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2009年04月04日

風に舞いあがるビニールシート-森絵都

「風に舞いあがるビニールシート」 森絵都

風に舞いあがるビニールシートこんにちは。
桜がきれいですねぇ。近所の桜並木を車で走ってきたのですけど、風に舞う花びらがきれいでthe春!って感じで顔が自然とにやけてしまいます。やはり今週にしておけばよかったんですね。来年はもっと綿密な調査をしてから日程を決定するべきなのかもしれないですね。

さて、森絵都「風に舞いあがるビニールシート」。短編集です。6編の短編が収録されています。

おいしいケーキを焼くヒロミ。弥生は彼女にふりまわされっぱなし。しかしその理由だけでふりまわされるのは十分だった。そんな弥生の大切なものを描いた"器を探して"。

30を過ぎて場末のスナックで働くことになった恵利子。彼女がそこで働く理由は「犬」のためだった。殺処分される犬を一匹でも多く救いたい。そんな恵利子を描いた"犬の散歩"。

30を過ぎて大学に入り、しかし仕事が忙しくて単位を落としてしまう。そんな大学生の祐介が助けを求めたのはレポート代筆をしてくれるニシナミユキだった。しかし彼女は彼の頼みを聞き入れてくれようとしない。そんな物語の"守護神"。

通販のパンフレットを制作している野田はある日、載せていた商品が誇大広告であるとお客さんからクレームを受ける。その客先に一緒に向かうことになったのは商品を制作している玩具メーカーの若い営業。車に乗るや否や携帯を取り出し、いろんなところにかけまくっている。静かになったと思ったら寝てしまう。そんな世代のギャップを感じていると、彼の電話の内容が気になってくる。昔の夢を思い出してしまった野田がした行動は、ってお話の"ジェネレーションX"。

そんな感じの6編が収録されています。自分の大切なものとどう向き合うかそんなことを教えてくれる短編集だと思います。

表題作も国連の難民高等弁務官事務所で知り合い、そのまま結婚してしまった里佳の旦那はフィールドが仕事場の専門職員のエド。彼の職場は電話も手紙も届かないような過酷な場所。そんな彼を求めてしまうあまり離婚してしまった二人。そして離婚後にアフガニスタンから届いた彼の訃報を聞いた里佳の物語です。

難民キャンプでは人々は風に舞うビニールシートのように軽々と飛ばされていく。誰かが彼らを助けなければならない。それを自らの使命にしてしまったエド。しかし里佳も二人の生活を支えるパートナーが欲しい。そうやって二人の葛藤が続いていきます。

使命感に燃えている人とつきあっていくのは確かに大変で、自らの生活も一緒になってやっていきたいと思う里佳の気持ちもわかるけど、そういう人を好きになってしまったのだからあきらめなさい、とも簡単には言えない。

自分の大切なものをいかに人と共有すればいいのか、そんな難しさがわかる作品でした。そして最後に里佳を慰めるために事務所のみんなが彼女にサプライズパーティーを開きます。それがどんなものかは読んでのお楽しみです。この季節にぴったしですよ。

里佳が共有できなかったものと引き替え桜の美しさは誰とでも共有できるからいいですよね。来年のお花見が楽しみです。



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2008年07月19日

DIVE!!4 コンクリート・ドラゴン-森絵都

「DIVE!!4 コンクリート・ドラゴン」 森絵都

DIVE!!4こんばんは。

とうとう「DIVE!!」も終わってしまいます。漢字に全部ふりがなが振ってあって読みにくかったり、途中で突然著者の声が入ったりして視点変更についていけないところも有りましたが、なんとか読み終えることができました。っていっても、なんとかっていうよりはむさぼり読んだって言う方が正しいですけどね。小学生のころにこんな作品に出会っていればよかった。でも、エロ本の描写や、女性コーチの水着姿を見て、形のいいお尻、なんて描写がでてくるからPTAあたりから有害図書に指定されてしまいそうですけどね。

