本のタイトルは過去記事またはアマゾンへ飛びます。出版社等の確認にどうぞ。

2009年02月07日

こうふく あかの-西加奈子

「こうふく あかの」 西加奈子

こうふく あかのこんばんは。あんまり更新しないと、前回の痴漢はおまえじゃないかと疑われちゃいそうですね。あぶないあぶないだぜ。

さて、アントニオ猪木です。なんだかとってもこの人を尊敬しているというか、この人からパワーをもらっている人が多いと思うのですけど、僕にはわかりません。でも、アントニオ猪木のものまねをしている春一番という芸人は腎不全で手術しているときに薬も効かないのに、アントニオ猪木が見舞いに来て、こんなところにいないで外で飲みに行こうぜ、って言ったとたんに具合がどんどんよくなっていったらしく、すでに退院して仕事もしているみたいです。アントニオ猪木ってすごい人なんですね。

さて、西加奈子「こうふく あかの」です。「こうふく みどりの」の続きのようなものです。よう、といったのはこれが明示的に続きとは言われていないからです。むしろどっちが続きなのかもわかりません。「あか」からでも「みどり」からでも読んだらいいと思います。僕の場合「みどり」は高校生の緑ちゃんが主人公だったので、先に読み始めたってだけの問題でした。こちらは疲れ切ったサラリーマンが主人公です。

この小説でもアントニオ猪木はいろんな人に影響を与えています。小さい頃にアントニオ猪木の映像を見たことによって2039年に人気もなくなったプロレスのリングにあがることになった男。
そして、現在の日本で旅行にいった奥さんに誰の子からもわからない子供を妊娠された疲れた課長さん。でもかっこつけの彼はそんなこと誰にもいえるはずもなく、仕事もできない(と思っている)同期にだけ二人で飲んだときについ言ってしまう。しかも飲みにいったのはリングのある飲み屋。そこではアントニオ猪木の試合のビデオが延々流されている。

そんなにアントニオ猪木の試合ってすごかったのかしら、と全盛期を知らない僕は思ってしまうのです。今日テレビ朝日でアントニオ猪木対モハメド・アリの試合の裏側を全部見せる番組をやっていたみたいですね。残念ながら見ることはできなかったのですけど、再放送でやってくれないですかね。

youtubeでアントニオ猪木が引退のときにリング上で言った言葉を見つけました。
「道」という詩のようです。


人は歩みを止めた時に、

そして、

挑戦をあきらめた時に年老いていくのだと思います。

この道を行けばどうなるものか

危ぶむなかれ

危ぶめば道はなし

踏み出せば

その一足が道となり

その一足が道となる

迷わずゆけよ

行けばわかるさ


迷いに迷って失敗をおそれてそして自分にいいわけをして結局いかないことの多い僕です。それじゃあいけないってアントニオ猪木も言っているんですね。




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ他の方の書評を読む。

posted by kbb at 23:37 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 西加奈子

2009年02月04日

こうふく みどりの-西加奈子

「こうふく みどりの」 西加奈子

こうふく みどりのこんばんは。

今朝通勤中に京王線で痴漢が捕まっているのを目撃しました。
被害者とおぼしき女性が男性を駅員さんに突きだしていました。なんだかこわくなってしまいました。
冤罪だったら自分がその立場になりえるわけででこわいですし。
もしあれが本当にやっていたとしたら、あんな締め切られた孤立した箱の中にそんなやつと一緒に入れられていたのかと思うともっとこわい気がしました。

そんな怖さはがこの人の作品には全然見あたらない。西加奈子です。「こうふく あかの」と前後編といえる「こうふく みどりの」です。どちらが前でどちらが後っていうのはないんですけど、なんとなく、っていうか実際つながっているんですけど、明示的につながりが示されているわけではありません。

