬間をうまくきりとっている気がします。下川香苗の"聖セバスティアヌスの掌"はなんだかやるせない気持ちになってしまって目をそむけたくなるようなシーンもでてくるのですけど、最後はほっとできる作品でしたね。唯川恵の"プラチナ・リング"は不倫の話しなんですけど、お金よりも立場よりも周りなんかよりも、愛し合っている二人があればそれでいいなんてちょっと少女漫画すぎてほんとにいいのか!?って心配になってしまいましたけど、久しぶりに唯川恵の作品を読んで、こんな文章だったっけって新鮮に読んでいました。

江國香織も島村洋子も倉本由布もよかったのですけど、今日はこの辺で。

たいてい、こういうアンソロジーを買うときは好きな作家さんが一人でもはいっている短編集を選んでそこから新たに読みたい作家さんを増やしたいときに買うのですけど、このアンソロジーはお買い得でしたね。どの人の作品もまた読んでみたい。こんなに一気に読みたい作家さんが増えるのは初めてなのでとまどっています。そういえば川上弘美との出会いも幻冬舎の「発見」というアンソロジーでしたしね。


posted by kbb at 07:01 | Comment(6) | TrackBack(2) | アンソロジー

2005年10月02日

ショートショートの広場10-阿刀田高編

「ショートショートの広場10」 阿刀田高編

ショートショート10.jpg元々、電車一駅分で読み終われる、ショートショートが好きで、星新一なんかはよく読んでいました。

これは、雑誌に投稿・掲載されたショートショートを集めた本のようです。

全体的にオチがわかりやすく、結末がみえてしまう話しが多かったのはやはり素人の作品だからでしょう。
その中でも、気に入ったものをピックアップ!

多重人格・・・結局現実の社会でもこうやって、役割を演じているんじゃないかと考えさせられました。

かくれんぼ・・・ショートショートなのに、ほろっとさせられてしまった。まぁこれは自分の経験に左右されることでもあるのかも・・・

雨男・・・彼女のためにここまでするとは・・・とおもいこわくなった。

生中継・・・吹き出してしまいました。

1/3・・・これはおもしろかった。割り切れないものがあるのが人間なんだなぁとあらためて思ってしまった。数学的考え方と人間の感情をここまでリンクさせたアイデアが好きでした。

さて、今日は何を読みましょうかねぇ




posted by kbb at 14:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー

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