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2006年02月02日

四日間の奇蹟-浅倉卓弥

「四日間の奇蹟」 浅倉卓弥

四日間の奇蹟なんだか昨日のワインが残っているkbbです。こんばんは。ワインにはアルコール以外になんか人を酔わせる物質が入っているんでしょうかね。

四日間の奇蹟を読み終わりました。500ページの僕にとっては大巨編を4時間で。途中でいろいろと邪魔が入ってびえーーーんとはなりませんでしたけど、読んでる途中ずっとぐしぐし言ってました。浅倉卓弥はこれで「このミステリーがすごい」大賞を受賞してデビューしたらしいですね。文章がうまくて、読みやすいのでどんどんページが進んでしまいました。なんだか彼の文章は図形で言えば角のまったくない球みたいな感じで、なぜか白い紙に書いてあるのに行間からオレンジというか黄色というか暖色の色が見えてきて、とっても暖かくなりました。それに浅倉卓弥の描く女性もみんなかわいらしくて、千織ちゃんもかわいいし、真理子さんだって絶対身近にいたら楽しいだろうな。

脳に障害を負っている知的障害をもつ少女、千織と左手の薬指を一本失ってしまったばかりにピアノが弾けなくなってしまった男、敬輔の物語。千織が一回音を聞けばその音を再現できるという才能の持ち主であることを知った敬輔が少女にピアノの運指法を教えていき、少女の社会復帰のために二人で福祉施設などでピアノを弾いてまわっている。ある日山奥の療養所でピアノを演奏することになり、そこについた日から四日間の奇蹟が始まる。

多分そこで起こる出来事は使い古されたもので、解説に先行作品がなんとかって書いてあったけど、勉強不足なのか、特定の作家の本しか読んでこなかったからなのか、その先行作品がなんなのかは知らない。けどこの作品でなにが一番よかったかって、誰もが誰かのために生きていることなんだろうと思う。千織と敬輔に血縁関係はないし、山奥の療養所もまったく関係のない人たちが互助関係を保って生活している。昨日「そんなバカな!」を読んだからこう思うのかもしれないけど、竹内久美子に言わせると親の愛だの、非血縁者に向ける愛なんてのは遺伝子的には存在しなくて、それはミームの仕業なんて言うけど、実際こういった施設はたくさんあるし、血縁関係のない養子だって人間には存在するし、誰かのために何かをしてあげようって感情や感覚を否定することはできないきがするんだよね。

それにしても、作者の浅倉卓弥は脳についての研究とかをよく取材して、この小説を仕上げていますね。僕も結構専門に近かったからブローカ野とかウエルニッケ野なんてのがなにをしているところかを勉強したけれど、脳の最新の研究事情なんてのまででてきて、この人専門の人なのかしらって何度も表紙見返しのプロフィールを読んでしまいました。


posted by kbb at 20:47 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(1) | 浅倉卓弥

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