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2006年04月18日

少年たちの終わらない夜-鷺沢萌

「少年たちの終わらない夜」 鷺沢萌

少年たちの終わらない夜おはようございます。

鷺沢萌の「少年たちの終わらない夜」です。十代最後を迎える若者たちを描いた4編が収録されています。この本を読むともう自分は若くないのだなぁとなんだか実感させられてしまいました。彼らの気持ちの変化を辿っていくことしかできないのだもの。

"ティーンエイジ・サマー"は作者自身の大学時代のことを書いているのかしらって思っちゃいました。なかなか描写が細かくてね(笑)多分、描かれている世界がいわゆるバブルと呼ばれている時代の高校生・大学生のことで、自分はまったくこの時代に生きていないので、なんだか想像を超えてしまって実感することができないのがとても残念でしたね。時代を感じるのはその時代に生きていないととても難しいものね。

世の中にはいつも忙しい忙しいという人が多いですよね。それを自分のアイデンティティかなにかと勘違いしていて、それを言い訳にしている人が多い気がします。そんな人たちの描写が"ティーンエイジ・サマー"にあってなかなか面白かったですね。

忙しいと口に出すこと自体に快感をおぼえているうようでもある。


きっとそういう人たちってのは時間がうまっていないと不安になってしまうのでしょうかね。なにをしていいのかわからないというかね。暇はつくるものだよってそういう人たちのその言葉になんど言ったことかしらって思い出してしまいました。最近はそういう反論をするのもめんどくさくなりつつあるのですけどね。これはきっと僕が大人になったってコトなのかしらね。

今、この文章を書いていてふと思ったのだけれど、忙しいという口実の元にただ単純にふられていただけなのかしら・・・。なんだか空しくなってきたので今日はこの辺で。


posted by kbb at 09:02 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 鷺沢萠

2006年04月10日

大統領のクリスマス・ツリー-鷺沢萌

「大統領のクリスマスツリー」 鷺沢萌

大統領のクリスマスツリーおはようございます。始発の電車ってのはみんな疲れた顔をしているのが不思議ですね。飲んで疲れた若者、仕事明けで疲れたおじさん、早起きで疲れたサラリーマン。朝なのだからもっと晴れ晴れとした顔をしていてもよさそうなのにね。晴れやかな日だから、すがすがしい顔をするという表現を聞きますけれど、あれは嘘だったのでしょうかね。

前置きはまったく関係なくて、今日感じたことを書いてしまいました。読んだのは鷺沢萌の「大統領のクリスマス・ツリー」です。映画化もされているようですね。

舞台というか、描かれているのはとっても短い時間なんですよね。夫婦である、治貴と香子がドライブしているのですけど、時間的に一時間とか二時間ぐらいのものです。それが香子の回想シーンを織り交ぜながら物語として描かれています。

解説で俵万智が書いているのですけど、幸福な家庭はすべて互いに似通ったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが違っているものである、とトルストイが言ったが幸福な家庭を恋愛中の二人に、不幸な家庭を恋愛の終わりに、置き換えることも可能だろう、と言っています。そして、この小説は治貴と香子の別れの物語です。恋愛小説でなかなかハッピーエンドの物語を見かけないのですけど、やはりそれは、上の言葉に理由が見つかりそうな気もします。

香子の言葉にこういうのがあります。

「ずっとずっと治貴の隣に坐ってこの町をドライヴしていたかった。」

この言葉から昔の恋愛の話しでもしようかと思ったのですけど、疲れすぎて文章を書く気になれないのが残念でした。というより、誰もそんなの期待してないか・・・(´Д⊂グスン

一日一冊の本は行き帰りの電車の中で読めているのですけど、それを文章にするのに、億劫になっています。書きたいのだけれど、早く寝たい。起きてからすればいいじゃないかという声も聞こえてきそうですけど、でも書きたくてしょうがないのです。今も睡魔と戦いながら、この文章を書いております。
やっぱり人間は夜寝るようにできているのですね。

