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2008年06月23日

ガラス張りの誘拐-歌野晶午

「ガラス張りの誘拐」 歌野晶午

ガラス張りの誘拐おはようございます。なんかすっごい大切なことを見つけて、おおすごい!と思いつつ、それをそっと人に話すのだけれど、誰にも共感してもらえないことが最近多くて、僕にはそう見えるのに誰一人としてそうは見てないのかぁと悲しくなっております。共感系じゃないってことなんでしょうね。それとも話し方、伝え方の問題なのでしょうかね。

さて、今日の作品は昨日の作品と違ってはずれがないことを知っている作家さん歌野晶午の「ガラス張りの誘拐」です。歌野晶午って誘拐ものばっかり書いている気がしますけど、気のせいですかね。

三編のお話がつながった連作短篇っていっていいのかしら。一つ目は連続婦女誘拐監禁暴行殺害死体損壊遺棄事件。長ったらしい事件ですね。その事件を被害者に対して事件を思い出させてしまうような取り調べができなくなってしまった刑事佐原の目を通して見ていきます。

二つ目の事件は佐原刑事の娘が家出中に誘拐されてしまう事件。娘のものと思われる紅い靴が送られてきて、身代金を要求する電話がかかってくる。

三つ目の事件は読んでみてのお楽しみってことにしておきます。

佐原の娘に対する気持ちをなんだかうれしくなって読んじゃいました。特に娘、深雪(みゆき)が生まれたときの描写にうるっとしてしまいました。たった四行ほどのところなんですけどね。最近こういう子供の誕生の瞬間の父親の気持ちが書かれているのを読むと涙腺がゆるんでしまうことが多いんですよ。子供を欲しくなってきているんでしょうかね。

さてやっぱり歌野晶午でした。はずれがなかったですね。まぁ全てがあたりっていうわけにもいかないですけどね。誰の発言にも共感、感嘆できるわけじゃないってことなんでしょうね。




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2008年03月28日

館という名の楽園-歌野晶午

「館という名の楽園で」 歌野晶午

館という名の楽園で小学校の卒業文集の将来の夢という欄に弁護士になりたいと書いていました。火曜サスペンス劇場なんかを見ていて、法廷に颯爽と立つ弁護士たちにあこがれていたというなんともミーハーな夢でしたけど。ところがただでさえきれいな女の子一人の前でもなにも言えないのに、もっと大勢の人の前にたつと頭のなかが真っ白になってしまって何も言えなくなってしまうことをはたと思いだし、その夢はすぐにあきらめたんですけどね。

そんな小さい頃からの夢を実現させた男が主人公の物語、「館という名の楽園で」です。野球少年がプロ野球選手を夢みるように、音楽少年はプロのミュージシャンを目指す。探偵小説を大好きだった少年はミステリー小説でよく事件が起こる、館に住むことを夢見る。

そして、そんな館を北関東の田舎に建てて学生時代に小説について語っていた仲間を数十年ぶりに呼びだし、招待客をそれぞれ、被害者役、犯人役、探偵役として推理劇を行う。イギリスを舞台にしたホラーまで飛び出した館の出自にまつわるミステリーとは、って感じで物語が進んでいきます。

館の主人、つまり主人公とその妻の決意がとっても悲しかったです。どうしてこんなところでこんな推理探偵ごっこをしなくてはならないのか。

夢を叶えるってのは悲壮感が必要なんですよね。それに向かっていつまでもいつまでも執着しなくてはならない。それをかなえるためにはほかのこと犠牲にする必要すらある。そうやってみんな夢をかなえていき、夢を叶えた人だけがそれを大きな声でいえる。えてして夢を叶えた人っていうのは苦労を苦労とも思わない人ばかりですから、その話を聞いている人にとって見れば想っているだけでかなえられると思ってしまう。それでかなえられないことがわかったときに、その難しさを知る。難しいものですねぇ。

連日のミステリー小説ですが、きっと疲れているからあまり考えなくていいものを手にとってしまうんでしょうかね。まぁ歌野晶午は大好きな作家さんなので、読めるのがうれしいんですけどね。今回のは少し短いお話でしたけど、歌野晶午の良さがでるのは「葉桜の季節に君を想うということ」ぐらい長いほうがいいかもしれないですね。



