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2009年01月05日

温室デイズ-瀬尾まいこ

「温室デイズ」 瀬尾まいこ

温室デイズこんばんは。
まずいです。全然眠れません。不規則な生活を正月にしてしまったからでしょうかね。明日から仕事だっていうのにねぇ。どうしましょ・・・。

まぁ気分転換にブログでも書きますかね。
先日ケーブルテレビでハリウッド版「ゴジラ」を見たんですけど、あまりにもジュラシックパーク化されたゴジラを見せられてしまった気になりました。しかもアメリカ人からいじめられているかのように執拗にヘリコプターで追いかけ回されるゴジラを見ながら、そんなんでゴジラが負けるわけがない!日本人魂を見せてやれ!などとちょっと間違った方向から応援していました。最後にミサイル12発を浴びせられてそれでもまだ我が子を想うゴジラを見て少し涙ぐんでしまったのは同胞のように感じてしまったからでしょうかね。

さて、瀬尾まいこ「温室デイズ」です。瀬尾まいこ、いい!と言っていたのにしばらく遠ざかっていました。瀬尾さん、ごめんなさい。でも大好きですよ。

さて中学生のいじめを題材に、現役(だと思っているのですけどまだやってらっしゃるのかしら。)国語教師の瀬尾まいこが書いたのが本作です。教師の立場からいじめが描かれているような気がします。

小学校の教室ではいじめの加害者の立場にいたみちる。中学三年生の二学期になり、崩壊していく学校に抵抗しようとしたホームルーム時の教師への発言が自分が被害者となる引き金となってしまった。簡単に終わると思っていたいじめがだんだんと陰湿化し、それでも耐えるみちる。スクールサポーターの吉川は役に立たないし、頼りがいのあった担任は見て見ぬ振りをする。厳格な父にも相談できないみちるだったけど、卒業奉仕の一環で修繕することになった中庭をめぐってみんながみんなの立場でどうにかしようとしていることを知る。

こんなあらすじなわけですが、やっぱり教師の立場で書かれたからなのか、最後にはどうにかなるよ、的な結末になっているような気がしました。最後の伊佐君の行動もいまいち理解できませんでしたしね。悪いやつはとことん悪いってことなのでしょうかね。

でもいじめってどうにもならないんですよね。結局人間関係がうまくいかなかったってことなのだから、それをどうにかしようとしても無駄な気がする。ならばいっそのこと全然違う関係のところで始める方が損失も少なくていい気がするのは僕だけなのでしょうか。

本作でもみちるの友人、優子が学内で別室登校したり学外のフリースクールに通ったりカウンセラーに行くシーンがあるのですけど、それもどこか否定的に書かれていたりします。やっぱり学校が一番だ、というふうに読めてしまったのは、瀬尾まいこが教師だって知っているからでしょうかね。

高校生にもなれば、学校を辞めて大検をとったりと、自分で関係を変えることはできるのかもしれないですけど、小学校中学校では子供自身でそういった関係を変えることが難しい。それが一番の問題なのかもしれないですね。学内にも学外にもそういった逃げ場はあるけど、そこに逃げ込めないようにしているのも大人なのかもしれないですよね。でも、悪者のゴジラでさえ僕みたいに助けてあげたいと思ってしまうんですから、悪者ですらないいじめられてしまう人にだって味方はそこらじゅうにいると信じたい。その味方が手を差し伸べてあげられるか。その手に気付けるか。そこが難しいところなのかもしれないですね。

優子がカウンセリングで覚えたカウンセリングマインドを下地にしてクラスの不良で優子に以前告白したことのある伊佐君と会話をするシーンがありました。
この会話がすっごい心地いい。強引に相手の懐に飛び込まない。相手の言うことは否定しない。ちゃんと聞いているよってことを態度で示す。カウンセリングに限らずこうやって会話を聞いてもらえたら誰だって気持ちよく話ができるような気がする。文章を読んでいるだけで、聞いているだけで第三者が心地よくなるんだもの。すごいですよね。
こういう会話を目標にしてみたいな。そんな風に思ってしまいました。普段の自分の会話がこれの正反対なんですもの(涙)。




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posted by kbb at 04:10 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(2) | 瀬尾まいこ

2008年09月13日

優しい音楽-瀬尾まいこ

「優しい音楽」 瀬尾まいこ

瀬尾まいここんにちは。
今日の夜は飲みに行くので早い時間の更新です。
ってただ早くに目が覚めてしまって他にすることがないだけなんですけどね。今までだったらパチンコ屋へと足を向けていたのでしょうけど、もうそんなことはしない、あんまり・・・

さて、昨日の記事で最近小説を読めないと書きましたが、また読んでみましたよ。瀬尾まいこの「優しい音楽」。最近好きな作家なので、少し心を躍らせながら読んでみました。

結果はというと、なんだか救われた気分です。読めたっていう事実にも、そして作品の内容にも。瀬尾まいこの小説って普通のシチュエーションになんの事件も起こらないけれど、でも最後にほろっとさせてくれる。日常に起こる小さな幸せや驚きがしっかりと描かれていて、それがうれしくなっちゃうんですよね。

といっても、冷静になって考えみると、それは決して普通のシチュエーションでもなく、しかも事件もしっかりと起こる。すっごい美人の女の子にストーカーになられるとか、不倫相手の男の娘を預かることになるとか、同棲相手にホームレスのおじさんを拾われてくるとか。