なんだかこんな文章をアップするのが恥ずかしいですけどお許しを。ではでは〜。おやすみなさい。


posted by kbb at 08:26 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷺沢萠

2006年03月28日

F-落第生-鷺沢萌

「F-落第生」 鷺沢萌

F-落第生おもしろい記事を見つけました。

刷り込みホルモンを発見 「惚れ薬」開発に道これは嘘ニュースです

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 幼鳥が孵(ふ)化して初めて見たものを「親」と思うようになる刷り込み(インプリンティング)に関するホルモン生成の仕組みを解明したと、18日、アメリカのプロンストン大学の研究グループが発表した。

 動物実験の結果、このホルモンを摂取した動物は鳥と同じような刷り込み作用を受けることがわかり、応用すれば「惚れ薬」の開発にもつながるという。研究結果は25日付の米専門誌「インクレディブル・サイエンス」電子版に掲載される。

 プ大の研究グループはMRI(磁気共鳴画像法)によって、孵化したひよこが初めて物を見たときの脳の活動状態を調査。その結果、大脳視床下部の「R3」と呼ばれる受容体が強く反応することがわかり、この受容体に干渉するホルモンが刷り込み現象を起こしていると考えた。この結果に基づき、グループはひよこ3万匹分の脳から刷り込みに関するホルモンを1mg精製することに成功。これを「チャーム・ホルモン」と名づけた。

 研究グループによると、チャーム・ホルモンを経口摂取すると、約2時間後に睡眠作用が起こり、次に目が覚めたとき最初に見た物体を「親」だと認識するようになるという。動物実験の結果、イヌ、サル、キジでこれらの作用が確認されており、近く人間を対象にした臨床試験も行う予定。
 研究グループでは、人に対する実験が成功した場合、古くから試行錯誤されてきた「惚れ薬」を実現する第一歩になるとしており、近く学内ベンチャー企業を立ち上げる予定だという。

▽日本ひよこ党党首・ひよこ氏の話
 ひよこの大量虐殺につながる実験には断固反対する。

【用語解説】:「刷り込み(インプリンティング)」
 動物の生活史のある一瞬に、特定の物事がごく短時間で覚え込まれ、それが長時間持続する現象。特にガンやアヒルなど鳥類の孵化後まもなくに見られ、親鳥を親と認識する本能行動と関連していると、動物行動学者コンラート・ローレンツは指摘している。(参照

惚れ薬、ほしいですねぇ。どうやって飲ますのかがポイントですけどね。一昔前のお酒に目薬みたいな感じで飲ませるんでしょうかね。でも一緒にお酒を飲みに行った時点で自力でなんとかできそうな気もしますけどね。

さて、そんなことを考えてしまうから人生の落第生になってしまったようなkbbですけど、まさにそんな人にぴったりのタイトルの本を読みました。鷺沢萌の「F-落第生」です。failの頭文字ってことで不可ってことらしいのですけど、うちの大学ではEが不可だったんですけどね。ロシア語の授業で二年連続で不可を取ったのでよく覚えていますよ。一年目であきらめておけばよかったのにね。

さて、最近鷺沢萌の作品に出会ったわけですけど、2冊目のこれもやっぱりよかったですね。7つの短編が収録されています。こういう文章大好きですよ。女性をとっても魅力的に描いてくれるのだもの。もっと早く出会いたかった作家さんですね。人生で「F」をとってしまったような女性達の物語ですね。「F」でもいいじゃん。「F」の方が結果オーライのときもあるよみたいな気分にさせてくれる作品集でしたね。

でもね、読んでいて想ったんですけど、彼女達、落第してるなんて子ばっかりじゃないんですよね。今の時代の言葉で言えば「負け組」なんだろうけどぜんぜん、それぞれに魅力的でそれぞれにそれぞれの場所でがんばっていて、ちょっとうまくいってないだけなんですよね。鷺沢萌さんが女性を描くのがうますぎるから、落第生のイメージをもてないのかしらね。それとも僕がこういった女性の方が好きなだけなのかしらね。

"シコちゃんの夏休み"ってのもシコちゃんはとっても魅力的で、ちょっと人と違った人生を生きているのだけれど、まだまだ取り返せる場所にいるしね。周りの人に邪魔されつつそれにくじけそうになっているけど彼女なら絶対負けない気がするしね。