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2008年03月21日

生存者、一名-歌野晶午

「生存者、一名」 歌野晶午

こんばんは。昨日は地下鉄サリン事件から13年目だったんですね。当時高校生の僕はもちろんまじめに高校なんていってなかったわけで、そのおかげで日比谷線の隣を走る東横線にのることもなく、おかげで夕方に起き出してバイト先にいってはじめてみんなからそのニュースを聞いて知ったのでした。その無差別ぶりにびっくりしたと同時に、被害者の方には悪いと思いつつ自分が乗り合わせなかったことに素直にほっとしました。被害者の方々のご冥福をお祈りいたします。

そんな狂信的な教団の信者で都内の駅で爆破テロを起こして鹿児島沖の離島でひっそりと逃亡生活をおくる4人が主役の物語が本日の「生存者、一名」です。

歌野晶午はもう僕にとって安心して読める作家の一人となりました。この本も夜に眠れなくて軽く読もうと思って手に取ったら最後までおけなくなるぐらいのめり込んでしまいました。物語の作り方がうまくて、次はどうなるの?って思っちゃうので途中で置きたくないんですよね。彼の作品は電車で目的地も決めずに旅にでたときのお供にちょうどよいかもしれないですね。読み終わった駅でおりるなんて楽しそうな旅になりそうじゃないですか?

さて、作品ですが、四名の信者が残り少ない食料を心配しながら隠遁生活をおくるわけですが、そこは人間。食料のことで争い、一人、また一人と殺されていきます。犯人は誰なのか?誰が最後まで残るのか。手に汗握る感じですね。タイトルにあるとおり生存者は一名だけなんですけど、それが誰になるかってところがポイントです。最後のページまで目が離せなくて、さらに最後の一行まできたところで必ず途中のページまで戻ってしまうはずです。

でも、本土から船で10時間も離れた無人島に何ヶ月も住んでいられないだろうなぁ。広辞苑でもあれば、暇つぶしにもなるのだろうけど、そんな島まではきっとアマゾンは届けてくれないですものね。きっと活字中毒なんでしょうね、僕は。電車の中でだって、本を読み終わってしまって、ほかに読むモノがないときは困ってしまいますモノ。そういうときに満員電車はまわりに興味深い人が一人や二人はいるものだから楽なんですけどね。もちろん美人さんもいっぱいいますものね。ってこんな風に思える僕は幸福者なんでしょうね。




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2008年03月16日

葉桜の季節に君を想うということ-歌野晶午

「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野晶午

こんばんは。インフルエンザで寝込んでいて、外にでていない間に春がやってきていたんですね。冷たい風が吹いても、肌を刺すような痛い寒さではなくて、どこか優しいそんな春の風に変わっていましたね。

そんなこんなで今年も花見の季節がやってきましたね。今年も井の頭公園でやりたいと思います。kbbさんをみかけたら遠慮せずに入ってきてくださいね、ってこのブログを読んで見つけられたらとっても素敵な出会いですね(笑)今年も一升瓶をかかえながら大きな声で笑える花見にしたいなぁ。

それにしても、いやぁ今回は、すっかりダマされましたよ、歌野晶午に。こんな素敵なタイトルでこんな素敵な名前をもった作家さんがこんなふうに綺麗に騙してくれるとは。こんなふうに綺麗にダマされると気持ちいいですね。

この作品は内容をここにあらすじをかけないという、ちょっと書評ブログ泣かせの本なわけですが、ネタバレを望む方はどうぞ、検索してみてください。いろんなところでネタ明かしをしてくれています。でも、この作品だけは何の予備知識なしに一ページ目から順繰りに読んで欲しい。ミステリーであるということだけ知っていれば十分です。

ネタがあかされてから、最後の解説まで(表紙の写真は文庫版ですが、読んだのは単行本版でした)もうダマされないぞと一文字一文字一生懸命読んでいたのですが、それ以上騙すところはなかったようで、一気に疲れがたまってしまいましたが、そこまではすっきりと読ませてくれます。

大絶賛しているわけですが、ここで何も言えないのが辛い。あの子に好きっていう気持ちを言えなかった12年前のような気持ちです、ってそれは違うか(笑)