この作品、まだ見ていないのですけど、映画にもなっているそうですね。シドニーオリンピックが目指す舞台でしたけど、映画では北京オリンピックってなってるのかもしれないですね。最後の方をちょこちょこっと変えるだけでいいから楽ですよね。これって言い換えれば、日本のダイビングという競技をとりまく環境がまったく変わっていないってことなんでしょうけどね。

この作品を読んで、ダイビング選手なんかがでてきたら森絵都も大喜びでしょうね。
今度は「ラン」という陸上物を書いているようで、作者としてこういう青春一直線物を書き上げるカタルシスのようなものを感じてしまったのかも知れないですね。

先日本屋さんに行ったら「DIVE!!」が一冊になった単行本が発売されていました。作者によるアイデアノートなんかも付録としてついていたので、思わず買いそうになってしまいました。講談社さんったら商売上手なんだから、もぅ。でもさすがに四冊が一冊にまとまっているので、分厚くて電車の中ではよめそうにないと思いましたけどね。作者の気に入らないところを大幅に書き直した、なんて書いてあったので、視点移動のまずさなんかは直っているのかもしれないですね。

重くて持ち歩けないってそんな人には文庫本「DIVE!! 上下」ですね。ってこの作品、よく考えたら関連商品がいっぱいなんですね。それだけ売れているってことなんでしょうけどね。

まぁでも世の中にこれだけ出回れば少しはダイビングも注目されるかもしれないですね。今度のオリンピックではダイビングに注目ですね。マイナー競技も結構おもしろいものですよ。ライフルなんて静かで、実況の人も解説の人もたんたんとしゃべっているところへ、銃声がタンッってなるだけですものね。

まわりがセミの声で騒がしい夏ぐらいそうやって過ごすのもいいですよね。



DIVE!!上 DIVE!!下

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posted by kbb at 03:03 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 森絵都

2008年07月18日

DIVE!!3 SSスペシャル'99-森絵都

「DIVE!!3 SSスペシャル'99」 森絵都

DIVE!!3こんばんは。

愛知のバスジャック事件ですけど、三崎亜記の「バスジャック」を読んで犯行を思い立ったものじゃないことを祈っております。犯行方法を聞いてみると乗客の携帯電話を取り上げたりと、いくつか同じようなことが書いてあった気がするので、心配です。それにしても、こういう事件がおこるたびになにかのメディアのせいにしようとする報道機関ってどうなんでしょうかね。新聞やテレビ、雑誌なんかに毒されて事件を起こす人もいるかもしれないのに、漫画やアニメはやり玉にあがる。そんなことをいったら、良識のある大人のすすめる、読書にこそ人をひきつける、のめりこませる何かがあると思いますけどね。推理小説の中では何人も様々な方法で人が殺されていますし、ポルノ雑誌なんかよりももっと過激な性描写なんて村上春樹の作品にだってでてきますものね。

まぁそういう作品ばっかりではないからこそ、本というメディアがもっているのでしょうけどね。もちろん上述したような作品も否定するつもりはまったくありませんけどね。

さて、こういう事件を起こす少年たちにこそ読んで欲しい、「DIVE!! 3」です。

中学生、高校生が大人のつくったルールで戦わされる。しかも大人たちのことまでその肩に負わされて。オリンピック代表になれないとクラブがつぶされてしまうというプレッシャーの中で行われる練習と大会。そんな時に高校生の要一がオリンピック代表に決まった。しかし、それは大人たちの自分勝手な理論による、大会も行われないままの内定だった。

子供にだってそんな大人のつくったルールをぶち壊すことができる。むしろ、ダイビングのトップ選手の彼らはもう大人たちと対等にいられる力を手に入れているのかもしれないですね。飛び込み台の上に行ったら結局一人ですしね。

こういう作品を読むと、自分もトレーニングしてみようかしらとか、少しは身体を動かさないと、とかって流されやすい性格の僕ですが、高所恐怖症の僕には3メートルの飛び込み台の上にも立てないでしょうね。

