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2008年03月17日

ベリーショート-谷村志穂

「ベリーショート」 谷村志穂

ベリーショートおはようございます。なんだかとても楽しい夢を見ました。とっても視点の入れ替わりの激しい夢でした。自分は甲子園を湧かせてプロ入りを果たしたスーパースター。開幕前のオープン戦でも見事な仕上がりをみせて開幕一軍入りは決定済み。今日は埼玉にある球場で開幕前のオールスター大運動会の日。といっても、経費節減とスケジュールを調整しやすいとの理由から、四球団ずつの三部制になっています。今も甲子園でのライバルと同じ種目にでて投げ勝ってきました。

次になったのが、その運動会をスタンドからみているしがないおじさん。しかも、片手間にその運動会の模様を眺めています。何をしているかっていうと、文房具屋さんに売っているような製本テープでもって、背表紙をとめて冊子というか、本のようなものを作っています。しかも何冊も何冊も。そしてたまに思い出したかのように去年の甲子園をわかせたスーパースターに声援を送っていました。

そしてまた野球選手になりました。今度はベンチに座って目の前で繰り広げられている運動会の様子を放送しているテレビをビールを飲みながら見ています。そこではタモリが司会をしていて、女子アナが選手が打った球を追っかけています。滑りやすいビニールシートの上を走っていて、ご丁寧に空から雨のような水をホースで降らされています。滑ったり転んだりしながら一生懸命打球を追う姿を周りのみんなで大笑いしながら見ているシーンです。そんなのを見ながら膀胱にたまったビールを我慢できなくなり、隣に座った先輩に、「ちょっとトイレいってきまっす。」といったところで目が覚めました。

うーん。この夢は何を暗示しているんでしょうかね。野球なんて甲子園を目指すどころか学生時代を通してやったこともありませんしね。でも松坂などの野球選手をみていると、甲子園を目指して努力するというのはきっとすばらしい体験なんだろうなぁって想像することはありますけどね。仲間がいて、結果を出すためだけに三年間を費やす。毎日毎日気の遠くなるような練習をして、それでも届かない人もいるのに、その人たちに打ち勝って手に入れるもの。それにしても夢の中の彼は本当に楽しそうでした。それに引き替え製本テープで本をつくっているおじさんはなんだったんでしょうかね。製本テープで本をつくったこともないんですけど、なんだかこっちの方が僕を表しているような気もしますけどね(笑)

さて、高校生が主役、といっても甲子園を湧かすようなスーパースターはでてきません。毎朝の電車の中にいるようなどこにでもいる高校生のお話がぎっしりつまった谷村志穂の短篇集です。高校生の心の動きが短いお話の中にちりばめられています。短すぎるという難しさの中に彼女の文章のうまさが出ている気がします。

それにしてもこれだけ、高校生だけを描くって言うのも難しそうですね。そう思うのはちゃんと高校にいっていなかったからそう思うんでしょうかね。高校生には毎日毎日冒険が待っているのかもしれませんね。高校も行かず毎日バイトに明け暮れていた僕には学校で出会う冒険にはあまり魅力を感じられなかったんですもの。というものの、男子校に行ってしまったのが間違いだったかもしれませんね。

先日も男子校出身という友人と、子どもを男子校に行かせたいか、ということについて話していたときに思ったんですけど、高校生という人間が一番成長する時間に男だけで過ごすって言うのは一生を損する気がします。だって、体に変化があらわれてそれにつれて羞恥心や恥じらいといった女性特有の心を獲得しはじめた女性の日常にみられる小さな仕草を見たことがなく、それを表現する言葉を持つことができなかったなんて、一生の損ですよね。男性を知った女性が外見的に、内面的にどう変化するのかなんてこの頃でしか知り得ないですものね。どんなに逆立ちしたってそれを獲得することはもうできないのだから。もし一回だけでも昔の自分にアドバイスする機会が与えられたなら僕は、男子校にだけは絶対に行くなと、脅しにいきたい。