しかもストーカーされていた理由がちゃんとあるし、不倫相手の男の娘につきあって豪遊しちゃうし、ホームレスのおじさんにいろいろ教わっちゃうし。

こういうあり得ないことがあり得そうだと思わせてくれる、彼女の文章が好きなのかもしれない。彼女の小説の登場人物ですらそれが当たり前のことのように受け入れているのがさらにおもしろい。

しかも結論としては上記のように日常にひそむ喜びや驚きを描いているように見せているのだからなんという矛盾なのだろうか。そして最後にぼろぼろと涙を落とすことはなくても、瞳いっぱいに涙をためてしまうことになる。あくびをしたフリをしていつもそれを拭うことになるのだけど。

毎日同じように過ごしていても、瀬尾まいこのように感じる人もいれば、毎日一緒だなぁなんて思いつつパチンコやお酒ぐらいでしか非日常を味わえない僕みたいのもいる。なんてつまらない男なんでしょうかね。

と、思いつつ今日も飲んでくるのですけどね。では、みなさんも素敵な土曜日をお過ごしくださいませ。どっかでホームレスのおじさんを拾ってこないようにしてくださいね。




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posted by kbb at 10:52 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(1) | 瀬尾まいこ

2008年08月09日

卵の緒-瀬尾まいこ

「卵の緒」 瀬尾まいこ

卵の緒こんばんは。
昨晩書いた文章を今読み返すと恥ずかしいですね。酒の力に後押しされて、勢いのままに感情を押し出して書いていますね。自己主張だけの、空虚な文章になっている気がします。

人物と適度な距離を持ちながら著者の感情が前面にでてこない。でも、それがちゃんと現れてくる。そんな文章を書く瀬尾まいこのデビュー作「卵の緒」です。

ぼっちゃん文学賞をとったらしいです、この作品。ぼっちゃん文学賞は青春文学を募集していたと思うけど、こういうのも青春文学と呼べるのかしら、と思いつつもこういう青春もありなのかしらと思わせてくれる作品でした。

主人公の育生は捨て子だ。じいちゃんとばあちゃんにも聞いても顔を背けるだけで否定すらしない。母と二人で暮らしている。母は僕のことを大好きだという。愛しているという。こんなに愛している男は他にはいないという。母がある日、上司の朝ちゃんを連れてきた。育生と同じくらい朝ちゃんはいい男だと、母は言う。

いろんな大人や大人になりきれていないような母親と生活をしながら少しずつ成長していく育生。いや、もうすっかり大人の育生がみんなに成長しているように映っているだけなのかもしれない。

最後のエンディングの言葉。ほんとうに何気ない、どこにでもありふれている言葉なのに、それでもそれが心にいつまでも残っていきます。

さすがうまいですねぇ。母親も朝ちゃんも、育生も池内君もみんな素直だし。瀬尾まいこはこういう子たちをみながら学校の先生をしているのでしょうかね。瀬尾まいこ、大好きです。

ところどころ、教員としてめくじらを立てられるような発言がでてくるけど、そういう言葉の揚げ足をとる保護者もいるんだろうなぁ、なんて思いつつ、そんなモンスターペアレンツには負けないでほしいと応援したくなる作家さんでした。




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posted by kbb at 22:49 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 瀬尾まいこ

2007年12月27日

天国はまだ遠く-瀬尾まいこ

「天国はまだ遠く」 瀬尾まいこ 

天国はまだ遠くこんにちは。最近安ワインにはまっていて、ひとりでチーズを食べながらグラスを傾けています。といっても、キッチンドランカーのようになっているだけですけどね。と、今回の作品は瀬尾まいこです。最近好きになった作家さんですね。

瀬尾まいこの作品は「幸福の食卓」しか読んだこと無かったんですけど、変な風景をうまく描くなぁって思っていたんですけど、今回のもちょっと変わった女の子とちょっと変わった男性のとっても変わった関係をうまく描いていますね。

仕事がいやになっちゃった千鶴ちゃん(いい名前だなぁ・・・。)が自分を取り戻す、というか、自分を見つめ直すストーリーなのですが、それがうまく描かれていていい物語になっていますね。読んだ後に自分もがんばらなくちゃなぁって思わせてくれるありそうでなかなかみつけられないいい作品に仕上がっていますね。千鶴ちゃんはお酒に逃げないところがかわいいですねぇ。お酒にも逃げられないというのが本当のところでしょうか。

この千鶴ちゃん、可愛くて、お酒に弱かったり、自殺するなら寂しいところ、寂しいところなら北だ!なんて既成概念にとらわれちゃうような、それでいて弱い自分をなかなか出せなかったりで、目の前にいたら思わず抱きしてあげたくなっちゃうような子です。でもなかなか抱きしめさせてくれないだろうなっていう子ですね。瀬尾まいこはこんな感じの女性なんでしょうかね。これから彼女の作品を気にしてみたいとおもいます。

彼女の文章はとってもうまくてスラスラとよめるし、風景、情景の描き方もうまくて、国語の先生をされているみたいですけど、生徒さんたちはいい環境だろうなぁって思いました。こんな先生に教わっていれば自分は今頃、なんて思わず責任転嫁してしまいましたね。さて、がんばろうと。


posted by kbb at 19:13 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(2) | 瀬尾まいこ

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