そんなことを想像しながら本を読むと、実際なにかをやるとき、今バスジャックなんて起こしたらどうなるのだろうかって頭をよぎると思うんですけど、どうなんでしょうかね。ナイフを持ってバスに乗ったり、とかまではするかもしれないけど、そのナイフを取り出して声を出す段階に自分を止める何かに、そういう想像力がなるのだと思う。本をいっぱい読もう。そして、それをそのまま受け入れずに自分を投影して読もう。そう思う。もちろんそれには作者の、作品の強さが必要なのはいうまでもないことですけどね。




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posted by kbb at 00:32 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 森絵都

2008年07月17日

DIVE!!2 スワンダイブ-森絵都

「DIVE!!2 スワンダイブ」 森絵都

DIVE!!2こんばんは。

きのうの記事を改めて読み返してみると、なんだか本の紹介をまったくしていないですね。表現と伝わることについてせっかく考えたのにね。オリンピックイヤーにふさわしい作品なのに、なんだかもったいない。

きょうのは昨日の「DIVE!! 1」の続編ですね。そういえば「バッテリー」は途中でとまったまんまですね。だって買いにいけないんだもーん(涙)

というわけで、DIVE!!から終わらせましょう。

さて、第二巻になって、中国で行われるアジア合同合宿の選考会が行われます。高校生ダイバーで父親が元オリンピック選手でもあり、コーチでもある要一が第一候補なんですけど、彼とともに合宿にいけるのは誰なのか!?っていうのが主なあらすじになります。

10メートルの飛び込み台から1.4秒をかけてダイブする。そんなダイビングという競技なのに、10メートルの飛び込み台に上るまでにかける時間はとてつもなく長いものです。練習やそれにつれておこる葛藤。自分自身への不信感。様々なものを胸に抱えて飛び込み台への階段を上る。そうやって上っても飛んでしまえばあとは運が大きな要素となってしまう、採点競技という難しさ。

そういうところを描くのが森絵都はうまいですね。児童文学をやっているからなのか、それとも才能なのか、子供の気持ちを描くのがうまい。そうそう、おれもそう思ったことがある、なんて本当にそうだったかどうかわからないまま、同意させられてしまう、文章の強さがあります。

ってやっぱり今日もちゃんと紹介できていないですね。きっとちゃんと消化できていないのかもしれないですね。最近食べ過ぎなんですよ。飲み過ぎっていう問題もありますけどね。っていうわけで、本でも読んでから寝ようっと。ってそれがさらに消化不良を起こすのにね。




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posted by kbb at 00:34 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 森絵都

2008年07月16日

DIVE!!1 前宙返り3回半抱え型-森絵都

「DIVE!!1 前宙返り3回半抱え型」 森絵都

DIVE!!1おはようございます。

昨日の夜、NHKで放送していた「爆笑問題のニッポンの教養」という番組をみていました。爆笑問題の二人がいろんな学者のところにいき、話を聞くという番組で、昨日は東京藝術大学の学長、宮田さんが出演していました。この宮田さん、東京駅の新しくなった銀の鈴とかをつくっている人なんですね。芸術家ということで話は表現のコミュニケーションというテーマになっていきます。爆笑問題の太田がいつものように回りくどい言い方でなにかを伝えようとしてやっとたどりついた結論を聞いて宮田さんがひと言、その言葉だけ言えばいいんだよ、とそういうニュアンスの言葉を言っていました。宮田さんは金属工芸家ということですけど、芸術家の表現って、絵画や彫刻などいろんな形容詞をつけるわけにいかないですものね。でも爆笑問題は言葉を使って表現している。言葉ほどよけいなものが簡単につけられるものはないですものね。そういったよけいなものをつけることができない表現をしている宮田さんは達観しています。伝えたいことがあって、それと違ったことが伝わったとしてもそれでいいじゃないか、と。爆笑問題の太田としてはきっとそれが一番こわいんだと思います。だからこそ形容詞をつけて説明しようとする。そうすると本当に伝えたいことはかすんでいく。悪循環なんでしょうね。