"重たい色のコートを脱いで"の作品の女性が一番魅力的だったかしらね。仕事にがんばって生きていて恋人とはすれ違いの生活をしてしまう女性だけれど、そんな女性を包み込んでやれない男なんてこっちから願い下げだなんて気持ちでいて欲しいですよね、女性には。

tsukikoさんのところで知ったのですけど、鷺沢萌って2004年に35歳で亡くなっているんですね。もう新しい作品が読めないのが残念です。幸いたくさんの作品を残しているようなので、しばらくはどっぷりはまれそうですね。

posted by kbb at 09:56 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 鷺沢萠

2006年03月24日

失恋-鷺沢萌

「失恋」 鷺沢萠

失恋おはようございます。春になったのにまだまだ寒いと思っていたら心が寒かったんですね。ってこんなこと言ってるから「あんた、痛いよ」って言われちゃうんでしょうね。

そんな心の寒さも乗り越えて今日も本を読みましたよ。そのタイトルはなんと「失恋」。あまり気に入ったタイトルじゃなかったのですけど、以前「贅沢な恋愛」の鷺沢萠(さぎさわめぐむ)の解説の文章を気に入ったので読んでみようと思っていました。やっぱり最初は短編集ということで本屋さんの書棚から彼女の短編集を探したらこれしかなかったのですよ。やっぱりどんぴしゃりでしたね。ひさびさにわくわくしながらページをめくれる作家さんに出会いましたよ。

失恋をテーマにした、"欲望""安い涙""記憶""遅刻"の4つの作品が収録されています。どの作品も

そんな男やめちまえ

って叫びたくなるような男ばっかりでてくるのですけど、好きになっちゃったらどうしようもないんでしょうね。しっかりと相手も自分も見えているのに、やめられない恋。その壁にぶつかりながら乗り越えていくようなお話でしたね。

"記憶"の主人公だけ男性なのですけど、信吾と勢津子は一年ぐらい前のある日偶然同じバーに居合わせたところから仲良くなります。そんな信吾が勢津子に恋心を抱き、しかし自分の気持ちを伝えることができません。

勢津子のほうにはそんな気持ちはない場合を考えると、怖いのだ。傷つくのが怖いのではない。ふたりのあいだに妙なしこりができて、もう会えなくなるのが怖いのである。


って、この場面を読みながら想ったのですけど、これって異性を友達と見られる人特有の考え方なんだろうなて。その友人を喪うのが怖くて自分の気持ちを伝えられない。その友人を喪うぐらいなら自分の気持ちを隠して、その気持ちを押さえ込んででも、今の関係を保ちたいって思っちゃうんでしょうね。

4つの短編の中で一番面白かったのは"記憶"でした。情報学科の博士課程にいる樹子(みきこ)は政人(まさひと)とつきあっています。樹子は携帯電話のショートカットダイヤルやグループ登録機能を全部使いこなし、まわりにある電気製品のデジタル時計は正確に合わせておく。「機能の無駄遣いが嫌だから」というような女性です。でもその政人がどうしようもない男で樹子と同じような関係の女性がいくにんもいて、すべての女性が彼にとってなんらかの得をもたらすような女性達ばかりなのです。車をもっていたり、パソコンが得意であったり、もしくは女性の中では果てることのできない政人のために口ですることができたり。そんな男とつきあっていちゃだめってのは樹子にはよくわかっているのですけど、どうしてもやめられない。そして、ある日政人の新しい女の子から突然電話がかかってきて、クダラナイ男だったんだってわかってしまいます。そして次に会った時に樹子は政人に復讐と政人のクダラナサを確認するために・・・。

その復讐の仕方ってのがまた精神的につらいものですね、男にしてみれば。背中を刺された方がよっぽどいいやってぐらいのものです。その後にキスするのですらいやなのに、そんなこと想像すらしたくないですもの。しばらくは見たくなくなりますね。って読んだことない人にはさっぱりの内容になっちゃいましたね。でも、ここが一番のクライマックスなのでネタバレしたくないのです。お許しを。

とまぁ、鷺沢萌はしばらくはまりそうです。ブックオフで鷺沢萌の本をたくさん抱えていたらkbbさんですので、お見逃しを。

posted by kbb at 05:31 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷺沢萠

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