とまぁ、そんな心も体も大きく変化する高校生を描いている短篇集なのですが、"いつもいい匂いのした女"の中で女の子に素敵なアドバイスをしてくれています。

いつもいつもいい匂いをさせて、洋服にはアイロンがきちっとあたっていて、髪の毛がきれいだったら、男の子の八十五パーセントは、あなたのことを振り返るわ。男の子なんてそんなもの。でもね、そこからなのよ。だからといって喜んでいたりしちゃだめ。本当に、心の優しい、それでいてキュートな子を見つけなきゃね


女の子諸君、ほんとそうですよ。男の子の僕がいうんですもの、マチガイナイです。といってもほとんどの女の子に振り向いてしまう僕が言っても説得力ないですかね。でもでも、女の子特有のあのシャンプーなのか、体から発するものなのか、あの甘い香りがしてると振り返らない男の方がおかしいと思います。あの男の子を振り向かせたかったら、髪の毛を少し手でかきあげて、香りを周囲にふりまいたらイチコロですよ。




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posted by kbb at 03:36 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 谷村志穂

2006年02月07日

君はなぜ泳ぐのをやめるんだ-谷村志穂

「君はなぜ泳ぐのをやめるんだ」 谷村志穂

君はなぜ泳ぐのをやめるんだ先日新聞を読んでいたらバレンタインデー川柳なるものをメリーチョコレートが募集していて、それの入選作が発表されていました。ほほえましいのやほろっとするのや女の怖さがわかる句やらがいっぱいあっておもしろかったですよ。その中でひとつだけ引用。

願わくば  娘よ、チョコは パパにだけ

娘を持つようになったらお父さんはこんな気持ちになるんでしょうかね。自分は絶対なるだろうな・・・。だから娘はいらないのです!

とまあ、いつの世も恋愛の中身なんてたいして変わらないようで、先日テレビで紹介していた川柳もおもしろかったです。

笑うのも 泣くのも 恋の道具の一つなり

これがつくられたのが江戸時代ですって。昔から女ってやつはまったく。

さて、前置きがずいぶん長くなりましたね。昨日は谷村志穂の「君はなぜ泳ぐのをやめるんだ」を呼んでいました。1995年のバブル崩壊直後の男女を描いた短編集です。バブルでなくなったのは経済的なものだけでなく、時代そのものも勢いや男女の間にあるなにかだったって感じでその「なにか」を14の短編で描かれています。僕は幸いにもバブルまっただ中の頃はのほほんとかわいいかわいい小学生、中学生の頃だったのでここまで男女の機微を知ることもなく過ごして来たのでその「なにか」を実際に感じたことはないのだけれど、うんうんって納得できるものばかりでしたよ。

昨日の記事に沼に引きずり込まれて帰って来れなさそうって書いたのですけれど、それはこの本のストーリーや男女に感情移入しすぎたからではなくて、じゃあなんだったのかっていうとですね。谷村志穂の文章を読んでいるとすごく痛々しくて、なんで彼女はここまで自分の身を削って文章を作り出さなきゃいけないんだろうって考えてしまってね。なんだか物悲しくなってしまったのですよ。もちろんどの作家さんも文章を生み出すときには身を削っているのだとは思うけれど、彼女の場合、その削り方にすごい痛みが伴うような気がしてしまって、幾度も幾度も本を置いてしまいました。まぁそう思うのは僕だけかもしれないですけどね。

いくつか素敵な表現があったのでここにメモしておきますね。

「世の中では今日はどんなことがあったの?」
「何もないよ。今日もまた悪いことを企む人間がいて、悪い病気で死んでしまった人がいて、悪い犯人がつかまったよ」


確かにそうだけど、今でもそうは変わらないけれど、もう少し、もう少しでいいから希望を。。。

それと、すべての女性必見の素敵な女性でいられるアドバイスも彼女はしてくれていますよ。

会うときにはさぼらないで必ず短いスカートをはく。その際足を隠してしまうような黒いタイツのようなものでなく、ナチュラルなストッキングをはくんだ。それから姿勢に注意する。痩せることなんてないさ。少し緊張していればいい。