最後にあらすじを書けないので、この本の中にあった素敵で僕の賛同できる言葉達でしめくくりますね。これで少しは読みたくなってもらえるかしら。

着てみたいと思うことと着て似合うことは別物だ。

俺は逆に地方出身者にあこがれてますよ。帰るところがあるから。

男はね痩せ我慢の生き物なんだよ

非生産的な挑戦ってかっこいいよ。

人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、過ぎ去った若年無知の時代にあらず





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2008年03月10日

死体を買う男-歌野晶午

「死体を買う男」 歌野晶午

死体を買う男おはようございます。昨日はだいぶ楽になったと書きましたが、なんだかインフルエンザにかかっていたようです。午後から病院に行って来ますが、インフルエンザなんてかかった記憶がないので、びくびくしながらわくわく、と思うのは少し不謹慎かもしれませんね。

結局週末は本をほとんど読むことができませんでした。のどは痛いわ、変な汗がでてくるわでじっとしているのも辛くてうつらうつらしていました。ハードカバーは重くて満員電車の中で開くのが辛いので週末に家で読むことにしているんですけど、週に二日しかない休日が潰れてしまうとどんどんハードカバーが貯まっていってしまいますね。ただでさえ積ん読がいっぱいあるのに・・・。

さて、先週読み終わっていながらまだ記事にしていなかったのがこの作品。「死体を買う男」です。最近マイブームの歌野晶午ですよ。なんか最近気付いたんですけど、僕のブログってア行の名前をもつ作家さんが多くないですか?ブックオフとかでア行から順番にみていって、ハ行ぐらいまで来るといっぱい本を持ちすぎていて疲れちゃうからなんでしょうかね。

閑話休題

というわけで、江戸川乱歩の未発表作品が発見された!?というところから物語ははじまるのですが、その作品と地の文が交互にでてくる作中作という趣向がこらしてあります。江戸川乱歩と荻原朔太郎が謎解きをするというのも不思議な感じがしますね。

まぁ江戸川乱歩などの作品を好きな人はそういった観点からも楽しめる作品なのかもしれないですけど、江戸川乱歩作品を読んだことがない人でも二重三重のどんでん返しに驚かせてもらえる作品になっていますよ。

歌野晶午は「葉桜の季節に君を想うということ」をハードカバーでもっているので週末に読みたかったんですけど、また来週以降になっちゃいそうですね。はやく片づけて本屋さんにいきたかったのにぃ。




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2008年01月24日

さらわれたい女-歌野晶午

「さらわれたい女」 歌野晶午

さらわれたい女散り行きて
  桜に道を
    ゆずりても
      白き美しさ
        思う人あり

もうちょっと後の季節でしたけど、ずっと昔に詠んだ歌です。散ってしまって誰にも見向きされなくなった梅があまりにもかわいそうで、俺は忘れないぞって宣言してみました。

そんなふうに和歌ばっかり詠んでいると思っていた人の本を買ってみました。歌野晶午です。以前「このミステリーがすごい!」第一位に選ばれて結構売れたであろう、「葉桜の季節に君を想うということ」を本屋さんで見て、その詩集のようなカバーと詩人のような名前で、本を開くこともせずに通り過ぎたのをよく覚えています。

先日「さらわれたい女」を本屋さんでみつけて、思い詰めた顔の女性の顔に、「あれ!?勘違いしてたのかしら」って開いてみたら本格ミステリーでした。結論から言ってしまえば、最初の本の時の勘違いが大きな間違いでした。歌野晶午も本のタイトルと名前でだいぶ損しているとは思いますけどね。今年はなんだか素敵な作家さんに出会える年のようです。実社会でもこんな素敵な出会いがつづけばいいのですけど・・・。

まぁなにはともあれ、おもしろかったです。アイデアも(自分にとっては)斬新でしたし、最後まで何回あったか思い出せないほどあったどんでん返しに本を閉じたあとも心がいつまでも躍っていました。

そしてなにより、「あとがき〜あるいは読前の注意」というところに今では古くなってしまったアイデアについての説明が書かれていて、この作者に対してとっても好感をもってしまいました。これが作品に対してここまでベタ惚れしてしまった原因なのかもしれないですね。

あとがきで歌野晶午は1997年当時携帯電話をもっていないし、今後ももつつもりはないと、言っていますが今でも持っていないんでしょうかね。そういうところが気になるのは野次馬根性なのかもしれないですけど・・・。次に読む彼の作品は「葉桜の季節に君を想うということ」になると思います。たのしみー。



posted by kbb at 20:52 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 歌野晶午

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