というわけでまずは「みどり」の方からです。

辰巳緑の家は女系家族。おじいちゃんは失踪中で母親は不倫の末に私を生んだ。おばの藍ちゃんは旦那と離婚の予定で、娘の桃ちゃんを連れて実家に戻ってきている。おばあちゃんには不思議な力があって人がいなくなったりでてきたりするのが見えるらしい。というわけで知らないおばさんがうちにはよく来る。
コジマケンという転校生がやってきた。突然私の前に現れて、いい名前だな、なんて言う。意識しないわけがない。モテモテの友達、明日香との関係がコジマケンのせいでぎくしゃくしてしまった。でもコジマケンが好きだったのは藍ちゃんだった。
そんな緑の日常が描かれている間に挟まれてもう一つ別のストーリーが描かれる。最初は全然別の物語のように見えるそれが、緑と、辰巳家と関係を持ってくる。

西加奈子の描く物語は日常のなんでもないことがだらだらと描かれている。だらだら描かれているのはいやだ、なんてつい最近「しょっぱいドライブ」で書いたばかりなのに、だらだらという点では西加奈子も同じようなものじゃないかしら。とりたてて事件が起こるわけでもないですしね。でも西加奈子の物語は好きなんだよなぁ。そこに悪意がないからかもしれない。それは、だらだら、ぐらぐらしていてもどっちに転んでも、どっちも悪い方に転ぶことがないからだと思う。「しょっぱいドライブ」ではそっちいっちゃうのぉ?でもそっちいっていいのぉ?なんて感じでだらだらしていたんだけど、西加奈子の場合はそっちいってもいいけど、こっちもいいんじゃない?まぁはやく決めてよね。なんて思いながら遠くから眺めている余裕を持てるんだよなぁ。なんだかわがままいっているだけのような気がしてきましたけどね(笑)。

まぁどっちにしろなんとなく安心できる西加奈子はやっぱりいいよねぇ、って感じが伝わればうれしいんですけどね。




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ他の方の書評を読む。

posted by kbb at 23:26 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 西加奈子

2008年06月25日

きいろいゾウ-西加奈子

「きいろいゾウ」 西加奈子

きいろいゾウこんばんは。最近なんだか、田舎に住みたいって欲求がでてきています。飽きっぽい僕は満員電車に飽きちゃったんでしょうかね。山が間近にせまるような景色を思い浮かべているんですけど、そんなところで何ができるってわけでもないんですけどね。自分が食べるぐらいのキュウリとトマトを育てて、ネギは掘り返さないようにしながら毎日少しずつ伸ばして、ジャガイモで一冬を越す。そうやって生きていくのが人間にとって一番幸せなんじゃないかしらって思うのは、きっとただの逃げなんでしょうね。

さて、MOWさんのおかげで出会えた、最近一押しの作家さん、西加奈子の「きいろいゾウ」です。最近新刊を二冊もだして結構波にのっている作家さんですよね。今回の舞台は田舎。長野の小布施あたりを想像したんですけど、実際はどこだったんでしょうかね。大阪弁をしゃべる二人だから、岡山あたりかもしれませんね。そんな田舎に住む夫婦二人の物語です。

奥さんは旦那のことをムコさんと呼ぶ。旦那は奥さんのことをツマと呼ぶ。その理由は是非本書を読んでください。そのエピソードで捕まったら最後まで止まることのない西加奈子ワールドに引き込まれること間違いないです。ツマとムコさんのお話が交互に組まれています。よくできていますよ。

西加奈子の作品を紹介するたんびに同じこと言っている気がしますけど、西加奈子ってほんとに周りのすべてが大好きなんでしょうね。それが証拠に、今回の主人公ツマはいろんなものの声を聞きます。野良犬やソテツ、クモや隣に住むアレチさん。まぁアレチさんは人間なので、声が聞こえるのは当然なんですけどね(笑)。

そんな風にツマの目を通して描かれた世界とムコさんの目を通して描かれた世界がいかにバラバラか。それなのに、いかに同じかってことが作品を通して語られていきます。そして、ところどころ挟まれるきいろいゾウの童話が最後に、ほっほーって感じでした。

こういう夫婦になりたい。そして夫婦でこんな生活がしたい。そんな風に思わせてくれる小説でした。西加奈子はきっと、素敵な恋愛を現在進行中な気がします。そうじゃなきゃこんな風に愛のこもった目で全てを見られるはずがないもの!