ほんとそうですよ。特に最後の姿勢に注意していれば、とびっきり素敵な女性になれますよ。きりりとしてね。猫背な女性もそれはそれでいいのかもしれないけれど、姿勢をよくして顔を少し上にあげればみんな素敵な女性なのにね。

今日はここまで。少しは素敵な女性になる秘訣がわかっていただけたかしら。こうやって少しずつ素敵な女性が増えれば、僕が素敵な女性と飲める確率も必然的に増えていくはずなんだけどなぁ。


posted by kbb at 12:57 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 谷村志穂

2006年01月24日

なんて遠い海-谷村志穂

「なんて遠い海」 谷村志穂

なんて遠い海.jpg以前読んだ「LOVERS」というアンソロジーに収録されていた、谷村志穂の短編集を読んだ。やっぱりあれを読んだ時に感じた通り、自分に合ってると思える作家さんだったので安心できた。

「LOVERS」に収録されていた作品もそうだったけれど、彼女は女性の目線で描く作品の方がうまい気がする。男性の視点で書かれた作品はなんだかうまく入り込めなかったな。それは女性が描く男性だとわかって読んでいるからなのかもしれないけど。

表題作の"なんて遠い海"はたった8ページのごくごく短い短編なんだけど、ラストまで来たときに、えっ!?、って固まってしまってまた最初から読み直してしまいました。このラストはおもしろかったな。ここで内容を説明できないのが残念なので、どうぞ本屋さんで立ち読みでもいいから読んで欲しいです。

"雪渓"というタイトルの短編もおもしろかったな。セックスレスの夫婦の話なんだけれど、彼女はできるのに、旦那さんができなくなってしまったお話。明確な理由はわかっているけれど、それはもうどうしようもできないことで、旦那さんはあきらめて仲のいい兄妹みたいでいればいいなんて言ってるけど、彼女はやっぱりそれじゃ我慢できない。かといって外で他の男性とすることもできない。そんな二人の物語。そんな彼女にこんな質問がなされる。

「男と女がセックスなしだと、どうやって、仲直りするのかなあ。つまり喧嘩ができないってことじゃないの?」


ほんとそうだよね。喧嘩のあとのセックスは格別によかったりするもんだし。二人がお互いを受け入れる行為なんだもんね。昔は毎日のようにささいなことでケンカしてたなぁ。それは大事なことであったりつまらないことであったり。時間がたてば解決することなのに、いつまでもそれにこだわってみせたり、いじけてみせたり。きっとそういう風にしかお互いを理解する術をもっていなかったんだろうと思う。でもそれができたのも、セックスのある安心感からなんだろうな。谷村志穂はセックスがあればヒグマとだって仲良くやっていけるって言ってるしね。

"戻り雪"のなかで男性である「私」と秋山がケンカをし始めたところでふと一人の男を思いだした。「私」と秋山は似たもの同士なのだけれど、僕とあいつもとても似たもの同士なんだろうと思う。少し違うのはあいつは自分に正直でできないこと、したくないことをはっきりといやだと言えることなのだろう。自分に似た奴は嫌いになるものだと思うけど、僕らも例外でなく、お互いのことを苦々しく思っていたに違いない。でもたまにあいつと無性に飲みたくなるときがある。自分を見失ってしまって、あいつを見て自分を思いだしたい時なだろうな。でも、そういうときに限ってあいつは忙しいといってその誘いを断る。まったく困ったものだ。今は忙しいだろうから3月ぐらいにでも連絡をしてみよう。




posted by kbb at 08:09 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 谷村志穂

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