ってこの記事も宮田さんのいうところのよけいなものがいっぱいくっついちゃっていますけどね。さて、スポーツで表現している、ダイビングをテーマにしている森絵都の作品「DIVE!!」です。全四巻なんて長いなぁと思いつつ、読み始めてみました。でもおもしろい作品ならどんなに長くても簡単によめちゃうものなんですね。新しい発見でした。

ミズキダイビングクラブでダイビングをする中学、高校の男の子たちの物語です。赤字経営のミズキダイビングクラブは創業者が亡くなったとたんに親会社からつぶされてしまう可能性がでてきた。オリンピック選手をだせば存続させると約束させた創業者の娘にしてダイビングのコーチ麻木。彼女が見いだした選手は四人のうち知季だった。

友情とそれを優先することのできない競技。ライバルとなったら甘い顔なんてできない。でもここまで一緒にやってきた仲間だから大切にしたい。そんなジレンマを抱えがらどんどん実力を伸ばしていく知季。

若いっていいなぁって作品ですね。なんでもできる。未来と可能性は同義ですね。森絵都の読みやすい文章と若々しい彼らがすごくマッチしています。

上記の学長さんなんですけど、もう60を過ぎているというのに、外見も内面もすっごい若い人で自分を表現している人はいつまでも若くいられるってことなのかもしれないですね。番組の最後にこんな言葉がでていました。

本当に伝えたいことは、いつだって言葉にできない


僕は絵もかけない。ノミをふるうこともできない。でもなにかを表現していきたいと思っています。だからこそ言葉を使って伝えないといけないわけです。稚拙な表現しかできないけど、言葉を捨てることはできないのです。




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posted by kbb at 07:57 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 森絵都

2007年10月31日

ショート・トリップ-森絵都

「ショート・トリップ」 森絵都 

おはようございます。昨日相変わらず飲み過ぎて頭の痛い朝となりました。ワインは体に合わないんですね。体にいいと言われているものを体が受け付けないとはなんともいえない悲しさがあります。

さてさて、森絵都の「ショート・トリップ」です。以前「カラフル」を読んだのですが、なかなかおもしろい文章を書く人だなぁっとちょっと気になったところで本屋さんでみつけたので思わず買っちゃいました。元々児童作家出身の人のようで、読みやすい文章にちょっとひねりを加えたストーリーがかみあってすーっと本の世界に入っていける人ですね。

「ショート・トリップ」は毎日中学生新聞に連載されていたもののようで、こういう作品に小さい頃から触れていると本嫌いなんていなくなるんじゃないかしらね。そういえば最近では学校で朝に読書の時間があるようで、本を好きな子どもが増えているようですね。嬉しい限りです。

で、「ショート・トリップ」なんですが、3ページぐらいの作品が48編はいっているのですが「カラフル」に比べると文章が短いせいか、ちょっと物足りないって感じですね。森絵都の世界に入っていくというよりかは彼女の世界への鍵を渡されてあとは自分で探検してね、って感じの作品でした。まぁ想像力を鍛えるにはもってこいの作品なのかもしれないですね。

で、いくつか面白い作品があったのですが、その中でもディズニーランドを風刺を効かせて皮肉っている作品があってこれが一番すきでした。ミッキーの苦悩というか、洗脳をうまく言い表せているなぁって感心しちゃいました。僕自身は最後のオチがあって、初めてディズニーランドのことを言っているのがわかって、読み返してなるほどぉって感じだったんですが、ディズニーランド好きの人に読んでもらったら最初の方からミッキーとその仲間たちだってすぐに分かったらしいんですけどね。まぁ自分自身あのファンタジーの国があまり好きではないのでしょうがないですけどね。

そういえば、つい先日ディズニーランドに行ったときに、入り口で入園券を買い、それが「パスポート」って名前であることにふと気付いて、ファンタジーの国にこれから入国するんだって実感させられました。うまくできているなぁ、なんて感心してしまいましたよ。

さて、自分自身のおとぎの世界に行ってきます。(^-^)/~ またねっ
posted by kbb at 10:19 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 森絵都

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