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ 他の方の書評を読む。

posted by kbb at 22:39 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(1) | 西加奈子

2008年06月03日

あおい-西加奈子

「あおい」 西加奈子

あおいこんばんは。

seesaaのサービスで検索ワードを調べられるんですけど、以前こんなワードで検索していらっしゃった人がいるようです。

ナイスボディーになるには


その方はこのブログを読んで答えをみつけられたんでしょうかね。ってか、そんなのを検索してネットの海にこぎ出したその人の目的地はどこだったんでしょうかね。気になりますね。

さて、そんな目的地もわからず、だけどしっかりと生きていく、そんな年頃がテーマの作品「あおい」です。以前「さくら」を読んで是非この人の作品を読んでみたいと言っておきましたが、やっとですね。


「あおい」は西加奈子のデビュー作です。「さくら」を読んだときに、妹が欲しくなったと書きましたが、この「あおい」を読んでもその気持ちは変わりません。というか、西加奈子の作品にでてくる女の子を妹に欲しいのかもしれないね。そんな風にかわいらしい女の子を描くのがうまいです。男の子を描くのもうまいです。ホットケーキを描くのも、夕方のファミリーレストランを描くのも、男性を描くのも女性を描くのもうまいです。なんに対してもしっかりと愛情をもって観察して、それを適切な言葉で表しています。

タチアオイってどんな花なんでしょうかね。誰の心にもある、タチアオイを是非みつけたい。彼女はそれを逃亡中の長野の山道でみつけたようだけれど、僕のタチアオイはどこにあるんだろうか。

「ナイスボディーになるには」で検索した人のその方法がどこかにきっとあるようにね。

一緒に収録されている、"サムのこと"もおすすめなので、是非よんでみてください。願わくば、みんなのタチアオイが見つかりますように。



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ 他の方の書評を読む。

posted by kbb at 21:20 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(2) | 西加奈子

2008年04月23日

さくら-西加奈子

「さくら」 西加奈子

さくらこんばんは。以前MOWさんのところで紹介されていた(著者や主人公が、と言う意味ではなく)女の子の作品「さくら」です。

なんというか、この作品、大好きになりました。読む前は「さくら」というのが桜だと思っていたんですけど、それは主人公の薫の実家で飼われている犬の名前。犬好きにはたまらない作品です。犬好きだけでなく、母親好き、父親好き、お兄ちゃん好き、妹好き、どんな人にもたまらない作品になっています。

この作品を通して見えること。それは作者の何に対しても見える愛情。犬や家族だけでなく、まわりにいる知らない人、そこらに咲いている雑草全てを愛おしく思っているんだろうな、そんな風に思えます。

この作品には何かに対するネガティブな表現はない。それが最後でぶわーってきてどわーって心を揺さぶってくれます。

僕には兄貴がいます。ここではまだ書けないけど、そのどうしようもない兄貴には二度と会いたいとおもいません。でも、この作品を読んでいるときは、兄貴が欲しくなってしまった。無い物ねだりだったんでしょうか。

妹が欲しくなりました。こんなかわいい妹がいたら、誰からでも(その必要はないけれど)守ってあげたくなる。そんな妹が欲しい。ってなんだか父親みたいな気持ちになってしまいました。

こんな娘がいたら、毎日気が気ではないでしょうね。門限を厳しくしたり、ストーカーのように後をつけてしまうかもしれない。だから娘はいらない。男は勝手に生きていけばいい。そんな風に思ってしまうんですよね。

娘や息子の前にいろいろと考えなきゃいけないことがありそうですけどね(笑)

MOWさん、素敵な本のご紹介。ありがとう。
ありがとうとごめんなさいはタイミングを逃せば逃すほど言えなくなるって最近気付いたんです。だからこれからはありがとうを言い忘れないようにするぞ!




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ 他の方の書評を読む。

posted by kbb at 21:41 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(2) | 西加奈子

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。